最新インプラント症例ブログ

2010年2月18日

インプラント症例:23回目

2/18(木曜日)です。

大変盛り上がっているオリンピック、皆さん見てますか?
私は、朝、昼休み、夜、録画したビデオでも…
見まくっています。

特にアルペンスキーが好きなのですが、
今年は、フィギュアスケートが面白いですね。
昨日も興奮しました!!
日本人のレベルも高く、
男子は混戦していますし、ドキドキして見ています。
私自身、4年くらい前(荒川静香さんが金メダル取った時後)から 
アイススケート ショー や 全日本フィギュア や グランプリシリーズ もよく見に行っています。
4年程前は、チケットもわりと簡単に取れたのですが、
今シーズンの 全日本フィギュア や グランプリシリーズ はチケットを取るのが大変でした。
盛り上がり方もすごいですね。
特に キム ヨナさんが参加する大会には、韓国の方が本当に大勢いらしてます。
昨年の代々木体育館で行われたグランプリファイナルは、私の周りはほとんど韓国の方でした。

みなさん がんばってほしいですね。


さあ 始めましょう!
今日も前回の続きで、『インプラント症例:23回目』になります。
もう この症例も23回目です。
だいぶさまざまなケースを紹介してきました。
本日の症例は、上顎の歯が全てない方です。
歯を失った原因が『噛み合わせ』です。
噛み合わせが原因といっても 『噛み合わせって どのようなこと?』と思われるかもしれません。
噛み合わせが原因で歯がダメになると言っても、さまざまなことが考えられます。
本日紹介する症例は、夜間の噛む力が強いタイプの患者様です。
分かりやすく言えば、『歯ぎしり』や『くいしばり』が強い方です。
インプラントにトラブルが起こる原因として最も多いことです。
歯ぎしりでインプラントがダメになる?
本当に?
と思われているかもしれません。
しかし、この『歯ぎしり』や『くいしばり』は非常に問題なのです。

『歯ぎしり』や『くいしばり』でインプラントがダメになる話の前に
インプラントと天然歯の違いについてお話します。

天然歯には『歯根膜』というものが存在します。
『歯根膜』とは、歯の根の周囲にある薄い膜状のもので、
歯と骨をつなぐ『じん帯』のような役割をしています。

また、『歯根膜』の中には 咬む力を感知する知覚神経が存在します。
『歯根膜』には一定の幅があり、物を咬むとこの幅の分だけ歯は動きます。
つまり『歯根膜』は『クッション』のような役割をしています。
この『クッション』が噛む力をコントロールするのに非常に大切なのです。
しかし、インプラントには この『クッション(歯根膜)』は存在しません。
骨と『クッションがないインプラント』がダイレクトに骨と接触しているため、咬むカによって動くことは ほとんどありません。
そのため、噛合わせに問題がある場合には無理な力がインプラントに直接加わり 影響を及ぼします。
この詳細については以下を参考にして下さい。
    インプラントと天然歯の違い!

これで、インプラントと天然歯の違いが分かったと思います。

『私は、歯ぎしり や くいしばり をしていないから大丈夫!』
と思われているかもしれませんが、大きな間違いです。
『歯ぎしり』や『くいしばり』は、ほとんどの方がしていると言われています。
『ギリギリ』と音として聞こえる方もいれば、
まったく音がしない方もいらっしゃいます。
『歯ぎしり』と『くいしばり』によって歯はどんどんと削れていくのです。
硬い歯でも、被せ物の金属でも必ず すり減ります。
毎日のことですから、感じないとは思いますが、
歯を良く見ると、削れた痕(あと)があります。
『歯ぎしり』と『くいしばり』が強い方ですと、歯の1/3程度まで削れている場合があります。

さて前置きはこれくらいにして、
本当に噛む力によってインプラントがダメになるケースは多いのです。

今回ご紹介する症例も噛み合わせが非常に強いか方です。
まず、初診時のレントゲン写真と見ながら解説していきます。
患者様は、10年以上前に来院された方です。
その頃のレントゲンは、まだデジタルではありませんでした。
いわゆるフィルムのレントゲンです。
このブログのために古いレントゲンを探してきました。
フィルムレントゲンは、かなり劣化していましたので 写りが悪くてすみません。
スライド01

いつもと同じように骨吸収の状態を線で書いてみました。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
骨が吸収してしまったのが分かるかと思います。
黄色線は、鼻腔です。
鼻の穴です。
緑線は上顎洞です。
上顎洞(緑線の上方)は空洞です。
骨ではなく、穴が開いているのです。
上顎洞の詳細は、以下を参考にして下さい。
        上顎洞
スライド02

いつもこのブログを読まれている方は、だいぶ分かってきたと思います。
このレントゲン写真を見て、
『奥歯にはわりと骨吸収が少なく、骨の高さが残っている!』
と感じられたかもしれません。
そのとおりなのです。
上顎では、歯が1本も残っていませんが、わりと骨が しっかりしているのです。
このことから この方が歯を失った原因が予想できます。
もし、歯周病 歯根破折 が原因で歯を失った場合には、骨の吸収が起こっています。
また、下顎においても奥歯は骨吸収を起こしていますが、
前歯はわりと大丈夫です。
骨吸収が起こっていないのに歯がダメになる?
このようなケースでは、噛み合わせが原因の可能性が考えられます。
実際に患者様に『歯ぎしり』と『くいしばり』があるかどうかを聞いたことろ、
家族からも『歯ぎしり』と『くいしばり』があることを指摘されているとのことでした。

経験の浅い 若い歯科医師の場合、インプラント治療のために レントゲン撮影を行った結果、
この症例のように骨が十分ある場合、
『インプラント治療が楽で良かった!』と思うことがあります。
骨が十分存在していれば、インプラント治療はさほど難しくないからです。
しかし、これは大きな診断ミスです。
『これほど骨が残っているのに なぜ歯を失ったのか?』
ということを考える必要性があります。

患者様は、義歯(総入れ歯)を使用していましたが、
総入れ歯の違和感が非常に強く、入れ歯でない方法を希望されて来院されました。
診査の結果、下顎の左右2歯も抜歯と診断しました。
スライド03


そこで、上顎にはインプラントを複数本埋入し、インプラントによるブリッジの治療計画を立てました。
ここで問題となったのが、『歯ぎしり』と『くいしばり』の問題です。
『歯ぎしり』や『くいしばり』に問題がある方のインプラント治療は、どのようなことに注意が必要なのか?
ということを患者様に十分ご説明し、可能なかぎりリスクが少ない治療法をお話しました。

まずは、骨の状態をさらに把握するために診査を行いました。
以下は、×印を抜歯後に行った診査のためのレントゲン写真です。
スライド04

レントゲン上の細い棒状のものは、インプラントの埋入予定部位に 規格化されたピンを置き、
実際のインプラント埋入部位と実際の長さを計測するための診断方法です。
現在は、CT画像上 でインプラント埋入シュミレーションソフトを使用し解析できますが、10年以上前は、このようなピンを入れた状態で規格レントゲン写真を撮影することも多かったのです。

さてここで問題なのが、
何本のインプラントが必要か?
ということです。
もちろんインプラントの埋入本数が少なければ、治療費も安くすみます。
しかし、それが無理な設計であった場合には、
結果的にインプラントがダメになってしまいます。
適正なインプラントの本数が重要なのです。

もし、この患者様が『歯ぎしり』や『くいしばり』がなければ、
上顎に4本のインプラントを埋入し、ブリッジとすることも可能かもしれません。
以下のようなシュミレーションです。
スライド1

5本ではどうでしょうか?
スライド2

6本ではどうでしょうか?
スライド3

通常、インプラントの必要な本数は、欠損数の半数以上です。
下顎の欠損部位を考え、今回上顎に必要な歯の数は、12歯です。
つまり、6本のインプラントが必要と考えられます。
しかし、こうしたことは決まっていることではありません。
例えば、短いインプラントしか埋入できない場合には、インプラントの本数を増やして強度を増す必要性があります。
逆に長いインプラントが埋入可能であれば、インプラントの本数は少なくも大丈夫です。
そのため、ケースによっては、4本のインプラントも正解ですし、
5本のインプラントも正解です。
もちろん6本のインプラントでも正解です。

ここで先程のインプラントの診査のレントゲンを再度見てみましょう。
スライド1

左右の奥歯の骨の高さは、約8〜10ミリです。
8〜10ミリの骨の高さは、わりと吸収していない方ですが、
それでも十分な骨の高さではありません。
特に上顎左側の奥歯の中央部では、骨の高さが6ミリ程度しか存在しません。

現在の骨の高さ、『歯ぎしり』や『くいしばり』があることを考え、
最終的なインプラントの本数は、先程あった
欠損数の半数以上の数のインプラントに決定しました。
以下のようなシュミレーションです。
スライド4

上顎の左側は4本、右側は3本の合計7本のインプラントを埋入し、12歯分を作成する治療計画です。
また、より長いインプラントを埋入するためにソケットリフト法 を併用してインプラントを埋入しました。
治療後が以下のレントゲンになります。
スライド09

治療後のレントゲン写真に骨吸収の線を入力したのが以下になります。
スライド10

上顎洞内(緑色の線から上方は空洞です)に入り込んだ部分がソケットリフト法 を行った部位です。
『歯ぎしり』や『くいしばり』等が考えられる場合には、できるかぎり長いインプラントを埋入することが非常に重要なのです。

今回の症例のように
骨吸収の状態や『歯ぎしり』や『くいしばり』等を考え 最終的なインプラントの本数は決まるのです。
無理をした治療計画は、結果的に問題を引き起こします。

古い症例でレントゲンの写りが悪くてすみませんでした。


次回のブログは2/22(月曜日)になります。
次回も『インプラント症例』です。

今週(2/16〜17)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

昨日行ったインプラント手術は、インプラントモニター でした。

最近は、インプラントモニターの方がものすごく多くなっています。
10年程前にインプラントモニターの第1回目を募集したことがあったのですが、
この時には10名足らずでした。
現在は、毎日のようにインプラントモニターを希望されて来院されています。
やはり不況だからでしょうか?
症例もかなり集まってきたので、
そろそろ インプラントモニターも終了しようと考えていましたが、
予想以上の反響なので、暫く継続します。
ご希望の方は、是非ご利用下さい。


以下が初診時のレントゲン写真です。
スライド1

この患者様の治療計画 等は、インプラントモニター ですので、後日詳細に解説しますが、下顎の左右奥歯が欠損しています。
そのため、前歯に負担がかかり、上顎右側の前歯が取れてきた患者様です。
この状態でいると 前歯もダメになってきます。
最終的には ほとんどの歯がダメになっていくでしょう。
将来的なことを考えると 噛み合わせの安定が最も重要になります。
そのため、奥歯にインプラントを埋入する計画になったのです。
昨日は、1回目のインプラント埋入手術の日でした。
右下奥に2本のインプラントを埋入しました。
使用したインプラントは、ストローマンインプラント(ITIインプラント) です。
スライド1

現在上顎も治療途中になっています。
歯周病の治療、ダメな歯の抜歯、インプラントを含めた噛み合わせの安定 等
まだまだ治療する部位は多くあります。
全ての治療は計画をきちんと立てて行うことが
治療期間の短縮を考え 重要なことなのです。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約2〜3ヶ月待ちます。

治療費
インプラントモニターですので、1本168.000円(税込)になります。

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2010年2月15日

インプラント症例:22回目

2/15(月曜日)です。
今日も『インプラント症例:22回目』になります。

本日まで続いている この症例報告では、さまざまな問題を工夫して治療を行ったケースを紹介しています。その中でも今日は、かなり特殊な治療方法をご紹介します。

患者様は、初診時 上顎に2歯しか歯が存在しない方でした。
早速初診時のレントゲンを見てみましょう。
スライド01

上顎は、右の奥歯 と 左の前歯 だけが残っている状態でした。
この2歯に入れ歯の金具がかかっており、義歯を安定させていました。
しかし、上顎左側の前歯がグラグラしてきたため、来院されました。
診査の結果、この歯は歯根破折 していました。
スライド02

歯根破折しているため、抜歯と診断しました。
歯根破折の症例については前回のブログを始めとして何度も解説してきました。
スライド03

現在患者様は、義歯に対して大きな不満を持っていました。
もちろん義歯(入れ歯)ですから 違和感もありますし、わずらわしさもあります。
特に現在の義歯は、ガタガタしており、食事の際に動いたり、外れたり大変なことでした。
しかし、患者様がもっともご不満としているのが、
審美的な問題でした。
入れ歯を外すと 歯がまったくない状態になるため、
『審美的に恥ずかしい!』という思いがいつもあったようです。
上顎の左側前歯がダメになったこの機会になんとか
この問題(不満)を開始したいとのご希望がありました。
義歯を使用していてご不満がある場合には、義歯でない形態を作成することがもっとも確実な方法です。
具体的には、前歯から奥歯にかけて数本(6〜8本程度)のインプラントを埋入し、
インプラント ブリッジ とする方法です。
インプラント ブリッジ は、完全固定式ですので、元々 歯があった状態に近くまで回復できます。
もちろん取り外し式ではありませんので、違和感もありません。
しかし、歯がほとんどない患者様の場合、インプラント ブリッジ を行うためには さまざまな問題があります。
一つは、治療費用 の問題です。
ある程度の数のインプラントを埋入すると どうしても治療費がかかります。
もう一つは、骨の問題です。
インプラントは、骨の中にチタンでできたネジを埋め込む治療です。
そのため、骨吸収を起こしている場合には、インプラントを埋め込むことが非常に難しくなります。
このことは、このブログをいつもご覧になっている方は良く分かることですね。
骨吸収についてお分かりにならない方は以下の参考診療をご覧になって下さい。
いつもこのブログを読まれている方は飛ばして下さい。
  1.歯根破折
  2.歯がないまま長期間そのままになっている
  3.歯周病
今回ご紹介する患者様も骨吸収がかなり起こっていました。
これも いつもと同じように骨吸収の状態を線で書いてみました。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
骨が吸収してしまったのが分かるかと思います。
黄色線は、鼻腔です。
鼻の穴です。
緑線は上顎洞です。
上顎洞(緑線の上方)は空洞です。
骨ではなく、穴が開いているのです。
上顎洞の詳細は、以下を参考にして下さい。
        上顎洞
スライド04

もっと分かりやすくするために色で表してみましょう。
赤色の部分は、骨吸収した部分で、
緑色は空洞(上顎洞)です。
黄色も空洞です。
スライド05

このレントゲンから奥歯には骨がほとんど存在しないことが分かるかと思います。
この診査の結果、入れ歯でない インプラント ブリッジ をご希望される場合には、
骨吸収の大きい奥歯にもインプラントを埋入する必要性があることをお話しました。
しかし、先程のレントゲンでも分かるように 奥歯は骨吸収が非常に大きいので、
骨移植を伴うサイナスリフト法(上顎底挙上術) が必要であることを説明しました。
しかし、患者様は 『大変な治療は避けたい!』との希望がありましたので、奥歯の部分にインプラントを埋入することは断念しました。
また、治療費 の問題もありました。
患者様の一番のご希望としては、
『入れ歯を外した状態でも前歯がきちんとある(見える)状態になりたい!』
ということです。
さらに奥歯は
『入れ歯でも良いが きちんと噛めるようにしたい!』
というご希望もありました。
骨吸収の問題もあり、かなり難しいご希望です。
ただし、決定的なのは、奥歯にはインプラントを埋入せず、前歯を固定式にすることです。
以下のレントゲンのような範囲にのみインプラントを埋入することが必要です。
スライド06

白い線の外側は 骨吸収があるため、インプラントを埋入することはしません。
前歯の骨がある程度存在する部位のみにインプラントを埋入します。
そして、奥歯は義歯(入れ歯)を作成する治療計画にしました。
一般敵には、このような方法はあまり行わないのですが…

次に問題となるのは、インプラントの埋入本数です。
上顎の前歯部は、6歯分が欠損しています。
6歯の欠損を支えるために必要なインプラントの本数は何本かということです。
一般敵に 欠損数の半分程度のインプラントを埋入します。
例えば、歯が4歯欠損していれば必要なインプラントは2本です。
歯が6歯欠損していれば3本のインプラントが必要です。
ただし、これは決まっているものではありません。
埋入するインプラントの長さにも大きく関係します。
長いインプラントが埋入できれば、少ないインプラントの本数でも大丈夫ですが、
短いインプラントしが埋入できない場合には、インプラントの本数を増やすことが必要です。
今回の場合、奥歯の義歯(入れ歯)を支えることが必要ですし、
場合によっては、義歯を使用しない可能性もあります。
義歯を使用しなければ、インプラントを行った前歯のみに負担もかかります。
何本が良いのか悩むところです。
もちろん治療費さえ考えなければ、インプラントの本数は多い方が良いのです。

もう一つ問題なのが、治療期間中です。
上顎の前歯部にある『歯根破折した歯を先に抜歯したくない!』とのご希望がありました。
つまり、歯根破折した上顎の前歯部は、義歯を支えている大切な歯です。
これを抜歯すると義歯の安定が得られません。
もし、インプラント治療に先立ちこの歯を抜歯してしまうと
入れ歯はまったく安定しなくなってしまいます。
そのことから上顎の前歯部は抜歯しないで 先にインプラントを埋入し、
インプラントと骨が安定(くっついた)後に抜歯することにしました。
治療する側としては、さらに問題が大きくなりました。

さて、先程の話に戻りますが、必要なインプラントの本数です。
スライド07

2本はちょっと厳しいです。
スライド08

一般的に3本であれば問題ありませんが、義歯を固定することを考えば問題がある可能性もあります。
スライド09

最終的には4本のインプラントを埋入し、インプラントブリッジとし、奥歯の義歯の固定もかねました。
以下が治療後です。
スライド10

上顎左側の犬歯部は、後(インプラント埋入後)から抜歯する必要性があっため、
カンチレバー という方法をとりました。

この治療方法により、入れ歯を外した状態でも歯がないように見えることはありません。
また、奥歯にインプラントを埋入しないことで、骨移植 等の難しい(大変な)治療を避けることもできました。
また、患者様のご希望をかなえる範囲で最小限の治療費ですみました。
私たち歯科医師が結果だけをみれば、100%とは言えない方法です。
奥歯も骨移植をし、インプラントを埋入した方がより安全性が高い治療です。
また、前歯部を固定式(インプラントブリッジ)にせず、アタッチメント義歯 という方法もあります。
しかし、これらの方法では患者様のご希望をかなえることはできません。
将来的な安全性(安定性)、患者様のご希望といった中で考えた結果がこの治療方法です。
下顎左側の天然歯のブリッジは、治療費の削減もあり保険診療で行ってあります。
治療費を可能なかぎり抑えることが治療計画を立てる歯科医師として重要なことです。

次回からのインプラント症例でも 単にインプラントを埋入したという症例ではなく、
さまざまな問題点や治療に祭し工夫した症例等をご紹介したいと思います。
このような症例をご紹介することで患者様がもっといるさまざまなご不安を取り除くことにもつながると思います。


次回のブログは2/18(木曜日)になります。

今週(2/6〜9)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

今週末のインプラント手術はさほど難しい治療は少なかったです。
最近は 骨吸収が起こっていても、骨移植は可能なかぎり行わず、骨幅を押し広げる治療法を併用します。
こうした方法は、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法)
OAM(大口式)インプラントシステム と言います。

GBR法は骨の増大を行うためには必要な治療法です。
しかし、骨の吸収が大きい場合には、いくらGBR法を行っても完全に元の状態に回復させることが難しいのです。

つまりGBR法(骨再生治療)には限界 があるのです。

また、大幅な骨の増大(GBR法)を行うと
治療後の腫れ 等も大きく起こる可能性が高くなります。
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法)
OAM(大口式)インプラントシステム は、骨吸収を起こしている場合でも骨増大(GBR法)を最小限にできる治療法です。
私は最近のインプラント治療ではこうした方法をほとんどのケースで併用しています。
これにより、複雑な治療を避けることができ、治療後の腫れ等も以前に比べるとかなり少なくなりました。

以前のインプラント治療は ドリルで骨に穴を開け、骨が吸収している部位には 骨移植を行うことが一般的な治療方法でした。
しかし、最近は複雑な治療や患者様に負担がかかる治療は極力少なくする治療が行われるようになってきています。


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2010年2月11日

インプラント症例:21回目

2/11(木曜日)です。
今日も『インプラント症例(21回目)』になります。

本日も以前から何回もお話している歯根破折 の症例です。

何度もこの歯根破折症例 を紹介するのには理由があります。
歯根破折 を起こし、抜歯となるケースが非常に多いのです。
抜歯となるケースでは 歯周病の次に多い理由となっています。

何回も歯根破折の症例をお見せするのは、神経がない歯の問題を分かっていただきたいからです。

以前の歯根破折のブログをご覧になっていない方は参考として以下をご覧になって下さい。
  1.1/25の歯根破折症例
  2. 1/14の歯根破折症例
  3. 1/11の歯根破折症例
  4. 1/ 7の歯根破折症例

本日の症例も神経のない歯が多く、次々に歯根破折 してきたケースです。
以下のレントゲン写真が初診時になります。
スライド01

神経のない歯が非常に多いのです。
以下のレントゲン写真の青丸は、神経がない歯です。
スライド04

今回歯根破折してきた歯は、下顎の左側の奥歯です。
スライド02

歯根破折した歯は、抜歯となりました。
スライド03

以下が抜歯後です。
スライド05

抜歯した後の治療方法には、
1.義歯(入れ歯)
2.欠損前後の歯を削りブリッジ
3.インプラント
が考えられます。
しかし、ブリッジはできるかぎり避けたいのです。
その理由として、下顎左側の抜歯した歯の前後の歯は、神経がない歯です。
神経がない歯をブリッジの土台とすることはあまり良いことではありません。
ブリッジは、欠損部位に加わる力を補うために、土台となる歯に分散する治療です。
そのため、ブリッジの土台となる歯が神経がない歯であった場合にはリスクが高まります。
このような場合にはインプラント治療の方が安全性が高いのです。
患者様もこうしたことにご理解され インプラント治療となりました。
以下は、インプラント治療後のレントゲンになります。
スライド06

その後のメインテナンスにて 暫くは問題がありませんでしたが、
上顎の右側奥歯に違和感がでてきました。
歯根破折 歯周病の問題が起こっていました。
本当に歯根破折 は多いです。
昨日診療した患者様の中でも2名の方が歯根破折 を起こしており、腫れを生じて来院されました。
本当に神経のない歯はリスクが高いのです。
神経のない歯をブリッジとした場合、約8年で問題が起こる確立が高いと言われています。
つまり、神経のない歯をブリッジにすると約8年で歯根破折 等の問題が生じることが多くなるのです。
ブリッジの予後についてのデータは以下を参考にして下さい。
   天然歯ブリッジの予後についてのデータ
上顎右側奥歯は、歯根破折等の問題が起こっていたのです。
以下のその時のレントゲン写真です。
スライド1

同部は抜歯となりました。
スライド2

同部は骨吸収が起こっており、多くの問題を抱えていました。
いつものように骨吸収の状態を分かりやすくするために骨吸収の状態を線で書いたのが以下になります。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
骨が吸収してしまったのが分かるかと思います。
緑線は上顎洞です。
上顎洞(緑線の上方)は空洞です。
骨ではなく、穴が開いているのです。
上顎洞の詳細は、以下を参考にして下さい。
        上顎洞
スライド09

さらに上顎洞をあらわしたのが、以下のレントゲン写真です。
緑色の部分が上顎洞です。
スライド10

緑色の部分は空洞ですので、骨が存在するのは、
赤線との間だけになります。
奥歯の部分では骨吸収が大きいため、骨の高さがほとんどないのが分かるかと思います。
この骨吸収がある部分にインプラントを埋入するためにソケットリフト法 を応用した治療計画を立てました。
スライド11

インプラント埋入後が以下のレントゲン写真になります。
スライド12

骨吸収がさらに進行していた場合には、インプラント治療は難しくなっていました。
他の歯についても神経がない歯が多いため、今後に不安が残ります。

次回のブログは2/15(月曜日)になります。


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2010年2月8日

インプラントモニター:その20

2/8(月曜日)です。
今日も『インプラント症例:20回目』です。

本日の症例は、審美的なインプラント治療です。

上顎の前歯部 等の治療は、単に歯があれば良いということではありません。
審美的なことが重要になります。
本日の症例は、オールセラミッククラウン(ジルコニア)です。
詳しい内容は、実際の症例を見ながら解説します。
以下の写真は、治療前(初診)です。
前歯が欠損しています。
79-1 2

患者様は、欠損部の両側の歯を削るブリッジはどしても避けたいとの思いがあり、
インプラント治療をご希望されていました。
また、審美的に治療を行いたいとのご希望があり、
インプラント埋入後は、オールセラミックによる治療をご希望されました。
以下の写真は、インプラントを埋入した後の状態です。
79-1 3

金属色に見えるのは、インプラントの 『蓋』になります。
この『金属の蓋』は、普段見えるものではありません。
インプラント手術直後から『仮歯』が装着されますのでご心配はありません。
これは、インプラント手術後の状態が見えやすいように仮歯を取って写真撮影したものです。
仮歯にはいくつかの方法があり、
今回の症例では、欠損部の両側の歯に仮歯を接着剤で固定する方法を行いました。
機能的にも審美的にも大きな問題を起すことはありません。

インプラント埋入後、骨と結合するまで約3〜4ヶ月待ちます。
その後、先程の金属を蓋を取り、インプラントの土台を装着します。
インプラントの土台のことを『アバットメント』と言います。
アバットメント等のインプラントの構造については、以下を参考にして下さい。
   インプラントの構造(パーツ)
一般的にインプラントの土台は、金属製(チタン合金)になります。
ほとんどのインプラントがこの金属製の土台です。
以下の写真は、金属の土台(アバットメント)を装着した状態です。
79-2 3

もちろんこの金属のアバットメントが見えることはありません。
アバットメント(土台)の上にセラミック等の被せ物が装着されるためです。
しかし、審美性を考えれば土台(アバットメント)自体も金属を使用しない素材が良いのです。
金属をしない土台を ジルコニア アバットメント と言います。
以下の写真がジルコニア アバットメントを装着した状態です。
79-2 2

このジルコニア アバットメントが使用できるようになってから 審美性は今までと比較して格段に向上しました。
次に 土台(アバットメント)の上に装着される被せ物です。
いわゆる セラミックの歯です。
セラミックの素材を簡単に説明すると 瀬戸物です。
しかし、セラミックの被せ物(差し歯)と言っても 内面は金属でできています。
以下の写真は、セラミックの被せ物の内面(内側)から見たところです。
79-3 2

ちょっとわかりにくかもしれませんが、
セラミックの作成方法は、始めに金属のフレームを作成し、その上にセラミックを焼き付けて作成されます。
そのため、セラミックと言っても内部(内面)は金属なのです。
もし、内面が金属フレームでできていないと強度が弱く 割れたりしてしまうからです。
しかし、審美的に治療を行うためには、内面にもまったく金属を使用しない素材が適しています。
この被せ物を オールセラミック と言います。
以下の写真は、オールセラミック ジルコニア クラウン です。
79-3 3

金属をまったく使用しないということは、審美的な面だけではなく、金属アレルギー に対しても有効です。
以下が治療後です。
79-4 2

79-4 3


この症例で使用したインプラントは、アンキロス インプラント です。
ジルコニアアバットメントも同社のシステムです。
前歯部に適したインプラント(プラットホーム・スイッチング) システムです。

次回のブログは2/11(木曜日)になります。
次回も『インプラント症例』です。

今週(2/5〜7)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

昨日行ったケースは、かなり難しい症例でした。
上顎にインプラント埋入を2本埋入しました。
1カ所は、骨の2〜3ミリ程度しかない状態でした。
骨幅2〜3ミリというのは、結構厳しい状態です。
通常、インプラントの太さ(直径)は約4ミリ程度あります。
太さ(直径)4ミリのインプラントを埋入するためには約6ミリの骨幅がないといけません。
つまり、インプラントの太さ(直径)より、骨幅の方が太くないとダメなのです。
その骨2〜3ミリですから、大変なことと想像できると思います。
ちなみに骨吸収が起こる原因は以下のようなことです。
  1.歯根破折
  2.歯がないまま長期間そのままになっている
  3.歯周病
そのため、さまざまな治療法を駆使して、骨の増大を行い、インプラントを埋入しました。
OAMインプラントシステム(大口式インプラント)
GBR法です。

もう一カ所インプラントを埋入した部位は、骨の高さが非常に少ない状態でした。
通常上顎に安定したインプラントを埋入するためには、骨の高さが10ミリ程度ないといけません。
しかし、今回の症例は、骨の高さが約4ミリ程度しかなかったのです。
以下が初診時のレントゲンになります。
スライド1

分かりやすいように 骨吸収の状態を線で書いてみましょう。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
骨が吸収してしまったのが分かるかと思います。
緑線は上顎洞です。
上顎洞(緑線の上方)は空洞です。
骨ではなく、穴が開いているのです。
上顎洞の詳細は、以下を参考にして下さい。
        上顎洞
スライド2

上顎洞の中は空洞ですので、骨が存在するのは赤線緑線の間の約4mmしかありません。
スライド1

そのため、ソケットリフト法 を行い インプラントを埋入しました。

2本埋入した後が以下のレントゲンになります。
スライド3
使用したインプラントは、
左側(奥歯)が
ストローマンインプラント(ITIインプラント) で、
右側(前歯部)が
アンキロス インプラント です。
インプラント埋入後の状態に骨の線を記入したのが下のレントゲンです。
スライド2

初診時とインプラント埋入後を比較したのが以下のレントゲンです。
スライド4

2本埋入したうち 左側のインプラントのの先端がドーム上に膨れ上がっているのが分かるかと思います。
白っぽくなっているのが、ソケットリフト法 によって押し上げられた上顎洞 の中に挿入された人工骨です。
この人工骨が骨となるまで待つことになります。


今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3〜4ヶ月後に型を取ります。

治療費
インプラントが1本21万円(税込)です。
この中には、治療中のレントゲン撮影や薬代、型を取る費用、被せ物の費用、
今回のOAMインプラントシステム(大口式インプラント) GBR法ソケットリフト法 の費用も全て含まれています。
治療費を抑えたい方は、インプラントモニター(20%割引) をご利用下さい。
インプラントモニターですと1本 168.000円(税込)です。

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2010年2月4日

インプラントモニター:その19

2/4(木曜日)です。
今日も『インプラント症例19回目』になります。

インプラント症例報告も今日で19回目なので、
そろそろ いつもの情報コーナーに戻そうかと思っていますが、
『分かりやすくて 面白い!』というご意見も多いので、もう暫く続けたいと思います。

今日の症例は、前回と同様なケースです。
前回(2/1)のブログ では、矯正治療との組み合わせによる治療(途中で終わってしまいましたが…)をお話しました。
本日も矯正治療とインプラントの組み合わせになります。

このケースもだいぶ前の症例で、フィルムのレントゲン時代でしたので、だいぶ劣化しており、見にくいかもしれません。

患者様は、下顎の前歯部がもともと1歯分欠損しており、歯並びが悪く、歯ブラシも十分にできずに歯肉の炎症が強くなり、審美的にも問題があるので どうにかしたい とのご希望があり来院された方です。

早速初診時のレントゲンを見てみましょう。
スライド01

下顎の前歯部が先天的に1歯分欠損しているのです。
下の写真の赤丸の部分になります。
スライド02

分かりやすくするために、赤丸を拡大してみます。
スライド03

歯が斜めに傾いているのがはっきりと分かるかと思います。
歯が斜めになっているために骨吸収も起こっています。
スライド04

このような場合、歯ブラシがきないだけでなく、噛み合わせの変化も起こってきますし、審美的な問題も生じます。
どのような治療方針が考えられるのでしょうか?
一つ目の治療方法として、
以下のレントゲンのように1歯のみ抜歯します。
スライド05

そして、欠損の両側にある天然歯を削り、ブリッジとする方法です。
以下のような状態になります。
スライド06

しかし、 患者様は『歯を削る治療は行いたくない』 とのご希望がありました。
次の治療方法として、
斜めになっている歯を2歯分を抜歯し、
スライド07

3歯欠損となった部位に2本のインプラントを埋入し、インプラントブリッジとする方法です。
スライド08

しかし、患者様は抜歯すること自体もご希望されませんでした。
そこで 次の治療方法として、
斜めになっている歯を矯正的に動かし、
スライド09

できた隙間にインプラントを埋入する方法です。
スライド10

患者様は、この治療法を選択されました。
しかし、矯正治療は可能なかぎり簡単な方法で、短期間で行うこともご希望されました。
前回のブログ でも説明しましたように 私自身は、矯正医ではありませんので、簡単な矯正治療しか行えません。
もし、口腔内全体的な矯正治療を行う場合には、当医院の矯正医(現在は矯正医は勤務していません)に任せることになります。
ただし、どうしても矯正医に依頼すると矯正費用がかかってしまいます。
私が行えば、簡単な矯正治療であれば、インプラント治療の中に含まれますので、特別な費用がかかることはありません。
治療費を少しでも抑えたいという患者様のご希望もあることから
部分的な矯正治療を行うことになりました。
以下は、部分矯正が終了した状態です。
スライド11

この後、矯正治療によってできた隙間にインプラントがきちんと行えるかと診査します。
スライド12

確認後インプラントを埋入します。
スライド13

同じ症例であっても 治療方法は患者様のご希望によりかなり変わってきます。
患者様によっては、
治療期間が短い(短期間での治療)ことを最も重要視する場合もありますし、
歯を削らないことを重要視しすることもあります。
治療費を最も重要視することもあります。
また、将来的に最もリスクができくいようなベストな治療を望む場合もあります。
また、審美的なことを最重要とする場合もあります。
ご希望は患者様によってかなり違います。
今回は、
歯を削らない!
抜歯しない!
審美的に治療したい!
治療期間も可能なかぎり短く行いたい!
そして、治療費は最小限に抑えたい!
というご希望がありました。
そのため、今回のような治療となったのです。


次回のブログは2/8(月曜日)になります。
もう暫く『インプラント症例』になります。

今週(2/2〜3)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

昨日行ったインプラント治療はわりと珍しいインプラント手術でした。

どのような症例であったかと言いますと、
患者様が他歯科医院で20年程前に行った『ブレードタイプのインプラント』の摘出です。

まず、『ブレードタイプのインプラントとはなにか?』
というお話からしましょう。

現在使用されているインプラントは、ネジ型の形態をしています。
いつも このブログのレントゲン写真でみられるタイプです。
しかし、だいぶ昔(20〜30年以上前)には、
『ブレード』という形態もありました。
簡単に言えば、ネジより遥かに大きい、板状のプレートです。
以下のレントゲンがそのインプラントです。
BlogPaint

いつもこのブログで紹介しているインプラントとは
だいぶ違う形であることが分かると思います。

患者様は、このブレードタイプ インプラントの部分では違和感が強く、物を食べられないとのことでした。
口腔内診査をすると ブレードタイプ インプラントの部分は、グラグラ動いていました。
患者様は、ブレードタイプ インプラントを撤去し、
新しくインプラント治療を行いたい と強く希望していました。
しかし、この手のインプラントは、撤去が非常に大変なのです。
(グラグラはしているが、実際に取ろうと思っても なかなか取れないのです)

現在使用されているインプラントは、ほとんどがネジタイプです。
ネジタイプのインプラントは、右に回してねじ込んで骨の中に埋入します。
そのため、撤去する際には逆の左側に回します。
(実際には撤去することは 滅多にないですが…)

ネジタイプは、純チタンでできており、骨と強固に結合しています。
それに対し ブレードタイプ インプラントは、先程の穴のような部分に骨が入り込み
骨の中で動かないようになっているインプラントです。
骨とは直接くっついていないのです。
穴の中に骨が残っているため、撤去するには結構大変なのです。
当初患者様には、ブレードタイプ インプラントを撤去するのは大変なため、このままで様子をみましょうと ご説明していましたが、調子が悪く、どうしても撤去したいとのご希望が強くなってきたため、昨日の撤去となったのです。

全てを一体型で撤去するのは、難しいため、切断し2分割で撤去しました。
以下が 分割して撤去したブレードタイプ インプラントです。
IMG_8589

結構大変でした。
この後、インプラントの埋入になります。
もちろんネジタイプのインプラントです。

現在『プレートタイプのインプラント』は使用されていません。



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2010年2月1日

インプラントモニター:その18

2/1(月曜日)です。
『インプラント症例18回目』です。

本日で18回目となりました インプラント症例報告ですが、このブログでは一般的な症例というよりは、患者様のご希望とか 骨の吸収状態 等があり、治療を工夫した症例を紹介しています。
本日ご紹介する症例もそのようなケースです。

今までの症例をご覧になっていない方は、下にスクロールし、過去のブログをご覧になって下さい。
さまざなケースをご覧にいただけます。
現在インプラント治療で悩んでいる方では、参考となる症例もあるかもしれません。

それでは、本日の症例報告になります。
歯が欠損しているとさまざまなことが起こります。
 1.歯がない部分は、骨の吸収が起こります。
 2.歯がないと その周囲の歯が動いてしまいます。
このようなことが起こった場合、治療は難しくなっていきます。
本日の症例は、まさにそのようなケースです。
まず、初診のレントゲンから見てみましょう。
症例は、10年程前の症例になります。
スライド01

上顎左右奥歯と下顎左右奥歯が欠損していた患者様です。
欠損した状態を長く放置したため、歯の移動も起こっています。
特に上顎左側の奥歯では、歯が大きく傾斜しています。
他の部位についても欠損奥の歯が斜めに傾いています。
また、欠損部位では骨吸収も起こっています。
いつもと同じように骨吸収の状態を線で書いてみましょう。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
骨が吸収してしまったのが分かるかと思います。
緑線は上顎洞です。
上顎洞(緑線の上方)は空洞です。
骨ではなく、穴が開いているのです。
上顎洞の詳細は、以下を参考にして下さい。
        上顎洞
スライド02

次に 以下も いつものように 骨吸収の程度を分かりやすくするために 骨が吸収した領域を赤色で明示します。
スライド03

次のレントゲンは、上顎洞 を見やすくした状態です。
緑色の部分は空洞です。
スライド04

骨吸収の程度 と 上顎洞の穴を合わせたのが、以下のレントゲン写真です。スライド05

緑色の部分と赤色の間が現在存在している骨になります。
骨が非常に少ない(薄い)のがわかるかと思います。
ここまでは、いつものパターンと同じですね。
毎回ご覧になっていられる方はだいぶ分かってきているのではないでしょうか?
それでは、上顎の右側の奥歯に注目してみましょう。
スライド07

このレントゲンに先程の骨吸収の状態と上顎洞の状態を表示してみましょう。
スライド08

骨の高さが非常に少ないのが分かるかと思います。
もし、この状態のままでインプラントを埋入した場合には、以下のレントゲンのようになってしまいます。
スライド09
非常に短いインプラントしか埋入できません。
もし、このような状態であれば、インプラントは長く維持されることはありません。
そこで、以下のような方法を行い、少しでも長いインプラントを埋入する治療計画を立てました。
1.インプラントを斜めに埋入することにより、
  少しでも長いインプラントを埋入できるように
  する!
  これをインプラントの傾斜埋入と言います。
2.ソケットリフト法 を応用し、
  少しでも長いインプラントを埋入する!
上記のような方法を組み合わせることにより以下のレントゲンのように治療を行う計画を立てました。
スライド10

さて、次は、上顎左側です。
欠損を長く放置してしまったために、奥の歯が斜めに傾斜してしまったのです。
この部分を拡大してみましょう。
スライド11

これでは、インプラントを埋め込むための隙間もありませんね。
また、骨の吸収もかなり起こっています。
スライド12

もし、現状でインプラントを埋入すると以下のようになってしまいます。
スライド13

こんな細いインプラントはありませんし、もしあったとしても噛むことには まったく効果はありません。
このような場合には、歯を矯正的に動かし、歯の隙間を確保することが必要です。
スライド14

歯を動かすのが完了したら、インプラントを埋め込むのです。
こちろん骨吸収がありますので、ソケットリフト法 等の処置も必要になります。
スライド15

歯がない状態を長く放置するとこのように治療は複雑になります。
以下が最終的な治療計画になります。
スライド16

治療途中経過を見てみましょう!
まず、上顎右側の奥歯です。
スライド17

インプラントの傾斜埋入とソケットリフト法 を行うことで、患者様にも大きな負担をかけずにインプラントを埋入することができました。
次に上顎左側の奥歯です。
私自身は、矯正医ではありませんので、日常 矯正治療を行うことはほとんどありません。
しかし、このような斜めになった歯をもとに戻すことはさほど難しいことではありませんので、矯正医でなくても多くの歯科医師は対応できる治療です。
このような状態の場合には、歯科医院でご相談されて下さい。
スライド18

以下が上顎右側と下顎のインプラント治療が終了した状態と上顎の左側の矯正治療が終了した状態です。
スライド19

矯正治療はどうしても時間(期間)がかかる治療ですので、歯を動かしている間に他の治療は完了できます。
完了できる部位は、早く終わらせることにより、噛む部位もできます。
きちんとした治療計画を立てることで、スムーズな治療が行えるのです。

今日は、途中になってしまいましたが、これから出かけるところがあるのでこれで終了です。
思っていたよりブログ作成に時間がかかってしまいました。
すみません!


次回のブログは2/4(木曜日)になります。
次回も『インプラント症例』です。


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2010年1月28日

インプラントモニター:その17

1/28(木曜日)です。
今日も前回の続きで、『インプラント症例:17回目』になります。

始めにお知らせになります。
前回のインプラント基礎ブログ(毎週金曜日アップ) では、インプラントの使い回しの問題について解説をしました。
明日(1/29:金)のインプラント基礎ブログ でも その続きについて解説しますので、ご覧になって下さい。

本日のテーマは『どこまで治療を行うのか?』という話です。
欠損が多い方の場合、欠損全てをインプラント治療で行うとかなり大変なことになります。
治療費もかかります。
そのため、
『どこをインプラント治療で対応するのか?』
『インプラント以外の治療方法はないのか?』
『インプラント治療 と その他の治療 の組み合わせはないのか?』
等さまざまなことが考えられます。

本日の症例は、欠損が多数あり
治療費を抑えるために さまざまな治療方法を組み合わせて行ったケースです。
それでは早速見ていきましょう。
以下は初診のレントゲン写真です。
スライド01

歯がない部分が多数あります。
現在は 義歯(入れ歯)を使用していますが、上顎の前歯などは義歯を外すと歯がない状態になるので審美的に問題があるので どうにかしたい とのご希望があり来院されました。
インプラント治療をご希望されて来院されましたが、
欠損が多数あるので、歯がない部分全てにインプラント治療を行うと治療費がかなりかかります。
そこで 現在一番問題となっている部位のみにインプラント治療を行う計画になりました。
患者様が現在一番気になっているのが、上顎です。
そこで上顎にインプラント治療を行う計画を立てましたが、ここで問題がありました。
骨の吸収があったのです。
上顎の前歯部も骨吸収がありましたが、
一番骨吸収が大きかったのが、上顎右側の奥歯です。
いつもと同じように骨吸収の状態を線で書いてみましょう。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
骨が吸収してしまったのが分かるかと思います。
緑線は上顎洞です。
上顎洞(緑線の上方)は空洞です。
骨ではなく、穴が開いているのです。
上顎洞の詳細は、以下を参考にして下さい。
        上顎洞
スライド02

次に 以下も いつものように 骨吸収の程度を分かりやすくするために 骨が吸収した領域を赤色で明示します。
スライド03

次のレントゲンは、上顎洞 を見やすくした状態です。
緑色の部分は空洞です。
スライド04

骨吸収の程度 と 上顎洞の穴を合わせたのが、以下のレントゲン写真です。
スライド05

緑色の部分と赤色の間が現在存在している骨になります。
骨が非常に少ない(薄い)のがわかるかと思います。
上顎右側欠損部の奥は 骨吸収が大きいため、この部分にインプラントを埋入するのが難しい状態でした。
そのため、欠損部の手前の骨が一番残っている部位にインプラントを埋入し、
骨吸収が大きい部位には、インプラントを埋入しない治療計画を立てました。
カンチレバー という方法です。
このブログでもよくでてくる治療法の一つです。
ただし、カンチレバー は、一般的に行っている治療法ではありません。
このブログでは、骨移植を伴うサイナスリフト法(上顎底挙上術) 等の大変な治療を避けたりしたケースをご紹介しているために 頻繁に行っているように感じられるだけです。
最終的な治療計画は、以下のレントゲンのようになりました。
スライド07

上顎の右側の奥歯は、カンチレバー でインプラントブリッジとし、
上顎前歯部は インプラントによるブリッジ、
下顎は、治療費を抑えるためにインプラントは避け、
右側の奥歯は天然歯によるブリッジ、
左側の奥歯は 天然歯のブリッジができなかったため、義歯(入れ歯)になりました。
下顎の欠損部の義歯は、作成しても違和感が強く 使用しない可能性が高かったため、
きちんと奥歯で噛める部位を確保するため、右側を天然歯ブリッジを行うことにしました。
ちなみに 上顎の治療計画 と 骨吸収の状態を合わせたのが 以下のレントゲンになります。
スライド08

上顎右側の奥歯では、骨吸収している部位を避けてカンチレバー によるインプラント治療計画を立てていることが分かると思います。
今回のテーマは、欠損部全てに対し インプラント治療を行うのではなく、
治療費削減を目的として、
まず、最も重要視している部位にインプラントを埋入する計画になっています。
そのため、インプラント治療以外の欠損部 等については、全て保険診療で行っています。
ブリッジは、ほとんどのケースで健康保険が適応されます。
例えば、奥歯に1歯欠損があった場合の治療費は、ブリッジを装着時に約8.000円程度です。
できるかぎり費用をかけずに 最小限の範囲で最大限の効果を得るためには、
インプラント治療と保険治療を組み合わせることが有効です。
しかし、この症例の患者様の場合、神経がない歯が非常に多く ブリッジが最適な状態ではありませんでした。
神経がない歯は以下のレントゲンの青丸になります。
スライド06

神経のない歯が非常に多いのが分かります。
いつも説明していますが、神経のない歯は脆く さまざまなトラブルが起こりやすい 状態です。
今回 下顎右側奥歯の欠損部には、神経のない歯によるブリッジを選択しました。
もちろん 神経のない歯同士でのブリッジは、リスクが高い治療にはなります。
しかし、欠損部全てにインプラント治療を行うことは、治療費の点から無理なことでした。
理想的な治療方法としては、以下のような方法がベストと考えられます。
スライド09

スライド10

しかし、今回は理想的な治療計画ではなく
上顎のみにインプラントを埋入し、
きちんと噛む部位を確保するために下顎の右側のみを保険適応のブリッジで作成したのです。
以下が治療後のレントゲン写真です。
スライド11

ちなみに この症例で使用したインプラントは、アンキロス インプラント です。
昨年から 前歯部等の審美的な部位では、このアンキロス インプラント を使用する頻度が高くなりました。
非常に優れていると感じています。

ベスト治療計画というのは、単に欠損の状態だけでは決まりません。
費用 対 効果が最大限に達成される治療計画を立てることも重要なことなのです。
将来的には、下顎(左側)にもインプラント治療を行えばさらに噛む能力がアップするでしょう。

また、治療費を抑える方法として インプラントモニターをご利用されることも有効です。
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これは、静脈内鎮静法 でインプラント治療を行いたいが、麻酔費用がかかるのがネックと考えられ 断念されるケースがでてきたためです。
そのため、暫くの間 試験的に無料とさせていただくことにしました。
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次回のブログは2/1(月曜日)になります。
次回も『インプラント症例』です。



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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医

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HPでは 治療費(費用)の説明や インプラント症例 無料相談コーナーもあります。
2010年1月25日

インプラントモニター:その16

1/25(月曜日)です。
今日も『インプラント症例』になります。

本日も以前お話した歯根破折 の症例です。

しかし、今回の歯根破折 症例は、初診時に神経のない歯をどうするのかを非常に悩んだケースです。
以前にもお話しましたように 神経のない歯は非常に脆く、突然折れたりするリスクが高いものです。
そのため、インプラント治療だけでなく、口腔内全体の治療計画を立てる際には、神経のない歯をどのように考えるかにより 治療方針が大きく変わってきます。
具体的には、
神経のない歯を残して治療を行うのか?
神経のない歯は、リスクが高いとして抜歯するのか?
という選択に悩まされることがあります。

本日は、そのようなことを考えていきたと思います。

以前の歯根破折のブログをご覧になっていない方は参考として以下をご覧になって下さい。
  1. 1/14の歯根破折症例
  2. 1/11の歯根破折症例
  3. 1/ 7の歯根破折症例

患者様は10年程前の症例です。
以下は、初診時のレントゲン写真です。
以前は 現在使用しているようなデジタルレントゲンではなかったため、
フィルムのレントゲンを使用していました。
フィルムのレントゲンは、劣化するので
写りは 悪いですが、ご覧になって下さい。
スライド01

上顎右側の奥歯 と 下顎左側の奥歯が欠損しており、
下顎右側の奥歯も虫歯と欠損がありました。
患者様は、義歯(入れ歯)は 違和感が非常に強く
使用できないため、インプラント治療をご希望されました。
インプラント治療に先立ちインプラントの検査 を行いました。
その結果、上顎右側では骨の吸収がかなり起こっていました。
どれくらい骨吸収が進行しているかを分かりやすくするために、
骨の状態を線で書いたのが以下になります。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
骨が吸収してしまったのが分かるかと思います。
緑線は上顎洞です。
上顎洞(緑線の上方)は空洞です。
骨ではなく、穴が開いているのです。
上顎洞の詳細は、以下を参考にして下さい。
        上顎洞
スライド02

さらに骨吸収の程度を分かりやすくするために、以下のレントゲンをご覧になって下さい。
スライド03

上のレントゲン写真において赤色で囲まれている部分が骨が吸収した領域です。
骨が吸収する原因は いろいろと考えられますが、大きな原因としては以下のようなことになります。
  歯根破折にる骨吸収
  歯周病による骨吸収
  歯が欠損のままのために起こった骨吸収
です。

次のレントゲンは、上顎洞 を見やすくした状態です。
スライド04

緑色の部分は空洞です。
骨吸収の程度 と 上顎洞の穴を合わせたのが、以下のレントゲン写真です。
スライド05

緑色の部分と赤色の間が現在存在している骨になります。
骨が非常に少ない(薄い)のがわかるかと思います。
このままでインプラントを行うと非常に短いインプラントしか埋入することはできません。
スライド06

これでは、安定した状態とは言えません。
そこでソケットリフト法 を行い、可能なかぎり長いインプラントを埋入する計画を立てました。
スライド07

次に下顎右側の奥歯は抜歯し、同部分は天然歯同士でブリッジで対応する治療計画を立てました。
スライド08

下顎の左側の欠損部は、骨の状態はさほど悪くなかったため、通常どおりインプラントによるブリッジの計画になりました。
以下のレントゲン写真は、最終的な治療計画です。
スライド10

さてここで問題となったのが、神経のない歯です。
本日の本テーマでもある神経のない歯をどう考えるか? です。
以下のレントゲンは、神経がない歯を青丸で書いています。
スライド09

神経のない歯は、どうしても将来性が低いのです。
そのため、上顎右側●印などは、あらかじめ抜歯した方が良いのか?
下顎の右側の奥歯も 天然歯同士でブリッジをするより、抜歯してインプラントを行った方が良いのか?
歯科医師によっても意見は分かれるところです。
しかし、私は可能なかぎり天然歯は抜歯せず保存する方が良い!(保存したい!)
という考えが強いので、最初の治療計画のように行いました。
治療後が以下のレントゲンになります。
まだ、この頃もデジタルレントゲンではないので、見にくいかと思います。
スライド11

治療終了後、6年程経過しました。
その間 患者様は、ほとんどメインテナンス(定期検査) にも来院されませんでした。
久しぶりに来院された時は、下顎右側の奥歯が取れてしまい、近くの歯科医院を受診したところ歯根破折 のため、抜歯と診断され びっくりして当医院を再受診しました。
その時のレントゲンが以下になります。
スライド13

やはり、神経のない歯は脆いのです。
×印の歯は歯根破折 を起こしていました。
今後の治療方針として、ブリッジを行うのは難しい状態でしたので×印の歯を抜歯し、インプラントを埋入することになりました。
また、現在は問題はないのですが、上顎の右側の奥歯も 若干ですが歯がグラグラしていました。
この歯も神経がない歯です。
スライド14

もし、この上顎右側の歯が歯根破折 した場合には、
またインプラントを埋め込むことが必要になります。
そう考えれば、上顎右側の神経がない歯も 始めの段階で抜歯し、インプラント同士によるブリッジとした方が良かったかもしれません。
以下のような治療計画です。
スライド15

このような治療計画であった場合、上顎の右側は最終的に2本のインプラントで治療が完了したのです。
もちろん 今は歯はダメになっていませんので、今後歯根破折 を起こさず づーと保つことも考えられます。
しかし、リスクの高い歯を残すことは、さまざまな問題を抱えることは確かです。
神経のない歯を抜歯した方が良かったのか?
残した(保存した)方が良かったのか?
非常に難しいところです。

こうしたことにならないためにも 神経は可能なかぎり取らない方が良いのです。

次回のブログは1/28(木曜日)になります。
次回も『インプラント症例』です。
簡単な症例ではなく、さまざまな意味をもった症例をご紹介します。



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2010年1月21日

インプラントモニター:その15

1/21(木曜日)です。

先日 愛知県豊橋市の歯科医院でインプラントの再使用を行っていたことが問題となっていました。
非常に大きな問題です。
このことについては、明日(1/22:金)のインプラント基礎ブログ で詳細をお話したいと思います。
是非ご覧になって下さい。

それでは 今日も前回の続きで、『インプラント症例』になります。

本日で15回目となりました インプラント症例ですが、このブログでは一般的な症例というよりは、患者様のご希望とか 骨の吸収状態 等があり、治療を工夫した症例を紹介しています。
本日ご紹介する症例もそのようなケースです。

通常、高度の骨吸収がある状態では、骨増大法(GBR法)を行い、骨の再生(増骨)を行って インプラントを埋入します。

ちなみに骨の吸収する原因は以下のようなことです。
  歯根破折
  歯がないまま長期間そのままになっている
  歯周病

骨増大法(GBR法)を行えば、ある程度の骨の回復(増骨)が可能です。

しかし、元々の骨吸収の程度が大きい場合には、GBR法(骨再生治療)の限界 もあります。
また、治療の大変さもあります。
そのため、可能であれば避けたい治療でもあります。

本日ご紹介する症例は、骨吸収がかなり起こっていたが、
患者様が「可能なかぎり大変な治療は避けたい!」とのご希望がありました。
そのため、骨増大法(GBR法)を極力避ける治療を行ったケースです。

初診時 患者様は
「奥歯がグラグラする!」 
「歯肉が腫れる!」
「噛めない!」
とのことで来院されました。
レントゲン等の 検査の結果、骨の吸収がかなり起こっていました。
以下は、初診時のレントゲン写真です。
スライド1

骨吸収の状態が分かりやすいようにレントゲン写真に線を書いてみましょう。
青線が本来の骨の状態です。
赤線が現在の骨吸収した状態です。
奥歯では、かなりの骨吸収があることが分かるかと思います。
スライド2

以下のレントゲンも骨吸収の状態をあらわしたものですが、
今回から新しく作成したものです。
今までの線だけよりも分かりやすいかと思います。
赤色の部分が骨吸収した部分です。
スライド3

歯周病の検査 等 総合した結果、以下の×印を抜歯することになりました。
ここまで骨吸収が進行してしまうと治療は不可能です
スライド4

以下のレントゲンは、先程の骨吸収と抜歯部位を合わせたレントゲンです。
スライド5

抜歯する歯はもう完全に骨の中に埋まっていないですね。
骨吸収がかなり大きくインプラント治療を困難にしています。
また、他にもインプラント治療を困難にする問題がありました。
それが、下歯槽神経と言われる下顎の顎の中にある神経の存在です。
以下は、神経をあらわした状態です。
スライド6

骨吸収が大きいため、下顎の神経との距離がほとんどなくなっています。
患者様には、GBR法を行ってからでないと適切にインプラント治療を行うことはできないことをお話しました。
しかし、患者様は「インプラント治療は行いたいが、大変な治療はできるかぎり避けたい!」
「痛いこと 腫れることは嫌!」とのご希望がありました。

さあ大変です。
骨吸収が大きいこの状態では 難しいご希望ですね。
考え抜いた結果、最小限のGBR法のみでインプラントを行う計画を提案しました。
1.骨吸収が大きいので、
  最小限の短いインプラントを使用する!
2.下顎神経を避けるためにも 
  最小限の短いインプラントを使用する!
3.インプラントを斜めに埋入 し、
  可能なかぎり長いインプラントを
  埋入できるようにする!
4.高度の骨吸収がある下顎左側の一番奥にはインプ
  ラントを埋入せす、カンチレバー を応用する!
以下が治療計画をあらわしたシュミレーションです。
スライド7

本当は、ベストな治療計画としては、GBR法をきちんと行い、可能なかぎり骨の増大を行ってからインプラントを埋入することが良いのです。
しかし、常に100%の治療計画とはならないのが臨床です。
 患者様のご希望!
 口腔内の状態(特に骨吸収の程度)!
 治療費!
 治療期間!
 治療の大変さ!
 もちろん安全性!
等 さまざまなことを総合して最終的な治療計画ができるのです。
以下が下顎のインプラント治療後です。
スライド8


次回のブログは1/25(月曜日)になります。
次回も『インプラント症例』です。

今週(1/19〜20)のインプラント手術報告

昨日のインプラント手術は珍しく骨吸収がまったくない下顎の奥歯にインプラントを2本埋入しました。
使用したインプラントはストローマンインプラント(ITIインプラント) です。

簡単なケースでしたので、麻酔時間を除けば10分程度で終了です。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約2〜3ヶ月後に型を取ります。



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インプラントモニターご希望の方がかなり増えてきましたが、まだまだ募集します。


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2010年1月18日

インプラントモニター:その14

1/18(月曜日)です。
今日も前回の続きで、『インプラント症例』になります。
この症例紹介ももう14回目になりました。
患者様というよりも同業者(歯科医師)が良く見ていると聞きますが…

このインプラント症例では、一般的なインプラントの症例ではなく、
特殊なケースであったり、
患者様のご希望もふまえた治療法であったり、
工夫をしたケースをご紹介しています。

本日の症例は 歯がほとんどない方に どのようにインプラント治療を行うかという話です。

まず、歯がほとんどない方にインプラント治療を行う場合、以下の写真のように前歯と奥歯に数本のインプラントを埋入し、インプラントブリッジとします。
88766


しかし、歯がほとんどない場合、
インプラントを行いたくても インプラントを埋入するための骨が吸収していたり、
多くのインプラントを埋入すると治療費が高くなってしまったり
等の多くの問題があります。

特に上顎の場合、奥歯では骨の吸収が起こっていることが多く、
骨の高さが5ミリ以下であった場合、骨の移植治療:サイナスリフト法(上顎底挙上術) が必要になります。
このサイナスリフト法(上顎底挙上術) は、治療としてはかなり大変な治療であり、治療を行う私達 歯科医師でもできれば避けたい治療です。

また、多くのインプラントを埋入すると どうしても治療費がかかってしまうため、
できるかぎり最小限のインプラントを埋入して治療を行う計画を立てることも重要になります。

今回ご紹介する症例はまさしく そのような状態です。

患者様は「上顎の前歯がグラグラして噛めない!」とのことで来院されました。
口腔内を拝見すると 上下顎の奥歯はすでに欠損しており、前歯だけの状態でした。
欠損している奥歯には 義歯も使用していないため、前歯に負担がかかり
指で触れても抜けそうなくらい グラグラ でした。
初診時のレントゲン写真が以下になります。
スライド01

歯周病の検査 等を行った結果、上顎の歯は全て抜歯する必要性がありました。
(実際には、指で触れても取れそうな状態でしたから…)
以下のレントゲン写真の×印は抜歯が必要な歯です。
スライド02

患者様は、抜歯後に義歯(入れ歯)をご使用されるのは嫌というご希望があったため、
インプラントによる固定式ブリッジを行うことになりました。
しかし、いくつかの問題がありました。
その一つが骨の吸収です。
どれくらい骨吸収が進行しているかを分かりやすくするために、
骨の状態を線で書いたのが以下になります。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
骨が吸収してしまったのが分かるかと思います。
緑線は上顎洞です。
上顎洞(緑線の上方)は空洞です。
骨ではなく、穴が開いているのです。
上顎洞の詳細は、以下を参考にして下さい。
        上顎洞
黄色線は、鼻腔です。
この線の上も空洞です。
スライド03

骨吸収が大きく、インプラントを埋め込むのが難しいのが分かるかと思います。
上顎の奥歯にインプラントを埋入するためには、骨の移植を伴うサイナスリフト法(上顎底挙上術) を行う必要性があることを患者様にお話しました。
患者様は、サイナスリフト法(上顎底挙上術) を行ってまで治療は行いたくない というご希望がありました。
また、上顎の奥歯にインプラントを埋入するということは 当然のことながら噛み合う下顎にもインプラントを埋入する必要性があります。
下顎の欠損部は以下の黄色丸です。
スライド04

もし 上下顎の欠損部全てにインプラントを埋入するとかなりの大掛かりな治療になります。
以下は、上下顎の欠損部全てにインプラントを埋入した場合のシュミレーションになります。
スライド05

もし 上図のような治療になると骨移植 も必要になりますし、インプラントの本数もかなり多くなります。
この治療法は患者様のご希望ではありません。
そこで奥歯にはインプラントを埋入しない治療計画になりました。
下顎の奥歯の欠損部と上顎の奥歯の欠損部にはなにも行わない計画です。
スライド06

赤線の内側の範囲内でインプラントを埋入する計画になりました。
以下のシュミレーションが今回の治療方法になります。
スライド07

奥歯にインプラントを行わない治療計画では、骨移植(上顎底挙上術) を行う必要性はありません。
また、インプラントの必要本数も最小限で行うことが可能です。
また、最も奥の部位には骨の吸収が大きかったため、同部位にはインプラントを埋入するために十分ではありませんでした。
そこでインプラントブリッジの最も奥の部位は、カンチレバー という方法で歯を作成する計画になりました。
本来欠損部全てにインプラントを埋入すれは、奥まできちんと噛むこともできます。
最も良い方法です。
しかし、患者様は長い間奥歯は欠損の状態で過ごしてきました。
特に不自由を感じていなかったようです。
また、今回の治療計画の部位までインプラントブリッジができれば、
審美的(見た目)にも歯がないようには見えません。
大変な治療を行わない!
治療費を最小限に抑える!
義歯ではない 固定式にする!
といった患者様のご希望をかなえることが今回の治療目的なのです。
以下は、治療後の状態です。
スライド09


次回も患者様に合わせて工夫をした症例をご紹介する予定です。
次回のブログは1/21(木曜日)になります。

今週(1/15〜17)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

今年も週末はインプラント手術が多いです。
ここ数日のインプラント手術はさほど難しいケースはありませんでした。

難しくないとはいっても骨の吸収があり、骨増大治療(GBR法)を行う症例が多かったです。

最近インプラントモニターをご希望される患者様がかなり多くなってきましたので、
治療が完了しましたらこのブログでもご紹介させていただきます。



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