インプラント症例:21回目

2/11(木曜日)です。
今日も『インプラント症例(21回目)』になります。
本日も以前から何回もお話している歯根破折 の症例です。
何度もこの歯根破折症例 を紹介するのには理由があります。
歯根破折 を起こし、抜歯となるケースが非常に多いのです。
抜歯となるケースでは 歯周病の次に多い理由となっています。
何回も歯根破折の症例をお見せするのは、神経がない歯の問題を分かっていただきたいからです。
以前の歯根破折のブログをご覧になっていない方は参考として以下をご覧になって下さい。
1.1/25の歯根破折症例
2. 1/14の歯根破折症例
3. 1/11の歯根破折症例
4. 1/ 7の歯根破折症例
本日の症例も神経のない歯が多く、次々に歯根破折 してきたケースです。
以下のレントゲン写真が初診時になります。
スライド01
神経のない歯が非常に多いのです。
以下のレントゲン写真の青丸は、神経がない歯です。
スライド04
今回歯根破折してきた歯は、下顎の左側の奥歯です。
スライド02
歯根破折した歯は、抜歯となりました。
スライド03
以下が抜歯後です。
スライド05
抜歯した後の治療方法には、
1.義歯(入れ歯)
2.欠損前後の歯を削りブリッジ
3.インプラント
が考えられます。
しかし、ブリッジはできるかぎり避けたいのです。
その理由として、下顎左側の抜歯した歯の前後の歯は、神経がない歯です。
神経がない歯をブリッジの土台とすることはあまり良いことではありません。
ブリッジは、欠損部位に加わる力を補うために、土台となる歯に分散する治療です。
そのため、ブリッジの土台となる歯が神経がない歯であった場合にはリスクが高まります。
このような場合にはインプラント治療の方が安全性が高いのです。
患者様もこうしたことにご理解され インプラント治療となりました。
以下は、インプラント治療後のレントゲンになります。
スライド06
その後のメインテナンスにて 暫くは問題がありませんでしたが、
上顎の右側奥歯に違和感がでてきました。
歯根破折 歯周病の問題が起こっていました。
本当に歯根破折 は多いです。
昨日診療した患者様の中でも2名の方が歯根破折 を起こしており、腫れを生じて来院されました。
本当に神経のない歯はリスクが高いのです。
神経のない歯をブリッジとした場合、約8年で問題が起こる確立が高いと言われています。
つまり、神経のない歯をブリッジにすると約8年で歯根破折 等の問題が生じることが多くなるのです。
ブリッジの予後についてのデータは以下を参考にして下さい。
天然歯ブリッジの予後についてのデータ
上顎右側奥歯は、歯根破折等の問題が起こっていたのです。
以下のその時のレントゲン写真です。
スライド1
同部は抜歯となりました。
スライド2
同部は骨吸収が起こっており、多くの問題を抱えていました。
いつものように骨吸収の状態を分かりやすくするために骨吸収の状態を線で書いたのが以下になります。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
骨が吸収してしまったのが分かるかと思います。
緑線は上顎洞です。
上顎洞(緑線の上方)は空洞です。
骨ではなく、穴が開いているのです。
上顎洞の詳細は、以下を参考にして下さい。
上顎洞
スライド09
さらに上顎洞をあらわしたのが、以下のレントゲン写真です。
緑色の部分が上顎洞です。
スライド10
緑色の部分は空洞ですので、骨が存在するのは、
赤線との間だけになります。
奥歯の部分では骨吸収が大きいため、骨の高さがほとんどないのが分かるかと思います。
この骨吸収がある部分にインプラントを埋入するためにソケットリフト法 を応用した治療計画を立てました。
スライド11
インプラント埋入後が以下のレントゲン写真になります。
スライド12
骨吸収がさらに進行していた場合には、インプラント治療は難しくなっていました。
他の歯についても神経がない歯が多いため、今後に不安が残ります。
次回のブログは2/15(月曜日)になります。
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