最新インプラント症例ブログ

2008年1月21日

プラットホーム・スイッチング:platform switching:その3

1/21(月曜日)です。

プラットホーム・スイッチングのの3回目です。

今日は『インプラント埋入後に骨が吸収する?』になります。

puratto2
クリックすると画像が拡大されます。






上の写真は前回お話しました。『インプラントの構造』です。
この構造が基本になります。

インプラント手術時に埋め込むインプラント本体を『フィクスチャー』と言います。
このフィクスチャーが骨と結合するまで、下顎で約2〜3ヶ月、上顎で約3〜4ヶ月待ちます。
その後、インプラント本体に土台を装着し、型を取ります。
この時の土台を『アバットメント』と言います。
アバットメント(土台) は ネジ式になっており、フィクスチャー(インプラント本体)に回して固定されます。
(通常の機械に使用する“ネジ”とほとんど同じようなものです)

この『フィクスチャー』『アバットメント』の接合部(境目)が
問題となります。
いくら精度を高めても必ず境目は存在します。

インプラントの接合部(フィクスチャーとアバットメントの接合部)は通常のネジとは比べものにならないくらい精度が高いものですが、この接合部の隙間を完全に無くすことはできません。

このわずかに生じた隙間(マイクロギャップ)は細菌が増殖するためのスペースになる可能性があるのです。

この接合部に炎症が及ぶと生体の原理(Biological Width)から
骨は吸収するようになります。
吸収する距離は約1〜2ミリです。
これは、『体内と外界とを閉鎖するには一定の厚さの上皮が必要である』と言う生体の原理によって起ることです。
生体の原理(Biological Width)は私達歯科医師が、インプラントを学ぶために非常に大切な事項の一つなのです。


以下はインプラント埋入後に起る骨吸収についての論文の一部です。
『インプラント埋入後に機能圧を加えて最初の1年で、接合部に約1mmの
 骨の収が生じる』
Alberktsson T:Int J Oral Maxillofac Impl 1(1):11-25,1986 
Esposito M:Clin Oral Impl Res 4(3):151-157,1993
Javanovic SA: Pract Periodont Aesthet Dent 11(5):551-558, 1999
Saadoun AP: Pract Periodont Aesthet Dent 11(9):1063-1072,1999

まとめますと、
『従来のインプラント本体(フィクスチャー)と土台(アバットメント)では、その境目(接合部)から約1〜2ミリ程度 骨は吸収する』
ということです。

さらに詳しく説明しますと、
プラットホームスイッチングでは、
境目(接合部)が内側に設定されるため(接合部にステップがあるため)、インプラントと骨との接合部が粘膜で覆われる。
その結果、歯肉の厚みが増える。
歯肉の厚みが増えると血流量も増え、細菌に対する粘膜の抵抗力も増える。
これが、骨の吸収を防ぐというものです。


(下図を参考しして下さい)

puratto3
クリックすると拡大されます











例えば、10ミリの長さのインプラントを骨の中に埋め込んだとします。
インプラント自体は完全に骨の中に埋め込まれたとします。
しかし、時間の経過とともにインプラント周囲の骨は吸収を起こし、
おおよそ数年後には約1〜2ミリの骨が吸収を起こし、
最終的には骨に埋まっているインプラントの部分は8〜9ミリになってしまいます。

もちろんこうしたことは全てのケース(すべてのインプラントメーカー)に起るわけではありませんが、多くのインプラントには起りやすい現象です。
そのため、こうしたことをあらかじめ考慮したインプラントの埋入方法を行ったりすることがあります。
また、こうした骨の吸収を最小限に防ぐ形状のインプラントも存在します。

次回のブログは1/24(木曜日)になります。
次回のテーマは『従来のインプラントのおける骨吸収像』です。





今週(1/18〜20)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。

それでは、今週のインプラント手術の中からインプラント埋入と同時 『GBR法』および 抜歯即時インプラントおよびを 『ソケットリフト法』行った1症例について解説します。

上顎に3本のインプラントを埋入し、1本は骨の幅が少なかったため(骨の幅が細いため)、骨幅を増やす 『スプリッティング法』とインプラント埋入と同時の 『GBR法』を行いました。
また、1本は 抜歯即時インプラント
もう1本は 『ソケットリフト法』でした。

骨の幅は狭いところで、約3ミリ、平均では、約4〜5ミリ程度でした。
今回使用したインプラントの直径は4.1ミリです。
直径4.1ミリのインプラントを埋入するためには骨の幅が6ミリ以上ないといけません。
つまり、埋入したインプラントの周囲に1ミリ以上の余剰な骨が存在することが必要です。
しかし、上顎にインプラントを埋入する多くのケースでは、今回のように骨幅が少ないことが多く、インプラント治療を困難にしています。
そのため、骨幅を広げる 『スプリッティング法』や骨を増大させる 『GBR法』が必要になってきます。
また、1カ所は骨の高さが非常に少ない状態でした。
実際の骨の高さは5ミリ程度でした。
これでは、長さが5ミリ以下のインプラントしか埋入できないことになります。
長さ5ミリ以下のインプラントでは、安定が非常に悪いのが現状です。
インプラントとしては適していません。
そのため、 『ソケットリフト法』を行い、長さ10ミリのインプラントを埋入することにしました。
詳細は、 『ソケットリフト法』をご覧になって下さい。

使用したインプラントは、 ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)
SLAタイプ 直径4.1mm 長さ10mmが3本でした。

麻酔方法は 『静脈内鎮静法』 です。
静脈内鎮静法は寝ている間に治療が終了するため、治療を受ける患者様にとっては楽な麻酔方法です。

今回も通常のインプラント埋入以外にさまざまな治療法がでてきましたね。
各治療方法についてお分かりにならない方は下記を参考にして下さい。
『GBR法』
『スプリッティング法』
『ソケットリフト法』
抜歯即時インプラント

今回のように1回の手術で骨幅を増大させる 『スプリッティング法』 『GBR法』そして骨の高さが少ない場合に行う 『ソケットリフト法』を行うことは治療を受ける患者様にとって非常に有効な方法です。
治療回数や治療期間の削減になります。
インプラント治療は骨の幅が十分あれば、治療を受ける患者様にとってもさほど負担のないものですが、骨の幅や高さが少ない場合(吸収している場合)には、
さまざまな治療法を行うことが必要であり、患者様にとって負担となります。
そのため、できるかぎり、手術回数を減らす方法を行いたいと思います。

ブログランキングにご協力下さい。下記をクリックして下さい。
人気blogランキングへ
クリックしていただくとランキングに1票入ります。


大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医

神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは 治療費(費用)の説明や インプラント症例 無料相談コーナーもあります。
最近の投稿
カテゴリ
アーカイブ

PAGE TOP