最新インプラント症例ブログ

2008年10月13日

患者様から受ける質問特集:その17

10/13(月曜日)です。

連休最後の休みですね。
当医院は、土曜、日曜日と仕事でした!

今日も前回の続きで、『患者様から受ける質問特集:その17』になります

さて、今日のご質問は、『インプラント治療が怖い!』という内容です。


質問19
 インプラント治療を考えているのですが、ドリルを使用し、穴をあけると聞きました。
怖い感じがします。
他に方法はないのでしょうか?

回答19
 従来、インプラント手術は『ドリル』で骨を削り、できた穴にインプラントを埋入するという方法です。
しかし、骨を削るため、出血を伴い、腫れや痛みの原因となっていました。
そこで、近年では、ドリルをほとんど使用しないで、インプラントを埋入するための骨穴を形成する手術方法が開発されてきました。
ドリルで骨をほとんど削らないので安全、確実、だから外科的侵襲も最小限になります。

まず、通常のインプラント治療の場合、細いドリルから少しづつ、太いドリルに変え
穴を大きくしてききます。
穴がインプラントが入る大きさまでできれば、ドリルは終了です。
完成した穴にインプラントを埋入するのです。

しかし、新たに開発された『ドリルをほとんど使用しない方法』は、
始めの段階だけ、ドリルを使用します。

その後、最初の小さな穴に骨を広げる器具を挿入します。
これは『ドリル』ではありません。
『キリ』や『ノミ』のようなものと思って下さい。
先の細い尖った器具です。
そして、この骨幅を広げる器具を順次大きいものにし、穴をどんどんと拡大します。

この時、『骨は本当に広がるのか?』と思われるかもしれません。
骨には弾性があります。
骨をゆっくりと押し広げることにより、穴は少しづつ大きくなるのです。
こうすることにより、穴の大きさは、インプラントが入りまでに大きくなります。

使用する『ドリル』は最初の1回だけです。
『ドリル』をほとんど使用しないため、手術中の患者様の不快感はかなり減少します。
また、骨を削らないため、腫れが少ないのも特徴です。

以下には、『ドリルをほとんど使用しないインプラント治療』の利点です。

1 骨の削除量が最小限
2 出血が少ない、腫れにくい、痛みが少ない
3 切開を最小限にできる
4 『初期固定』に優れている
  骨の弾性により押し広げるため、インプラント埋入後に
  骨が収縮(縮む)します。
  骨が収縮すると、インプラントを『ギュッ』と押さえ込むこと
  になります。
  これが、インプラントの安定につながります。
  インプラント手術直後の安定性のことを
  『初期固定』と言います。
  初期固定はインプラントの成功にとって最も重要なことの一つ
  です。
5 『骨密度が向上』する
  骨を削らず、骨を圧迫して穴を開けるため、圧迫された骨の密
  度が向上します。
  骨が柔らかい方や骨粗鬆症の方に有利な方法です。
6 骨を削らないため、手術時の不快感が少ない

しかし、全てのケースでこうした方法が行えるわけではありません。
欠点もあります。
骨が硬い場合には骨を押し広げる『スプリッティング法』は適応されません。
骨が硬いため、骨を押し広げることができないのです。
通常、下顎の骨は硬いため、骨を押し広げる『スプリッティング法』は適応されないことがあります。
*もちろん骨の状態(硬さ)によっては、下顎でも十分使用できる方法です。




次回のブログは10/16(木曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『患者様から受ける質問特集:その18』です。


今日は、朝から急用がありますので、前回と同様に『今日のインプラント手術報告』はお休みさせていただきます。
次回からはまた再開します。


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2008年10月9日

患者様から受ける質問特集:その16

10/9(木曜日)です。


今日も前回の続きで、『患者様から受ける質問特集:その16』になります。

さて今日も、前回の続き(質問18の続き)になります。

まずは、2回にわたって行った質問18を再度以下に記載します。

質問18
 歯周病で抜歯したところにインプラントを考えているのですが、
インプラント治療を行うと、もともとあった天然歯と同じような状態にまで回復できますか?
噛んだ感じは、天然歯と同じでしょうか?
また、審美的には、どうでしょうか?

上記の回答を何回かに分けて行ってきましたが、
今回は、審美的な問題の中でも『歯肉の厚み』についてです。

インプラント治療後に歯肉が退縮を起こし、審美的に問題を生じることがあります。

薄い歯肉は時間の経過とともに退縮していきます。
少しでもこの退縮を防止するためには予め歯肉を厚くする治療を行うことが有効です。
そのためインプラントを埋入時もしくはインプラント埋入後(型を取る前)に歯肉を厚くする治療を行う必要性がある可能性があります。
(この歯肉の厚くする治療法を『歯肉結合組織移植』と言います)

 通常、歯周病等の病的な状態でなくとも加齢とともに歯肉は下がってくるものです。 
これは生理的な現象です。
歯肉退縮には個人差があり、下がりにくい方もいれば
下がりやすい方もいらっしゃいます。
特に歯肉が薄い場合、歯肉が下がりやすくなります。
歯肉が下がってくるとインプラントの金属部分が見えてくることがあります。

奥歯の場合であれば、歯肉の退縮がある程度起っても審美的に大きな問題を生じることはありませんが、前歯では問題となります。

歯肉退縮の予防策として歯肉の厚みをあらかじめ増やす(増大させる)治療法があります。
この治療を『歯肉結合組織移植』と言います。

治療方法は、上顎の内側に麻酔を行い、歯肉を採取します。
採取した歯肉を歯肉の薄い部分に移植します。
治療は麻酔をして行いますのでもちろん痛みはありませんが、
治療後、採取した上顎の内側の部分に違和感を感じたり、
食事がしずらいということがあります。
その期間は1日程度から人により10日程度になることもあります。

しかし、こうした方法は、必ず行うということではありません。

また、治療前に骨の吸収が著しくあった場合で
『歯が長く見える』ような場合には、以下のような対策を取ることもあります。

歯(被せ物)を若干横に大きくする方法や長くなってしまった歯(被せ物)は、
長い部分のみ歯肉の色にし、目立たなくさせる方法があります。
長くなった部分を歯肉色にするため、目立たなくなります。

今日で質問18は終わりです。
質問18では、インプラント治療後に起ることについて解説してきました。
インプラント治療を受けられる患者様にとっては、治療を行うと100%元の状態に回復できると思われている方も多くいらしゃいます。
しかし、どこまで元の状態に回復できるかは、骨の吸収等に左右されます。
特に審美的なことに対しては起こりえます。

インプラントは義歯と違い、固定式にはなりますが、100%天然歯と同じような状態に回復できるものではありません。
術前の状況により、歯肉や骨の状態等完全に回復できないこともあるのです。

今回の質問に対する回答は、何回にも分けて長くなってしまいました。

ご心配な点がありましたら、事前に担当医にご相談されて下さい。

次回のブログは10/13(月曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『患者様から受ける質問特集:その16』です。
好評につき まだ暫くこの質問特集を続けます。

今日は、これからインプラントのセミナー(勉強会)に出席しなければならないので、
すみませんが、『今週のインプラント手術報告』は、お休みさせていただきます。


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2008年10月6日

患者様から受ける質問特集:その15

10/6(月曜日)です。
ちょっと寝坊をして、アップが10:30になってしまいました。
いつも朝に書いているもので…

今日も前回の続きで、『患者様から受ける質問特集:その15』になります。


今日も、前回の続き(質問18の続き)になります。

まずは、2回にわたって行った質問18を再度以下に記載します。

質問18
 歯周病で抜歯したところにインプラントを考えているのですが、
インプラント治療を行うと、もともとあった天然歯と同じような状態にまで回復できますか?
噛んだ感じは、天然歯と同じでしょうか?
また、審美的には、どうでしょうか?

そして、
『噛んだ感じは、天然歯と同じでしょうか?』
『歯が長く見える』
『歯と歯の間に隙間がある』
ということについて解説してきました。

今日は、そうしたことにならないような対策について解説します。

まず、骨の吸収に対しては、骨の増大治療を行います。
骨が薄い状態でインプラントを行うと後に審美的にも問題が起ることがあります。
そのため、十分に厚みや高さのある状態まで、骨(骨幅や高さ)を回復させておくことが大切です。
骨を増大(増やす)方法をGBR法と言います。
このブログでもよく書いている内容です。

しかし、GBR法を行えば、完全に元通りに回復できるわけではありません。
また、骨の吸収が大きい場合には、GBR法の難易度も高くなります。
GBR法の難易度が高い場合には、治療も大変になります。

骨の吸収が大きい場合には、 骨移植等が必要になり、
治療後の“腫れ” 等も起る確率が高くなります。
“腫れ” 等が大きくなった場合には、“痛み” 等が起る確率も高くなります。

GBR法は、骨を再生(増大)させる方法ですが、
治療に伴う大変さもあります。
また、技術的にも100%元の状態に回復させることは難しいのです。

しかし、実際の臨床では、骨の吸収がなく、骨の幅や高さが十分あるようなケースばかりではありません。
骨の吸収が起っていることの方が多いのです。

そのため、単に骨の幅や高さを増大させるだけでなく、
治療を受ける患者様の大変さを軽減させるための
『やさしい治療』
『負担の少ない治療』
が大切です。

その一つが 『スプリットクレスト法』と言われる治療法です。
吸収してしまった骨幅を 骨移植を行うのではなく、
骨幅を“押し広げる”ように拡大する方法です。
腫れ等の負担が少なく、現在骨幅の少ないケースでは、一般的に行われるようになっています。

ここまでは、骨の幅が少ない場合の骨増大法(GBR法)について書いてきましたが、骨の高さが少ない場合には、難易度がぐっとアップします。
特に上顎の奥歯において、骨幅が少ない場合には、治療は困難を極めます。

骨が吸収した状態でインプラントを行うと
今回の質問特集の内容である
『歯が長く見える…』
というような状態になります。

大切なのは、骨を吸収させないようにすることです。
それは、
悪い状態を放置しないことです。
歯根破折を放置しない。
歯が欠損したままにしない
歯周病を放置しない
ことが大切です。

悪い状態が長くなると
治療も難しくなり(大変になり)、
審美的にも問題が残ります。

次回は、審美的に問題が起ることとして
『歯肉の厚み(薄さ)』について解説したいと思います。

次回のブログは10/9(木曜日)になります。


今週(10/3〜4)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。

それでは、今週のインプラント手術の中から上顎の奥歯にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

この『インプラント手術報告』でも良く書きますが、上顎の奥歯は、骨が吸収していることが多く、インプラント治療を行う際に、骨の高さが不足していることが多い場所です。

今回のケースでも骨の吸収が大きく、そのままインプラントを埋入することが難しい状態でした。

奥歯が2歯分欠損した状態です。

一番奥は、骨の高さが非常に少なく、1ミリしか存在していません。
その手前は、5ミリ程度です。

このブログで良く書きますが、上顎の奥歯において、必要なインプラントの長さは、
10ミリ程度あることが良い と書いています。
今回は、1ミリ5ミリですから まったく足らないということになります。

得に奥の方は、骨の高さが1ミリしかありませんので、
普通に考えればインプラントは無理になります。

このように骨の高さが非常に少ない場合
には、さまざまな方法を行います。

通常、上顎の奥歯において、
骨の高さが1ミリしかない場合には、
サイナスリフト法という 骨移植を伴う治療を行う必要性があります。
しかし、この治療法は、大変な治療であるため、
治療後の腫れ等も大きくなります。

できるかぎり患者様に『やさしい治療』を行いたいと思っています。
治療の大変さが少なく、腫れや痛みも少ない治療です。

そのため、今回行ったのが、
ソケットリフト法
インプラントの傾斜埋入です。

手前の5ミリの骨の高さが残っていた部分には、 ソケットリフト法を行い、長さ10ミリ ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)  SLAタイプを埋入しました。

ソケットリフト法については、このブログでも良く書きますので今回は省略します。
お分かりにならない方は、以下を参考にして下さい。
      ・ソケットリフト法

さて、問題なのは、奥の骨の高さが1ミリしかない方です。
今回はこの部位に、骨の増大治療(骨移植)を行わずに、インプラントを埋入しました。
これが、 インプラントの傾斜埋入です。

一番奥の1ミリしか骨の高さが残っていない所のさらに奥には、
骨の高さがある程度残っていることがあります。
“親知らず” にあたる部分”です。
この部分を『上顎結節』と言います。

今回もこの『上顎結節』には、骨が残っていたため、
ここにインプラントを斜めに埋入しました。

先程書いたように『上顎結節』は、“親知らず” にあたる部分です。
歯があった方向で埋入すると 埋入後も歯ブラシがしにくい位置になってしまいます。
そのため、手前に傾けた状態で、斜めにインプラントを埋入するのです。
インプラントの埋入位置は、親知らず部分である『上顎結節』ですが、実際の歯の位置になる部分は、骨の吸収が起っている高さ1ミリの位置です。

インプラントの傾斜埋入では、長さ12ミリのインプラントを埋入することができました。

治療前には、『1ミリ』『5ミリ』しかない欠損部に、
『10ミリ』『12ミリ』のインプラントが埋入できたのです。
しかもダメージの大きい、骨移植等をまったく行わずにです。

こうしたことは、治療を受ける患者様にとっては、非常に “楽” で負担が少ない方法です。

インプラントの傾斜埋入についての詳細は、以下を参考にして下さい。
       インプラントの傾斜埋入

手術時間は、約20分程度でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3〜4ヶ月後に型を取ります。


治療費
インプラントが1本21万円(税込)×2本になります。
この中には、治療中のレントゲン撮影や薬代、傾斜埋入法、ソケットリフト法の費用も全て含まれています。


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2008年10月2日

患者様から受ける質問特集:その14

10/ 2(木曜日)です。

前回は、質問18回答が長くなってしまったので、その続きになります。

まずは、前回の質問18を再度以下に記載します。

質問18
 歯周病で抜歯したところにインプラントを考えているのですが、
インプラント治療を行うと、もともとあった天然歯と同じような状態にまで回復できますか?
噛んだ感じは、天然歯と同じでしょうか?
また、審美的には、どうでしょうか?

このご質問の中で、
『噛んだ感じは、天然歯と同じでしょうか?』という回答を前回しました。

今日は、
『歯が長く見える』
『歯と歯の間に隙間がある』
ということについて解説します。


2 『歯が長く見える』、『歯と歯の間に隙間がある』

この理由として、 歯周病 歯根破折等で細菌感染を起したり、
欠損状態が長いことにより骨は吸収してしまいます。

骨が吸収するとい歯肉自体も下がって(退縮)しまいます。
歯肉が退縮している状態でインプラントを行うと結果的に歯が長く見えたり、歯と歯の間に隙間でできたりします。

歯と歯の間に隙間ができた場合、基本的にはそのままです。
隙間は歯間ブラシ等で清掃をしていただきます。

『歯肉の退縮』 や 『歯と歯の間に隙間ができたりする』ようなことが起らないように、 骨の増大治療『GBR法』を行ったり、
歯肉の厚みを増やす(歯肉結合組織移植)ということが必要です。

しかし、術前の状態が悪いと この治療を行っても完璧ではありません。
そのため、歯と歯の間に開いてしまった隙間を埋めるために、
歯(被せ物)を若干横に大きくする方法や長くなってしまった歯(被せ物)は長い部分のみ歯肉の色にし、目立たなくさせる方法があります。

どちらにせよ、骨の吸収が大きかったり、歯肉薄い場合には、歯と歯の隙間ができたり、歯(被せ物)が長く見えるといったことが起ります。


今週(9/30〜10/1)のインプラント手術報告

今週は、インプラント手術予定が全てキャンセルだったため、報告はありません。
すべてキャンセルというのはめずらしいですね。
季節の変わり目ですので、“風邪”等体調をくずさずにして下さい。

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2008年9月29日

患者様から受ける質問特集:その13

9/27(月曜日)です。
今日も前回の続きで、『患者様から受ける質問特集:その13』になります。

今日の質問の回答は長くなりますので、今回と次回の2回に分けて解説します。


質問18
 歯周病で抜歯したところにインプラントを考えているのですが、
インプラント治療を行うと、もともとあった天然歯と同じような状態にまで回復できますか?
噛んだ感じは、天然歯と同じでしょうか?
また、審美的には、どうでしょうか?

回答18
 インプラントは、義歯(入れ歯)とは違い、固定式ですので、違和感がなく
快適なものです。
今まで義歯(入れ歯)をされていた方で、入れ歯(義歯)の違和感等があり、
どうしても装着できなかった方が インプラント治療後には、
『何でもよく噛める』
『入れ歯のように違和感がない』
『何年ぶりかに食事がおいしく食べられた』
…等
喜んでいただけています。

しかし、非常に少数ですが、インプラント治療後に以下のような意見もあります。
一番多い意見から順番に記載しますと、
『しゃべりづらい』
『歯が長く見える』
『歯と歯の間に隙間がある』
…等です。
この理由について順次解説します。

1.『インプラント治療後しゃべりづらい…』
 長い治療期間の後、ようやく型を取り、
インプラントを応用した固定式の仮歯や
セラミック等の被せ物を装着する段階の話になります。

患者様も『これでようやく噛める!』
…と期待がいっぱいです。

しかし、固定式の仮歯 や セラミック等の被せ物を行った時に
『しゃべりづらい…』
と感じることが 非常に稀なケースですが、あります。

それでは、なぜこのようなことが起ったのかと言いますと…
歯周病
歯根破折
歯が欠損のまま放置していた
等により 骨の吸収が大きかったことが原因です。

このようなことは、
顎で、総義歯のように 歯がほとんどない方
インプラント治療を行った場合に起る可能性があります。

欠損が多い方の場合、暫く歯がない状態でいると、骨が吸収してきます。
骨の吸収は、必ず頬側(外側)から起ります
そのため、歯列が小さくなります。(顎の形が小さくなるということです)
分かりづらいですが、歯を噛む面から見ると、歯は馬蹄形のように“U字型”に並んでいます。
つまり、顎の骨の形が“U字型”ということです。
骨吸収を起こすと この“U字型”が小さくなります。
これが、歯列が小さくなるということです。
このことについての詳細は、以下を参考にして下さい。
歯がないと顎の骨はどんどんと痩せる

歯列(顎の形)が小さくなった状態で、インプラントを行い、最終的に被せ物を装着すると、元々あった歯列より小さい(狭い)状態になります。

その結果、舌を動かす範囲が狭くなり、
『発音がしづらい』、
『舌が動かしづらい』、
『違和感がある』
といったことが起ることがあります。

義歯(入れ歯)を経験されたことがある方は分かるかと思いますが、
初めて義歯をされた時には、かなりの違和感があります。
突然口腔内に異物が入る『違和感』です。

そのため、骨吸収が起こり、歯列が小さくなった状態でインプラントを行うと『違和感』が起るのです。

しかし、これは、時間の経過とともに改善されます。
なれるまで若干時間がかかるのです。


次回のブログは9/30(木曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『歯が長く見える』、『歯と歯の間に隙間がある』になります。


今週のインプラント手術報告はお休みです。


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2008年9月25日

患者様から受ける質問特集:その12

9/25(木曜日)です。
今日もシリーズで行っています『患者様から受ける質問特集:その12』になります。

今日は、『歯ぎしり』をしている方からのご質問になります。

質問17
 以前に神経をとった歯が折れてしまい、抜歯となりました。
抜歯後の治療方針として、 ブリッジかインプラントを考えています。
私は、 歯ぎしりが強く、歯が磨り減っている状態です。
さまざまなホームページを見ると、通常の 歯には骨との間にクッションのようなものがあり、それで骨を守っているということですが、
インプラントは直接骨に力が加わるため、 歯ぎしりなど強い力が毎日加わると、
問題が生じやすいということですが、本当でしょうか?
また、 歯ぎしりが強い場合、インプラントは大丈夫なものでしょうか?

回答17
インプラント治療を行う際に、 歯ぎしりは非常に大きな問題です。
歯ぎしりが強い方は、インプラントであっても、ブリッジを選択しても
リスクは高いものです。

・ インプラントとブリッジの違いについては以下を参考にして下さい。
  『インプラントとブリッジの違い』

インプラントだから 歯ぎしりに弱い とか
ブリッジだから 歯ぎしりに強い ということではありません。

『歯ぎしり』の影響は大きいものです。
『歯ぎしり』の強い方ですと、神経のない歯は折れてしまうことがあります。
こうしたことは稀なことではありません。
神経のない歯はかなりの確率で折れます。

ただし、インプラントの場合、ご質問にもあったように、 『歯根膜』(歯と骨との間にあるクッションのようなもの)というクッションが存在しないために、噛む力は、直接インプラントに加わってしまいます。
そのため、 『歯ぎしり』が強い場合には、インプラントは適応症とは言えません。

それでは、 『歯ぎしり』が強い場合、ブリッジが適応かというと
状況により違います。
ブリッジを選択される場合には、ブリッジの土台となる歯が
『神経があるか』
『神経がないか』
によっても変わります。
ブリッジは、欠損部に加わる力を残っている歯で支えるものです。
そのため、土台となる歯には、通常より過大な力が及びます。
もし、この土台に、神経がなかった場合には、将来的に、 歯根破折になる確率はさらに高くなります。
神経がない歯をブリッジの土台とするのであれば、インプラントの方が良いでしょう。

『歯ぎしり』が強い場合には、
インプラントか ブリッジか という選択肢の前に、『歯ぎしり』の対策を検討することが必要です。
これは、『ナイトガード』という『マウスピース』のようなものを就寝時にしていただきます。

結論として、噛み合わせや、残っている歯の状態等によって、
どちらの方法が優れているとどうかの判断をします。
ただし、基本的には、歯を削らないインプラントの方が優れている点が多いのも事実です。

『ブリッジ、インプラント、被せ物(差し歯)の平均寿命』については、以下を参考にして下さい。
  ・ 『ブリッジ、インプラント、被せ物(差し歯)の平均寿命』


『歯ぎしり』があることは
インプラント、ブリッジの両方にとって良くないことです。
どちらの治療法を行うかどうかの判断は、
治療期間、
治療費、
将来性、
噛み合わせ、
残存する歯の状態
等をふまえ判断するものです。

また、個人個人により『リスク』というのは違います。

担当医と十分にお話の上、お決めになることが大切です。
ブリッジの場合、削ってしまった歯は、二度と元に戻りませんので…
治療内容を十分ご理解することが必要です。

次回のブログは9/29(月曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『患者様から受ける質問特集:その13』です。


今週(9/24)のインプラント手術報告

それでは、昨日のインプラント手術の中から下顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

いつも難しいケースを紹介していますが、今回のケースは、簡単でした。

簡単な理由は、『骨の高さや幅が十分ある』ということです。

骨の幅や高さが十分あれば、インプラント治療はさほど難しいものではありません。

1本のインプラント埋入であれば、
 ・麻酔時間に5〜6分程度、
 ・麻酔が効くまで少し待っていただき、
 ・実際の治療(インプラント埋入手術)は、5〜6分程度、
  (仮歯や義歯の調整があれば上記以外にかかります)
 ・治療後の注意事項等の説明に3分程度
ですぐご帰宅できます。

骨が吸収しないうちに的確な判断が大切です。
歯根破折の放置や
歯を欠損のままにしないこと
歯周病を放置しないこと
が大切です。

今回使用したインプラントは、 ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)  SLAタイプが1本でした。


今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約2〜3ヶ月後に型を取り、
3. 型取りの後、 約10日で完成した被せ物を装着し、完了です。

治療費
インプラントが1本21万円(税込)になります。

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I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
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2008年9月22日

患者様から受ける質問特集:その11

9/22(月曜日)です。
今日も前回の続きで、『患者様から受ける質問特集:その11』になります。

今回の質問も患者様からよく受ける内容です。
治療期間についてです。
何回くらいかかるのか?
どれくらいの期間がかかるのか?
…等です。
特に現在歯がない方にとっては、早く歯が入り、噛めるようになりたいものです。
今回は、そうした内容になっています。

質問16
 下顎の奥歯2本がないのですが、何回くらい治療回数(治療期間)がかかるのでしょうか?

回答16
 まず、インプラントの治療回数を解説する前に
インプラントの手術方法には、1回法と2回法があることを説明します。

1回法は、インプラントを埋入した時点(手術時点)で、インプラントの上の部分が見えます。
上に見える部分は、インプラントではなく、インプラントの“蓋”です。
この“蓋”を取ると、中に穴があいています。
この穴は、インプラントの“土台”を付けるためのものです。
インプラントの構造は、
1 インプラント本体(フィクスチャー)
2 土台(アバットメント)
3 セラミック等の被せ物(上部構造:補綴物)
に分けられます。
インプラント手術時に行うのは、インプラント本体(フィクスチャー)のみです。

2回法は、インプラント手術時に、インプラント本体(フィクスチャー)を歯肉の中に完全に埋め込んでしまいます。
手術後に口腔内を見ても どこにインプラントが埋まっているかは分かりません。
そのため、型を取る段階で、再度麻酔をし、埋まっているインプラント部分を見えるようにします。

なぜこのような違いがあるのでしょうか?

もともとインプラントは1950年にスウェーデンの化学者ペル・イングウァール・ブローネマルク博士によって発見されたもので、その当時は2回法でした。

しかし、2回法では、2回目の手術(実際には、手術という程大変なことではありませんが…)が必要になります。

そうしたこともあり、1回法が開発されたのです。
(他にも1回法の利点は多くあります)
これが ストローマン・インプラント ( I.T.Iインプラント)です。
現在日本において30種類以上のインプラントが使用されていますが、I.T.Iインプラントはその中でも最も研究報告が多く、優れたインプラントと言えるものです。
つまり、1回法、2回法というものは、もともとはインプラントの開発コンセプトの違いから生じたものです。
現在のインプラントの多くはブロネマルク、I.T.Iを模範して作られたものです。

さて話は、インプラントの治療期間に戻ります。
通常、初診時にレントゲン撮影を行い、歯周病の検査や、噛み合わせの検査等を行います。
そこで問題がなければ、インプラント治療を行うことができます。

以下は、下顎の奥歯にインプラントを行った場合(1回法)の治療回数です。
1回目 インプラントの埋め込み手術
2回目 抜糸(約1週間から10日後)
3回目 型取り(手術から約2ヶ月後)
    *骨の状態により若干変わります
4回目 セラミック等の被せ物を装着(型取りから約10日後)
    *本数等により異なります。
以上です。

以下は、2回法(下顎の奥歯)の治療回数です。
1回目 インプラントの埋め込み手術
2回目 抜糸(約1週間から10日後)
3回目 2回目の手術(手術から約2ヶ月後)
  (埋まっている部分を見えるようにするための簡単な手術)
    *骨の状態により若干変わります
4回目 型取り(2回目の手術から約2週間後)
5回目 セラミック等の被せ物を装着(型取りから約10日後)
    *本数等により異なります。

しかし、どのようなケースでも同じ治療回数ではありません。

まず、 歯周病の問題がある場合には、インプラント治療前に 歯周病の治療を行う必要性があります。
インプラント手術前にきちんと歯周病の治療を行っていかないと
インプラントに歯周病の細菌が感染してしまいます。
インプラントに歯周病細菌が感染した状態を インプラント周囲炎と言います。
歯周病の治療の回数は、症状により違いますので、歯周病の検査後に担当医に治療内容や治療回数を聞いておくことが必要です。

また、噛み合わせ等に問題がある場合、状況によってはインプラント手術前に完了させておく必要性があることもあります。

さらに、インプラント手術に際し、最も大切なのは、骨の状態です。
つまり、インプラントを埋入するための、骨幅や高さ等がしっかりしているかどうかです。
歯根破折 歯周病 歯を欠損のままにしていた期間が長かった(長期間欠損)場合には、骨が吸収してしまっている可能性があります。
この場合には、骨を増大(骨を再生)させる治療法等を行うことが必要になります。
『GBR法』 『ソケットリフト法』 サイナスリフト法等です。

このような治療では、インプラント手術は、2回法になります。
インプラント埋入と同時に骨の増大法を併用した場合には、基本的にインプラント自体を歯肉の中に埋め込むことになります(2回法)。

しかし、骨の吸収が大きく、インプラント自体を埋入できないような場合には、
インプラント手術の前に 『GBR法』等の骨の増大(再生)を行う処置のみ行うことがあります。
この場合には、治療回数は、上記以上にかかります。

まとめますと、下顎の奥歯が少数歯欠損しているようなケースで、
骨の状態もよく、1回法のインプラントを使用すれば、
治療回数は最短で4回です。(2回法では、5回)

しかし、歯周病に問題があったり、骨の吸収が大きい場合には、さらに治療回数はかかります。

どの程度の治療回数が必要かどうかは、検査を行うと分かりますので、担当医にご相談されて下さい。



次回のブログは9/25(木曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『患者様から受ける質問特集:その12』です。


今週(9/19〜21)のインプラント手術報告

今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

今週のインプラントは、骨幅も十分にあるケースもあったたのですが、ご紹介するケースは、骨が非常に少ない状態でした。

上顎の左右奥歯に合計5本のインプラントの埋入でした。

5本のうち2本は、骨幅が3ミリ以下と骨が非常に吸収している状態でした。
また、3本は、骨の高さが、4〜6ミリ程度と高さが少ない状態でした。

上顎の奥歯にインプラントを行う場合、
必要な骨の幅は約6ミリで、高さは10〜12ミリです。
つまり、今回のケースは、骨の幅も高さも半分程度であったということです。

骨幅が少ない部位については、まず、 『スプリッティング法』を行いました。
この方法は、ドリルをさほど使用せず、骨の幅を押し広げながらインプラントを埋入するこの方法は骨にダメージが加わりにくく、術後の腫れが少ない治療法です。
その後、さらに骨の増大を行うために、GBR法も併用しました。
ただし、この部位は、高さは十分あったため、12ミリの長さのインプラントを埋入することができました。

次に、骨の高さが少ない(4〜6ミリ)3カ所の部分ですが、 ソケットリフト法を行い、長さ10ミリのインプラントを埋入しました。
ソケットリフト法もダメージが少ないため、術後の腫れが少ない治療法です。

以前は、上顎の奥歯において、骨の高さが5ミリ以下の場合には、 サイナスリフト法という 骨移植を行うことが一般的でした。
しかし、 サイナスリフト法は治療後の腫れ等を伴い、治療としては大変です。

そのため、患者様にとって極力腫れ等が少ない治療法が行われるようになってきています。

しかし、上顎の奥歯において、あまりにも骨の吸収が大きい場合には、 サイナスリフト法を行うしか方法がありません。

今回使用したインプラントは、全て ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)  SLAタイプでした。


麻酔は、 『静脈内鎮静法』 でした。
この麻酔方法は、完全に寝ている状態で行えますので、
インプラント手術に不安がある方や
手術時間がかかる場合等には、適した麻酔方法です。


今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3〜4ヶ月後に型を取りを行います。

治療費
インプラントが1本21万円(税込)×5本になります。
この中には、治療中のレントゲン撮影や薬代、今回のスプリットクレスト法、GBR法、ソケットリフト法の費用も全て含まれています。


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2008年9月18日

今日は、お休みです。

今日は、急用があり、ブログを休ませていただきます。

明日の・『基礎から始めるインプラントブログ』 は通常どおりアップします。

2008年9月15日

患者様から受ける質問特集:その10

9/15(月曜日)です。


今日も前回の続きで、『患者様から受ける質問特集:その10』になります。

質問ジリーズも もう10回目です。

今回ご紹介する内容もメール等でよくある質問です。
他歯科医院で『骨が吸収しているため、インプラントができない』と言われた。
ということです。
義歯は嫌なので、どうにかならないのか?
ということです。
こういったご質問もよくありますね。

最初に答えを言いますと、
『骨が少なくてもインプラントはできます』
しかし、治療に伴う大変さはあります。

それでは、詳細について解説します。

質問15
 他歯科医院で上顎の奥歯に骨の吸収がかなりあるため、インプラントができないと言われたのですが、本当にできないのでしょうか?
骨の高さは、2ミリ程度だそうです。

回答15
 上顎の奥歯において、安定するインプラントを行うためには、骨の高さは、
10ミリ程度はあった方がいいです。
上顎の奥歯で骨の高さが2ミリとなると 現状では、厳しい状況です。
すぐにインプラントを行うことはできません。

ただし、多くの症例で、上顎の奥歯の場合、10ミリ以上の骨の高さが残っているということは ほとんどありません。

しかし、骨が吸収して少なくなっているといっても5〜6ミリ残っている場合と1〜3ミリ程度しか残っていない場合では、まったく違います。

上顎の奥歯において 1〜3ミリ程度しか骨の高さが残っていない場合には、
サイナスリフト法という治療法を行います。
これは、骨が吸収している部位に 骨移植を行う治療法です。
治療としてはかなり大変な治療になります。
治療後の腫れや苦痛を伴うこともあります。

私の個人的な考えとしては、上顎の奥歯において 残っている骨の高さが3ミリ以下の場合には、基本的にインプラント治療をお勧めしません。

しかし、現実的には、当医院には、上顎の奥歯において骨の高さが3ミリ以下という方は数多くいらしゃいます。
その際には、 サイナスリフト法を行う大変さ等をご説明させていただきます。
それでも年間10〜15人程度の方は、『どうしてもインプラントを行いたい』というご希望により、 サイナスリフト法を行い、インプラントを埋入しています。

話は、ご質問内容に戻りますが、上顎の奥歯において、骨の量がほとんど存在してなくても基本的にはインプラントができないということはありません。
骨を増大させれば可能です。

私が行うインプラント治療のうち約半数は、骨が吸収しており、骨の増大治療を併用します。

しかし、少しだけ骨が吸収しているのと
高度に骨吸収を起こし、ほとんど骨が存在しないのとでは、
治療の難易度はまったく違います。

特に上顎の奥歯において、骨の高さが3ミリ以下の場合には、治療が困難になります。

また、左右側ともに骨がほとんどない場合や、
全顎的に骨の吸収が起っている場合には、
移植する骨の量も多くなるため、できない場合があります。



次回のブログは9/18(木曜日)になります。
次回も好評につき、質問特集の続きになります。
『患者様から受ける質問特集:その11』です。

今朝はこれからインプラントセミナー(勉強会)に行ってきます。
朝から丸一日なので、ちょっとつらいですが…


今週(9/12〜14)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中から上顎に6本のインプラント埋入を行った1症例について解説します。

今回も骨の吸収が非常に進行したケースでした。
最近は、ものすごく、骨吸収のある症例が多いですね。
悪い状態を長期間放置しておく方が多いのです。
悪い状態とは、重度の 歯周病 歯根破折です。
こうした 抜歯しかないというようなケースでも『どうしても抜歯したくない』という方が増えてきたと思います。

今回のケースとは違いますが、今週いらした方でも、重度の進行した歯周病であったため、抜歯することを薦めました。
歯周病専門医であっても保存できない(治療できない)ケースはあります。
保存できない歯を無理にそのままにしておくと健康な歯にまで感染してしまいます。
無理に残したために、最終的には、多くの歯を失う結果になります。
逆効果ですね。

しかし、その患者様は、『自然に取れるまで、そのままにしたい』というご希望がありました。
自然に取れる頃には、さらに多くの歯に感染し、必ず被害は拡大してしまいます。

歯周病は『感染症』です。
感染源を絶たないと、被害は、どんどんと拡大してしまいます。

話は、今回のケースに戻ります。
今回行ったインプラント手術でも悪い状態を放置していたため、骨の吸収が非常に進行していました。

そのため、手術は非常に大変でした。

インプラント埋入と同時に骨の増大治療(GBR法)を埋入した6本全てにおいて行いました。
また、骨の幅を増大させる 『スプリッティング法』
奥歯においては、骨の高さが少ない部分に 『ソケットリフト法』も行っています。

使用したインプラントは、 アンキロス・インプラントです。

インプラント埋入と同時に骨の増大治療(GBR法)を行い、さらに骨の再生効果を高めるために、 P R P法も行いました。


麻酔は、 『静脈内鎮静法』 です。

手術時間は、約60分程度でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3〜4ヶ月後に型を取ります。


治療費
インプラントが1本21万円(税込)×6本分
この中には、治療中のレントゲン撮影や薬代、 『スプリットクレスト法』『GBR法』 『ソケットリフト法』 P R P法の費用も全て含まれています。


このブログが難しいという方に非常に簡単な『基礎から始めるインプラントブログ』 を開設しました。
・『基礎から始めるインプラントブログ』
基礎ブログは毎週金曜日になります。


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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医

神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
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2008年9月11日

患者様から受ける質問特集:その9

9/11(木曜日)です。


今日も前回の続きで、『患者様から受ける質問特集:その9』になります。


今日も質問特集になります。
つい最近、メールで以下のような質問を受けたので、
まとめてみました。
回答内容はちょっと難しいかもしれません。


質問14
 他歯科医院でインプラントの手術を受けました。
その時に人工の骨(牛の骨?)を使用したと聞きました。
その安全性について聞きたいのですが…

回答14
インプラントは、骨の中にチタンでできた“ネジ”を埋入するわけですが、
ある程度の太さのある“ネジ”を埋入するためには、“ネジ”より骨の幅が太くなければなりません。
つまり、インプラントの直径より、骨幅の方が大きい(太い)ことが必要です。
しかし、現実的には、多くの症例において、骨幅の方が細い(狭い)ことの方が多いのです。
これは、さまざなな 原因により骨が吸収してしまったからです。

骨が吸収している場合、骨を増大させる治療法(GBR法)を行うことが必要になります。

このGBR法時に使用するのが、人工骨です。

一般的にGBR法に使用する『人工骨』と言っても多くの種類があります。
また、単に『人工骨』という表現は正しくはありません。
正確には、GBR法に使用する骨は、骨移植材(骨補填材)と言い、以下の3つに分類されます。

1 同種骨:ヒトの骨( 『DFDBA』や『FDBA』等)
2 異種骨(牛や豚等の骨)
3 代用骨(人工骨: β―TCP等)
になります。

ご質問にあった『人工の骨(牛の骨?)』というのは、おそらく2番の『異種骨』に分類されるものと考えられます。

『異種骨』とは人間以外の動物の骨のことです。
動物もヒトと同じ骨をもつ生き物ですから人工の骨よりは骨の新生(再生)には優れていると考えられます。
しかし、当然と言えば当然ですが、動物の骨をヒトにそのまま移植すると拒否反応が起ります。
そのため、医療に使用される異種骨は化学的処理をほどこすことと、高温で焼成することにより拒否反応が起る有機質部分を除去したものが使用されています。

GBR法で使用される(使用の可能性のある)『異種骨』は、世界中の多くのメーカーが製造しています。
その安全性等の基準もさまざまです。
日本であれば、もちろん 厚生労働省 が安全性を認可したものが使用許可となっています。

臨床で使用される材料は、そうした基準をクリアーしている物ですから『安全である』ということになります。

しかし、実際に ご心配されているということは、
以前大きく問題となった『あの事件』も関係しているのではないでしょうか。
皆さんもご承知の『狂牛病(BSE)』に代表される 感染リスクということもご心配の一つと考えられます。

いくら科学的な裏付けがあり、安全と言っても
『気分的には…』と思われるかもしれません。
そうしたことも考え、当医院では『異種骨』は使用しません。
(これは、私個人の意見であり、安全性が実証されている異種骨は、もちろん使用可能です)
患者さんに『牛や豚の骨を使用します』と言ったらほとんどの人は『嫌』と言うでしょう。
そこまでして使用する理由はありません。
他に選択肢があるのですから…
安全で効果の高いものを使用します。
その選択肢の一つが代用骨(人工骨: β―TCP等)です。

また、世界的には、GBR法の材料として使用されているが、日本では 厚生労働省の認可がない材料もあります。
この場合、日本で使用できるか ということですが、
歯科医師が、患者様の同意のもとで使用することはできます。

日本の 厚生労働省の認可は、非常に厳しい(遅い?)もので、世界的に効果が高いとされている材料であっても日本では、なかなか使用できないのも事実です。

『DFDBA』や『FDBA』
といった骨補填材(同種骨)がその代表的なものです。
また、今回ご質問にあった異種骨も海外では、数多くの製品が販売されています。


*実際に使用された材料についてご心配な場合には、治療を受けられた担当医に安全性等の詳細と聞いてみた方が良いでしょう。
*当医院では、完全に人工的に精製された骨補填材:人工骨( β―TCP)のみを使用しています。


次回のブログは9/15(月曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『患者様から受ける質問特集:その10』です。


今週(9/9〜10)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中からGBR法を行った1症例について解説します。

今回の症例は、骨が高度に吸収してしまい、インプラントを埋入することができなかったため、まず骨を増大(再生) する治療法を行いました。

それでは、なぜインプラントができないほど骨が吸収してしまったのでしょうか?

その理由は、 歯根破折です。

神経のない歯は非常に脆く、通常の噛む力でも突然折れることがあります。
基本的に歯の根が折れた(割れた)場合には、抜歯になります。

根が折れた場合には、できるかぎり早期に抜歯した方が良いでしょう。

早期に抜歯しないと破折した部分から感染が起こり、根の周囲の骨吸収が起こります。

どれくらいで、骨吸収が起るのかと言いますと
早ければ、数週間です。

特に腫れたりした時には、骨吸収が急速に進行している状態です。
何度も腫れを繰り返している場合には、非常に危険です。

しかし、歯根破折の場合、痛みがさほどでないことが多いので、
患者様の多くは『抜歯したくない』と思っているのも現状です。

今回のケースでも歯の根が割れた状態でかなりの時間が経過したと考えられます。

骨の吸収がかなりありました。
顎の骨の1/3程度の骨吸収です。

実際に骨吸収を高度に起こしている場合、治療は大変です。

GBR法を行えば、骨は完全に元通りに回復できるわけではありません。
骨の再生(増大)には限界があります。

そして、最も大きいのは、治療の大変さです。
骨吸収が大きければ大きい程、難症例になります。
治療による腫れ等があります。

もちろん治療費の問題もあります。
治療期間も長くなります。

また、前歯部では、骨吸収が大きいと審美性の問題も生じる可能性が高くなります。

歯根破折を起こしていても 痛みがない場合には、なかなか抜歯には踏み切れないかもしれません。
しかし、後のことを考えれば、できるかぎり早期に抜歯することが大切です。

今日は、手術内容の話しからは少しズレてしまいましたが、現状をふまえ、的確に判断することは大切なことです。

GBR法では、多くのケースで、今回の質問特集で紹介しました 人工骨(β―TCP)を使用します。
確実な安全性があり、使用しやすい材料だからです。
手術時間は、約20分程度でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3ヶ月後にレントゲンにて骨の再生状況を確認し、
骨の再生に問題がなければ、インプラントを埋入します。


治療費
GBR費用は、52.500円(税込)になります。
この中には、治療中のレントゲン撮影や薬代も全て含まれています。


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