最新インプラント症例ブログ

カテゴリー: インプラント最新情報(NEW)の記事一覧
2007年7月26日

インプラント 歯周病 専門医のブログ:インプラントの即時荷重(負荷):その3

さて、今日も『早期荷重(負荷)』の続きです。

『早期荷重(負荷)』の臨床報告についての論文を紹介します。
この臨床報告で良いデータが発表されることが私達 臨床家において最も重視することです。

研究1:研究者 :Tarnow 
    発表論文誌:Int J Oral Maxillofac Implants 1997年
    上顎無顎の患者様に対し、10本のインプラントを埋入し、
    手術当日に固定式のブリッジの仮歯を装着した。『早期荷重(負荷)』
    1年後の評価では問題はまったく認められなかった。

研究2:研究者 :Kinsel 
    発表論文誌:Int J Oral Maxillofac Implants 2000年
    14人の上顎無顎の患者様に対し、各5〜10本のインプラントを埋
    入し、手術当日に固定式のブリッジの仮歯を装着した。
    『早期荷重(負荷)』とした。
    1〜5年後の評価では98%の成功率であった。

研究3:研究者 :Jaffin 
    発表論文誌:J Periodontol 2000年
    17人の下顎無顎および部分欠損の患者様に対し、各4〜8本のイン
    プラントを埋入し、手術当日に固定式のブリッジの仮歯を装着した。
    『早期荷重(負荷)』とした。
    1〜5年後の評価では99%の成功率であった。

研究4:研究者 :Chiapasco 
    発表論文誌:Clin Oral Implants 1997年
    194人の下顎無顎の患者様に対し、各4本のインプラントを埋入し、
    手術当日にインプラントを土台とした義歯を装着した。
    『早期荷重(負荷)』とした。
    2〜13年後の評価では97%の成功率であった。

まだまだこうした『早期荷重(負荷)』の臨床報告はいっぱいあります。
ただし、『インプラントの早期荷重(負荷)』の臨床応用はまだ始まったばかりであり、今度もっと多くの症例数と観察期間での論文報告が待たれます。

それではこうしたデータから考えるとどのような症例でも『早期荷重(負荷)』が行えるのでしょうか?
全ての症例に対して行える治療法ではありません。
『早期荷重(負荷)』は一定の基準を満たした、一部の症例にしか対応できないと言ってもいいでしょう。

明日は『早期荷重(負荷)』の問題点と適応症についてです。

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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医

神奈川県横浜市にある日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、GBR法、サイナスリフト、審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは治療費(費用)の説明やインプラント症例、無料相談コーナーもあります。

2007年7月25日

インプラント 歯周病 専門医のブログ:インプラントの即時荷重(負荷):その2

さて今日も昨日と同じインプラントの即時荷重(負荷)についての続きです。

インプラント埋入直後に仮歯を作製する『即時荷重(負荷)』ですが、昨日はこの方法は可能な治療法であることを書きました。
しかし、 骨とインプラントが結合するまでには時間がかかることも書きました。
またインプラントが骨と結合するまでは『安静』にしなければ、なりません。
この『安静』というのはどこまで、注意が必要であるのか?
また『即時荷重(負荷)』は必ず噛む力が加わりますが、どの程度であれば、大丈夫なのでしょうか?
今日はそうしたことの話になります。


『インプラント埋入(手術)直後、どれくらいの力が加わるとダメなのか?』

それでは上記にあったように
『本当にインプラントが骨とくっつく(結合)するまで、安静にしなければならないのか?』
と言うことです。
『ちょっとの弱い力でもダメになってしまうのか?』
『もし、弱い力が大丈夫であれば、その力はどの程度であれば大丈夫なのか?』
という疑問がでてきました。
こうした疑問は整形外科の研究発表からでてきました。

1973年に J Bone Joint Surg Br に発表された Dr Uhthoff の 論文です。
この論文では大腿骨に埋め込まれたスクリューは、『ほんのわずかな動揺(動き)』であれば、骨としっかり結合する
というものでした。
この『ほんのわずかな動揺(動き)』というのがポイントです。
多少の動きであれば、大丈夫(骨とくっつく)ということです。
それでは『多少』というのはどの程度なのでしょうか?
次の論文になります。

その後、歯科でも1998年に Szmukler-Moncler が J Biomed Mater Res に発表した論文ではインプラントの動きが50〜150ミクロン以内であれば、
インプラントと骨が結合(くっつく)のを阻害しないことを発表しました。
そうなのです。
『ほんのわずかな動揺(動き)』とは『50〜150ミクロン』ということです。

その他にも多くの研究によりインプラント埋入直後であっても過度な力でなく、インプラント自体が動かなければ、力を加えても大丈夫であるという発表が数多く報告されました。

こうしたことを元にし、『早期荷重(負荷)』の臨床への可能性が広がっていきました。

その後、臨床においても1998年頃から インプラントに『早期荷重(負荷)』
を行った経過の報告が多数ありました。

近年では、私達、インプラント臨床家もこうしたデータを元に
『早期荷重(負荷)インプラント』を行うようになってきました。

明日は基礎研究データではなく、実際の臨床データをもとにし、『早期荷重(負荷)』の可能性を解説します。

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2007年7月24日

インプラント 歯周病 専門医のブログ:インプラントの即時荷重(負荷):その1

さて今日から新しいテーマになります。
『インプラントの即時荷重(負荷)』です。
このテーマは最近HPでアップした内容ですが、ブログ用にまとめて解説します。


インプラント治療は骨に埋入してから骨とくっつく(結合)するまで時間がかかります。
骨の状態に問題がなくても、上顎で約3ヶ月、下顎で約2ヶ月です。
骨の状態が悪く、 GBR法 サイナスリフト法を併用した場合などはさらに時間がかかります。
そのため、義歯では噛めないという主訴をお持ちの患者様にとっては治療が終了するまで大変なことと思われます。
それではもっと治療は早くできないのか?
という疑問があります。
そこで今日からのテーマは1日で インプラント埋入から固定式の仮歯まで行う『即時荷重(負荷)』というテーマです。
つまり、1日で入れ歯から解放されるということです。

ただし、後で説明しますが、この『即時荷重(負荷)』は全てのケースに対して行える治療法ではありません。
一定の基準のもとであれば可能な治療法です。

それでは、ちょっと難しい話にはなりますが、本当に即時荷重(負荷)が可能かどうかを科学的根拠をもとに説明したいと思います。

『インプラントの即時荷重(負荷)』とは インプラントを埋入した当日に固定式の仮歯を作製し、装着する治療法です。
もちろんこれは仮歯ですが、固定式であり、今までのような取り外しの義歯ではありませんので、食事や審美的に問題があることはありません。
インプラントには興味はあるが、仕事上どうしても食事ができなかったり、会話に支障が生じるのは困るという患者様にも良い治療法です。

インプラント即時荷重(即時負荷)は
『本当に大丈夫なの?』
『インプラントと骨が結合するまで時間がかかるのでは?』
といった疑問があるかと思います。
全てのケースにおいてこの『インプラント即時荷重(即時負荷)』は行えるのではありません。
しかし、一定の基準があれば行える治療法です。

*ちなみにインプラント埋入当日から2日までに固定式の仮歯等でインプラン
 トに負荷(噛む力)をかけた場合を『即時荷重』もしくは『即時負荷』と言 
 います。
 それに対し、インプラントが骨と結合する通常の期間より早い段階でインプ
 ラントに負荷(噛む力)をかけた場合を『早期負荷』と言います。
 例えば、下顎の場合、 インプラント埋入後、骨と結合するまで2ヶ月以上は
 かかりますが、1ヶ月程度で負荷(噛む力)をかけた場合が
 『早期負荷』です。


それでは、なぜインプラントと骨が結合するまで時間がかかるのか?

一言で言えば、インプラントと骨が結合(くっつく)のは、
骨折した腕の骨や足の骨がくっつくことと同じです。
腕を骨折した場合、ギブスをして骨がくっつくまで、2ヶ月とか3ヶ月とか待ちます。
つまり骨折した部位を安静にする必要性があります。
インプラントと骨にも同様のことが言えます。
インプラント手術直後に無理な力が加わることは骨折した腕をギブスもせず、振り回したりするようなものです。
ちょっと考えただけでもくっつかない感じがしますよね。

元々、インプラントと骨が結合(くつく)期間は3〜6ヶ月とされてきました。
この理由となっているのが、1977年にScand J Plast Reconstr Surg Suppl に発表された論文が基本となっています。
この発表をしたのが Dr ブロネマルクです。
世界で最初のインプラントを開発した人です。
インプラントと骨が結合(くつく)3〜6ヶ月という期間は、この論文の1968〜1975年にわたる臨床試験に基づいたものです。

またその後のさまざまな研究によりその安静期間は実証されてきました。
ここはそうしたことを実証する論文を紹介します。

まず、1983年に Dr AlbrektssonJ が Prosthet Dent に発表した論文です。
この論文によれば、インプラント埋入(手術)直後にインプラントに無理な力を加えると、インプラントと骨は結合(くっつく)せず、線維性結合組織(粘膜と思って下さい)に覆われた。
との発表でした。

また、1992年に Dr Brunski が Clin Mater に発表した論文では、動物実験においてもインプラント埋入(手術)直後に力を加えると、インプラントは骨と結合せず、線維性結合組織(粘膜と思って下さい)に覆われた。
との発表でした。

上記のような発表は数多くあります。

しかし、その後多くの研究者により インプラントの開発は急速に進み、現在では最短で6週間で骨とくっつく(結合する)インプラントが開発されました。
この詳細は こちらをクリックして下さい。

この続きはまた明日!

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