最新インプラント症例ブログ

2009年3月9日

サイナスリフト法:その2

3/9(月曜日)です。
最近2回は、上顎の奥歯に インプラントを埋込むための 骨の高さが存在しない場合、
ソケットリフト法が有効な方法であることを解説してきました。
しかし、骨の高さが5ミリ以下であれば、ソケットリフト法は適していなく、
サイナスリフト(上顎洞底挙上術)が適していることも解説しました。

それでは、このサイナスリフト法(上顎洞底挙上術)を行えば、
『インプラントが可能なの?』
ということになります。

この答えの前にサイナスリフト法についてもう少し解説します。

まず、上顎洞という存在について再度解説します。
下図のように上顎洞は、上顎の奥歯の上方に存在する空洞です。
bb98fe1b.gif
クリックすると拡大されます。




Aの図は、奥歯がまだ、存在する状態です。
歯がある状態で上顎洞までの距離があり、十分な骨の高さがあります。

Bの図は、上顎の奥歯を抜歯した状態です。
歯を失った後でも上顎洞までの距離があり、十分な骨高さがあります。
インプラントを行うのに問題はありません。

Cの図は、歯周病等で骨が吸収してしまったために 上顎洞までの距離がなくなり、インプラントを行うのに十分な骨の高さがない状態です。
上顎にインプラントを希望する患者さんの多くは(60%以上)このような状態です。
このように、歯を抜いた場所は年々やせて、場合によっては1〜2mm程度の幅しかない方もいらっしゃいます。

さて そのような骨吸収により 骨の高さがほとんどなくなってしまった状態が下図になります。
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サイナスリフト法の治療方法としては、上顎洞の側面から切開をし、上顎洞内部に“ 穴 ”を開けます。

この側面から開けた“ 穴 ”から移植材をいれます。
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移植を行うことにより、上顎洞は、上図の点線の位置から押し上げられ インプラントを行うのに十分な高さを得ることができます。

文章にすると簡単そうに思えますが、実際はそうではありません。
まず、なにが大変なのかと言いますと、
移植材の問題です。

移植材として主に使用されるのが、『自家骨』です。

『自家骨』は、患者様ご自身の口腔内から採取するのがほとんどです。
これが、患者様にとっては大変なのです。

もちろん、麻酔を行いますので、痛みはありませんが、
治療後の腫れ等がかなり起ります。

それでは、『自家骨』以外の方法はないのでしょうか?
『人工骨』を使用する方法もあります。

人工の骨ですから、患者様の口腔内から取ってくる必要性もありません。

『そんないい方法があるのであれば、人工骨で行いたい!』
と思うかもしれません。

しかし、現在時点の見解しては、人工骨のみでは、骨の再生が十分とは言えません。

歯科医師の中には、サイナスリフト法(上顎洞底挙上術)を行う際に、100%人工骨のみを使用しているという報告も確かにあります。

しかし、こうした報告は、まだ、確実な方法ではなく、
現時点では、『自家骨』『人工骨』を半分づつ、混合して使用することが良いとされています。

次回のブログでは、こうした点についてさらに詳細を解説したいと思います。

次回のブログは3/12(木曜日)になります。


今週(3/6〜9)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。


昨日のインプラント手術は、上顎に2本しか歯が残っていない患者様のインプラントでした。

残っている2本の歯は、すでに 歯根破折しており、抜歯するしかない状態でした。

2本の歯を抜歯してしまうと、上顎は完全に歯がなくなってしまいます。
いわゆる総義歯です。

そこで、今回は、残っている2本の歯を抜歯すると同時に、7本のインプラントを埋入し、手術当日に固定式の仮歯を装着する方法と行いました。

手術当日に固定式の仮歯になりますので、今までの義歯は、全く使用しないことになります。

こうしたインプラントの方法を『インプラント即時荷重(負荷)』と言います。

インプラントの埋入本数が多いため、治療時間がかかります。

手術自体は、朝9:40から開始しました。
まず、麻酔科医による静脈内鎮静法を行います。
この麻酔により、患者様は、眠った状態になります。
手術中は、づーっと眠った状態ですので、痛みもご心配もまったくありません。

静脈内鎮静法後に、歯肉への麻酔が終了したのが、10:10頃です。

さて、これでインプラント手術が開始です。

まず、 歯根破折している2歯を抜歯しました。

次にインプラントの埋入です。

骨の幅が少ない部分もあり、インプラントをより強固に安定させるため、 『スプリッティング法』という治療方法を併用しながらインプラント埋入を行いました。
この方法は、ドリルをさほど使用せず、骨の幅を押し広げながらインプラントを埋入するこの方法は骨にダメージが加わりにくく、術後の腫れが少ない治療法です。

使用したインプラントは、 ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)  SLAタイプであり、 直径4.1ミリ、長さ12ミリ が5本、直径4.1ミリ、長さ10ミリ が1本、直径4.8ミリ、長さ10ミリ が1本の合計7本でした。

また、骨の治癒と再生を促進するため、 『 P.R.P法 』という治療法も併用しました。

さて、インプラントの埋入が完了したのが、11:00頃です。

本来は、ここで終了ですが、
今回は、即時加重(負荷)・インプラント ですので、すぐ固定式の仮歯の作製にかかります。

固定式の仮歯は、あらかじめ作製してあるので、埋入したインプラントに固定するだけです。

でもこの固定が少し大変なのです。
インプラントを埋込む位置はあらかじめ、シュミレーションにより決まっていますが、
実際に手術を行うと、骨の状況等により多少の位置は変わってきます。
そのため、仮歯の最終的な位置や噛み合わせは、埋込んだインプラントに合わせ、調整をしていきます。

仮歯の調整に約80分かかりました。
終了したのが、12:20頃です。
その後麻酔が切れるのを待ち、今後の注意事項のお話をして、
患者様が帰えられたのが、12:50分頃でした。

治療を開始したのが、9:40でしたが、
もちろんまだ、義歯を使用している状態です。
3時間後には、義歯ではなく、固定式の仮歯が装着されたことになります。

今回は、非常に早く治療が終了できたケースです。
通常は、今回より1時間程度かかることが多いです。

おそらく患者様は、数日間腫れるとは思いますが、手術当日から固定式の仮歯になりますし、なにより義歯を使用しなくて良い開放感があります。

即時加重(負荷)・インプラント は全ての症例に適応されることはありませんが、適応症さえ合えば、非常に良い方法です。



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2009年3月5日

サイナスリフト法:その1

3/5(木曜日)です。
前回は、上顎の奥歯では、インプラントを行うための骨の高さが少ないことが多く、インプラントができなかったり、できたとしても非常に困難な治療になることが多い部位であることを解説しました。

そうしたことから『ソケットリフト法』という治療法が有効であることを
前回(3/2)のブログで解説しました。

しかし、この『ソケットリフト法』は、あまりにも骨が吸収している場合には、適応になりません。

前回のブログでは、5ミリ以上の骨の高さがないと一般的に『ソケットリフト法』の適応ではないことを解説しました。

今日は、その理由と5ミリ以下であった場合の治療法を解説します。

まず、ソケットリフト法を行うにあたり、5ミリ以上の骨の高さが存在しない場合には、
一般的な適応症ではない理由ですが、
ソケットリフト法は、骨の高さと増大すると同時に インプラントを埋込む治療法です。
そのため、埋込んだインプラントが安定することが重要になります。

ソケットリフト法 により 骨の高さを増大する といっても
骨はすぐに増大(再生)するわけではありません。

時間がかかります。

どれくらいかかるかと言いますと、最低3ヶ月以上です。

そのため、骨が増大(再生)するまでの期間は、
もともとあった 骨でインプラントを支えていることになります。

インプラントがきちんと骨の中に埋まらなければ、安定はしません。
インプラントがグラグラしてしまいます。

インプラントが グラグラ している状態では、インプラントと骨はくっつき(結合)しません。

そのため、『ソケットリフト法』を行うためには、
インプラント本体がグラグラせず、安定するための最低限の骨の高さが存在することが大切なのです。
その最低限が高さが5ミリなのです。

もちろんこの高さは、絶対的なものではありません。
埋込んだインプラントが安定する状況であれば、5ミリ以下でも可能なこともあります。

また、ソケットリフト法で高さを増大できる限界もあります。

2〜3ミリ程度しか骨の増大を行えないケースもありますし、
7〜8ミリ程度骨の高さを増大させることもできるケースもあります。
これは、さまざまな条件により変わってきます。

さらに歯科医師自身の技術的な能力にも左右されます。
一般的にソケットリフト法で骨の高さを増大させることができるのは、3〜5ミリが限界であると言われています。

しかし、7ミリも8ミリも骨の増大を行っている症例を見たこともあります。
このようなことは、そうとう経験をつまれた歯科医師であって、さまざまな条件も良かったのでしょう。

一般的には、ソケットリフト法で増大できる骨の高さは、3〜5ミリであると思って下さい。
そのため、もともとの骨の高さが、5ミリであった場合、ソケットリフト法で5ミリの骨の高さの増大を行えば、合計で10ミリの長さのインプラントが埋入できることになります。

上顎の奥歯においては、10ミリ以上の長さのインプラントを埋込むことは大切なことで、
それ以下であるとインプラントの安定は良くありません。
つまり、ダメになってしまう確率が高くなります。

それでは、上顎の奥歯において 骨の高さが5ミリ以下であった場合は、どうすれば良いのでしょうか?

この場合には、サイナスリフト法(上顎洞底挙上術)という治療法を行います。

これは、ソケットリフト法とは違い、治療自体は、かなり大変になります。
大変というのは、治療後の反応も大変であるということです。

治療後には、かなり腫れます。
そのため、どうしてもインプラントを行いたい人以外には お勧めしない方法です。

次回のブログでは、『サイナスリフト法(上顎洞底挙上術)』の詳細を解説します。

次回のブログは3/9(月曜日)になります。

今週(3/3〜4)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

それでは、今週のインプラント手術の中から下顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

昨日インプラント手術を行った患者様は、今回が始めてではありませんでした。

初診時にいらした時には、
下顎の左右奥歯が欠損、
上顎の右側の奥歯が欠損していた患者様でした。
このような場合、最も早く治療を完了させるためには、全て同時にインプラント治療を進行させることが良いです。
上顎は 約4ヶ月、下顎は 約3ヶ月で噛めるようになります。

しかし、一度に全てのインプラントを埋入することには、問題が生じることもあります。

まず、治療を受ける患者様にとってインプラント治療が始めての場合、さまざまな不安があると思います。
そのため、まず、1カ所、1本から始めたいと思っていられる方も多くいらしゃいます。

さらに一度にインプラントを行った場合、治療後の腫れも強く出る可能性も高くなります。
腫れが起った場合、仕事にも影響するのでは…と考えている患者様もいらしゃいます。

また、治療費の問題もあります。
一度に全てのインプラントを行うと治療費も高くなります。
そのため、例えば、今年は 右側だけ、来年に左側を行う といった方法を取る方もいらしゃいます。
もっと分けて行う方もいらしゃいます。

さまざまな理由からインプラントの埋入を分けて行うのです。

話は、今回の症例の患者様に戻ります。
今回の患者様は、一番最初に上顎のにインプラントを埋入し、被せ物まで完了させ、
次に下顎の右側を行い、被せ物まで完了させ、
今回、左側の奥歯のインプラント埋入手術をなりました。

そのため、治療期間は非常に長くなりましたが、一度に全て行うことは、治療後の食事や腫れ等に不安があるので分けて行いたいという理由からでした。

使用したインプラントは、 ストローマン・インプラント 直径4.1ミリ、長さ10ミリでした。

下顎ですので、約2〜3ヶ月後に型を取ります。


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2009年3月2日

ソケットリフト法:その2

3/2(月曜日)です。
昨日は、当ビル全館清掃のため、休診でした。

早いもので今年も もう3月です。

さて今日は、前回の続きで、『ソケットリフト法:その2』になります。

前回は、上顎の奥歯にインプラントを行う際は、困難になることが多いことを解説しました。
この理由として、上顎の上方には、『上顎洞』という空洞が存在しているたです。
また、 歯周病 歯根破折 歯が欠損した状態を長く放置しておくといったことが起ると、骨が吸収してきます。
骨が吸収するとインプラントを行うことができなくなってしまいます。
このことは、このブログを読んでいる方は、もうすでにおわかりのことと思います。

そこで、上顎の奥歯において 骨が吸収してしまった場合の治療方法として、『ソケットリフト法』があることを前回解説しました。

それでは、どれくらいの骨が吸収しているとインプラントが困難になるのでしょうか?

インプラント治療を行う際に、インプラントの長さは 長ければ 長い程 有効です。
できるかぎり 長いインプラント を骨の中に埋込むことが
インプラントの長期的安定にとって非常に重要なことです。

インプラントの必要な長さは、決まっているものではありません。

上下顎、骨の硬さ(軟らかさ)、前歯、奥歯、欠損部位、欠損歯数、噛み合わせ…等
さまざまな条件により変わってきます。

例えば、上顎と下顎では、基本的に骨の硬さが違います。
顎の骨は軟らかく顎の骨は硬いのです。

もちろん硬い骨の方がインプラントを行うためには、優れている点が多いのです。
そのため、『下顎は 短いインプラント』、『上顎は 長いインプラント』が必要になります。

また、奥歯と前歯ですが、奥歯の方が噛む力が加わりやすいため、長いインプラントが有効になります。

こうしたことを考慮すると上顎の奥歯は、インプラントを行うためには、非常に厳しい条件になります。
さらに上顎洞の存在もあり、こうしたことがインプラント治療を難しくしているのです。

それでは、具体的にどの程度のインプラントの長さが必要なのかと言いますと、
10ミリ以上の長さはあった方が無難であると考えます。

しかし、多数歯欠損であった場合、その中の1部位のみであれば、短いインプラントでも 問題とならないこともあります。
例えば、上顎の奥歯が3歯欠損していた場合、骨の高さにまったく問題ない場合には、2本のインプラントを埋入し、ブリッジとすることでも大丈夫です。

しかし、骨の高さが少ない場合には、3本のインプラントが必要なこともあります。
その時、2本のインプラントは10ミリの長さのインプラントで、
残り1本が8ミリ程度のインプラントしか埋入できない場合でも
3本のインプラントの被せ物を連結することで安定を得られるのです。

しかし、欠損歯数が1部位の場合で、骨の高さが8ミリ程度しかなかったとします。
この場合には、8ミリの長さのインプラントでは無理なことが多いのです。

こうした場合、骨の高さを増大することが『ソケットリフト法』なのです。

それでは、『ソケットリフト法』により どの程度の骨の高さを増大することができるのでしょうか?

『ソケットリフト法』により、骨の高さを増大できる限度は、もともとの骨 等の条件により変わってきますが、おおよそ3〜5ミリが限界とされています。

さまざまな学術的な報告をみると5ミリ以上の骨増大を行ったものもありますが、
一般的には、3〜4ミリ程度になると考えられます。

つまり、もともと骨の高さが6〜7ミリ程度存在すれば、『ソケットリフト法』により10ミリの長さのインプラントを埋入させることが可能ということになります。(無理なく安全に行える範囲として)

多くの報告から『ソケットリフト法』の適応症は、『5ミリ以上の骨の高さが存在することが必要!』とされています。

それでは、ちょうど5ミリ場合や、
4ミリの場合、
3ミリ以下の場合では、
どのように判定をするのでしょうか?

多数歯の欠損があった場合で、その1本(1カ所)が骨の高さが4ミリであった場合では、状況により『ソケットリフト法』を行い、8ミリ程度のインプラントを埋入し、他のインプラントと連結させる方法と行うこともありますが、
3ミリ以下の場合、『ソケットリフト法』は困難になります。

『ソケットリフト法』の確実な適応基準というものは、存在しませんが、
先程も書きましたように『5ミリ以上の骨の高さが存在することが必要!』ということになります。

これ以下では、安定したインプラントは難しいのです。

次回は、上顎の奥歯において、骨の高さが非常に少ない場合(5ミリ以下)の 骨増大法について解説します。


次回のブログは3/26(木曜日)になります。



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2009年2月26日

『ソケットリフト法:その1』

2/26(木曜日)です。
今日のテーマは、『ソケットリフト法:その1』になります。

今までもこのブログで良く書いてきたテーマです。

インプラントを行う部位で最もインプラントができない部位が、上顎の奥歯です。

この理由として、上顎の奥歯の上方には、『上顎洞』という空洞が存在するからです。

この空洞を下記の図で解説したいと思います。
jougaku
クリックすると拡大されます。




上顎洞は、図Aのように奥歯の上に存在しています。(ピンク色の部分です)
歯は、骨の中に埋まっています。
これが、正常な状態です。

もし、この状態で歯を抜歯となった場合には、骨の高さが十分残りますので、
インプラントを行うことには まったく問題がありません。
図Bの状態です。

しかし、 歯周病等により骨の吸収が起ると、骨の高さが少なくなり、インプラントを行うことが困難になります。

つまり、インプラントを行うためには、長いインプラントが骨の中に埋まっていることが重要です。
短いインプラントでは、安定が悪いのです。

そのため、骨が吸収するとインプラント治療が困難になってしまうのです。

さらに『上顎洞』の存在があります。
『上顎洞』の中は、空洞です。
この空洞は、歯がなくなると下方に落ちてきます。
『上顎洞』が下方に拡大するということです。

骨の吸収 と 上顎洞の下方移動(下方に拡大)により骨の高さあ減少してしまうのです。
これが、図Cの状態です。

上顎の奥歯において、長期的に安定するためには、
長さが10ミリ程度あるインプラントを埋入することが有効です。
しかし、上顎の奥歯において、10ミリ以上の骨の高さがあることは少なく、
これが、インプラント治療を困難にしています。

そこで、骨の高さが少ない場合、高さを増大させながらインプラントを行う治療が
『ソケットリフト法』です。

治療方法は、下図のようになります。
jougaku00
クリックすると拡大されます。



まず、インプラントを埋込む部分に小さな “ 穴 ” を開けます。
その “ 穴 ” から 人工の骨(β―TCP 等)を入れます。
そして、『オステオトーム』と言われる棒状の細い器具を挿入し、下からたたいて、 人工の骨(β―TCP 等)を上顎洞内部に押し込みます。

この操作を何度か繰り返すと 上顎洞内部に 人工の骨(β―TCP 等)が充填され、骨の高さが増大します。

このことにより長いインプラントが埋入可能になるのです。


次回のブログは3/2(月曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『ソケットリフト法:その2』です。

今週(2/24〜25)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

昨日行った症例は、今日のテーマと同じで、上顎の奥歯が欠損しており、骨の吸収 と 上顎洞が下方に落ちてきたため、インプラントを行う高さが 非常に少なくなっていた状態でした。

骨の高さは、約6ミリでした。

そこで『ソケットリフト法』を行い、 直径4.8ミリ、長さ10ミリの ストローマン・インプラント ( I.T.Iインプラント)を埋入しました。

ソケットリフト法は、患者様の負担も少なく、術後の腫れ等が非常に少ない治療法です。

手術時間は、10分程度です。

ソケットリフト法を行った場合には、通常の治療より治る期間が長くなります。
今回は、インプラントと骨が結合するまで、4〜5ヶ月かかる予定です。


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2009年2月23日

インプラント症例報告

2/23(月曜日)です。
今日は、今週のインプラント手術報告を中心に書きたいと思います。


今週(2/20〜22)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
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それでは、今週のインプラント手術の中から 上下顎 同時にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

患者様は、上顎の奥歯が4歯欠損、下顎の奥歯が2歯欠損の状態で来院されました。

インプラント治療を行う場合、『どうして歯がダメになったのか?』ということから考えていきます。
それは、歯が抜歯になった理由が分からないと 他の歯もダメになりますし、
インプラントもダメになる可能性が高いからです。
インプラント治療をご希望される場合には、インプラントの検査(レントゲン撮影等)以外にも
必ず『歯周病の検査』や『噛み合わせの検査』等を行います。
上記のような理由があるからです。

さて、今回の症例の患者様ですが、
残っている歯を検査すると 多少の歯周病の問題はありましたが、大きな問題ではありませんでした。
レントゲンからも 歯がなくなった部位の骨は しっかり残っていました。
歯周病になると骨は吸収します。
骨が吸収することにより 歯が抜けてしまうのが歯周病です。
骨がしっかり残っているということは、歯周病でダメになった可能性が少ない ということです。

それでは、『なぜ 歯がなくなってしまったのでしょうか?』

さまざまな検査の結果、原因は、
ダメになった歯は 神経がない歯であったことと、
噛み合わせに大きな問題があったことがわかりました。

患者様ご自身のご希望として、歯がない部分のみに インプラントを行う治療をご希望されていました。
もちろん患者様は、奥歯がダメになってしまったのですから
『早く インプラントを行い、噛めるようになりたい!』
と思っていらしゃるのは当然のことです。
また、他の歯には、痛み等はありませんし…

神経のない歯は、脆く、通常の噛む力でも 歯根破折することがあります。
この理由は、このブログでも良く書くことです。

噛み合わせについては、以下のようなことが分かりました。(簡単に解説します)
患者様の口腔内は、ほとんどが、被せ物を行ってあります。(ちなみに 神経もほとんどありません)
長い年月の間、『歯を削り』『被せ物を行う』といったことを繰り返したことにより、
噛み合わせが低くなり、ズレが生じてしまったのです。

先程書きましたように 神経のない歯は脆く、歯根破折しやすいことを説明しました。

噛み合わせの問題 神経がない歯が重なったことにより状況はさらに悪化し、奥歯がダメになったと考えられました。

このような状況で単に歯がない部分にインプラントを行っても
他の神経がない歯も同様のことが起こり、ダメになっていくことが十分予想されます。
そのため、患者様には、
『歯がない部分にインプラントを行っただけでは問題は解決しない!』
ということをお話しました。

歯がダメになった理由をご説明したところ、患者様は、口腔内全体の治療をご希望されました。

私達がインプラント治療を行う場合、当然のことながら骨がしっかりしていることが重要です。

骨がしっかりしていれば、インプラントを埋込むことが難しくないからです。

しかし、逆に骨が十分すぎるくらい残っている時には、心配なこともあります。
上記でも書きましたように『どうして歯がダメになったのだろう?』
ということです。

特に噛み合せ(歯ぎしり や くいしばり)で歯がダメになった場合には、そのままの状態でインプラントを行うと インプラントにも危険があります。
このことは以下を参考にして下さい。
    ・ 『歯ぎしり』はインプラントをダメにする!

噛み合わせに問題がある場合には、インプラントの埋入計画も少し変わることもあります。
『埋込むインプラントの長さは、極力長いインプラントを使用する』
『インプラントの本数を多くし、強度を増す』
ということも考えることが必要です。

今回は、骨の高さが十分残っていたため、長いインプラントが埋入できました。

使用したインプラントは、上顎では、 ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)  SLAタイプ 長さ12ミリと 下顎では直径4.8ミリ、長さ10ミリを使用しました。

麻酔は、静脈内鎮静法にて行いました。


次回のブログは2/26(木曜日)になります。


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2009年2月19日

歯周病の検査の重要性と再発について

2/19(木曜日)です。
今日は歯周病の続きに戻ります。

この歯周病の話をする元となったのは、『歯がダメにならないために…』というテーマから
『歯周病にならないためには…』と発展していったのです。

そして、2/9(月)のブログでは、歯周病は『歯周病細菌による感染症』 であることを説明しました。
また、『歯周病細菌』 は、家族間で感染する確率が高いことも説明しました。

さらに 2/12(木)のブログでは、歯周病には『バイオフィルム』 ということが大きく関わっていることも解説しました。

また、歯周病が悪化するためには、『歯周病細菌』 だけでなく、『噛み合わせ』 や 『歯ぎしり・くいしばり』、 『喫煙(タバコは歯周病を悪化させる!)』、『ストレス』、『睡眠』等 生活習慣も大きく関わってくることを解説しました。

特に 『喫煙』については、タバコをまったく吸わない人よ比較すると重度歯周病となる確率は約6倍高いという報告もあります。

歯周病の結果、 歯を支えている骨が吸収します

進行(骨吸収)が進むと歯は抜けてしまいます。

歯周病にならなければ多くの人が歯を失わずにすむのです。

歯周病の中には、確かに治療を行ってもなかなか改善が難しい『難治性歯周炎、急速進行性歯周病炎』もありますが、多くの歯周病(慢性歯周病)の場合、適切な治療 と 生活習慣の改善、口腔ケアーの管理 で十分改善は可能です。
また、先程記載した『難治性歯周炎、急速進行性歯周病炎』であっても進行を停止させたりすることも十分可能です。

また、ほとんどの歯周病は予防が可能です。

これは、高血圧 や 糖尿病といった病気の多くは、食生活 や 運動…等 の 生活習慣をきちんとすることで、かなり予防できるのと同じです。

でも 人間はそうはいかないものですよね!
甘いもの、カロリーが高いもの、暴飲暴食、多飲酒、喫煙、運動不足、睡眠不足、ストレス… 悪いと思ってもなかなか うまくはいかないものです。

多くの歯周病は、『歯ブラシを徹底して行う』ことにより かなり予防が可能です。
しかし、この歯ブラシができている方は現実問題として非常に少ないのです。

歯周病を主訴として来院される患者様の90%以上(95%以上といってもいいでしょう!)は、とても合格点と言えるような歯ブラシの状況ではありません。

もちろん100%汚れがついていないように歯ブラシをして下さい ということではありません。
できれば、90% いや 80%程度まで 歯ブラシが日々 行えるようにがんばって下さい。

ただし、ご自身でどの程度 磨けているのかを判断することは非常に難しいことです。
歯周病で来院される 多くの方は、
『だいたいは 磨けているだろう』と思っています。
しかし現実的には、『だいたい…』どころではありません。
20〜30%程度しか磨けていない方の方が圧倒的に多いのです。

人によっては、『ほとんど磨けていません!!』
でも患者様 ご本人は 『ある程度は磨けている』と思っています。
なぜかというと『毎日歯ブラシをしているから…』です。

また、テレビ等で放映されている『歯周病予防の歯磨き剤を使用している』のでさらに効果があると思っています。
使用しても 使用しなくても さほど効果はないと思って下さい。
その理由として、すでに歯周病になっているからです。
歯周病になってしまった場合には、『歯周病予防の歯磨き剤』では治りません。

『歯周病予防の歯磨き剤』はあくまでも『予防』に対するものです。
歯周病を治すものではありません。

さらに歯周病になってしまった方の多くは、ブラッシング自体に問題があるのですから
そこから改善しないと 決して歯周病は治りません。

例えてお話すると
糖尿病があります。

一度健康診断等で『糖尿病が進行してる』と診断されたとします。
そのため、心配なので 薬局で『糖尿病に効く薬』なるものを購入し、がんばって使用したとします。

もし、糖尿病が本当の初期の段階であれば 現在の生活+α(糖尿病に効く薬?)で改善されるかもしれません。
しかし、良く考えて下さい。
糖尿病になるには それなりの理由(原因)があるのです。

食生活運動、喫煙、ストレス…等さまざまな原因があります。

その原因を的確に改善しないかぎり いくら+α(糖尿病に効く薬?)を行っても効果があるとは限りません。

また、すでに進行した糖尿病であった場合、自己判断の対応では すでに治らない状態にあります。
適切な改善指導とともに、病院での薬が必要になります。

歯周病もまったく同様です。
本当に初期の段階であれば、薬局で市販されている『歯周病に効く薬(?)』なるものを使用し、効果があるかもしれません。

しかし、歯周病の原因である『適切なブラッシング』ができていなければ まったく効果がありませんし、歯周病が進行していれば、専門医で適正な治療を行わないと 治りません!!

病気は自己判断が一番危険です。

また、一度病気になった方、特に生活習慣病になった方は、再発率が高いのです。
そのため、治療後の管理が非常に重要です。

歯周病は、生活習慣病です。

治すには、適切な診断のもと、きちんとした歯周病治療を行い、その後の適切な管理が重要です。

当たり前のことですが、これができる方が非常に少ないのが現状です。

そのため、歯周病は再発率が非常に高い のです。

このような話を多くの患者様にするのですが、それでも……
そのため、私達 歯周病専門医は繰り返しこうしたブログを含め、日常の臨床でお話するのです。
『歯がなくならないために…』です。

現在、『歯周病の専門サイト』を構築中です。
新しいホームページになります。

もう少し先になるかと思いますが、現在の 『大船駅北口歯科のHP』よりさらに充実した『歯周病の専門サイト』になります。

今日は話が長くなってしまったので、今週のインプラント手術報告はお休みさせていただきます。


次回のブログは2/23(月曜日)になります。


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2009年2月16日

シンポジウム情報

2/16(月曜日)です。

今日はいつもの内容ではなく、先日(2/14〜2/15)に 東京ビックサイトで行われた ストローマン・インプラントのシンポジウムの話をしたいと思います。
インプラントメーカーが主催したインプラントの学会のようなものです。

私自身は、病院は 他の先生にまかせて 両日とも参加予定でしたが、2/15(日)は予定以上に患者様のご予約が多くなってしまったため、病院に戻ることになりました。

2/14(土)のみの聴講でしたが、参加人数が多いこと 多いこと
この手のシンポジウムでは考えられないくらいの多い参加者でした。
歯周病学会より多いくらいです。
それだけ、インプラントに関心のある歯科医師が多いのでしょう!

さまざまなテーマがありましたが、今回 ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)で形状が大きく変わった種類(簡単に言えば新しいタイプのインプラント)の発表が行われました。

カタリーネン病院(ドイツ)/口腔外科・顎顔面整形外科ディレクター、ディーター・ワインガルト教授による『ボーンレベル・インプラント』という講演です。

この『ボーンレベル・インプラント』は、すでに海外では使用されているインプラントです。

このインプラントの詳細は、また後日ブログで書きますが、簡単に どのようなインプラントかと言いますと、審美性を重要視させたタイプのインプラントです。

初期のインプラントは、機能(噛むこと)を中心としたインプラントの開発が中心でした。
また、インプラントと骨が結合(くっつく)までの期間を短縮する開発が中心でした。

しかし、インプラント治療が普及するにつれ、審美的な要求がどんどんと強くなってきました。
噛めれば良いということではありません。

より天然歯に近く、自然なことをめざして開発は進んでいったのです。

今回のシンポジウムでもこうした審美性をテーマとした発表も多くありました。

現在ではインターネットで多くの情報を得られる時代になっています。
患者様も『より審美的に…』という要求が強くなってきています。

しかし、あまりにも審美性のみを追求し過ぎると問題が生じることもあります。

特に骨の吸収が進行した場合には、審美性に問題を生じる可能性が高くなります。
このブログでも良く書きますが、歯を失わないことが最も大切です。
そのためには、きちんとした検査を行い、問題があれば早期に対応(治療)することです。
また、抜歯後にインプラント治療をご希望の場合には、骨の吸収が進行する前に対処することが最も大切です。

歯を失わないということでは、予防が大切になります。

最近 若い方が多く来院されます。
先日来院された若い患者様は、他歯科医院 で虫歯が深く神経を取り除く治療を行ったが、
治療が中断してしまい、その後 痛みがあったので転院し、当医院に来院された ということでした。

神経を取り除く時には、歯を大きく削ります。
そのため、治療途中になってしまうと 削った部分から感染が起こり、さらに問題は悪化してしまうのです。

若い方は、どうしても興味の中心が他にありますので、なかなか治療を継続して行うことが難しくなります。

本当は、最初の段階で治療を行っていれば、治療回数も少なく行えますが、
問題が大きくなるにつれ 治療も大変になるため、通院回数も増えてきます。
また、歯の状況も悪化してきます。

治らない確率も高くなってくるのです。
そして、通院回数が増えてくると 通院も困難になります。

結果的に治療が中断してしまいます。

このようなことを繰り返すことにより 歯がダメになっていきます。

特に神経のない歯は非常にリスクが高く、若い年齢で神経を取った歯は、
いづれ『抜歯』となる確率が かなり高くなります。

治療が中断して転院を繰り返しているような患者様は、結果的に多くの歯を失うことが多いのは事実です。

最終的に歯がなくなった場合、インプラントをすれば良い ということではなく、歯がダメにならないことが最も重要です。

インプラントは、天然歯の変わりになることはできますが、天然歯と同じではありません。




次回のブログは2/19(木曜日)になります。
次回は、またいつものブログに戻ります。





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2009年2月12日

歯周病について

2/12(木曜日)です。
昨日が祝日休診だったため、本日は診療致します。

前回のブログで歯周病のことを書きました。
現在、歯周病の患者様は非常に多いです。
しかも前回のブログでも書きましたように進行した歯周病の方が多いのです。

歯がなくなることの原因として 歯周病は最も多い病気の一つです。

それでは、『歯周病はなぜなるのでしょうか?』
『歯周病にならないようにするためにはどうしたら良いのでしょうか?』

まず、『歯周病はなぜなるのか?』
という話から始めたいと思います。

歯周病になるには、『歯周病細菌』というバイ菌が関係してきます。
歯周病は、『歯周病細菌による感染症』 です。

この『感染症』ということが 歯周病をご理解いただくための 大きなキーワードになります。

歯周病細菌が口腔内にいなければ、歯周病にはなりません。

それでは、歯周病細菌はどこから来るのでしょうか?
歯周病細菌は、人から人へと感染します。

生まれた時の乳児には歯周病細菌はいません。
多くは、母親から感染します。
また、家族内の感染も多いのです。
そのため、親が歯周病であった場合、子供も歯周病になる確率は高くなります。

また、『歯周病細菌』 と言っても口腔内には多くの種類の細菌が存在します。

非常に毒性の強い『歯周病細菌』 もあれば、さほど問題とならない『歯周病細菌』 も存在します。

どのような『歯周病細菌』 が どの程度感染したかによって
『歯周病になるかどうか!』
また、『歯周病の進行程度』、『リスク』等は変わってきます。

また、口腔内の環境によっても歯周病細菌が繁殖しやすいこともあります。
簡単に言えば、汚れがいっぱい付着しているような口腔内は、『歯周病細菌』 が生存しやすい環境なのです。

『歯周病細菌』 が生息しやすい場所のことを『バイオフィルム』 と言います。

『バイオフィルム』 のことを簡単に説明すると
食事の後に歯面 等に付着したネバネバした汚れのことです。
この汚れの中で歯周病細菌は増殖し、生きていくのです。
『バイオフィルム』 『歯周病細菌』 が心地よく住むための場所なのです。
詳細については以下を参考にして下さい。
『バイオフィルムについて』


ここまでで、歯周病になるためには、『歯周病細菌』 が存在し、歯周病の細菌が生息するための『バイオフィルム』 の存在を解説しました。


それでは、歯周病になるためには 他にも原因はあるのでしょうか?

歯周病になってしまうことの原因は他にもいっぱいあります。
その一つが『噛み合わせ』です。

『噛み合わせのなにが問題なの?』ということですが、
通常、上顎の歯は全部で14歯あります。下顎の歯も14歯あります。

そして上下顎でしっかり噛んだ時には、全ての歯が ほぼ均等に接触することになります。
しかし、歯並びの問題 等により 一部の歯のみに 強くぶつかるような噛み合わせの方がいらっしゃいます。
このようなことが歯にダメージを及ぼすことがあります。

歯が打撲するようなものです。

このような歯にダメージが加わるような噛み合わせを『外傷性咬合』と言います。

特に歯周病が進行してくると歯を支えている骨が吸収 してきます。
このような場合に 噛み合わせの問題があると 歯周病のさらに進行してしまいます。

また、『歯ぎしり』や『くいしばり』がある方も歯周病が悪化する原因になります。

また、噛み合わせは単に歯並びだけでの問題ではなく、さまざまなことがあります。
このことについてはきちんとした検査をする必要性があります。

噛み合わせの治療方法には、
強くぶつかっている歯の少し削除し、調整する方法や
被せ物等を再製し、適切な噛み合わせに修正したり、
歯ぎしり等がある場合には、『ナイトガード』と言われる 防止装置を作製したり、場合によっては矯正治療を行い 口腔内の全体的な 噛み合わせの改善 が必要になることもあります。


また、上記以外にも歯周病になってしまう原因は多くあります。
・全身疾患と歯周病の関係
・喫煙
・ストレス
・睡眠
等です。

次回はこのようなことについて解説したいと思います。

次回のブログは2/16(月曜日)になります。


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2009年2月9日

歯周病を放置すると…

2/9(月曜日)です。
今日は、歯周病の話をしたいと思います。

最近は、30〜40歳台で歯周病を主訴として 来院される方が 多くいらっしゃいます。
しかも 歯周病が非常に進行しているのです。

そして、歯周病の検査をすると 抜歯となってしまうような 状況がかなりあるのです。

ほとんどの方は『まさか抜歯になるとは!』と思っていなかったので
抜歯することに抵抗をもっています。

もちろん歯周病であっても きちんとした治療を行うことにより改善することは可能です。
しかし、全ての歯周病が治療可能ということではありません。
あまりにも進行してしまった歯周病の場合には、抜歯となることがあります。

歯周病は、『生活習慣病』であり、『歯周病細菌による感染症』 です。

歯周病の治療 の目的の一つは、口腔内から歯周病細菌をなくすことです。

そのために、『ルートプレーニング』 と言われる歯周病細菌を除去する治療を行ったり、 歯周病組織再生治療を行ったりします。

しかし、あまりにも感染が進行してしまっている歯は、歯周病細菌の感染を取り除くことができません。
この場合には、抜歯になります。

もし、歯周病細菌が取り除けないような歯をそのままにしておくと非常に危険なことになります。
残った歯周病細菌は、必ず他の歯にも感染してしまうのです。

感染は、どんどんと進行していった結果、全ての歯はなくなってしまいます。

もちろん患者様にとっては、抜歯は避けたいものです。
そのため、一度 抜歯と診断されても、
『絶対に抜歯したくない!』
『どうせダメなら自然に取れるまでそのままにしておきたい!』
『痛みがないので、そのままでも大丈夫!』
『忙しいから今は、抜歯したくない!』

さまざまな理由があり、抜歯や治療を行うのが遅れてしまうことがあります。

先程書きましたように歯周病は 感染症です。

ちょっと例えとしてはズレるところもありますが、
『癌(ガン)』を例に話をしたいと思います。
検査にて『癌(ガン)』が発見されたとします。
初期の『癌(ガン)』であった場合、薬のみで治るかもしれません。
場合により、放射線治療で治るかもしれません。
しかし、『癌(ガン)』の種類や発症部位、進行程度によっては、
『癌(ガン)』自体を摘出する必要性がある場合もあります。
摘出しないと『癌(ガン)』が転移してしまうからです。

現時点であれば、『癌(ガン)』を摘出することにより、その進行を十分阻止できる可能性があったとします。
しかし、そのままにしておけば、進行(転移)はさらに進み、生命にまで危険がおよぶことも当然あります。
当然多くの方は、治療を選択することになります。
『癌(ガン)』の場合には、危機感があるからです。

歯周病はそうはいきません。
歯周病の危険を理解していただくことは難しいのです。

また、若い方の場合、通院自体が困難になることが多いため、
結果的に治療が中断されることが多いのです。

歯周病は自覚症状が少ないことが多いので、痛みや腫れが強くなってきた時には、感染は多くの歯におよび
多数の歯を失うことになります。

当医院には、こうした段階で来院される方が多いのです。

もちろん進行した段階でも徹底した治療を行えば、進行を停止させることができる歯もあります。
だたし、治療は時間もかかり、大変になります。

歯周病はできるかぎり早い段階で対応することが最も大切なのです。



次回のブログは2/12(木曜日)になります。


今週(2/6〜9)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

それでは、今週のインプラント手術の中から下顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

昨日行った症例は、下顎の左右の奥歯です。
下顎の奥歯は、インプラントを行うのには最も適している部位です。
その理由として、骨が硬さがあります。
上顎と下顎では、骨の硬さは違います。
硬い骨軟らかい骨では、
硬い骨の方がインプラントの成功率が高いのです。

また、上顎よりは、下顎の方がインプラントを行うための骨の量が残っていることが多いのです。

今回の手術においても骨は十分残っている状態でした。

そのため、インプラント手術自体はさほど難しいケースではありませんでした。
いつもこのような状況であればいいのですが…

使用したインプラントは ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)  SLAタイプ が4本でした。

麻酔は静脈内鎮静法です。



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2009年2月5日

インプラント手術報告

2/5(木曜日)です。
今日は、いつもと違い、インプラント手術報告のみを書きたいと思います。

インプラント手術報告の話が長いからです。

今週(2/3〜4)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

毎回このコーナーで紹介するケースは、骨の増大治療を伴う難症例が多いでのすが、
いつもこのようなケースだけではありません。
もちろん簡単なケースもいっぱいあります。

しかし、
こうしたブログを読まれている方の中には、
重度歯周病であり 歯がグラグラしていたり、
他歯科医院で インプラントを行うための骨が少ないと言われたり、
現実的に インプラント治療が困難となる方が 多くいらっしゃると考えられます。

そのため、骨吸収により 骨の高さや幅 が少なかったりしても このような治療を行えば、インプラント治療が可能である ということをご説明するために あえて 難しい症例を掲載しています。

それでは、今日も 今週のインプラント手術の中から 高度に骨吸収を起こしていた 1症例について解説します。

患者様が初診で来院されたのは、約1年半程度前でした。
その時の主訴は、『左上奥歯が腫れて痛い!』ということでした。

診査の結果、左上の奥歯は『重度歯周病』でした。
重度歯周病であっても治すことができる場合がありますが、この場合には、抜歯しなければならない状態にまで進行していました。

抜歯しかありませんでした。

その後、患者様の都合により 長期的に 未来院になってしまっていました。

再度 来院された時には、歯周病の状態はさらに悪化しており、
結果的に 骨吸収が進行してしまっていました。

インプラントは、骨の中にチタンでできた “ネジ” を埋込むものです。
骨が吸収してしまっていれば、インプラント治療はできなくなってしまうのです。

今回インプラント治療の計画を立てたのは、上顎の奥歯の2歯欠損です。

2歯欠損のうち1歯は 先程書きました 骨の吸収が非常に進行していた部位です。

今回は、1部位にインプラントを埋め込み、もう一カ所は、骨増大治療(GBR法)を行う計画になりました。

骨吸収の大きかった部位は、今回の骨増大治療(GBR法)の後 約3〜4ヶ月程度すると骨が増大(増骨、再生)します。

  (*今回行ったGBR法は、 ステージド・アプローチと言います。)

そして、骨が増大(再生)した後に再度 インプラントを埋込みます。

今回は、骨増大治療(GBR法)により骨の再生(増骨)が行えましたが、骨増大治療(GBR法)を行っても 十分に骨再生が達成できないケースもあります。

骨増大治療(GBR法)には、限界があるのです。

骨吸収の程度によっては、骨の増大(再生)ができない場合もありますし、
できたとしても治療が大変難しくなり、
治療期間がかかったり、治療を受ける患者の負担が大きくなります。

なにせ 早めに対応することが重要です。

今回使用したインプラントは、 ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)  SLAタイプ 直径4.1ミリ、長さ10ミリでした。

骨増大治療(GBR法)を行った部位には、 βーTCPと自家骨を併用しました。

それでは、なぜ 『自家骨』 『人工骨(β―TCP)』を使用したのかという理由について解説します。
ちょっと難しい話になりますが…
ご興味のある方はご覧下さい。

骨増大治療(GBR法)に使用する材料には以下があります。
1 自家骨
2 他家骨、同種骨
3 異種骨
4 代用骨

自家骨と聞くとびっくりするかもしれませんが、
さほどたいしたことではありません。
例えば、上の奥歯にインプラントを埋入するのであれば 同じ手術部位 から骨を採取します。
骨を採取する時間は1分もかかりません。
上の奥歯のさらに奥の『上顎結節』というところから採取します。
“ノミ” のようなこので 少したたいて 骨を採取します。
得に 痛みがあることもなく、先程話しましたように 1分程度で終了しますので、御心配されるようなことではありません。
ご自身の生体の物ですので 最も安全性が高く、再生能力も高い材料です。
唯一の欠点として、自家骨を採取する場所が限られていることだけです。

次に それ以外の材料ですが、大きくわけて、人工で作られた骨他の生物 や 他人 から得られた骨があります。

人工で作られた骨には 多数の移植材料があります。
これらは生体内でアレルギー反応等の問題を起こすことがないため安全性があります。
しかし、基本的には生体の骨とは構造が違うため それ単体では十分には骨にはなりません。
御自身の自家骨と混ぜて使用することになります。

そして次は 他から得られた骨です。
これは、同じ人間ですが、他人の骨のことです。
アメリカを中心として使用されていますが、日本では認可がおりていないため使用はできません。
また、日本では他人の骨というと多くの患者さんは拒絶されます。
日本では認可がおりてもなかなか使用は難しいかと思います。

人間以外の動物から得られた骨を使用するという方法もあります。
動物? と聞くと嫌な感じがするかもしれませんが、同じ骨です。
免疫反応が起らない処理をすればまったく問題がありません。
しかし、狂牛病(BSE)で有名になったように実際には問題がなくても『牛の骨を使用します』と言ったら現在希望する人はいるでしょうか?
医療の分野においては 牛 や ブタ の骨を使用した材料は古くから多く存在します。
もちろん その安全性は高く、効果も実正されています。
しかし、患者さんが希望しないかぎり勝手に使用はできません。
そのため現在当医院では、自家骨をまず第一に考え、自家骨では足らない場合には人工の骨を使用します。
(人工の骨は安全性という点では優れていますが骨の再生能力は低いものです。そのため自家骨と混ぜて使用します)

今回の手術時間は、難しかったため、インプラント埋入とGBR法を合わせて約30分程度でした。


次回のブログは2/9(月曜日)になります。

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