最新インプラント症例ブログ

2009年4月16日

インプラント周囲炎:その1

4/16(木曜日)です。
今日は、インプラントと歯周病の話をしたいと思います。

現在、新たに、歯周病の専門サイト(HP)を作製しているところです。

歯周病とインプラントは、非常に大きな関係があります。

このブログでも良く書きますが、インプラントは、虫歯にはなりませんが、
歯周病のような状態にはなってしまいます。

インプラントが歯周病のような状態になることを
『インプラント周囲炎』と言います。

インプラント周囲炎とは、インプラントが歯周病と同じような症状になることです。

インプラント治療後に歯ブラシが不十分になると
汚れは 歯肉とインプラントの境目から 内部に侵入していきます。
この汚れは 歯周病細菌と同様の細菌です。

そして、初期の段階では インプラント周囲の歯肉が腫れて行きます。
その後 インプラントを支えている 歯槽骨を吸収してしまいます。
最終的には インプラントは ダメになり、撤去することになります。

人工物であるインプラントには神経が通っていません。
そのため 初期の段階では 多くの場合、自覚症状がありません。
そのため、かなり状態が進行しなければ気付かないのが特徴です。

『インプラント周囲炎』にならないためには、
『歯磨き』が最も重要です。

インプラントを行う方は、もちろん 歯がない ということです。
歯がなくなる原因として最も多いのが、『歯周病』です。

歯周病になってしまう ということは、
その方が 歯ブラシがきちんとできていなかった ということになります。

『歯磨きがきちんとできていなかった』から歯がなくなってしまった
と言ってもいいでしょう。

そのため、歯周病で歯を失った方で、その後にインプラントを行うと
どうしても 歯磨きできちんとできない方 がいらしゃします。

多くの方は、歯周病で歯を失うと、大変なことになることを経験されていますし、
インプラント治療において高額な治療費を支払っていることもありますので、
『なんとかインプラントがダメにならないようにしたい!』
という強い意志をもっていらしゃいます。

しかし、時間の経過とともに そうした意識は少しづつ薄れて行きます。

だんだんと歯磨きがおろそかになっていくのです。

その結果、インプラント周囲に汚れが付着し、
『インプラント周囲炎』となってしまうのです。

インプラント周囲炎になってしまった場合には大変です。
状況によっては、インプラントを摘出することになってしまいます。

インプラント周囲炎の治療方法については、次回解説します。



今日は、これで終了です。
今週のインプラント手術報告は、お休みさせていただきます。
というのは、これから『往診』に行かなければならないからです。

当医院では、『往診』は行っていませんが、
知り合いの方で『緊急でどうしても治療をお願いしたい』という連絡が昨日あり、
本日の『往診』となったのです。

患者様は、現在『認知症』の方で、老人ホーム(?)で入れ歯をなくしてしまった
とのことでした。

歯が1本もない 総入れ歯の方ですから、早く作製しないと食事もできません。

入れ歯を紛失することは、『認知症』の方や 高齢の方で 良くあることです。

高齢の方にとって 食べることは、非常に大切なことです。
また、『認知症』の方にとっては、『噛む』という行為自体が大変効果が高いことです。

本日は、入れ歯の型取り と 噛み合わせを行います。
通常、総義歯の場合、型取り と 噛み合わせ には、2回以上の治療回数がかかりますが、
早急に作製しないといけませんので、
本日は、型取りの後、型に 石膏 という物を入れ、硬化まで、2時間程度待ち、模型を完成させます。
その後、模型上で、噛み合わせの装置を作製し、噛み合わせを行い、帰宅予定です。
半日は、かかるので、午前中から始めたいところです。




次回のブログは4/20(月曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『インプラント周囲炎:その2』です。




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2009年4月13日

インプラント手術報告

4/13(月曜日)です。
4/9(木)と4/10(金)のブログは、体調不良のため、当然休みましてすみませんでした。
4/8は、とても診療できる状況ではなかったので、他の先生にまかせて私は、休んでいました。
次の日の木曜日が定休日でしたので、1日ゆっくりと身体を休め、金曜日から仕事開始でした。

急性胃炎のため、2日間ほとんど食事を取らなかったので、さすがに金曜日の診療は大変した。
しかも、4/10〜12の3日間で件の手術(インプラント、GBR法…等)が入っていたため、
これまた、大変なことでした。
今日は、休診日ですので、ブログを書いた後、ゆっくりと休みたいと思います。

今日は、仕事が溜っているので、インプラント手術報告のみにさせていただきます。

今週(4/10〜12)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

それでは、今週のインプラント手術の中から上顎の前歯部にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

上顎の前歯が5歯欠損していたケースです。
骨吸収が大きく、この半年の中で最も大変なケースでした。

欠損期間が長かったこともあり、骨の吸収がかなり起っていました。

今回使用したインプラントの直径(太さ)は、3.5ミリです。
直径3.5ミリのインプラントを埋入するためには、
約5.5ミリ骨幅が必要です。

しかし、実際には、5ミリも6ミリも骨幅が存在するケースは、ほとんどありません。
残っている骨幅が4ミリ程度のケースが多いのです。
そのため、インプラントを埋込むと同時に 骨の少ない部分に 『GBR法』を行い、骨増大を行います。

今回のケースは、骨幅が1.5ミリ程度しか存在しない状態です。

通常、骨幅が2ミリ程度の場合には、インプラントと同時に 『GBR法』は、行わずに、先に骨の増大のみを行います。
そして、骨が十分に回復(増大)してから、改めてインプラントの埋入を行うのです。
ただし、この方法ですと、骨増大 と インプラント埋入 の2回の手術を行うことが必要であることと
治療期間が非常に長くかかってしまいます。

患者様は、手術に対する不安をお持ちであることともあったため、
手術回数を少なくするため、インプラントと同時に 『GBR法』を行う選択をしました。

まず、1.5ミリ程度しか骨幅が存在しないため、 『スプリットクレスト法』にて骨の幅を押し広げる方法を行いました。
この方法は、幅1.5ミリの骨の中心に “ ノミ ” のようなものを挿入し、たたき、少しずつ幅を押し広げていきます。
ちょっとずつです。
“ ノミ ” を打ち込んだ溝は、少しづつ広がります。
そして、最終的に骨の真ん中にできた “ 溝 ” にインプラントを埋込むのです。

1.5ミリしかなかった骨幅は、 『スプリットクレスト法』で 3ミリ近くにまで拡大されました。

そして、インプラントを埋込みました。
この時点で、インプラントがグラグラせず、安定していればOKです。
しかし、インプラントが安定していないような状態であれば、良くありません。
結果的に失敗する可能性もあります。

1.5ミリしかなかった骨幅は、 『スプリットクレスト法』で 3ミリ近くにまで拡大され、
直径3.5ミリのインプラントが埋入できました。
しかし、これだけでは、十分ではありません。

埋込んだインプラントの一部分は、骨の中に埋まっておらず、
インプラントのネジ部分が露出している状態です。

今度は、このネジが露出した部分に骨の増大を行う必要性があります。

自家骨と 人工骨(β―TCP)を混合したものを吸収している部位に設置します。

そして、 GBR膜を使用します。

GBR法を行う場合、必要以上の骨を増大させる必要性があります。

これは、移植した骨の20〜50%程度は、吸収してしまうからです。

そのため、6ミリ程度の骨幅を獲得したい場合には、8ミリ程度の骨幅になるように 自家骨と 人工骨(β―TCP)を混合したものを設置します。

今回も治療後の骨吸収をみこして、8ミリ程度の骨幅になるようにGBR法を行いました。

話は、最初に戻りますが、もともと骨の幅は、1.5ミリ程度しかなかったものを
8ミリまで増やしたことになります。
これは、かなり大変なことなのです。

そのため、最初に書きましたように
この半年で最も大変な治療となりました。

今後のスケジュールとして、
約3〜4ヶ月後にGBR膜を撤去する治療を行います。

GBR膜の中には、時間の経過とともに自然に吸収していく膜と
まったく吸収しない膜が存在します。

この使い分けは、もともとの骨の吸収程度や 骨増大の量 等により決定されます。

現在は、自然に吸収される膜を使用することがほとんどになっていますが、
骨の増大を大幅に行うようなケースでは、
吸収しない膜を使用することが多いのです。

ただし、この吸収しない膜は、取り扱うのが非常に難しい材料です。

使用したインプラントは、 アンキロス・インプラント 長さ11ミリが3本です。

麻酔は、 静脈内鎮静法にて行いました。

大変な治療であったため、治療後はかなり腫れると思います。


次回のブログは、4/16(木)になります。


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2009年4月10日

4/9(木)のブログはお休みです。

院長の体調不良につき、4/9(木)のブログはお休みさせていただきます。

すみません。

次回のブログは、4/13(月)になります。
2009年4月6日

アタッチメント義歯:その2

4/6(月曜日)です。
今日も前回の続きで、『アタッチメント義歯:その2』になります。

前回のブログでは『アタッチメント義歯』について解説しました。

アタッチメント義歯とは、
入れ歯を使用している方で、
『入れ歯が動いて噛みにくい!』
『入れ歯が合わない!』
『入れ歯がすぐ取れてしまう、落ちてくる!』
…等
入れ歯の問題点を解決するための、治療法です。

前回と同様の話にはなりますが…

例えば、歯が1本もない方がいらしたとします。
現在、総入れ歯 を使用しているが、上記で記載したように
入れ歯が動いたり、取れてしまうので、
どうしても 食事 や 会話 が困難になっている場合、
2本から4本のインプラントを埋込み、義歯が動かないように固定をします。
この義歯とインプラントをつなぐ装置を『アタッチメント』と言います。

他の方法として、歯が1本もない場合、
6〜8本のインプラントを埋入し、固定式のブリッジとする方法もありますが、
多くのインプラントを埋入するとどうしても治療費が高くなってしまいます。
そこで、治療費を抑えるという点でも『アタッチメント・義歯』は、有効な方法です。

具体的には、歯が1本もない方に6〜8本のインプラントを埋入し、ブリッジとした場合と比較して、
アタッチメント義歯にすると1/4〜1/6以下の治療費で行えます。

しかし、実際の臨床では、多くの方がインプラント・ブリッジをご希望されます。
その理由として、
『入れ歯から解放されたい!』
『入れ歯が合わない!』
『もともと歯があった頃と同様に食事をしたい!』
といったご希望があるからです。
このような ご要望の場合には、取り外し式の入れ歯ではなく、
完全固定式のインプラント・ブリッジが適しています。

しかし、入れ歯を使用していること自体には、大きな問題はないが、
入れ歯が取れたり(外れたり)、
入れ歯が動いたり、
食事 や 会話中に 入れ歯が落ちたり
しないようになれば良い
ということがご希望の場合には、固定式のインプラントブリッジではなく、
アタッチメント義歯の方が良いでしょう。

どのような治療がベストかは、口腔内の状況 や 患者様のご希望をふまえ決めるものです。
そのため、現在、歯が欠損していたり、入れ歯で悩んでいたり、
抜歯と診断され、その後の治療方法をどうしようかと悩んでいる方は、
まず、どのような治療方法あるのかを担当医と話し合うことが大切です。


次回のブログは4/9(木曜日)になります。

今週(4/3〜5)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

昨日行った症例は、本日のテーマであるアタッチメント義歯です。
患者様は、80歳近い患者様です。
以前から義歯を使用していましたが、年々抜歯する歯が増えてきて、
現在では、上顎は総入れ歯、
下顎は、残っている歯が 3歯のみ になってしまったとのことでした。
患者様の主訴は、下顎の義歯です。
入れ歯が動き、食事もできないくらいになってしまったとのことです。
ご自宅の近くの歯科医院にて長年治療を行ってきましたが、
年々入れ歯が合わなくなってきたため、どうしようかと悩んでいらっしゃいました。
そして、ご家族のご紹介により、当医院を受診することになりました。

先に書きましたように、歯がほとんどない場合、
インプラントブリッジにするか?
アタッチメント義歯にするか?
という選択肢になりますが、患者様は、高齢ということもあり、
あまり、大きな治療は避けたいというご希望と
入れ歯が嫌ではなく、食事がきちんとできる入れ歯になれば良い
というご希望でしたので、義歯を最大限安定させるために、
4本のインプラントを埋込みました。

手術当日から義歯は使用できます。
手術日から2〜3日は腫れがありますが、食事ができないということではありません。

今まで、合わなかった義歯ですが、手術終了直後から 『以前より 入れ歯が安定している!』
と喜んでいました。
なぜインプラント手術直後から入れ歯が安定してきたのでしょうか?
これは、使用したインプラントが  1回法を基本コンセプトとする  ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)であったため、手術直後からインプラントの上部が少し出っ張っています。
この出っ張りで義歯を安定させることができのです。

インプラントと骨が結合するまで約2〜3ヶ月かかりますが、
以前の義歯より、安定するので食事も楽になると思います。

また、3ヶ月後には、アタッチメントを装着できますので、
食事 や 会話中に義歯に取れることはまったくなくなります。


麻酔は、静脈内鎮静法です。
高齢の方には、安全性の高い麻酔方法です。



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2009年4月2日

アタッチメント義歯

4/2(木曜日)です。
今日を含め、2/26から のシリーズでは、
上顎の奥歯において、骨吸収が進行しており、
インプラントを埋込むための骨の高さが少なくなっている場合、
インプラント治療が非常に困難になることを解説してきました。

そして、骨吸収が非常に進行した場合には、
『上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)』を行う必要性があります。
しかし、この上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)は、骨移植と伴うため、
治療としては大変になります。

そこで、骨吸収の状態にもよりますが、
骨移植を避ける方法について解説してきました。
それが、
『ソケットリフト法』、
『上顎結節を利用した傾斜埋入』、
『ショート・インプラントの使用』
でした。

それでも骨の吸収が大きく、インプラント埋入が困難なケースが存在します。
もちろん骨移植を行い、
『上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)』を行えば、
インプラント治療は十分可能ですが、それを避けるための話になります。

当院を受診される患者様の中には、
歯がほとんどなかったり、
全ての歯がない いわゆる『総入れ歯』
という状態の方がいらっしゃいます。

そして、
入れ歯が動いたり、
食事中に取れてしまったり、
等の問題を抱えています。

そのため、『インプラント治療により、入れ歯から解放されたい!』
というご希望をもって来院されます。

歯が1本もない(総入れ歯)場合、
6〜8本程度のインプラント埋込むことにより、
インプラント・ブリッジが可能になります。
以下のような状態です。
atacgimennto22
クリックすると拡大されます




入れ歯の状態から もともとの歯があった状態 のような固定式になりますので、
患者様のよろこびは、大変大きいものです。

しかし、骨の量が極端に少ない場合、
インプラントを行うことができません。

そうした場合、
GBR法
『スプリッティング法』
『ソケットリフト法』
インプラントの傾斜埋入
ショートインプラント
サイナスリフト法

といった方法を行います。

しかし、骨吸収によりどうしても複数(6〜8本)のインプラントを埋入することが困難な場合、
最小限のインプラントのみを埋入し、
その埋入したインプラントを 義歯が動かないように利用する方法があります。

具体的には、2〜4本のインプラントを埋込みます。
そして、インプラントと義歯をつなぐ『アタッチメント』という金具を装着します。
これにより 義歯 と インプラントは 強固に固定されますので、
義歯が落ちてくるということはありません。
また、インプラントの本数や骨の状態にもよりますが、
固定が強いため 義歯を非常に小さくできるという利点があります。
上顎では、義歯の口蓋の部分を取除くことができ、通常の義歯とははるかに小さくできますので、
違和感はかなりなくなるかと思います。
aa
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次回のブログは4/6(月曜日)になります。


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2009年3月30日

ショートインプラント

3/30(月曜日)です。
今日も始めは、今までのおさらいになります。

上顎の奥歯は、骨が吸収していることが多いことと、上顎洞が存在するため、
インプラントを行うことが困難になることを シリーズ(2/26〜前回まで)で
解説してきました。

そして、上顎の奥歯において、骨吸収が大きく、インプラントが困難なケースでは、
『ソケットリフト法』
サイナスリフト法
を行う行い、インプラントを埋入することを解説してきました。

『ソケットリフト法』は、患者様に負担が少なく、治療としては、簡単な方ですが、
適応症としては、骨の高さがある程度(5ミリ程度)は、残っていないとできない方法です。

それに対し、 サイナスリフト法は、骨の高さがもっと少なくても、 骨移植を行うことによりインプラント埋入が可能になります。
しかし、この 骨移植が治療を受ける患者様には、大変なのです。
治療後の腫れ等が大きくでます。

そこで、前回は、上顎の奥歯にインプラントを埋込むための骨の高さが少ない場合、
親知らずにあたる部分にインプラントを埋入する『上顎結節を利用したインプラント傾斜埋入法』について解説しました。
これは、上顎の奥歯にあたる骨が吸収しても、
さらに奥にある『上顎結節』という部分の骨は、
吸収しなく、残っていることが多いことを利用した方法なのです。

この『上顎結節を利用したインプラント傾斜埋入法』を応用することにより、
骨移植を行う、 サイナスリフト法を避けることが可能になる場合もあります。

今日は、骨吸収により、インプラントを埋入するための 骨の高さが少ない場合の他の治療法について解説します。

『ショート・インプラント』というテーマです。
インプラントを埋入するためには、できるかぎり長いインプラントを埋入することが重要です。
特に上顎においては、長いインプラントが重要になります。
その理由として、上顎と下顎では、骨の硬さに違いがあるからです。
下顎と比較して上顎の骨は、軟らかいのです。

例えてお話すると、家を建てる時、
硬い地面に 土台となる クイ を打ち付けるのと、
軟らかい地面に クイ を打ち付けるのでは、違ってくるかと思います。
軟らかい地面であれば、より強固にするために、できるかぎり長い クイを打ち付けた方が
安定が良いのです。

軟らかい上顎の骨においても同様のことが言えます。
通常、下顎より長いインプラントを埋込むように治療計画を立てます。

しかし、現実問題として、
今回のテーマでもある上顎の骨は、上顎洞の存在や骨吸収によって
インプラント埋入が困難なことが多いのです。

現実的には、長いインプラントを埋込むことが難しいのです。

そこで、インプラントの埋入本数を増やす方法が考えられます。
長いインプラントが無理であれば、
インプラント自体の長さは、短いが、本数を増やすことにより、
強度を得ようという 考え方です。

上顎の奥歯において、骨移植を避けたい とご希望される患者様には、有効な方法の一つになります。

このことは、文章で説明するよりも症例を見ていただいた方が分かりやすいので、
以下を御覧になって下さい。
治療前
sho-tto1
クリックすると拡大されます






治療後
shott-2
クリックすると拡大されます







次回のブログは4/2(木曜日)になります。

今週(3/27〜29)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。


本日ご紹介するケースは、現在 上顎に残っている歯が 5歯のみの患者様です。
インプラント治療期間中に問題となるのが、治療中の仮歯(仮義歯)をどうするか
ということです。

インプラント治療は、時間がかかります。
通常、インプラントを埋込んでから 骨と結合(くっつく)まで、
上顎で約3〜4ヶ月、
下顎で約2〜3ヶ月かかります。
(骨吸収の状態等では、さらに治療期間がかかることもあります)

この治療期間中をどうするのかが、大きな課題です。

骨の状況等によっては、即時加重(負荷)・インプラント という方法があります。
この方法は、インプラントを埋め込むと同時に、固定式の仮歯をインプラントにつける方法です。
インプラント手術当日に固定式の仮歯になりますので、
患者様には、非常に喜ばれます。
例えば、今まで総入れ歯を使用していた方でも
インプラント手術当日に、固定式になりますので、
患者様からは、
『手術当日から噛めるようになった!』
と大変喜ばれます。

しかし、この 即時加重(負荷)・インプラント は、全てのケースで適応できるわけではありません。


さて、話を今回の症例に戻します。

患者様は、上顎に5歯のみが残っている状態でした。
そのうち1歯を完全にダメな状態です。
抜歯ということです。
残りの4歯もかなり状態は、良くありません。
最終的には、ダメになる確率が高いのです。

患者様は、治療期間中は、義歯の装着は、どうしても避けたいというご希望がありましたので、
残っている4歯のみで、固定式の仮歯を作製し、インプラントの治療期間中は、
この仮歯を使用していただき、インプラントと骨が結合(くっつく)した後、
インプラントの仮歯と交換する治療計画を立てました。

今回埋入部位は、骨吸収もあり、
『スプリッティング法』
『GBR法』
『ソケットリフト法』
を行いました。

骨の増大をさらに促進させるために、 『 P.R.P法 』も併用しました。

使用したインプラントは、 アンキロス・インプラント 長さ11ミリが4本です。

麻酔は、静脈内鎮静法です。
この麻酔方法は、治療中は、寝ている状態で行えますんので、
患者様の不安等がなく、楽な麻酔方法です。



治療費
インプラントが1本21万円(税込)×4本です。
この中には、治療中のレントゲン撮影や薬代、
今回のスプリットクレスト法、GBR法、ソケットリフト法、PRP法の費用も含まれています。


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2009年3月26日

インプラントの傾斜埋入

3/26(木曜日)です。

前回までに 上顎の奥歯において、高度に骨吸収が起っている場合、
『上顎洞底挙上術(サイナスリフトリフト法)』を行う必要性があることを解説してきました。
具体的には、残っている骨の高さが5ミリ以下の場合、『上顎洞底挙上術(サイナスリフトリフト法)』が必要になってくる可能性が高いのです。

そして、『上顎洞底挙上術(サイナスリフトリフト法)』を行うためには、
骨移植が必要になってきます。
これが、大変なのです。

そして、『上顎洞底挙上術(サイナスリフトリフト法)』を避けるための一つの方法として、『上顎結節を利用したインプラントの傾斜埋入』があります。
これは、上顎の親知らずの さらに奥に存在している 骨の出っ張り部分 を利用し、
インプラントを埋入するというものです。
この親知らずの奥の骨の出っ張りを『上顎結節』と言います。

しかし、この『上顎結節』は、親知らずのさらに奥にあるので、
インプラントを埋入するためには、斜めに埋入することになります。
このため、『上顎結節を利用したインプラントの傾斜埋入』
と言うのです。


まず、『上顎結節を利用したインプラントの傾斜埋入』症例を見ていただきます。

下のレントゲン写真が治療前の状態です。
赤色の点線が上顎洞の位置で
緑色の点線が骨の外形です。
中央部には骨の高さがほとんどないことがわかります。

治療方法として サイナスリフトはせず、奥にインプラントを傾斜埋入させて行うことにしました。
同部分を拡大(抜歯前になります)したのが右側の写真です。
抜歯前の状態を見ると 骨が根の先までないのがわかります。

keisya1
クリックすると拡大されます。






下のレントゲン写真が治療後の状態です。
このようにインプラントの傾斜埋入を行うと、サイナスリフトや骨の移植手術を行わないで治療を行えます。
しかし、インプラントを斜めに埋入する部位が存在しなければもちろん行えません。
左のレントゲン写真が全体像で右のレントゲン写真がインプラント部分のみの拡大像です。
keisya2
クリックすると拡大されます。





それでは、『上顎結節を利用した傾斜埋入』の問題点は、あるのでしょうか?

まず、先程記載しましたように、上顎結節にインプラントを埋込むための 骨が存在する必要性があります。

上顎結節は、比較的吸収しにくく、親知らずにあたる部分の骨が吸収しても
上顎結節のみ骨が残っていることも多くあります。
しかし、中には、上顎結節の骨も吸収している方もいらっしゃいます。

また、上顎結節は、他の部位に比較して、
骨の硬さが軟らかい場合が多いのです。

一般的に、上顎と下顎の骨を比較すると、
上顎の骨の方が 圧倒的に柔ららかいのですが、上顎結節は、さらに軟らかい傾向が強いのです。

そのため、上顎結節にインプラントを埋入するためには、
事前に、CT撮影等で『骨密度』を計測することも有効です。

さらに、通常よりも長いインプラントを埋入したり、
太いインプラントを埋入することも有効な手段となります。


次に、斜めにインプラントを埋込むことには、問題はないのでしょうか?
インプラントを斜めに埋込むことには、問題はありません。
ただし、この場合には、複数のインプラントで連結することが前提になります。

埋込むインプラントが1本のみの場合には、斜めにインプラントを埋込むと場合により、
問題となることがあります。

しかし、複数のインプラントを埋入し、その1本が斜めであった場合には、
逆に維持力が増し、インプラントの生存率が高くなる
という論文も多く存在します。

次に、欠点としては、親知らずのさらに奥に埋入するため、
完成した被せ物は、かなり奥まで 歯が存在することになります。
このため、治療後には、歯ブラシが行いにくくなります。
ブラッシングがきちんとできない方には、適していない方法となります。

また、技術的にも難しい治療になります。
上顎結節の大きさは、結構狭いものなので、この部分に適切に
インプラントを埋込むことは、技術的には難しいのです。

ただし、骨の状態等の条件さえ合えば、『上顎洞底挙上術(サイナスリフトリフト法)』のように骨移植を行わないので、
患者様に対して、負担も少なく、治療期間も圧倒的に短くできます。

『上顎結節を利用したインプラントの傾斜埋入』は、上顎の奥歯において、骨吸収があり、インプラントが適切に行えない場合には、非常に有効な治療の一つになります。

次回のブログは3/30(月曜日)になります。

話が長くなってしまいましたので、今週のインプラント手術報告はお休みさせて頂きます。


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神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは 治療費(費用)の説明や インプラント症例 無料相談コーナーもあります。
2009年3月23日

サイナスリフト法:その6

3/23(月曜日)です。
今日も前回の続きで、『サイナスリフト法:その6』になります。

本日までで、サイナスリフト法(上顎洞底挙上術)は、
上顎の奥歯において、骨の吸収が大きい場合に行う方法であり、
治療を行うためには、骨移植が必要であることを解説しました。

また、この骨移植には、ご自身の骨と人工の骨を混合し、使用することも解説してきました。

そして、最も重要なことは、このサイナスリフト法(上顎洞底挙上術)は、
治療に対する反応が強く起ることも解説してきました。

治療に対する反応とは、治療後の腫れ や 痛み です。

サイナスリフト法(上顎洞底挙上術)を行うと治療後の腫れはかなり強く起ります。
このため、治療を受けられる患者様にとっては、
日常生活を行う上で支障となることが多く、
『骨移植を行ってまで…』という方が多いのも現状です。

それでは、骨吸収が大きい方で、
通常では、インプラントが行えない場合で、
サイナスリフト法(上顎洞底挙上術)を行わないとインプラントができないと判断されたケースでは、
他に方法はないのでしょうか?

骨移植(サイナスリフト法)を行わないで、インプラント治療を行う他の方法として、
いくつかのことが考えられます。

その一つが『上顎結節を利用した傾斜埋入』です。

下の写真を見て下さい。
上顎の左右の奥歯が欠損しています。
緑の線が現在の骨の位置を示しています。
赤い線が上顎洞底の位置を示しています。
奥歯にあたる位置では、上顎洞が下がってきており、
骨の高さが少ないことが分かるかと思います。

sainasurifuto1
クリックすると拡大されます。





赤い線緑の線 の中央部分では、隙間が少ないのです。
つまりこの部分には、インプラントを埋込むための
骨の高さが存在しないのです。

具体的には、赤い線緑の線 の中央部分では、
骨の高さが約2ミリ程度しか存在しません。

安定するインプラントを埋入するためには、骨の高さは10ミリ程度は必要です。
つまり、赤い線緑の線では、インプラントを埋込むことができないのです。

もし、この部分にインプラントを埋入するためには、上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)が必要になるのです。

そこで、上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)を避けるための方法が
『上顎結節を利用した傾斜埋入』です。

『上顎結節』とは、上顎の『親知らずに当たる部分』です。
  (実際には、親知らずのもう少し奥になります)

先程のレントゲンで 最も骨の吸収があるところ(赤い線緑の線)が、奥歯に当たる部分で、
『上顎結節』は、さらにその奥になります。

『上顎結節を利用したインプラントの傾斜埋入』は、
骨移植を行う 上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)を避けるため、
『上顎結節』に斜めにインプラントを埋込む方法です。

解説するよりも、実際に症例を見ていただいた方が分かりやすいと思います。
下のレントゲンは、最初にあったレントゲン写真の症例に対し、
『上顎結節』に傾斜埋入を行った症例です。
sainasurifuto1
クリックすると拡大されます。






次回のブログは3/26(木曜日)になります。

今週(3/19〜22)のインプラント手術報告

本日紹介する『今週のインプラント手術』は、簡単な症例です。
簡単というのは、インプラントを埋込むための 骨の高さ や 幅が 十分存在しており、手術時間も短く、手術後の腫れ 等も非常に少ない ということです。

しかし、最近、このような簡単なケースは、少なくなってきています。
骨の吸収が非常に進行しており、インプラントが難しいケースが多いのが現状です。

骨が吸収してしまう原因として、
悪い状態を放置することです。

例えば、歯周病です。
歯周病は、歯周病細菌による感染症が主な原因です。
歯周病細菌により歯を支えている骨が吸収どんどんと進行していき、
最終的には、歯がグラグラし、抜けてしまうのです。

問題なのは、このような 歯がグラグラしている状態で抜歯した場合です。
骨の吸収が起っているため、その後にインプラント治療が難しくなってしまうのです。

インプラント治療の中には、骨を再生させる治療法もあります。
GBR法といった治療法がその一つです。

しかし、GBR法は、魔法の治療法ではありません。
GBR法を行えば、どのような状態でも元の状態に回復できるわけではありません。
また、一番大変なのは、治療後の腫れ 等です。
治療が複雑になればなるほど 治療後の反応も強くでます。

骨が吸収しないように 早めに対応することが重要です。
また、歯周病の場合、早めに治療を行えば、抜歯になることはありません。

話は、症例に戻ります。
骨の幅が十分存在していたために、骨の増大法等を行わずに
インプラントの埋入を行うことができました。

手術時間も麻酔を除けば、5分程度でした。
多少は、腫れる可能性もありますが、治療後に大きく痛みがでたりすることは
まずないと思います。

使用したインプラントは、 ストローマン・インプラント ( I.T.Iインプラント) SLAタイプ 直径4.8ミリが1本でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約2〜3ヶ月後に型を取り、
3. 型取りの後、 約10日で完成した被せ物を装着し、完了です。
以外に治療回数はかからないものなのです。

治療費
今回の手術を含め、治療費は、
インプラントが 21万円(税込)、
最終的な被せ物が 105.000円(税込)ですので、
合計で315.000円(税込)になります。

この中には、治療中のレントゲン撮影や薬代、型を取る費用、被せ物の費用も全て含まれています。



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2009年3月19日

サイナスリフト法:その5

3/19(木曜日)です。

昨日は、WBC(日本×韓国)残念でしたね。

今日は、キューバ戦ですのでがんばっていただきたいものです。

さて、今日は木曜日ですが、診療です。
明日(3/20:金)が祝日のため、かわりに診療になります。

今日も前回の続きで、『サイナスリフト法:その5』になります。

今までの4回で、上顎の奥歯に骨の吸収がある場合には、
インプラント治療が難しくなることが多いことを解説してきました。

そして、骨吸収の程度を具体的な数値としてあらわすと、
骨の高さが5ミリ以下の場合には、通常の方法でインプラントを埋込むことは困難になることが多く、
骨の移植を行い、骨の高さの増大を待ってから インプラントの埋込みを行うことが必要であることを解説してきました。
その方法が上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)です。

そして、骨の移植方法として、患者様ご自身の骨 と 人工の骨を混ぜて使用することが多く、
治療に際しては、治療期間が長くなったり、
治療後の腫れが多くでたりする確率が高い治療であることも解説してきました。

治療自体は、結構大変です。
そのため、患者様にもあらかじめ、大変であることをお話します。
しかし、現実問題として、
『上顎の奥歯が欠損しており 噛めない!』 とか
『入れ歯が会わない!』 
と言った理由でどうしてもインプラントを行いたい という方も多くいらしゃいます。
骨の高さがある程度あれば、特に問題なくインプラントは行えますが、
骨吸収が非常に進行している方もかなりいらっしゃいます。

当医院でもサイナスリフト法は行います。

しかし、それでも年間で10症例はいかない程度です。
(少ない年度では5症例以下です)

また、骨の吸収程度 や 範囲(欠損歯数)によっては、行わないケースも存在します。
つまり、あまりにも骨吸収の範囲や吸収程度が大きい場合には、
上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)自体もさらに難易度が高くなってまうのです。

また、上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)を行った場合の治療期間ですが、
かなり長くかかります。

通常、骨に大きな問題がなく、上顎においてインプラントを埋入した場合、
インプラントと骨が結合するまで約3〜4ヶ月です。

しかし、骨吸収が大きく、上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)行った場合、
骨ができるまでに6ヶ月〜1年かかります。
その後、インプラントの埋入になりますので、治療期間は非常に長くかかってしまいます。


今日でこのサイナスリフト法の話は最終回ですが、大切なことは、
このような骨吸収が起らないうちに対応することです。

つまり、 歯周病を放置したり、
歯根破折を放置したり、
歯がないままにしないことです。


次回のブログは3/23(木曜日)になります。

今日は、これで終了します。

今から WBC(日本×キューバ)を見なければなりません!!
がんばれニッポン!!


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2009年3月16日

サイナスリフト法:その4

3/16(月曜日)です。
今日も前回の続きで、『サイナスリフト法:その4』になります。

今、WBC(日本 × キューバ 戦)を見ながらブログを書いています。


前回もだいぶ難しい話になっています。

ここまで、上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)を行うためには、
上顎洞内部に骨の移植が必要であり、
移植する材料は、ご自身の骨(自家骨)と人工骨があり、
人工骨の中には、βーTCPという材料があることを解説してきました。

それでは、今日は、自家骨というテーマで解説していきたいと思います。

自家骨は、ほとんどの場合、患者様の口腔内から採取することは前回解説しました。

『オトガイ』と言われる顎の先端 や 下顎枝と言われる奥歯の後方 から採取します。

上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)を患者様にお話する時に、よくご質問されることがあります。
それが、以下のようなことです。

1.顎の先端から骨を取った場合、その部位はどうなるのですか?
  骨を取った穴は再生するのですか?

2.骨を取ったりすると 顔が変形したりしないのですか?

3.骨を採取するなんて怖いのですが、痛みはありますか?

4.治療後、腫れたりしますか?

5.入院は必要ですか?

6.骨の移植とすると骨は、本当にできるのですか?

以上のようなご質問が多くあります。
順番に回答します。

まず、骨を採取した部位ですが、骨は再生しますのでご心配しないで下さい。

次に骨を採取すると顔が変形するかどうか ということですが、
これも問題ありません。

次に痛みがあるかどうか ということですが、
治療中は、静脈内鎮静法という麻酔を行いますので、痛みはありません。
この麻酔は、寝ている状態になりますので、治療中のことは覚えていません。
しかし、治療が終了し、麻酔が切れた後には、痛みを伴うことがあります。
半数以上の患者様においては、痛みは多少あるが、痛み止めで治まる程度であり、
食事等にも問題はない という程度です。
しかし、少数ですが、数日間痛みが続いた という方もいらっしゃいます。

次に腫れたりするか? ということですが、
腫れます。
今まで私が上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)を行った中で、
まったく腫れなかった方は、1人だけです。
ほとんどの方が腫れます。
どの程度腫れるか ということですが、
最も多いケースで、3〜5日程度、顔が大きく腫れます。
中には、顔に アザ ができる方も いらっしゃいます。
アザ ができる理由として、内出血があります。
わかりやすく解説すると
転んだりした場合にできる 赤アザ や 青アザ のようなものです。
皮膚の下に内出血が起るために、アザができるのです。
もし、内出血ができても 手や足であれば、洋服で隠れたりしますが、
顔はそういうわけにはいきません。
見えますから…

もちろん そうしたことは 必ず起るわけではありませんが、
一応、一時的ですが、顔に アザ のようなものができる可能性があることをご理解して下さい。
当然のことながら アザ は一時的なことであり、時間の経過とともに治ります。

次に入院は必要ですか? ということですが、基本的には必要ありません。
外来で行えます。
しかし、大学病院等の入院設備がととのっている医療機関では、入院することがあります。
また、自家骨を採取する部位が口腔内以外であった場合には、入院が必要になります。

最後に骨移植をすると骨は本当にできるのですか? ということですが、
移植した骨を100 %とすると
全て骨になるのではありません。
移植した骨のある程度は、吸収してしまいます。
30%程度は、吸収してしまいます。
しかし、この吸収程度には、差があります。
さほど吸収しない方もいらしゃいますが、かなり吸収してしまう方もいらっしゃいます。
そのため、骨移植を行った後 数ヶ月してからレントゲンで検査し、
骨の再生程度を確認します。
骨の再生が悪い場合には、再度骨移植を行う可能性もあります。
ただし、こうしたことは確率としては非常に低いものです。


次回のブログは3/19(木曜日)になります。
また、この続きになります。

WBC(日本 × キューバ戦)先程勝ちました!
朝から見ていました!

3/19(木)は、診療致します。


今週(3/13〜15)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

上顎の前歯部が欠損している高齢の患者様です。
現在は、ブリッジをしていますが、ブリッジの土台が折れてしまったために、
インプラントを行うことになりました。

折れてしまった原因は、 歯根破折です。
歯根破折は、神経がない歯で高頻度で起ります。
神経のない歯はリスクが非常に高いと思って下さい。

患者様は、上顎の前歯が4歯欠損しており、ブリッジの土台として、欠損の隣の2歯(左右犬歯)を使用していました。
左右の犬歯とも神経がない歯でした。
その左右とも折れていたのです。

治療方法として、一般的には、左右の犬歯を抜歯と同時に 仮の義歯(入れ歯)を装着します。
しかし、患者様は、義歯(入れ歯)の装着をご希望されませんでしたので、
他の治療方法を考えることにしました。

まず、抜歯はせず、欠損部にインプラントを埋入し、
骨とインプラントが結合するまで待ちます。

インプラントと骨が結合するまでは、現在のブリッジをそのまま使用していただきます。
そのため、治療期間中は、義歯(入れ歯)を使用せず、現在と変わらない状態でいられます。

そして、インプラントを骨が結合したら、左右犬歯を抜歯し、インプラントを土台とした
仮歯に変更します。

これにより治療期間中の生活には変化はありません。


さて、インプラント手術ですが、欠損部位は、
歯がなかった期間が長かったため、骨吸収が起っていました
そのため、 『スプリッティング法』を行い、骨の幅を増大させ、さらに骨の幅を増大させるために、 『GBR法』を行いました。

使用したインプラントは、 アンキロス・インプラントです。

麻酔方法は、静脈内鎮静法でした。




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