インプラント治療後は腫れるのか?:その1

3/20(木曜日:春分の日)です。
今回から新しいテーマになります。
『インプラント治療後は腫れるのか?:その1』です。
これから、インプラント治療を始めようと思っていられる方は、治療後の腫れと痛みに対する不安があるかと思います。
今回は、『インプラント治療後は腫れるのか?』ということについて解説したいと思います。
骨の高さや幅に問題がなく、1〜3本程度の少ない埋入本数であれば腫れる可能性は低いかと思います。
しかし、同じ治療を行っても個人差があり、腫れる方もいれば腫れない方もいるのが現状です。
しかし、骨の吸収が大きく、インプラントを埋入するために、どうしても骨の増大治療を行う必要性がある場合には、腫れる確立は高くなります。
骨の増大治療とは、
1  『GBR法』
2   サイナスリフト法
等です。
以下はこの前ブログでも書きましたが、重要なことなので、書きたいと思います。
骨が吸収する原因として、歯周病があります。 歯周病とは、
歯周病細菌の感染により歯を支えている骨が吸収することです。
歯周病を放置すると骨はどんどんと吸収してしまい、
最終的には“歯がグラグラ”してきます。
この段階では、骨の吸収が大きく、単純にインプラントを行うことができ
ない可能性が高くなります。
他には、歯根破折があります。
歯根破折の原因の多くは神経がない歯で起こります。
神経のない歯はもろく通常の咬む力でも割れてしまうことがあります。
こうした状態を患者さんに説明する時に “木” に例えてお話しすることがあります。
生き生きとした木はたたいたり、蹴ったりしても折れたりすることはありませんが、枯れた木は折れる可能性があります。
神経を取った歯も枯れた木と同じような状態になります。
神経のない歯は血液供給がなくなるため、脆くなってしまうのです。
歯の根が破折してしまった場合、折れている場所にもよりますが、ほとんどの場合抜歯となります。
ここで問題なのが、折れてしまった歯が何とかならないものだろうかと考え、抜歯をためらい、時間が経過してしまうことです。
破折したままの状態でいると破折した部分から感染が起こり、周囲骨の吸収が起こります。
骨の吸収が大きく起こるとその後にインプラントを埋入する場合に非常に
不利な状態になります。
もし、歯根破折と診断された場合には早期に対処(抜歯となることが多い)
する必要性があります。
次に、歯がないまま(欠損のまま)にすると骨が吸収します。
不適切な義歯の使用や歯が抜けたままにしていると顎の骨は吸収してきます。
骨は機能圧(噛むカ)が加えられることによりその高さや幅は維持されます。
歯周病に問題がなく歯がきちんとあれば顎骨の吸収はほとんどありません。
しかし、抜歯を行うと個人差はありますが、必ず顎骨は吸収していきます。
特に、上顎の奥歯においては、骨が吸収するとインプラントが非常に困難になります。
さて、話は戻りますが、骨の吸収している場合、骨の増大治療を行う必要性があるため、インプラント治療後に腫れる確立が高くなります。
以下、インプラント治療後に腫れる原因を列挙します。
 インプラントの埋入や骨の増大治療を行うためには、骨自体に触れること
になります。
骨は外部(外気)に触れるとそれ自体が腫れの原因になります。
特に外気(部屋の空気)が汚れていると手術時にホコリが手術部位に触れ
ますので、腫れる可能性が高くなります。
もちろん手術器具自体が汚染されていると腫れの原因になります。
手術室の完備や滅菌が大切になります。
 インプラント埋入に使用する『ドリル』が原因の場合
骨内にインプラントを埋入する場合、専用の『ドリル』を使用します。
つまり、埋入するインプラントの直径と同等の大きさまで、
骨にドリルで穴を開けます。
骨に触れること自体が腫れを引き起こす原因になります。
回避することとして、
できるかぎり、『ドリル』を使用しない手術を行うことがあります。
『スプリッティング法』と言われる方法です。
しかし、この方法は骨が柔らかい上顎で応用することが多い治療法です。
また、『ドリル』の劣化も原因になります。
『切れ味の悪いドリル』を使用すると骨へのダメージが大きくなりますので
使用器具の品質管理も重要です。
『ドリルの使用回数(使用限度)』は、
骨の状態(硬い骨 か 柔らかい骨かの違い)によって違いますが、
5〜10回が限界です。
それ以上の劣化した状態での使用は、骨へのダメージがあるため、
きちんとした管理が必要です。
また、『ドリルの使用方法』です。
骨の硬さにもより違いますが、『回転速度』も大切です。
ドリルの使用 回転 速度が速いと、骨へのダメージは大きくなります。
簡単に言えば、ドリルの使用 回転 速度が速くなると『発熱』が大きくな
ります。
骨へ加わる『熱』は非常に悪影響です。
骨が『オーバーヒート:火傷(やけど)』状態になります。
ドリルの使用 回転 速度が遅いと、なかなか削れませんが、
速すぎても、骨へダメージが加わってしまいます。
ドリルによる骨へのオーバーヒート を防止する対策としては、
適切な形成速度を守ることと
ドリルで骨を形成する際に冷却した水で十分に冷やしながら行うことが
必要です。
また、当然のことですが、『ドリルの衛生管理』は非常に大切です。
インプラント治療における滅菌については以下を参考にされて下さい。
・インプラント治療における滅菌
この続きは次回にします。
次回のブログは3/24(月曜日)になります。
今日の続きで、『インプラント治療後に腫れる原因:その2』です。
今日は、話が長くなってしまたため、『今週のインプラント手術報告』は休ませていただきます。
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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医
神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは 治療費(費用)の説明や インプラント症例 無料相談コーナーもあります。