患者さんに優しいインプラント治療:その4

4/14(月曜日)です。
今日も前回の続きで、『患者さんに優しいインプラント治療:その4』になります。
優しい治療 その4:1回法インプラント
このシリーズのテーマである『患者さんに優しい治療』ですが、
インプラント治療はどうしてもインプラントを埋入する手術が必要です。
治療を受ける患者様にとっては、できるかぎり少ない手術回数で治療を行いたいものです。
インプラントの手術方法は、『1回法』『2回法』という治療方法があります。
この違いについては、下図を見ながら解説していきたいと思います。
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『1回法』は、インプラントを骨の中に埋め込んだ後、インプラントの上に付ける『蓋』が口腔内に見える状態で手術が終了します。
インプラントと骨が結合するまでそのまま待ちます。
そして、型を取る段階で、『蓋』を外し、土台を付け型を取ります。
つまり、手術が『1回』で終了するため、『1回法』と言います。
次に『2回法』ですが、インプラントを骨の中に埋め込む際に、完全に歯肉の中に埋め込んでしまいます。
そのため、手術直後は、インプラントがどこにあるか分からない状態です。
つまり、インプラント自体は歯肉の内部にあるからです。
そして先程を同様にインプラントと骨が結合するまでそのまま待ちます。
そして型を取る段階で歯肉の中に埋まっているインプラントを見える状態にします。
その際に、歯肉に切開を行い、歯肉の中に埋まっている インプラントの『蓋』を歯肉の上に出します。
つまり、2回の手術が必要なため、『2回法』と言います。
インプラントは、1950年にスウェーデンの化学者ペル・イングウァール・ブローネマルク博士によって発見されたもので、その当時は2回法でした。
このインプラントシステムはブロネマルクインプラントといい、最も歴史のあるインプラントであり、研究や臨床報告も非常に多数あり、現在でも最も信頼性のあるインプラントのひとつです。
その後、『2回法』の欠点を補うべくスイスから『1回法』のインプラントが開発されました。
これが ストローマン・インプラント ( I.T.Iインプラント)です。
現在日本において30種類以上のインプラントが使用されていますが、 ストローマン・インプラント ( I.T.Iインプラント)はその中でも最も研究報告が多く、優れたインプラントと言えるものです。
つまり、『1回法』『2回法』というものは、もともとはインプラントの開発コンセプトの違いから生じたものです。
現在のインプラントの多くはブロネマルク、 ストローマン・インプラント ( I.T.Iインプラント)を模範して作られたものです。
話は戻りますが、患者様にとっては、1回で終わる手術の方が『楽』なので、
だんだんと『1回法』が主流になりつつあります。
このテーマでもある『患者様に優しいインプラント治療』ということから考えても私は『できるかぎり』 『1回法』を選択しています。
『できるかぎり…』というのは、全てではありません。
『1回法』よりも『2回法』のが優れていることがあります。
また、『2回法』でなければ ならないこともあります。
それは、骨の高さや厚さが不足している場合などの骨再生法 (『GBR法』)が必要な場合です。 『GBR法』をインプラントと併用する場合は、感染のリスクがあるため、 ストローマン・インプラント ( I.T.Iインプラント)でも『2回法』で行います。
つまり、『1回法』『2回法』とはどちらが優れているのではなく、インプラントメーカーの開発コンセプトによって違いがあることと、 『GBR法』等の治療の併用によって異なるということです。
しかし、患者様の負担を考え、極力『1回法』で行ことは、『患者さんに優しい治療』になります。
次回のブログは4/17(木曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『患者さんに優しいインプラント治療:その5』です。
『今週のインプラント手術報告』は、特殊な治療(インプラント手術)ではなかったので、インプラント関連の話をしたいと思います。
インプラント治療を開始する前には、必ず 『インプラント治療計画書』をお渡しし、治療内容や治療費、治療期間、保証の話 等 インプラントに関することについてお話をさせていただいております。
今日は、その際に良く質問を受けることについて解説します。
被せ物の種類についてです。
被せ物の素材の違いで、費用も変わってくるため、患者様も悩みどころです。
以下は、 『インプラント治療計画書』で患者様にお渡ししている内容の一部です。
インプラント等の歯科で使用する被せ物には、大きく分けて、
1 オールセラミック( ジルコニア
2 セラミック
3 ハイブリッドセラミック
4 金属製
があります。
特徴を簡単に説明します。
始めに、セラミックハイブリッドセラミック の違いですが、
セラミックはいわゆる『陶器』と同じようなものです。
変色はせず、審美的に最も優れています。
また、汚れが付きにくく、歯周病のような方や、ブラッシングが十分できない方には適しています。
欠点としては非常に硬いため(天然歯よりも硬い)、噛み合う歯が天然歯の場合には天然歯が磨り減ってしまうことがあります。
次にハイブリッドセラミックですが、素材としてはセラミックにレジンという物を配合して作っています。
レジンとはプラスチックのようなものです。
このレジンを配合することにより硬さを天然歯とほぼ同程度にすることができます。
噛み合う歯が天然歯の場合には天然歯を磨り減らしたりする危険性が少なくなります。
また、セラミックは、その性質から欠けたりすると修復することが困難な材料ですが、ハイブリッドセラミックの場合にはもし欠けたとしてもある程度であれば口腔内で修復が可能です。
しかし、欠点としてはセラミックに比較して審美的には若干劣ります。
レジンは吸水性があるため若干の変色を起す可能性があります。
また、その吸水性のため汚れを付着しやすいという欠点があります。
被せ物は一般的には上記の2種類ですが、奥歯で審美的に問題がない部位は金属製の被せ物がよろしいかと思います。
金属ですが、噛み合わせの長期安定からすると最も優れている材質です。
長期的にはセラミックハイブリッドセラミックと同様に若干は磨り減りますが、かけたりすることはありません。
インプラントの被せ物としては一番お勧めです。
しかし、欠点として金属製ですので見た目に問題があります。
最も奥歯であればよいかと思いますが、少し手前になると見えてしまいます。
そのため多くの患者さんは金属を避ける傾向にありますが、私達からすると安全性の高い金属がいいと思います。
結論としてどれが優れているということではなく口腔内の状態により使い分ける必要性があるかと思います。
例えば、多数歯の被せ物を行う場合、見える前の部分をセラミックハイブリッドセラミック、見えにくい奥歯の部分を金属にするという方法もあります。
オールセラミック・ジルコニアについては、下記をクリックして下さい。
オールセラミック・ジルコニア
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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医
神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは 治療費(費用)の説明や インプラント症例 無料相談コーナーもあります。