空腹時口臭:生理的口臭の一つ

このブログは、口臭に悩む方のブログです。

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今年の4月から毎週 大学で講義を行うことになったため、
現在4つのブログを毎週アップしていますが、
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各ブログを毎週ご覧になっていただいている方も多くいらっしゃるかと思いますが、ご理解いただければと思います。

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今日のテーマは、『空腹時口臭:生理的口臭の一つ』になります。

今回のテーマはシリーズで生理的口臭について解説しています。

このシリーズの1回目では、口臭には
病的口臭
生理的口臭
があることを説明しました。

病的口臭とは、
歯周病 や 虫歯 等 が原因で生じる「臭い」です。
このような問題があった場合には、口臭の治療は簡単です。

歯周病 や 虫歯 を治せば良いわけです。

しかし、口臭外来を受診される方の多くは、
病的口臭ではないことが多いです。

生理的口臭の場合が多いのです。

本日は、生理的口臭の中で
空腹時口臭について解説していきます。

口臭を気にされる方の中には、
食事を取ると臭いが生じると考えられていることがあり、
食事を避ける方もいらっしゃいます。

これは口臭予防にとっては大きな誤りです。

食事をとらないことは、口臭を悪化させる大きな原因となります。

食事を取らないと 当然
「噛む」
という行為がなくなりますので、
唾液の分泌が少なくなります。

唾液には、細菌を減少させるための抗菌作用があることは
このブログで何度も解説してきた非常に重要な内容です。

食事を行うと唾液は多く分泌されます。
「咀嚼時唾液(そしゃくじ だえき)」という唾液が分泌されます。

咀嚼時唾液(そしゃくじ だえき)は、
正常な方では、3分間で約3~5ml分泌されます。

調理用の計量スプーン(小)で1杯程度です。

食事をすることで、
抗菌性のある唾液が多量に分泌されます。

口臭の主な原因は、
口腔内細菌の出す
硫化水素、
メチルメルカプタン、
ジメチルサルファイド
といった
揮発性イオウ化合物であることは前回のブログでも解説しました。

つまり口腔内細菌が増えることで
臭いの原因となる 揮発性イオウ化合物 が産生されるのです。

しかし、唾液が分泌されることで
細菌を増殖を抑えることができるため、
唾液分泌は口臭予防にとって非常に重要なのです。

食事を取らない(抜く)ことは、
噛むという行為が少なくなるため、
唾液の分泌も減少してしまいます。

そのため、細菌が増殖しやすく口臭が強くなってしまいます。

また噛むという行為はそれ以外にも重要なことがいっぱいあります。

食事をする際にも大きなポイントがあります。
これは口臭外来を受診される方に
説明させていただく内容なのですが、
良く噛むことで「舌の動きが活発になります」

食事の際に噛む行為が少ない方であったり、
会話が少ない方であったり、
緊張が続く方であったり、
下を向く行為(姿勢が悪かったり、本、パソコンを長時間見る行為)がある方
等では、
舌の動きが停滞します。

この舌の動きが悪い(停滞)場合には、
唾液の流れが停滞し、
唾液分泌も減少してきます。


口臭外来を受診される方には、
検査の結果、考えられる原因について
改善するための指導をさせていただいております。
その指導内容の一つに
「リハビリ」という内容を説明させていただくことがありますが、
その中で
食生活 と 舌の動き、唾液の分泌という話をさせていただきます。

食事を取らないことや
噛む回数が少ない方
では、舌の動きが停滞していることがあります。

舌があまり動かない方の場合、
舌を見ると分かることがあります。

舌の側面(左右の両側)に歯の跡がついてることがあります。
これは、舌の動きが悪いために
歯に舌が触れている時間が長くなるため、
舌に跡が残るのです。

例えば、
靴下を脱ぐと
足首あたりに 靴下の跡が残っているのと同じようなことです。

圧迫された状態が長く続いたことで
生じる舌の跡なのです。

口臭外来にとって
舌の状態は非常に多くの情報が含まれいます。

私の恩師である口臭治療の権威 のほんだ先生も
舌の状態を見ることは、口臭の原因を見極める上で非常に大切であることを
良くおっしゃっていました。

舌を良く動かすことで、
唾液の分泌を促進したり、
唾液の流れを良くします。

先に口臭治療の一つに
「リハビリ」があるということを書きましたが、
食事はまさに「リハビリ」です。

口臭外来では、
特に朝食は、1日の生活を開始するための重要なポイントであり、
いつもより 朝30分早く起きて、
時間をかけて食事をすることが
口臭改善にとって重要なことであることを患者様に指導させていただいております。

口臭が気なる方はご自身で問題を悪化させていることが多くみられます。
「お腹が空いた状態(空腹時口臭)」は口臭が起こりやすいということをしっかりと理解することが大切です。

ちなみに無理なダイエットをすると「空腹時口臭」が起こりやすくなります。
これを「ダイエット口臭」とも言います。

次に「空腹時口臭」のメカニズムについて解説します。

少し難しい話になりますので、ご興味のある方は是非ご覧になって下さい。

空腹 や ストレス によってグルコース(ブドウ糖)の必要性が高まると
肝臓では脂肪酸をβ-酸化し、
エネルギーを生成し、
糖新生を行って血液中にグルコースを供給します。

* グルコース (ブドウ糖)は、糖の一種であり、人間が活動するための
エネルギーとなる物質です。

肝臓での脂肪酸のβ-酸化が亢進すると、
β-酸化によって生成された余剰なアセチル-CoAは、ケトン体に変換されます。

ケトン体は、
筋肉、
脳、
腎臓、
副腎
等でエネルギー源として利用されるが、
ケトン体の血中濃度が上昇し過ぎると(アセトン血症)
尿中に排出されます(ケトン尿)。

血中濃度が上昇すると、
肺におけるガス交換で呼気は臭気を帯びて口臭となります。
これを「アセトン臭」と言います。

「アセトン臭」は、糖尿病の方の臭いとしても有名です。
「アセトン臭」を例えると
リンゴが腐ったような甘酸っぱい臭い 
と表現されます。

今回の話の中で
「舌の動きを停滞させないこと!」
は口臭予防にとって大切であることを説明しました。

会話をほとんどない状態(口を閉じた状態)が続いたり、
口臭を気にするあまり、口を開けないようにしていたり、              
精神的不安が持続すると

舌はあまり動かなくなり、                  
唾液の分泌が少なくなります。
    

また、パソコン や 本 を長時間見ていると下の方向を見ることが多くなり、 
舌位置にも問題が起こってきます。

まず見ていただきたいのが、以下の図です。
通常、会話をしたり、口を開けたりする場合で、
お口を少し閉じた状態では、
以下のように上顎(口蓋)と舌にはある程度の隙間があります。


この図は顔を横から見たところです。
図1は、口臭にとって良い舌の位置です。
喉の奥1
これは口臭が起こりにくい状態です。

次に口臭にとって問題のある舌の位置です。
具体的には、下図2のように
舌の位置は、上顎に近づき、上顎との隙間が少なくなります。
喉の奥2
  

口を開ける回数が少なくなることもあり、
喉の奥は酸素が少ない状態となります。
        
こうなると酸素が嫌いな嫌気性菌が繁殖しやすくなります。

嫌気性菌は、口臭の原因となるガスを発生します。

抗菌性のある唾液の分泌も減少するので、
ますます菌の繁殖が増えていきます。


舌機能の改善(リハビリ)は、口臭予防にとって重要なのです。

空腹時になるとさまざまなことが起こり、
口臭が発生するのです。

また、食事を取らないこと
つまり 食生活の問題は、
口臭外来を受診される方の多くに起こっている
「自律神経の乱れ」
に大きく関係してきます。

このことについても今後ブログでアップしてきたいと思います。

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