最新インプラント症例ブログ

2008年11月20日

歯科治療と金属アレルギー:その1

11/20(木曜日)です。

11/23(日曜日)は休診になりますので、本日は診療です。

今日から、『歯科治療と金属アレルギー:その1』になります。

歯科治療では、金属を使用することが多くあります。

虫歯治療のほとんどが金属を使用するといってもいいでしょう。

部分入れ歯でも固定するための金具(クラスプ)は金属製です。

しかし、金属に対してアレルギーをもっている方もいらっしゃいます。

また、『金属アレルギー』の方が年々増加しているのも事実です。

『金属アレルギー』の方の中には その原因が口腔内に使用されている金属であるとは気がついていない方もいらしゃいます。

また、虫歯治療でなくても以下のような不安(疑問)をお持ちの患者様もいらしゃいます。

『インプラント治療を考えているが、金属アレルギーが心配で…』

これは本当なのでしょうか?

インプラントに『金属アレルギー』はあるのでしょうか?

このテーマでは、金属アレルギー の 基礎 から 歯科治療との関係 まで以下のような項目に分けて解説します。

第一項:『金属アレルギーとは?』
第二項:『金属アレルギー検査:パッチテスト、リンパ球幼弱化テスト…etc』
第三項:『アレルギーを起こしやすい金属、安全性の高い金属』
第四項:『歯科治療と金属アレルギー』
第五項:『安全性の高い歯科治療は?』
第六項:『金属アレルギーの治療:EDTA点滴キレーション療法…etc』
第七項:『インプラントと金属アレルギー』

現在の日本人の口腔内には、多種多様の金属が使用されています。
その金属の中には、アレルギーを起こす確率が低い金属もありますが、
アレルギー反応を起こしやすい金属も存在します。

ただし、金属アレルギーは全ての人に起るわけではありません。
また、金属アレルギーの人でもアレルギー反応を起こさない金属もあります。

現実問題として金属をまったく使用しない歯科治療は難しいものです。
特に日本の保険診療の中では、金属をまったく使用しない歯科治療はできません。

また、使用できる金属も限られています。
(差し歯のような被せ物では、事実上1種類の金属しか使用できないと言ってもいいでしょう)
そのため、金属アレルギーが疑われる方は、どの金属に対してアレルギーが起っているのか?
(起る可能性があるのか?)を検査し、反応のあった金属は使用しない方が良いでしょう。

それでは、各論に入りたいと思います。

金属アレルギーとは?
金属アレルギーとは、ピアス等のアクセサリーを使用したり、
歯科治療で金属を使用した場合、
金属が 汗 や 体液、唾液 等により非常に微量ですが溶け出し、
イオン化した金属が体内に入り、
次に同じ金属が接触すると拒絶反応を起こし皮膚等が炎症を起こす現象です。

特にピアスは 皮膚を貫いて皮下組織に直接金属が接するため、 拒絶反応を起こしやすいのです。

金属アレルギーは、さまざまな原因により起ります。
個人差も大きく左右します。

汗をかきやすい人は金属アレルギーが起りやすいのです。
この理由として 汗 は 酸性です。
金属は、酸に弱いため、汗をかきやすい人は 金属が溶け出す確率が高くなるのです。
そのため、汗をかきやすい夏には、アクセサリー等による金属アレルギーが起りやすいのです。

アレルギー反応がすでに起っている人は、金属製の装飾品を使用しないことが最も重要なことですが、
予防策としては、

・ 成分がよくわからないような物は使用しない
・長時間つけない
・ 汗等をかいたらすぐ取り外したり、汗を拭く

等の対応も大切です。
これは、一度金属アレルギーにかかるとは、完治は難しいからです。

また、皮膚の違いによっても起りやすさが違います。
皮膚の角質層が厚い人は起りにくいのですが、
角質層が薄い人は金属アレルギー反応が強く出やすいのです。

また、使用する金属の種類により起りやすさが違います。
『アレルギー反応と金属の種類』については後日詳細を説明しますが、
『ニッケル』という金属は、最もアレルギー反応が出やすい金属であり、
『銅』も起りやすい金属です。

『金』は、金属アレルギーが出にくいですが、
アクセサリー等で使用される金属の多くは『純金』ではなく『合金』のため、
他の金属が含まれていることが多いのです。
もちろん『18金』は、純金ではありませんから、
場合により『ニッケル』等が含まれている可能性もあります。

最も金属アレルギー反応を起こすことが少ないのが『チタン』です。
こうした点については また後で詳しく解説します。

金属アレルギーによる反応では、さまざまなことが起ります。
皮膚の炎症、かゆみ、シミ、シワ、老化、頭痛、神経症状(水銀毒、重金属毒)……等です。

また、歯科においては『ガルバニー電流』が起ることがあります。
これは、口の中にさまざまな種類の金属を使用した場合、
唾液等が電解質となり電位差の発生により電流が流れることです。
電流が流れることにより、痛みや違和感が起ります。
分かりやすい例では、アルミホイルやスプーンを噛んだりした時に嫌な感じがすることです。


次回のブログは11/24(月曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『歯科治療と金属アレルギー:その2』です。

今週は、話が長くなりましたので『インプラント手術報告』は休ませていただきます。

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2008年11月17日

骨の再生はどこまで可能なのか?:(GBR法)の限界:その5

11/17(月曜日)です。

昨日の日曜日は、学会のため、休診でした。
11/23(日:勤労感謝の日)も休診になりますので、かわりに11/20(木)は診療致します。


今日も前回の続きで、『骨の再生はどこまで可能なのか?:(GBR法)の限界:その5』になります。

さて5回に分けて解説してきました このジリーズも今日で最終回です。
今までの内容については、過去のブログを参考にして下さい。

今日は、『GBR法の限界:その5』になります。
前回までは、骨が再生するためのスペースを確保することは、非常に困難であることを解説してきました。
今日は、その困難な理由についてさらに詳細に解説します。

実際の臨床では、歯肉の中に 人工骨等を入れたり、
支柱の変わりになるような材料(チタン等でできたピン)を入れることにより歯肉の間の隙間(スペース)を確保することを行いますが、100%元に戻させる(回復させる)ことは難しいのです。

以下のような問題も生じます。
例えば、歯が多数欠損していたとします。
骨吸収が大きく、そのままでは、インプラントができないため、GBR法を行う必要性があったとします。
治療期間は長いので、暫くの間は、義歯(入れ歯)がないと噛めません。
義歯を使用しながらGBR法を行うことになります。
そして、骨の高さを確保(再生、増骨)するためにGBR法を行います。
GBR法では、人工の骨を入れて高さを増したり、支柱のような材質(GBR膜 等)を歯肉の中に埋め込み歯肉をテント上に高くします。
しかし、骨ができるまでには、時間がかかります。
その間に義歯を使用すると義歯でGBR法を行った部位は圧迫されてしまいます。
義歯により、歯肉が圧迫されると 骨が再生(増骨)するための、スペースが確保できません。
こうした問題も起ります。

また、歯肉は、多少伸びますが、いくらでも高さを確保するために
歯肉が伸びるわけではありません。
限界があります。
歯肉はゴムのように伸び続けるものではないのです。
歯肉が伸びないと高さは確保できないのです。

まとめますと、骨吸収が“穴”のような状態であれば、歯肉の侵入を防ぐためのバリアー(GBR膜)を歯肉の間に入れることにより、ある程度骨の回復(増骨、再生)させることは可能ですが、
骨吸収が縦方向に起っている(骨吸収により高さが非常に少ない)場合には、
骨を100%元の状態に回復(再生、増骨)させることは困難になります。
これが、GBR法の限界なのです。



次回のブログは11/20(木曜日)になります。
次回から新しいテーマになります。『歯科治療と金属アレルギー』になります。
最近、急激に増えた感じがします。
特に80年代以前に歯科治療を受けたことがある方の口腔内では、
さまざまな金属が使用されている傾向が高く、審美的にも問題があります。
現在は、金属をまったく使用しない治療等が普及しています。

次回から始まる新テーマ『歯科治療と金属アレルギー』では、
『金属アレルギーとは?』
『アレルギーを起こしやすい金属』
『歯科治療と金属アレルギー』
『安全性の高い歯科治療は?』
『インプラントと金属アレルギー』
といったことについてシリーズで解説する予定です。


今週(11/14〜15)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

今回ご紹介する症例は、上顎の前歯部が1歯欠損している患者様です。
欠損の両側の歯はまったく問題ありません。
このようなケースはよくあります。
なぜ、欠損になってしまったのでしょうか?
その原因の一つとして 『神経がない歯』が考えられます。
神経のない歯は非常に脆くなります

歯の神経を取り除く時に、神経だけでなく、血管も取り除きます。
つまり、神経のない歯は、血液循環もないことになります。
例えて話しますと『枯れた木』です。
枯れた木のような『神経のない歯』は、特別な力が加わらなくても普通に生活している状態でも折れてしまうことがあります。
神経のない歯は非常にリスクが高いと思って下さい。

また、歯の根が折れてしまった場合には、痛みが生じないこともあるので、
折れたまま放置するケースがあります。
これが非常に危険なのです。
根の折れた部分から血液や細菌 等が入り込み、歯肉内部で感染を起こします。
感染を起こすと歯の根を支えている周囲の骨が吸収を起こします。

骨吸収が進行してしまった場合、その後でインプラント治療を選択する場合には
治療が難しくなってしまいます。

骨吸収が高度に起った状態でインプラントを行うことは、
治療自体が難しくなるだけではく、 治療後に審美的な問題を残すことがあります。

つまり、神経のない歯は、リスクが高いと思って下さい。
そのため、神経を取らないようにすることがまず大切なのです。

さて、今回の症例に戻ります。
骨吸収が認められたため、インプラントを埋入すると同時に 『スプリッティング法』 『GBR法』を行いました。
『GBR法』では、 人工骨(β―TCP)を使用しています。

『GBR法』は今日までのシリーズで解説したことです。

使用したインプラントは、 アンキロス・インプラントです。

手術時間は、 『GBR法』を併用したこともあり約20分程度でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3〜4ヶ月後に型を取ります。

治療費
インプラントが1本21万円(税込)になります。
この中には、治療中のレントゲン撮影や薬代、スプリットクレスト法、GBR法の費用も全て含まれています。


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2008年11月13日

骨の再生はどこまで可能なのか?:(GBR法)の限界:その4

11/13(木曜日)です。

今週の日曜日(11/16)は、臨時休診ですので、本日は診療になります。
* 来週の木曜日(11/20)も診療致します。

今日も前回の続きで、『骨の再生はどこまで可能なのか?:(GBR法)の限界:その4』になります。

前回は、GBR法で骨が再生(増骨、増大)する原理について解説しました。

それでは、GBR法を行うと骨はどこまででも再生可能なのでしょうか?

答えは『NO』です。
骨の再生(増骨)には、限界があります。
骨の吸収状態により治療の難易度は変わります。
骨吸収が大きければ 大きい程 骨の再生(増骨)治療は困難を極めます。

骨のを増やすことはわりとしやすい(可能な)のですが、
骨の高さを増やすことは難しいのです。

一番簡単に骨が再生できる条件は、11/6の『…その2』で解説したように“穴”です。

抜歯でできた骨の“穴”の中に骨を再生させることはさほど難しいことではありません。
歯肉の間の『バリヤー』であるGBR膜を入れれば、膜(GBR膜)で塞がれた
“穴”の中は骨で再生(増骨)されます。

しかし、垂直的(高さが吸収)に骨が吸収された部位をもとの高さまで骨を再生させることを難しいのです。
つまり平になった状態を高くすることは難しいのです。

例えば、 歯周病等で、骨の高さが、5ミリ吸収したとします。
インプラントを行うために、この5ミリを増骨(再生)させようとします。
この場合の骨再生は、非常に難しいのです。
その理由を説明します。

まず、骨が吸収するとそれに伴い歯肉も吸収(下がります)します。
歯肉が下がってしまった状態で骨を回復させようとする場合、
歯肉を上方に引っ張り上げる必要性があります。
骨が増大(増骨)するための場所(スペース)を確保する必要性があります。

例えてお話すると 骨吸収により歯肉が下がった状態は、
『つぶれたテント』のようなものです。
『テント』の中に人や物が入る(入れる)ためには、『つぶれたテント』を立て直す必要性があります。
『つぶれたテント』を立て直すことにより、『テント』の中にスペース(隙間)を確保するのです。

『テント』であれば、支柱を立てれば良いのですが、歯肉はそのように うまくはいきません。
下がった(つぶれた)歯肉を上に引っ張り上げようと思っても 歯肉はそんなに伸びることはできませんし、歯肉がつぶれないように支柱を入れることも困難なのです。

GBRgenkai1
クリックすると拡大されます。










次回のブログは11/17(月曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『骨の再生はどこまで可能なのか?:(GBR法)の限界:その5』です。
このシリーズの最終回です。

先にも書きましたように今日は診療ですので、ブログを書く時間がないので、これで終了です。
インプラント手術報告は休ませていただきます。

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2008年11月10日

骨の再生はどこまで可能なのか?:(GBR法)の限界:その3

11/10(月曜日)です。
今日も前回の続きで、『骨の再生はどこまで可能なのか?:(GBR法)の限界:その3』になります。

今日もGBR法の続きになります。

前回は、抜歯を例にして、抜歯した“穴”がどのように治るかを解説しました。
抜歯した“穴”が治るには、歯肉(歯肉の細胞)骨(骨の細胞)が関係していて、
歯肉(歯肉の細胞)は治るのが早い(再生スピード)のに比べて
(骨の細胞)の治るスピードは遅いために、抜歯した“穴”は歯肉で埋まってしまう傾向にあることを解説しました。
(*全てのケースにおいて当てはまるわけではありません)

今日は、そうしたことを防止し、骨の再生(増大、増骨)するための、GBR法の原理について解説します。

GBR法の原理は、単純なもので、この歯肉が“穴”の中に入り込むのを防ぐのです。
そこで登場するのが、GBR膜です。
GBR膜は、薄いシート状でできています。
紙のようなものです。
このシート状のGBR膜を抜歯でできた“穴”の上におきます。
そして歯肉を縫合します。
つまり、GBR膜は、歯肉の間に設置するということです。
GBR膜は、歯肉の下にあるため(歯肉と骨の間)、歯肉は、下方(GBR膜より下)に行けなくなったのです。
(歯肉が抜歯した“穴”に入り込まない)
つまり、GBR膜は、歯肉が“穴”に入り込まないようにするための『バリアー』なのです。
『バリアー』があるからこそはゆっくりと再生するのです。
下図を参考にして下さい。
GBRgennri
クリックすると拡大されます










次回は、さらに詳しく解説します。
『骨は、どこまで再生可能なのか?』についてです。


次回のブログは11/13(木曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『骨の再生はどこまで可能なのか?:(GBR法)の限界:その4』です。

そういえば、先日私の同級生(横浜市開業)から診療中に電話があり、
ドイツ人の方が急患で来院され、
『母国でインプラント治療を行った被せ物が土台から取れた』とのことでした。
その同級生の歯科医院では、取り扱っていないインプラントの種類(メーカー)だった
ため、当医院に連絡が来たのです。

そのドイツ人の患者様に使用されていたインプラントの種類は、 ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)でした。

ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)は、世界的にも多くの歯科医師に使用されているインプラントであり、日本でも最も使用頻度の高いインプラントの一つです。

もし、上記のドイツ人の患者様が日本ではほとんど使用していないインプラントであった場合には、対応が非常に困難だったでしょう。

また、あまりにもマイナーなインプラントメーカーの場合、製造メーカー自体がなくなってしまうこともあります。

最近は、アジアの中で非常に単価の安いインプラントメーカーが出回っています。
治療費のコストを抑えるために、日本の歯科医師が海外に出向き、購入してくるケースがあります。
そうしたインプラントメーカーの材料は、場合により日本では販売していないこともあります。

もちろん『安いから悪い』ということではありませんが、ある程度信頼できるインプラントメーカーを使用することも重要なことです。

話は戻りますが、急患で来院されたドイツの方は、インプラントの土台が緩んでしまったために 単にセメント(接着剤)で付ける ということはできなかったのです。
インプラントの土台は、ネジ式になっており、そのネジを締めつけるためには、専用の器具が必要なのです。
そのため、どこの歯科医院でも行えるということではありません。

ただし、 ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)であれば、インプラント治療を行っている歯科医院の多くで取り扱っているため、すぐ近所ではなくても探すことは十分可能です。

また、以前にも同様な理由で来院された患者様もいらっしゃいました。
他歯科医院で行ったインプラント部位が良く取れてしまうとのことで当院に来院された方です。
インプラント治療を行った歯科医院は非常に遠いので、当院でどうにかならないかと来院されました。
レントゲン撮影を行い、さまざまな資料を駆使して調べた結果、インプラントのメーカーは分かったのですが、ほとんど聞いたことがないインプラントメーカーの物でした。

そのため、当医院では対応できないだけでなく、紹介する先も見当がつかない状態でした。

そのため、使用されていたインプラント製造メーカーに問い合わせ、患者様の自宅付近で納品している歯科医院を聞きました。
そこで聞いたのが、患者様がインプラント治療を行った歯科医院でした。
患者様の自宅から2時間以上はかかります。
患者様には、そこの歯科医院以外には、近所にはないことを伝えました。

インプラント治療を受ける場合には、単に費用といった点だけでなく、さまざまなことを知ることが必要です。

今週(11/7〜9)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

上顎の前歯部をぶつけたため、 歯が折れ、抜歯となった患者様です。
インプラント治療を行うにあたり、骨吸収が大きかったため、インプラントの埋入と同時に骨増大法(GBR法)を行いました。
現在のブログのテーマですね。

使用したインプラントは、 アンキロス・インプラントが1本です。

手術時間は、約20分程度でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3ヶ月後に型を取ります。

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2008年11月6日

骨の再生はどこまで可能なのか?:(GBR法)の限界:その2

11/6(木曜日)です。

今日から新しいテーマになります。
『骨の再生はどこまで可能なのか?:(GBR法)の限界:その2』になります。

次回のブログは11/6(木曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『骨の再生はどこまで可能なのか?:(GBR法)の限界:その2』です。

前回から始まったテーマです。
GBR法は、どのようなものかということが分かったことを前提として始めます。

今日は、『骨はなぜ再生(増骨)できるのか?(骨再生のメカニズム)』になります。

それでは、骨は本当に再生(増大)可能なのでしょうか?
可能です。
基本的に骨は再生(増大)可能なものです。
例えば、腕や足が骨折したとします。
ギブス等をし、安静にしていれば、骨はくっ付きますよね。
これは、骨折した部位に骨が再生しているからです。

が再生するためには、『骨の細胞』が必要です。
『骨の細胞』が増えることにより骨は再生するのです。
しかし、骨の再生スピードは非常に遅いのです。

それに対し、歯肉や皮膚等(『歯肉の細胞』)は、再生スピードが非常に早いのです。
骨折した部位がくっつくのに数ヶ月はかかりますが、
皮膚(指 等)の粘膜が切れても 傷口がくっつくのに数ヶ月かかるということはありませんよね。 数日あれば、十分傷口は治ります。

つまり、皮膚や歯肉等の粘膜の治りは非常に早いのですが、
骨は治るのに時間がかかるのです。
この骨と歯肉の再生するスピードの違いが、骨の増骨(再生)に違いを及ぼすのです。

再生スピードの違いの話を 抜歯 に例えて解説します。
抜歯をすると“穴”があきます。
歯の根が埋まっていた骨の中の“穴”です。
この“穴”は、いつまでも開いているわけではありません。
次第に埋まっていきます。

ここで登場するのが、先程の『骨の細胞』『歯肉の細胞』です。
『歯肉の細胞』は、治り(再生スピード)が早いため、抜歯でできた“穴”を急速に埋めてしまいます。
抜歯でできた“穴”に歯肉が入り込むということです。
この理由として、抜歯でできた“穴”がそのまま空いていたら大問題です。
“穴”の中には、食べ物は入ってしまいますし、
なにより“穴”の中は 骨 ですから感染してしまいます。
そのため、生体防御のために、歯肉(『歯肉の細胞』)は早く治り“穴”を塞ごうとするのです。
その結果、抜歯によりできた“穴”は、歯肉(『歯肉の細胞』)でいっぱいになってしまいます。

骨(『骨の細胞』)が再生(増骨)する場所がなくなってしまうのです。

GBR3
(クリックすると拡大されます)










今週のインプラント手術報告は、お休みさせていただきます。

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2008年11月3日

骨の再生はどこまで可能なのか?:(GBR法)の限界:その1

11/3(月曜日)です。

今日から新しいテーマになります。
『骨の再生はどこまで可能なのか?:(GBR法)の限界:その1』になります。

今回から始まるテーマは、GBR法でどこまで骨は再生(増骨)できるのか?
という話になります。
GBR法(骨増大法)については、このブログでも良く書くので、知っている方も多いかと思いますが、弟1回目の今日は、GBR法について再確認の意味も含め解説したいと思います。
その上で、次回以降は、
弟2話:骨はなぜ再生(増骨)できるのか?(骨再生のメカニズム)
第3話:GBR法の原理
第4話:GBR法の限界
について解説する予定です。

それでは、弟1回目の『GBR法についてからです。
インプラントを行うにあたり、インプラントを植立するための骨幅や骨の高さがない場合、そのままの状態でインプラントを行うと成功率は非常に低くなります。
適切な状態で植立してこそインプラントの長期安定が望めるのです。
GBR 法とはインプラントを行うにあたり、骨の幅や高さがない時に、骨を再生させる方法です。
術式としては2つの方法があります。
一つはインプラントを植立する前に骨の増大をはかる方法です。
これは『インプラントの前準備としてのGBR 法』です。
専門用語で、『ステージドアプローチ』と言います。
まず、歯肉の中に骨の再生を促す特殊な膜を入れます。(下図1参考)
状態によって異なりますが、4〜8ヶ月間骨が成熟するのを待ちます。
その後、膜を除去するとインプラントに適した骨が膜の下に再生しています。
そこで初めてインプラントの植立を行います。
この方法は治療期間が長くなりますが、もともと大きく骨の幅がない人などはこのGBR 法を行ってからインプラントを行う必要性があります。
無理な状態でインプラントを行ったとしても長期的な安定は期待できません。
今後のことを考えれば確実な選択といえます。
f31870c0.jpg
(画像とクリックすると拡大されます)











次に『インプラントと同時にGBR 法を行う方法』です。
専門用語で、『サイマルテイニアスアプローチ』と言います。
これはインプラントを行うには骨が少ないが(骨幅に問題があるが)、術前GBR 法(ステージドアプローチ)をしなくても大丈夫な場合に適応します。
インプラントを植立すると同時にGBR 膜を併用します。
3〜6ヶ月後に膜を除去し、後は上部構造を作製するだけです。(下図2参考)
GBR2
(画像とクリックすると拡大されます)










次回のブログは11/6(木曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『骨の再生はどこまで可能なのか?:(GBR法)の限界:その2』です。


今週(10/31〜11/2)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中から前歯部にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

本日ご紹介するケースは、上顎の前歯部のインプラント手術です。
上顎の前歯部は、審美性が非常に重要視される部位です。
単に噛めればいい ということではありません。
しかし、この審美性が非常にやっかいなのです。

どこまで審美的に治療が行えるかは、治療前の骨吸収状態に左右されます。
特に、1歯欠損(欠損の両側に歯が残っている)の場合には、難しいのです。

治療を受ける患者様にとっては、元々歯があった状態とまったく同じに治療が終了することをご希望されています。
しかし、術前に骨吸収が高度に起っている場合には、この希望を100%達成することは難しくなります。

骨の吸収が起ると、それに伴い歯肉も退縮します。
歯肉が退縮した状態でインプラントを埋入すると審美性も問題を生じる可能性もあります。

骨の吸収がある場合、骨を再生(増骨)するための治療が必要になってきます。
これが、今回からのテーマになっているGBR法です。
GBR法の難しさは、次回以降のブログで解説しますので、ご覧になって下さい。

さて、今回のケースでは、骨の吸収が高度に起っていたため(高さも、幅の吸収もなかりありました)、インプラントを埋入と同時に骨増大(GBR法)を行いました。

使用したインプラントは、 アンキロス・インプラントです。

手術時間は、約20分程度でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3〜4ヶ月後に仮歯を作製し、型を取ります。


治療費
インプラントが1本21万円(税込)です。
最終的には、これに被せ物の費用(105.000円:税込)がかかります。
治療完了までの治療費の合計は、315.000円(税込)になります。
これには、手術費用、薬代、型を取る費用等、インプラント治療の全てが含まれます。


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2008年10月30日

患者様から受ける質問特集:その22

10/30(木曜日)です。

今日も前回の続きで、『患者様から受ける質問特集:その22』になります。

今日も前回の続きになります。
このテーマを始めて見られた方は、10/16の『患者様から受ける質問特集:その18』からご覧になって下さい。

さて、今日も、全身疾患とインプラント治療の関わりについてです。

骨粗鬆症とインプラント治療についてです。

結論から言いますと、『骨粗鬆症』患者様に対するインプラント治療は、
絶対的な禁忌ではありません。
その理由として、『骨粗鬆症』の方にインプラントを行い、その経過を観察した研究においては特に問題はないという論文が多数あります。
しかし、『骨粗鬆症』の程度にもよりますので、主治医との綿密な連携が必要となります。
『骨粗鬆症』であってもインプラント治療はあきらめることはなく、きちんと検査を行い、その結果次第では十分可能です。
また、骨密度をあらかじめ測定することも有効な診断になります。

しかし、『骨粗鬆症』の治療として『ビスフォスフォネート剤』を使用している方はインプラント治療は行えません。
ビスフォスフォネートは、骨の代謝が止まってしまい骨が溶けるのを防ぐ反面、骨の治癒も起きませんのでインプラント治療は禁忌になります。

以下も参考になさって下さい。
生活習慣と骨粗鬆症の関係


次に、麻酔アレルギーおよび薬物アレルギーです。
まず、麻酔アレルギーですが、歯科治療における麻酔薬の多くは『エピネフリン』という薬剤が入っています。
歯科治療におけるエピネフリンの作用は血管を収縮し、止血作用があります。
また、局所麻酔剤の作用を増強させ、その効力を持続させます。
しかし、このエピネフリンに過敏な方が時々いらっしゃいます。
その場合にはエピネフリンを含まない麻酔液を使用し、歯科治療を行います。
また、高血圧や心臓病など、持病のある方は歯科治療で麻酔を使用する際は担当歯科医師に申告して下さい。

次に薬物アレルギーです。
インプラント治療等の外科治療の際には、通常抗生剤や鎮痛剤を処方します。
当院においても初診時の問診表以外に外科処置前の質問表、担当医の問診等で漏れがないようにしていますが、どの段階においても問題なしとなっていてもいざ薬を処方する際になって始めてアレルギーがあったことや通院歴があることを申告される方がいらっしゃいます。
問診表は必ず、確実に記載して下さい。
また、服用薬によっては重複してはならない薬や飲み合わせが悪い薬もありますので、服用している薬は全て申告されて下さい。
できましたら、薬をお持ちになっていただくのが確実です。
最近は心療内科で安定剤や不眠薬等を処方されている方も多くいらしゃいます。
こうした薬も治療を受ける際には必ず申告する必要性があります。
服用している薬の種類によっては通院している科の先生と連絡をとり、治療が可能かどうかと判断することがあります。

話は戻り、今回の質問である
『…ざまざまな病気があると インプラント治療は本当にできないのでしょうか?』
ということですが、数回に分けて解説しましたようにご病気の内容によりインプラント治療や歯周病治療が行えない場合もあります。
また、糖尿病や高血圧のようにその程度によっては、問題なく行えるケースもあります。
一番大切なのは、事前にご病気の有無や、服用している薬、通院している科の有無等をきちんと担当歯科医師に話ことが大切です。


次回のブログは11/3(月曜日)になります。

この質問シリーズは、今日で終了です。
次回から新しいテーマになります。
『GBR法』で骨が増骨(再生)できるのはどうして?
骨はどこまで再生可能なのか?
というような話をしたいと思います。


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2008年10月27日

患者様から受ける質問特集:その21

10/27(月曜日)です。

今日も前回の続きで、『患者様から受ける質問特集:その21』になります。

今日も前回の続きになります。
このテーマを始めて見られた方は、10/16の『患者様から受ける質問特集:その18』からご覧になって下さい。

さて、今日も、全身疾患とインプラント治療の関わりについてです。

まずは、『腎臓病』とインプラント治療についてです。
腎臓病には軽いものから重いものまであり、その原因も治療法(食事制限や薬の服用、透析、移植等)もさまざまです。
そのため、腎臓病の方は全てインプラント治療ができないということではありません。
ただし、腎臓病の方は免疫力が低下しているため傷が治りにくく、骨との結合も難しくなります。
また、インプラント治療の際に服用する抗生剤や鎮痛薬等の使用制限もあります。
人工透析を受けている方では、血液の循環をよくする薬を服用するため、外科的処置をした時に止血しない場合があります。
そのため、人工透析を受けられている方はインプラント治療の際には注意が必要です。
病状にもよりますが、基本的に腎臓病の方はすぐインプラント治療が可能ということにはなりません。
担当医師との連携により相談しながら可能かどうか判断していきます。

次に、『放射線治療を行っている場合とインプラント治療の関係』についてです。
ガン(癌)の治療で現在放射線治療を行っている方は基本的にインプラント治療ができません。
特に顎骨に放射線を受けている場合には外科処置は禁忌です。
また、麻酔を行うことも危険です。

歯科麻酔により骨髄炎を起こす可能性があります。
そのため、インプラント以外の通常の歯科治療においても注意が必要です。
特に口腔領域の悪性腫瘍に対する放射線治療後は口腔内の炎症が起ったり、骨髄炎を併発していることが認められます。
また、放射線治療後には唾液の分泌量の減少が認められることがあります。
唾液の分泌が少なくなると、虫歯や歯周病が起る確立が高くなります。
そのため、放射線治療後には口腔内の管理をきちんとしておかないと虫歯や歯周病になった場合でも治療が難しいことがあるため、注意が必要です。
ただし、放射線治療後に一定の期間が経っている場合には医科担当医(放射線科医)との相談によってインプラント治療が行える場合もあります。



全身疾患とインプラント治療の関係については次回さらに解説します。

次回のブログは10/27(月曜日)になります。
次回も今日の続きになります。
歯科(インプラント、歯周病)と健康の関わりです。


今週(10/24〜26)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

それでは、今週のインプラント手術の中から骨が非常に吸収した上顎前歯部にインプラントを行った症例をご紹介します。

術前において上顎の欠損は、前歯と臼歯部の多くの歯が欠損している状態でした。

通常このような場合、欠損数の約半数のインプラントを埋入し、 ブリッジとします。

しかし、骨があまりにも吸収している場合、 インプラント・ブリッジでは、審美的に問題を生じることがあります。

その理由の一つを解説します。
義歯(入れ歯)を使用している方は分かるかと思いますが、義歯には、人工的な歯肉(プラスチックでできたピンク色の部分)があります。
このピンク色(歯肉色)のプラスチック部分がご自身の歯肉の上に乗り、
義歯(入れ歯)を支えているのです。
義歯の歯の部分は、このピンクのプラスチック(人工歯肉)の上に付くのです。
これが義歯(入れ歯)です。
gisio







歯根破折 歯周病 歯がない状態が長く続くと骨が吸収します。

義歯の人工歯肉(ピンク色のプラスチックの部分)は、単に歯肉の上に乗って、義歯を安定させているだけなく、吸収した骨の部分も回復させているのです。

歯が1本もない(総義歯を使用している)方は、顎の骨が吸収しているため、
『唇の張り』がなく、唇周囲に『シワ』ができる傾向にあります。
骨の吸収によって、唇が落ち込んでいるためです。

骨吸収による顔貌の変化については、以下を参考にして下さい。
歯がないと顎の骨はどんどんと痩せる

こうした場合、義歯の人工歯肉(ピンク色のプラスチックの部分)があるからこそ、
吸収した部分を補うことができ、唇が落ち込まないようにできます。
その結果、唇周囲の『シワ』ができにくいようになります。

義歯を使用している方が、義歯を外すと『シワ』ができるのはこのためです。

話は、だいぶ長くなってしまいました。

今回のケースでは、ブリッジにすると、上記のような問題が起る可能性が高いため、
あえて義歯(インプラント義歯)にする計画にしました。

インプラントを埋入し、そこに義歯と固定するための金具を装着します。

これにより、義歯は動かないようになり、さらに義歯自体も小さくなります。

インプラント治療は、骨が非常に吸収していたため、
『スプリッティング法』
『GBR法』を併用して増骨を行いました。

使用したインプラントは、 ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)  SLAタイプ 直径4.1ミリ、長さ10ミリ が3本でした。



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2008年10月23日

患者様から受ける質問特集:その20

10/23(木曜日)です。

今日も前回の続きで、『患者様から受ける質問特集:その20』になります。

前回までの2回で、質問20〜21の回答として、
『インプラント、歯周病、喫煙』というキーワードで話をしてきました。

今日も歯科疾患と全身的な関わりについてです。

ここで再度質問22を書きます。
質問22
 歯周病に悩んでいます。
数年前から歯肉の腫れと出血があり、最近では歯がグラグラしています。
近医にて重度の歯周病であり、現時点では治療は難しいと言われました。
抜歯する必要性があるということです。
また、糖尿病や高血圧、高脂血症があるため、インプラント治療も難しいと言われました。
歯周病を治す方法はないのでしょうか?
また、ざまざまな病気があると インプラント治療は本当にできないのでしょうか?

回答22
 歯周病については、前回 解説致しました。
今日は、全身疾患とインプラント治療についてです。

まず、『糖尿病』との関わりについてです。
糖尿病が進行すると抵抗力や免疫力が低下し、歯周病を引き起こしやすくなります。
また、インプラント埋入後に骨とインプラントが接合しないで失敗に終わるケースもあります。

しかし、全ての糖尿病患者様がインプラントが禁忌ということではありません。
血糖値のコントロールがうまくできていれば、インプラント治療も十分可能になります。
絶対的な基準というのはありませんが、
1 空腹時血糖値が150以下(状況により200以下であれば可能)
2 HbA1-cが7%以下(状態により8%以下であれば可能な場合があります) 
3 尿ケトン体(_) 
4 重篤な合併症がない
であれば、ほぼ問題はないといえます。
しかし、このような数値でも通常の方よりは感染のリスクは高いため、十分な注意が必要です。
また、現在糖尿病で通院されている場合には必ず内科主治医との連絡をとって行えるかどうか決める必要性があります。
*HbA1-c(過去1ヵ月の平均的な血糖値)

インスリン注射や血糖降下剤を服用されている方の注意事項

インプラント治療の難易度や埋入本数により、治療後に食事の制限がある場合があります。
そのような場合、インプラント手術当日の血糖降下剤の服用やインスリンの自己注射に問題を生じることがあります。
つまり、手術後に腫れ等で食事が十分取れなかった場合、いつも通りに決まった時間に血糖降下剤の服用やインスリン注射を行ってしましますと、血糖値が下がりすぎてしまい低血糖症となってしまいます。
そのため、インスリン注射や血糖降下剤を服用されている方はインプラント相談の段階で必ず担当歯科医師に申告されることが必要です。
そして、インプラント治療後に腫れがあるのか?食事制限があるのか?等の検討をし、もし、そうしたことが考えられれば、事前に内科担当医師との打ち合わせが必要になる場合もあります。

次に血圧が非常に高い場合、インプラント治療は難しい場合があります。
ただし、血圧が高くても内科で治療を受けていて血圧の症状がきちんとコントロールされており、麻酔が出来る状態であればインプラント治療は受けられます。

血圧が高い場合には、糖尿病とは違い治療後の治癒が悪いということではありません。
問題なのは手術中です。
インプラントは手術を伴うものです。
今まで、行ったことがない治療であったり、手術と聞くと 誰でも緊張するものです。
この緊張が血圧の上昇を起こす原因になります。
緊張で血圧が上昇するケースがありますから、高血圧症であることが事前にわかっていれば、 『静脈内鎮静法』 を行ってインプラント治療を行います。
静脈内鎮静法を行うと治療中のことはほとんど覚えていない状態になります。
眠っている間にインプラント治療が終了することになります。
治療に不安を持っている患者さんには最適な麻酔方法です。
方法としては点滴をするように血管内(静脈内)に麻酔液を入れます(流します)。
麻酔が効くまで5〜10分程度です。
後はインプラント治療が終了するまで寝ている状態です。
静脈内鎮静法は、治療中ほとんど寝ている状態で処置が行えますので、緊張等による血圧上昇を抑える効果的な麻酔方法です。
高血圧だからインプラントができないということではなく、安定していれば、それが上昇しないように手術を行うことが大切です。

全身疾患とインプラント治療の関係については次回さらに解説します。

次回のブログは10/27(月曜日)になります。
次回も今日の続きになります。
歯科(インプラント、歯周病)と健康の関わりです。


今週(10/21〜22)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

今日ご紹介するケースは、下顎の奥歯にインプラントを行ったケースです。
骨が非常に高度に吸収をしていました。
骨が吸収している場合には、GBR法という骨を増大する治療法を行います。
このブログでも良く書く内容ですよね。
このGBR法ですが、骨の吸収状況により再生ができる難易度が変わります。
骨の幅を増やすことはわりとしやすいのですが、
骨の高さを増やすことは難しいのです。

今回のケースは、幅も少なく、高さも少ない状況でした。
非常に難症例です。

ストローマン・インプラントを埋入し、同時にGBR法も併用しました。

骨は、100%元の状態に回復(再生)できるわけではありません。
特に高さが吸収した場合、状況にもよりますが、元の状況にまで増骨(再生)させることは困難です。

なぜ骨の増大治療には、限界があるのかということは、また後日(現在行っている質問シリーズが終わってから)このブログで書きたいと思います。

手術時間は、方側で約15分程度でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約2〜3ヶ月後に型を取ります。


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2008年10月20日

患者様から受ける質問特集:その19

10/20(月曜日)です。

今日も前回の続きで、『患者様から受ける質問特集:その19』になります。

前回は、『喫煙』についていろいろと解説しました。
今日は、前回ご紹介した質問21についてです。

ここで再度質問21を書きます。
質問21
 他歯科医院にて重度の歯周病と言われ、多くの歯を抜歯しました。
抜歯後には、インプラント治療を考えているのですが、
重度の歯周病の場合、将来的にインプラントも問題が生じる可能性が高いと言われました。
これ以上、歯を失いたくありません。
インプラント治療を行うにあたり、歯周病治療は徹底して行いたいと思っていますが、
将来的に歯周病が再発しない方法はありますか?


回答21
歯周病とインプラントの関係については、このブログでも何度も書いてきました。
詳細は、以下を参考にしていただきたいと思います。
インプラント周囲炎

今回は、歯周病が再発しないかどうかという点について解説します。

まず、結論から言いますと、歯周病は再発率が非常に高い疾患です。

もともと 歯周病は、生活習慣病です。
『高血圧』とか、『糖尿病』等と同じです。
例えば、『糖尿病』は、生活習慣が大きく関係してきます。(*遺伝的なものを除く)
食生活運動ストレス喫煙…等です。
『糖尿病』と診断され、病院で薬をもらい服用した結果、血糖値が安定してきたとします。
それでは、薬を服用していれば、二度と『糖尿病』にならないかと言いますと
もちろん違いますよね。
食生活の乱れ等により、一度良くなった『血糖値』は再度悪化してしまう可能性があります。
元々が生活習慣病なのですから、いくら薬を服用していても
食生活等の生活の乱れにより、状況は悪化します。
逆に言えば、規則正しい食生活 や 適度な運動 ができなければ『糖尿病』は治らないのです。

歯周病まったく同じです。
歯周病予防の第一の基本は、『歯ブラシをきちんと行う!』ことですが、それだけではありません。
当然、口腔内も全身の一部ですから、身体の状態が悪くなれば、その影響は口腔内にも及びます。

また、『歯ブラシによる手入れ』を100%行うことはほぼ無理です。
『毎日、毎食がんばって歯磨きを行っている!』という方でも汚れを確実に取り除けている方はほとんどいません。

歯周病の方で『毎食磨いているのに…』と思っていても
実際には、汚れが非常に付着していて磨けていないことが多いのです。
『磨いている』ということと『磨けている』との違いです。

そのため、自己流でブラッシングを行っていても予防できないばかりか
悪化していることがあります。

現状では、100%病気(歯周病)にならない方法はありません。
特に一度歯周病にかかった方(特に重度歯周病)は、健康な方と比較して、
リスクが非常に高いのです。

そのため、健康な方の2倍、3倍の時間をかけて丁寧に歯ブラシ(ブラッシング)を行うことが重要です。
また、食生活や運動にも気をつけることが必要です。

それでは、そうしたことを徹底して注意した場合、絶対に歯周病にならないかと言いますと そうではありません。

重度歯周病の場合、それでも再発するリスクはあるのです。

最後に、今回の質問(将来的に歯周病が再発しない方法はありますか?)の結論になります。
100%歯周病が再発しない方法はありません。
そのため、口腔内の管理(ブラッシングの徹底)や食生活、運動、適正な睡眠、ストレス等 日常生活において注意することはいっぱいあります。

特に 喫煙は絶対に避ける必要性があります。
大変なことかもしれませんが、『健康』とは日々のそうしたことの積み重ねなのです。

また、 定期検査(メインテナンス)を受けられることも大切です。
早期発見、早期対応(治療)が大切です。

そして歯科医院で行う PMTC(プロによる歯のクリーニング) も有効です。




次回のブログは10/23(木曜日)になります。
次回も今日の続きになります。
歯科(インプラント、歯周病)と健康の関わりです。


今週(10/17〜19)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

それでは、今週のインプラント手術の中から上顎前歯部に行った 抜歯即時インプラントについて解説します。

抜歯即時インプラントとは、抜歯と同時(同日)にインプラントを埋入する方法です。
抜歯を予定している全ての症例に対して行える方法ではありませんが、
条件さえそろえば、抜歯と同時(同日)のインプラント埋入が可能です。

今回のケースでは、以前に歯が折れた歯が 歯肉の中に埋まったままの状態でした。
歯(根)が埋まった状態が長く経過していたケースです。
レントゲンや口腔内の状況から感染は認められなかったため、
今回は、 抜歯即時インプラントになりました。

麻酔をし、切開後、埋まっていた歯の根を除去し、
インプラントの埋入を行いました。

この際、抜歯した穴とインプラントは、ぴったりとはしませんので、
穴とインプラントには、若干の隙間(すきま)があきます。
この隙間に人工骨( β―TCP)を入れ、GBR法を行いました。

使用したインプラントは、 アンキロス・インプラントです。

手術時間は、約15分程度でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3〜4ヶ月後に型を取ります。

治療費
治療費は、210.000円(税込)になります。
この中には、治療中のレントゲン撮影や薬代、人工骨( β―TCP)、GBR法の費用も全て含まれています。


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