インプラントにおける難症例:9

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前回は『異種骨』についてお話しました。
『異種骨』はGBR法やサイナスリフト法を行うにあたり効果がある移植材であることをお話しました。
しかし、その素材上使用するかしないかは歯科医師自身の考えによるものです。
ちなみに日本では厚生労働省の認可をうけているものもありますが、海外の論文で『効果有り』とされていても日本では認可を受けていないものもあります。

今回は『人工骨』です。
人工骨には大きく分けて以下の種類があります。
1. ハイドロキシアパタイト
2. リン酸三カルシウム(TCP)
3. 硫酸カルシウム
4. 炭酸カルシウム
5. 生体活性ガラス
です。
化学の授業みたいで疲れますね。
もちろん名前を覚えることはありません。
『こんなものが使われている』と思っていただければいいと思います。
『ハイドロキシアパタイト』は人工の骨移植材(骨補填材)として歯科の中で最も普及している材料の一つです。
あまり難しいとなんなので、簡単にその性状をお話します。
『ハイドロキシアパタイト』は無機質でできているもので、骨の基本的な構成成分です。
良い点はとも悪い点とも言えるのが生体内で吸収しないということです。
吸収しないということは移植しても『ハイドロキシアパタイト』自体は骨にはならないということです。
移植した場所に単に存在するだけのものです。
本来インプラントとして望まれる骨移植材(骨補填材)は一定期間その形態を維持し、その後骨に置き換わることです。
つまり骨が新生(再生)するのには時間がかかります。
あまり早期に吸収してしまうと骨はできないからです。
先程『ハイドロキシアパタイト』は吸収しないと書きましたが、それでは骨にならないから意味はないということになります。
しかし、吸収しないという点は良いことにもつながります。
この利点については後で説明します。

次回は『リン酸三カルシウム(TCP)』です。

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