最新インプラント症例ブログ

2007年8月15日

インプラントのための抜歯術:ソケットプリザベーション:その2

今日も昨日の続きになります。
ソケットプリザベーションの2回目になります。
今日は論文の話も多く、ちょと難しい内容になっています。

昨日は抜歯して時間が経過し、骨の吸収が起ると、その後にインプラントを行うのが困難であることを書きました。
また骨が存在しない場合には骨を増大させる治療法 GBR法が必要なことも書きました。
そしてGBR法は簡単な治療ではなく、治療の大変さや治療期間が長くなるといった欠点もあることを書きました。

この骨の吸収が起る原因は他にもあります。

歯周病であったり、 歯の根が折れてしまった場合には 炎症により、歯周囲の骨が吸収してしまっています。
そのため、抜歯後にインプラントを行おうと思ってもできないことがあります。
『インプラントのための抜歯術:ソケットプリザベーション』は抜歯と同時に骨の吸収を少しでも防止するための治療法です。
抜歯と同時に『ソケットプリザベーション』を行うと、その後のGBR法を極力少なく(最小限の治療)する、もしくは回避できる可能性が高くなります。
インプラントを行う場合には抜歯の段階で、すでに治療は始まっているのです。
抜歯の技術もその後の治療を左右する大きなポイントです。

『ソケットプリザベーション』の歴史
『ソケットプリザベーション:socket preservation 』は日本語で『抜歯窩の温存』という意味です。
抜歯窩(ばっしか)と読みます。
『窩』とは抜歯した『穴』のことです。
つまり、歯を抜いた穴をできるかぎり吸収させず、温存することを目的とした治療法なのです。
この治療は1980年頃にはすでに行われていた治療方法です。

『ソケットプリザベーション』の最初の方法は抜歯窩に人工骨を充填するというものでした。
代表的な論文として1985年に Oral Surg Oral Med Oral Pathol誌に発表された Ashmanの報告があります。
この論文によると『人工骨を抜歯窩に入れることにより、抜歯窩の吸収を極力防ぐことができた』
とのことでした。
ただし、現在の『ソケットプリザベーション』はAshmanの報告のような単に抜歯窩に人工骨を入れるという方法ではありません。
現在の『ソケットプリザベーション』については後で解説します。
話は戻りますが、Ashmanの論文と同様の報告は多数あり、『ソケットプリザベーション』の効果は実証されています。
ただし、1990年頃になるとちょっとした変化がありました。
それは骨をもっと積極的に再生させようとする方法が取り入れられたのです。
『GBR膜』の誕生です。
使用方法によっては『GTR膜』とも言います。
『GBR膜』と『GTR膜』については ここで話しますとかなり長くなりますので、ご興味のある方は先に こちら『GBR膜』 こちら『GTR膜』を参考にして下さい。
簡単に説明しますと『GBR膜を用いたソケットプリザベーション法』は従来の人工骨を入れた治療法よりさらに積極的に骨を再生することが可能となってきました。
1997年に J Periodontol誌 に掲載されたLekovicらの報告でも『非吸収性のGBR膜を用いたソケットプリザベーション法』の効果が報告されています。

その後、1999年に Atlas Oral Maxillofac Surg Clin North Am誌でSclarが発表した『 The Bio-Col technique 』があります。
この方法の詳細はこの項の最後に詳しく説明しますが、
抜歯窩を清掃後、人工骨を入れ、抜歯でできた穴をコラーゲンで封鎖し、仮歯にてその穴を密封する方法です。
現在、非常に有効な『ソケットプリザベーション』とされています。
またそれを改良した方法(論文)を2004年にImplant Dent誌 でWangが発表しています。
現在では人工の骨にコラーゲンの吸収する膜(GBR膜)を併用し、歯肉や仮歯で、抜歯窩を閉鎖する方法が多く行われています。

『ソケットプリザベーション』は
1 抜歯窩に人工骨を入れる方法
2 非吸収性のGBR膜を併用する方法
3 人工の骨にコラーゲンの吸収する膜(GBR膜)を併用し、歯肉や仮歯で、
  抜歯窩を閉鎖する方法
へと変わっていったのです。

ちょっと難しい話ですが、『ソケットプリザベーション』を行った場合と
行わなかった場合ではかなりの違いがあります。
2003年のIasella(掲載誌:J Periodontol)、
2006年のNevins (掲載誌:Int J Periodontics)の
報告においてのその優位性が報告されています。

明日もこの続きになります。

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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医

神奈川県横浜市にある日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、GBR法、サイナスリフト、審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは治療費(費用)の説明やインプラント症例、無料相談コーナーもあります。
2007年8月14日

インプラントのための抜歯術:ソケットプリザベーション:その1

熱いですね。

今日から新しいテーマになります。
『ソケットプリザベーション』です。

ちょっとわかりづらいタイトルですね。
この話は少し難しい内容ですが、インプラントについてもっと知りたいという方は是非御覧になって下さい。
本当は 『インプラントの基礎』ではなく、 『マニアックな話』に入れたいと思っていたくらいです。

インプラントを行う場所は もちろん歯がない部分です。
この『インプラントのための抜歯術:ソケットプリザベーション』は
今後、抜歯してからインプラントを行う予定がある場合には大切な話になります。

抜歯すると、歯があった『穴』があきます。
時間の経過とともに、この『穴』はふさがってくる(閉じる)のですが、
骨が吸収してふさがってくるのです。
つまり、抜歯した部位(顎の骨)は時間の経過とともに吸収していく傾向にあります。
歯がない部分の骨の吸収については こちらを参考にして下さい。
また骨の吸収量についてはいくつかの具体的な研究報告があります。
以下に抜歯後の骨吸収についての論文の紹介をします。

1 発表年度:1967年
  研究者 :Calsson 他
  論文掲載誌:Odontol Revy
  研究内容:抜歯後、抜歯窩の吸収は起こり、その吸収は約1年間起る。
       その結果、上顎で平均2mm、下顎で平均4mmの高さの吸収が
       起る。
というものでした。
また他にも

『Mish(1999年)の研究報告では抜歯後、2〜3年間の間に平均
 40〜60%の吸収が起る』

としています。

また、歯周病等で炎症がある場合も歯の周りの骨は吸収していきます。
歯の周りの骨が吸収してしまうとインプラントを行うには非常に不利になります。
通常、歯 周囲の骨が吸収してしまった場合には そのままの状態ではインプラントはできません。
そのため、骨を増大させる治療法( GBR法と言います)を行う必要性があります。
『なんだ、骨がなければ、骨を作る(再生させる)治療法があるのか!』
『それなら骨を作って(再生させて)からインプラントすれば、問題はないじゃないか!』
と思われるかもしれません。
骨の吸収状態により違いますが、 GBR法は大変なのです。
まず、治療自体の大変さがあります。
もちろん骨の吸収状態により大変さは違いますが、治療後腫れます。
また、治療期間も長くなります。
骨の移植手術が必要なこともあります。 GBR法後、骨ができるまで最低でも3ヶ月はかかります。
場合により、6ヶ月程度かかる場合もあります。
インプラントの埋入は骨が再生した後( GBR法 後)になりますので、治療期間は非常に長くなります。
それまで、義歯もしくは仮歯を使用することになります。
また GBR法には費用もかかります。
できれば、 GBR法をしないでインプラントをした方が治療期間も短縮できますし、治療費も抑えられます。
もちろん大変さもありません。

明日もこの『ソケットプリザベーション法』の続きになります。

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2007年8月13日

大船駅北口歯科インプラントセンター:インプラントの構造:その5

当医院は8/12(日)〜16(木)まで休診になります。
なにか急なことがありましたら、メール(info@sugiyama-d.sakura.ne.jp)をしていただければ、対応させていただきます。

さて今日もインプラントの構造になります。
6回目になります。
このシリーズは今日で最終回です。

上鵜構造『補綴物(ほてつぶつ)』
インプラントの被せ物には大きく分けて以下の3種類があります。

1 セラミック(オールセラミックを含む)
2 ハイブリッドセラミック
3 金属

それぞれの特徴について解説します。
まず、『セラミック』と『ハイブリッドセラミック』の違いですが、
『セラミック』はいわゆる陶器(瀬戸物)と同じようなものです。
変色はせず、審美的に最も優れています。
また 汚れが付きにくく、歯周病のような方や、ブラッシングが十分できない方には適しています。
欠点としては非常に硬いため(天然歯よりも硬い)、噛み合う歯が天然歯の場合には天然歯が磨り減ってしまうことがあります。
特にインプラントは、骨と強固に結合しているため噛み合う歯が歯周病にかかっている天然歯の場合には、負担がかかる可能性があります。

次に『ハイブリッドセラミック』ですが、素材としては『セラミック』に
『レジン』という物を配合して作っています。
『レジン』とは プラスチックのようなものです。
この『レジン』を配合することにより硬さを天然歯とほぼ同程度にすることができます。
噛み合う歯が天然歯の場合には天然歯を磨り減らしたりする危険性が少なくなります。
また、『セラミック』はその性質から欠けたりすると修復することが困難な材料ですが、『ハイブリッドセラミック』の場合には、もし 欠けたとしてもある程度であれば口腔内で修復が可能です。
しかし、欠点としては『セラミック』に比較して審美的には若干劣ります。
レジンは吸水性があるため若干の変色を起す可能性があります。
またその吸水性のため汚れを付着しやすいという欠点があります。

被せ物は一般的には上記の2種類ですが、奥歯で審美的に問題がない部位は金属製の被せ物がよろしいかと思います。
金属ですが、噛み合わせの長期安定からすると最も優れている材質です。
長期的には『セラミック』や『ハイブリッドセラミック』と同様に若干は磨り減りますが、かけたりすることはありません。
インプラントの被せ物としては一番お勧めです。
しかし、欠点として金属製ですので見た目に問題があります。
最も奥歯であればよいかと思いますが、少し手前になると見えてしまいます。
そのため多くの患者さんは金属を避ける傾向にありますが、私達からすると安全性の高い金属がいいと思います。

結論としてどれが優れているということではなく口腔内の状態により使い分ける必要性があるかと思います。

見える前の部分をセラミックやハイブリッドセラミック、見えにくい奥歯の部分を金属にするという方法もあります。

また上顎の場合、歯の表面(見える部分)のみ白くし、噛み合う部分(咬合面と言います)のみ金属にすることがあります。
基本的に上顎の場合、噛み合う部分(咬合面)は見えませんので、この部分のみ、欠けたりしない材質(金属)が望ましいと思われます。

また歯周病等の問題がある方は汚れが付着しないセラミックがいいでしょう。

被せ物の材質は噛み合わせや歯ぎしりの有無、審美性、歯周病の状態等さまざまな条件から考えていく必要性があります。
口腔内の状態に合わない材質を使用するとトラブルの元になります。
一生使用していく歯ですから問題が起らないことが大切です。


オールセラミックについては こちらを御覧下さい。


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2007年8月12日

大船駅北口歯科インプラントセンター:インプラントの構造:その4

当医院は今日(8/12)から8/16まで休診になります。
なにか急なことがありましたら、メールをしていただければ、対応させていただきます。

今日の内容は昨日の続きになります。
インプラントの構造のその4です。
昨日まではインプラントの構造で『フィクスチャー』というインプラント本体の構造について書きました。
今日はインプラントの『アバットメント』についてです。

このシリーズの最初のところで書きましたように『アバットメント』は被せ物を装着するための『土台』です。
設計によって様々な種類があります。
『アバットメント』には大きく分けて
1 上部構造をスクリュー(ネジ)で固定する方法
2 セメントで固定する方法
があります。
『スクリュー固定』は具体的に言うと、型を取ってできた被せ物を接着剤で付けるのではなく、『ネジ』で固定する方法です。
完成した被せ物の噛む面や被せ物の横の部分にメガネで使用するような『小さなネジ』が付いています。
インプラントとはこの『ネジ』で固定されることになります。
インプラントに被せ物を取り付ける際に、ドライバーのネジのようなもので、
締め付けて固定します。
『スクリュー固定』の最大の特徴として『取り外し』ができることです。
この『取り外し』ができることは将来性を考えた場合、非常に利点となります。
被せものが『セラミック』や『ハイブリッドセラミック』のような白い材質の場合、噛む力や歯ぎしりの程度等によりますが、磨り減ったり、欠けたりする可能性があります。
もし、欠けたりした場合、『取り外し』ができれば、一度取り外して修理できます。
長期間の間に磨り減った場合でも取り外し、修理が可能になります。
また、万が一、インプラント自体に問題があった場合、取り外しができた方が
その後の治療を行いやすいという利点があります。
欠点としては歯に収まるような『小さなネジ』を被せ物に埋め込むため、
非常に複雑な構造になります。
作製する被せ物の形も大きくなりやすいため、人によっては違和感がある場合があります。
作製するのも大変です。
そのため、コスト(費用)がかかることがあります。

また小さな『ネジの穴』が歯の『噛む面』に設定されることがあります。
こうなると『穴』が見えてしまうことがあり、審美的に問題が生じることがあります。

さらに時々ネジが緩むことがあります。
これは毎日、毎日、強い力で噛むことにより、ネジが回転し、緩むのです。

その他にも利点、欠点はありますが、
『スクリュー固定』と通常の接着剤を使用してつける『セメント固定式』
はその状況により使い分けているのが現状です。
当医院では前歯を除く、奥歯で、1〜4歯程度であれば、
『セメント固定式』を行うことが多く、
前歯部 や 被せものの数が多い場合 には『スクリュー固定』にしています。
また、多数のインプラントにてブリッジとする場合には
半分『セメント固定式』にし、残りの半分を『スクリュー固定』にすることがあります。
ブリッジ全てを『スクリュー固定』にすると先程あった、ネジの緩みやネジ穴の問題が生じることがあるためです。

当医院では『スクリュー固定』と『セメント固定式』の使用頻度としてはだいたい同じくらいです。

それぞれの特徴を生かして使用することが大切です。

* ちなみにこの『アバットメント』は結構 高価です。
インプラント本体よりも ちょっとだけ安い程度です。
歯科医院によってはこのアバトメントの料金はインプラントとは別になっ
ていることがあります。
そのため、単にインプラントの料金だけをみてもトータルの費用がわからな
ければ、費用の判断にはなりませんので、ご注意して下さい。
当医院ではインプラント(21万円:消費税込み)の中にアバットメントの
費用が含まれています。

それではまた明日
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2007年8月11日

インプラントの構造:その3

今日も朝から暑いですね。

さて、今日はインプラントの構造の3回目です。
1回目の時にインプラントの構造は大きくわけて
1. インプラント本体: 『フィクスチャー』と言います。
2. アバットメント: 被せ物の歯を付ける『土台』のことです。
3. 上鵜構造『補綴物(ほてつぶつ)』とも言います。: 被せ物のことです。
の3つから成り立っていることを書きました。

そして前回はインプラント本体の中の
『インプラントの材質』と
『インプラントの形態』について書きました。

今日はインプラント本体の中の『インプラントの表面性状』についてです。

3 インプラントの表面性状
  インプラントの表面は“つるつる”ではなく、細かい凹凸があった方が骨
  との接触が非常に良いことが 多くの研究によりわかっています。
  そのためインプラント表面に凹凸をつけるための工夫がされています。
  現在、インプラント表面の処理の主流となっているのが、
  『サンドブラスト処理』、『酸エッチング処理』です。
  この表面処理をしているのが、私が主に使用している『I.T.Iインプラン
  ト』です。
  この表面処理を『SLA表面(サーフェイス)』と言います。
  ( Sand blasted , Large-grit , Acid-etched )の略です。
  『SLA表面(サーフェイス)』は画期的なできごとと言ってもいいでしょう。
  
  ここでちょっと話は長くなりますが、インプラントと骨の結合期間と
  『SLA表面(サーフェイス)』の誕生について説明致します。
  
  通常、インプラントと骨との結合が完了する期間は 今までは3〜6ヶ月
 (場合によっては1年)かかっていました。
  しかし、1999年にI.T.Iから10年以上の研究期間を経て最新のイン
  プラントが開発されました。
これが、『SLAインプラント』と言われるもので、
  骨との結合期間が非常に短くなっています。
  骨との治癒期間は最短で『6週間』となり、患者様の負担もだいぶ少なく
  なりました。
 
  さて話をインプラント表面に戻します。
  『SLA表面(サーフェイス)』以外の表面処理法を行ったインプラントもあ
   ります。
  『ハイドロキシアパタイト処理(コーティング)』というものもあります。
  これは骨が柔らかい部分では非常に優れてた効果があるという報告があり
  ますが、アパタイトの種類によっては経年的にアパタイトが溶解したり、
  操作時にアパタイトが剥がれたりするという報告もあります。
  しかし、ハイドロキシアパタイトインプラントの信頼性は各種製作メーカ
  ーにより違いが大きくあり、メーカーによっては上顎では5年経過で成功
  率は96.6%という高いデータもあります。
  信頼できるメーカーによってはハイドロキシアパタイトは非常に良いもの
 であると思います。
 当医院においても骨の状態によりハイドロキシアパタイトコーティングし
  たインプラントを使用することがあります。
  (頻度としては少ないですが…)


今日はこれで終了です。
明日はインプラントの構造の2番目、『アバットメント』についてです。

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2007年8月10日

インプラントの構造:その2

今日も昨日から始まったインプラントの構造についての2回目になります。

昨日はインプラントの構造は大きく分て

インプラント本体(フィクスチャー)
アバットメント: 被せ物の歯を付ける『土台』のことです。
上鵜構造『補綴物(ほてつぶつ)』とも言います。: 被せ物のことです

の3つに分かれることを解説しました。
今日はその中のインプラント本体(フィクスチャー)についてです。
今日の話はちょっと長くなりますが、ご興味のある方はどうぞ!


インプラント本体(フィクスチャー)は
さらに
インプラントの材質、インプラントの形態、インプラントの表面性状
の3つに分けられます。
今日はインプラントの材質と形態についてです。

1 インプラントの材質:
  まず、インプラント本体の素材は純チタンでできています。
  これは現在使用されているインプラントメーカーのほとんどが採用してい
  る素材です。
  その理由として生体内で安定し、骨と結合する最も優れた材質だからです。
  そして純チタンインプラントは腐食したり、それ自体の寿命(耐久年数)
  はありません。
  現在、純チタンインプラントを製造、開発しているメーカーは世界中で
  約200社あります
  当医院で主に使用しているインプラントは スイス製、ストローマン社の
  『I.T.Iインプラント』です。
  この『I.T.Iインプラント』の材質は、全て純チタン
(グレード4:ISO 規格5832/2)です。
  以前はチタン以外に『人工サファイヤ』等がありましたが、これらは骨と
  結合(くっつく)しないため、現在ではまったく使用されていません。

2 インプラントの形態:
  インプラント本体の形です。
  なぜ 形の話?
  それには歴史的に理由があるからです。
  インプラント本体の形はどんどんと変化してきました。
  インプラントが初めて誕生した頃の形態はすでに存在しません。
  現在のインプラントの形態は『歯根型』になります。
  つまり、天然歯の根と同じような形態です(支柱のような棒状型)。
  それでは以前のインプラントの形態はどのようなものだったのでしょう?
  インプラントの初期にはさまざまな形態がありました。
  その一つとして『プレート型インプラント』がありました。
  『歯根型』はボールペンのように“棒状”ですが、
  『プレート型』はその名のとおり、『かまぼこの板』のようなものです。
  そのため、『歯根型』と比較すると結構大きなものになります。
  大きさ(長さ)は2センチ程度から5〜8センチくらいになるものもあり
  ました。
  ちなみに現在の『歯根型インプラント』は直径が4〜5ミリ程度ですので、
  以前の『プレート型』がいかに大きいものだったかわかると思います。
  こんな大きな『プレート型』を骨に埋め込むのですからさぞかし、大変だ
  ったと思われます。
  (もちろん私はプレート型を使用したことがないので…)

  歴史的なことはこれくらいにしましょう。

  現在のインプラントの形態は先程書きましたように『歯根型』になります。
  そして同じ『歯根型』でも各メーカーによりその形は若干異なります。
  
  まず、ほとんどのインプラントメーカーが採用している形態が
  『スクリュータイプ』です。
  簡単に説明すると『ネジ』です。
  治療する側にとっては手術時のインプラントの安定性が適格にわか
  るため非常に使いやすいタイプです。
                 
  次に『シリンダータイプ』です。
  現在一部のインプラントに採用されているのみです。
  簡単に説明すると『筒型』です。
  治療術式は簡単ですが、1回法には適していなく、2回法で手術後の
  安定が保てる場合に適しているタイプです。
  後日説明する『ハイドロキシアパタイト インプラント』でわりと多く使
  用されているタイプです。
  『ハイドロキシアパタイト インプラント』はハイドロキシアパタイトと
  いう粒子(粉?)をコーティング(まぶす)して作製しています。
  そのため、ネジのように回転力をかけてねじ込むと剥がれてしまうことも
  あります。
  そのような場合にはネジタイプではなく、シリンダータイプが良いとされ
  ています。
  
  また、“ ネジ ”タイプが主流となっている理由の一つとして骨の中に
  『筒型』を入れるよりも『ネジ型』で回転量をかけた方が骨との安定が良
  いということです。
  
  
  次に『テーパータイプ』です。
  簡単に言えば歯の根と同様の形をしているタイプです。
  この天然歯と同じ形態であることが大きなポイントになります。
 
  先程の『シリンダータイプ』は空き缶のように上から下まで同じ太さの
  筒になっていますが、『テーパータイプ』は先端が細くなっています。
  逆に言えば、上の部分が太くなっているとも言えます。

  このような『テーパータイプ』ですが、
  当医院で使用しているI.T.Iインプラント(ストローマン)では、
  『 I.T.I TE インプラント 』という名称で2003年に商品化されてい
  ます。
  また話は長く難しくなりますが、この『 I.T.I TE インプラント 』の
  臨床背景と理論的根拠についてお話しします。
  
  歯がなくなると(抜歯すると)、歯を支えていた周囲の骨はどんどんと吸収
  (溶けて)してしまいます。
  そのため、抜歯後にインプラントを行おうと思っても、骨の吸収のため、
  インプラント手術が確実に行えない状態になっていました。
  つまり、今までの考え方では抜歯してからインプラントを埋入するまでに 
  は2〜6ヶ月待つ必要性があったからです。
  もちろん患者様にとって待つということはその期間は歯がないということ
  です。
  そうした抜歯後の骨の吸収による問題と治療期間の短縮という観点から
  インプラント埋入のための新しい考え方ができたのです。
  それが、『抜歯即時インプラント』です。
  しかし、抜歯即時インプラントには欠点がありました。
  以下のような問題点です。
  抜歯と同時にインプラントを行う場合、抜歯部の穴の大きさとインプラン
  トの太さ(幅)には違いが生じてしまいます。
  通常抜歯部のほうが幅が大きいので、インプラントの周囲には隙間
  (ギャップ)ができてしまいます。
  この隙間を埋めるためにGBR法という特殊な方法が用いられてきました。 
  (詳細は「骨再生法(GBR法)」を参照)
  この治療法を用いるとインプラントと骨との隙間に骨を再生させることが
  可能になります。
  しかし、インプラントとの隙間が大きかったり、インプラントの初期安定
  性が得られない場合には適応しづらいこともありました。
  またGBR法は技術的に難しいことも多いため、抜歯と同時のインプラン
  ト埋入には限界がありました。
  こうした問題を解決すべく、開発されたのが、
  先程の『 I.T.I TE TMインプラント 』です。
  この新しいインプラントは抜歯した部位への使用を目的として開発された
  もので、抜歯部との隙間を最小にすべく、テーパー上の形態になっている
  ことと、骨との安定をよくするためピッチ(ねじ山の間隔)が狭められて
  います。
  この続きは こちらを参考にして下さい。

  『テーパータイプ』は初期固定性と審美的な効果が得られる新しいタイプ
  のインプラントです。
  インプラントの形態としては今後、『ネジ型』で、『テーパータイプ』が
  主流となってきます。

今日はこれで終わりです。
ちょっと長く、難しい話でしたが、明日もこの続き(インプラントの表面性状)になります。

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2007年8月9日

インプラントの構造:その1

今日は木曜日でいつもは休診ですが、明日が臨時休診のため、本日は診療です。

さて今日から新しいテーマになります。
『インプラントの構造』です。
構造?
例えば、車であれば、タイヤ、エンジン、バンパー…等
さまざまな部品で作られていますよね。
インプラントも車のように複雑ではありませんが、いくつかのパーツで構成されてます。

ここではインプラントの基本構造について解説したいと思います。
結構、マニアックな話になりますが、
『インプラントについてもっと知りたい!』
と思われる方は是非御覧になって下さい。
他のホームページにはあまり記載していない内容ですので…

その前にインプラントとはどうしてできたのか?
インプラントの歴史について簡単に解説したいと思います。

インプラントの歴史は1950年にスエーデンの化学者ペル・イングウァール・ブローネマルク博士の発見から始まります。
ブローネマルク博士は純チタンが骨と拒否反応を起こさず、チタン表面の酸素の膜を介して非常に強く結合することを発見しました。
これがブローネマルクインプラントです。
その後1965年に臨床応用され、2000年までに、世界中で約60万人の患者さんがこのインプラントの治療を受けています。

本題のインプラントの構造になります。
インプラントの基本構造は下図のようになっています。
kouzou1






ちょっと写真が小さくてすみません。

1. インプラント本体: 『フィクスチャー』と言います。
2. アバットメント: 被せ物の歯を付ける『土台』のことです。
3. 上鵜構造『補綴物(ほてつぶつ)』とも言います。: 被せ物のことです。
インプラントの構造は大きく分けてこの3つから成り立っています。

次回は1〜3についての詳細を順番に解説していきたいと思います。

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2007年8月8日

インプラント 歯周病 専門医のブログ:インプラントの被せ物:7

さて今日はインプラントの被せ物の最終回です。

歯科疾患は後天的な原因が多い病気です。
つまり、生まれながらに持っていたりするものよりは、
生まれた後の行動、(歯ブラシの頻度や方法、歯ぎしりの有無、食生活や睡眠、運動、ストレス等…)により起ります。

つまり、虫歯や歯周病等で歯が欠損してしたということはそれなりの原因があるわけです。

欠損部位の治療方法として 単にインプラントを行えば 良いということではなく、なにが原因で起ったのかを(歯がなくなったのかを)考えることが大切です。

インプラント治療を希望される方はインプラントを行えば、『ずーと問題なく過ごす』と思っていらっしゃる場合があります。

もちろんインプラントの成功率は非常に高いものですが、決して100%ではありません。

インプラント自体も歯周病のような状態になったり( インプラント周囲炎)、今回のテーマである『歯ぎしり』や『くいしばり』によってダメになったりすることもあります。

話は戻りますが、歯がダメになった ということは、原因があります。
インプラント治療後もその原因が解決されなければ、インプラント自体もダメになってしまう可能性があります。
歯周病で歯がダメになった方は、問題のない人より、丁寧に時間をかけブラッシングを行う必要性があります。
また『歯ぎしり』や『くいしばり』によって歯がダメになった方は、『ナイトガード』を使用する必要性があります。

『ナイトガード』の話をしたり、実際に『ナイトガード』を使用していただくと何人かの患者様は
『ナイトガードを使用しなければならなのですか?』とか
『ナイトガードはいつまで使用するのですか?』といった質問があります。
基本的に『ナイトガード』はずーっと使用して頂くことになります。
ずーっと というのは『一生涯』ということです。

つまり、『歯ぎしり』や『くいしばり』がなくならなければ、
いつまでも、歯やインプラントには無理な力(ストレス)が加わっているということです。
無理な力が加わっている以上は『ナイトガード』は使用していただきます。
歯やインプラントがダメになる原因があるからです。

ただし、『歯ぎしり』や『くいしばり』は一時的に起ることもあります。
『疲労』や『ストレス』がその原因です。

『疲労』や『ストレス』により『歯ぎしり』や『くいしばり』は起るもしくは増加するとされています。

実際には『歯ぎしり』や『くいしばり』があっても歯がダメにならない方もいらっしゃいます。
ブラッシングが十分できていない もしくは 歯ブラシをまったく行わない方でも いくつになっても歯が残存している方もいらっしゃいます。

だからと言って歯ブラシをしなかったり、ナイトガードを使用しなくていいということにはなりません。

歯を失った方はその時点でなにかの理由があるのですから…

明日は新しいテーマになります。


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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医

神奈川県横浜市にある日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、GBR法、サイナスリフト、審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは治療費(費用)の説明やインプラント症例、無料相談コーナーもあります。
2007年8月7日

インプラント 歯周病 専門医のブログ:インプラントの被せ物:6

今日は昨日の続きになります。
『ナイトガード』についてです。

『ナイトガード』はお渡しする際に調整に多少のお時間がかかります。
(10分程度)

歯科医院により『ナイトガード』の形は多少違いますが、
一般的には 透明な物で、歯の部分のみ覆います。
(歯科医院によって、赤や、青、模様がある場合もあります)
材質は柔らかいゴムのような柔らかい材質もあれば、硬いプラスチックの場合もあります。

この材質は患者様の状態により異なります。

費用は健康保険診療が適応されますので、約5000円(3割負担の場合)になります。

また この『ナイトガード』の耐久性ですが、
噛む力によりだいぶ違います。
噛む力が非常に強い場合には2〜3ヶ月ですり減ってしまうこともありますが、
一般的には1〜2年程の使用が可能になります。
修理はできませんので、すり減ってしまった場合には
新たに型を取り、交換(新規作成)になります。

お手入れの仕方は 歯ブラシを使用し、流水下で洗っていただきます。
汚れの付着がひどい場合には歯科医院にお持ちになっていただければ、無料で
クリーニングできます。

また『ナイトガード』の使用は 通常、『就寝時』になりますが、スポーツをされている場合や、日常 くいしばりがある場合には常時使用されることをお勧めします。

もちろん 食事中には使用できません。

『ナイトガード』を初めて使用される場合には違和感がありますが、
だんだんと慣れてきます。
根気よく使用されて下さい。

歯周病の方、インプラント治療を受けた方で『歯ぎしり』や『くいしばり』を 自覚されている場合や、歯科医院で指摘された場合には
できるかぎりこの『ナイトガード』を使用して下さい。

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2007年8月6日

インプラント 歯周病 専門医のブログ:インプラントの被せ物:5

口腔内にインプラントと天然歯がある場合、
インプラントの被せ物を装着する際には、天然歯よりも若干低くします。
低くといっても200ミクロン程度であり、見た目で分かることはありませんし、噛んで感じることもありません。

先日書きました『歯根膜』の範囲内です。
ぐっと噛んだ時に天然歯は沈みこみ、インプラントと同じ高さになります。
このようにインプラントに負担がかからないように調整を行います。

しかし、この高さの調整はずーっと普遍なわけではありません。

またこの調整のみでは夜間の『歯ぎしり』や『くいしばり』による過大な力には対抗できません。

そこでこの『歯ぎしり』や『くいしばり』からインプラントを保護するのが、
『ナイトガード』と言われるものです。
簡単に言えば、『マウスピース』です。

これはスポーツをする人が使用しているものと同じような装置です。

ボクシング、ラクビーといったスポーツ選手が使用するものとほぼ同じものです。

『ナイトガード』保険診療が適応されますので、『歯ぎしり』や『くいしばり』を 自覚されているか、歯科医院で指摘された場合には是非 作製された方がいいでしょう。

これはインプラント治療後だけでなく、歯周病や顎関節症の予防にもなります。

『ナイトガード』の作製は簡単なものです。

歯の型を取るだけです。
型を取れば、次の日には完成します。
(お待ちいただければ、1〜2時間で完成できますが、具体的な時間は通院されている歯科医院で聞いてみて下さい)
歯科医院によっては作製に1週間程度時間がかかることもありますので、
あらかじめ聞いておいた方がいいでしょう。

明日も『ナイトガード』について続きになります。

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