歯周病になる人 と ならない人!

1/17(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週 月曜日 にアップしています。

今日のテーマは、『歯周病になる人 と ならない人!』になります。

この歯周病のブログを見られているということは、現在 歯周病である方、歯周病で悩んでいる方、他歯科医院で歯周病と言われた方、歯周病で抜歯と診断された方… 歯周病に問題を抱えた方であると思います。

実際に歯周病の方の中には、
『毎日歯ブラシをしているのに…なぜ歯周病になってしまうのか?』
『定期的に歯科医院に通院しているのに 歯周病になってしまった!、抜歯になってしまった!』
『家族や友人の中には、歯磨きをあまりしていない人もいるのに歯周病でないのはなぜ?』

疑問をお持ちの方も多いかと思います。

歯周病の基本的なこととして、『なぜ歯周病になるのか?』ということが考えられるかと思います。

歯周病の原因は、さまざまです。

まず 歯周病の最大の原因は、歯周病細菌の感染です。
歯周病細菌がなければ、基本的には歯周病にはなりません。
しかし、口腔内に細菌がいないことは非常に難しいことです。

本来、人が生まれた時の口腔内には 歯周病細菌は存在しません。
どこからか感染をし、口腔内に定着するのです。
感染源の多くは、家族間です。
人との接触や食事を介して 歯周病細菌が感染するのです。
そのため、歯周病の方との接触は、歯周病細菌の感染リスクが高くなります。

ただし、歯周病細菌が感染したからといって、歯周病が進行するわけではありません。
歯周病細菌が増殖しないような口腔内環境であれば良いのです。

それが、歯磨きを徹底して行うということなのです。
歯周病細菌は、食後の汚れをもとにして増殖をします。
汚れが、歯の周囲に付着し、次第に歯周ポケット の内部に侵入していきます。
これが、歯周病の始まりです。
歯周ポケットについては、以下を参考にして下さい。
•歯周ポケット

歯周病細菌には、大きく分けて2種類が存在します。
ちょっと難しい話にはなりますが、これが分かると歯周病のことがだいぶ理解していただけると思います。

1つは、好気性細菌です。
この細菌は、空気(酸素)が存在する場所で生存することが可能な細菌です。

もう一つは、嫌気性細菌です。
これは、空気(酸素)が届かない場所で生息する細菌です。
これが、歯周病を起こす原因菌なのです。
この嫌気性細菌を増殖させないことが歯周病にならないための大きなポイントなのです。

先程の歯周ポケットに話を戻します。
歯周病になると 歯周ポケット は、どんどんと深くなっていきます。
深い歯周ポケット内部には、酸素がとどきません。
そのため、深い歯周ポケット内部には、嫌気性細菌が生息しているのです。

歯周病細菌の全てが悪いのではありません。
嫌気性細菌と言われる歯周病細菌を増殖させなければ、歯周病を抑えることができるのです。

確しかに、歯周病になりやすい人 と 歯周病になりにくい人 はいます。
歯周病細菌の感染の程度の期間によって その人の口腔内の細菌の種類は変わってきます。

元々歯周病細菌の感染が少ない人は、歯磨きが不十分であっても
問題を引き起こすことが少ないのです。

しかし、歯周病細菌の感染が高頻度で起こっている人でも、その細菌が増殖しないような口腔内の環境が整っていれば、歯周病の発症を最小限に抑えることも十分可能なのです。
その一つの方法が『徹底した歯磨き』なのです。

具体的には、先程解説した 深い歯周ポケットをなくすことです。
一度深い歯周ポケットができてしまい、歯周ポケットの内部に細菌が侵入してしまった場合には、
その後、いくら歯磨きを行っても ご自身では、歯周ポケット内部の感染を取り除くことはできません。
まず、歯周ポケット内部に存在する歯周病細菌(嫌気性細菌)を取り除くことが必要になります。
その後、新たに感染しないように 歯磨きを徹底することが重要なのです。

次に 歯周病の他の原因について解説します。

噛み合わせは、歯周病を悪化させる大きな原因になります。

噛み合わせが悪いからといって歯周病になるわけではありませんが、
歯周病がある方で、噛み合わせに問題があると
歯周病は、急激に悪化してきます。

噛み合わせといってもなにが問題であるのかはわかりにくいかと思います。

例えてお話すると「オープンバイト」という噛み合わせがあります。
この噛み合わせは、「上下顎の奥歯のみが当たっており、前歯があまり当たらない噛み合わせのことです。」

このブログを見て、「私はそうだ!」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、多くの方は、「上下顎の奥歯のみが当っている?」ということが分からないかもしれません。

通常、上顎には全部で14本の歯が存在します。
同様に下顎にも合計14本の歯が存在します。

この上下顎の14歯がそれぞれ、かみ合っているのです。
なにも問題がない方は、
「当然そうでしょ?」
と思われるかもしれません。

しかし、奥歯しか噛み合っていない方も多くいらっしゃるのです。
前歯は、上と下の歯が噛み合っていないのです。

それでは、このような方は、「前歯では、麺類 等が食べられないのでは?」
と思われるかもしれません。
そのとおりです。
前歯では、そば や うどん、スパゲッティーが噛みちぎれないのです。
しかし、このような「オープンバイト」の方は、
ご本人が そのことに気がついていないことが多いのです。

生まれながらに「オープンバイト」ですから
これが、当たり前と思っているのです。

通常、前歯で噛むような食物でも奥歯で食べているのです。

「オープンバイト」が極度に起こっている方は、奥歯が2歯分しか噛みあっていないない方もいる程です。

そして、「オープンバイト」の方は、かなりの確立で問題を起こします。

先にも記載しましたように通常、上下顎の歯は、全ての歯が噛んでいます。
上顎14歯と下顎14歯です。

しかし、奥歯が4歯分しか噛んでいない方の場合、前歯に加わる負担も全てこの4歯分に加わってきます。

奥歯にとっては、ものすごく力のストレスが加わっているのです。

長い年月こうした負担が加わると、歯へのダメージはものすごいことになります。

もし、歯周病がなくても「オープンバイト」ということだけで歯がダメになることもあります。

さらに歯周病と「オープンバイト」が両方あった場合には、大変なことです。
必ずといってもいい程 歯はダメ(抜歯)になります。

「オープンバイト」の方は、できるかぎり早く対処しておかないと後で大変なことになります。

次に 歯周病になる人の典型的なパターンとして、歯科治療の中断があります。

私が歯周病専門医 インプラント認定医 ということもあり、来院される患者様の多くは、重度歯周病の方です。

重度歯周病の方を診療すると一定の方に起こることがあります。
歯周病治療の中断です。

歯周病の治療回数は、軽度であれば、数回の治療で終了しますが、
重度歯周病であった場合、治療期間が長くなることもあります。

重度歯周病の方で多く見られるのが、歯科治療を中断してしまい、
その結果、いくつもの歯科医院を転々とすることです。

治療が中断するたびに状況はどんどんと悪化していきます。

もっと早い段階で歯周病治療を行えば、
治療も簡単に行えますし、もちろん治療回数がかかることもありません。
また、治療後の再発のリスクも少なくなります。

しかし、重度歯周病であればあるほど、治療が大変になるだけでなく、
その後の再発のリスクも高くなります。

こうしたことは、歯科治療だけでなく、病気全てに言えることです。

例えば、糖尿病という病気は、みなさんご存知と思います。

現在の日本では、急激に増加しており、大きな問題となっています。
日本において、糖尿病が原因で死亡したと考えられる人数は、交通事故で死亡する人数よる遥かに多いのが現状です。
また、成人の失明の原因の第1位、
人工透析を受けなければならなくなる原因の第1位はいずれも糖尿病です。

一部の糖尿病のタイプを除いて、
糖尿病患者の多くは、予防が十分行えるのです。

会社の検診であるとか 健康診断 等 さまざまなことで糖尿病と診断された方は、
最初は きちんと病院に通院しており、食事や運動といった管理もできていますが、
だんだんと乱れて行き、病院にも行かなくなってしまうことが多くあります。
そして、体調の変化があった時には、合併症等が起こっており、
先程解説した 失明になったり、人工透析を行うことになったりします。

そのような状態になった場合、
『もっと早くきちんとしていれば…』
と多くの方は思うでしょう。

しかし、病気は、少しづつ悪くなっていきますので、元も戻ることはできないのです。

話は、歯周病に戻りますが、歯周病の患者様の中には、
『もっと早く治療をしていれば…』と思われる方が多くいらっしゃいます。

また、治療開始前に 治療計画書をお渡しし、
『きちんと治療を行わないとダメですよ!』とお話しても
始めは、通院するのですが、
結果的に中断される方もいらっしゃいます。

そして、次に来院された時にには、もう治療が不可能な状態になっていることがあります。

治そうという強い気持ちがないと病気は治りません。

この話の詳細は、以下を参考にして下さい。
歯周病治療が成功しない理由!

歯周病を治すためには、
まずきちんとした検査を行うこと!
歯周病についてきちんと理解すること!
歯周病治療についてきちんと理解すること!
歯周病が進行すると歯を失う結果になること!
進行した歯周病の場合、治療するこが不可能な場合があること!
等をきちんとご理解することが重要です。

先程も書きましたように
歯周病を治そうという強い気持ちがないと治らないのです。

次に歯周病と全身疾患の話です。

例えば、糖尿病の方は、歯周病になりやすいのです。
糖尿病の人は 感染に対する抵抗力が低下しており、歯周病が悪化しやすいのです。
逆もあります。
歯周病の方は、血糖値を高めます。
歯周病細菌が糖の代謝に影響を及ぼし、血糖値のコントロールが悪くなります。
糖尿病の方は、歯周病の検査を行うことが重要です。
そして、もし歯周病であった場合には、きちんとした歯周病治療を行うことが重要です。
歯周病が治ると血糖値も安定することがあります。

口腔内も全身のヒ一つですから、体調に問題のある方は、
歯周病も悪化しやすいのです。

歯周病になりやすい人と言えば、喫煙者です。
喫煙と歯周病の関係は、歯周病の学会において 数多く報告されています。
ある報告によると、喫煙者は、非喫煙者と比較して、
歯周病の進行は 6倍以上も早い という結果もあります。
『歯周病を治したい!』と考えられている方は、是非禁煙して下さい。
歯周病と喫煙につては、以下を参考にして下さい。
喫煙者は、歯周病が治らない!

歯周病は、歯周病細菌の感染症であることは、このブログでも良く書くことです。
そのため、重度歯周病の方は、口腔内の非常に多くの細菌が存在しているのです。

大量の菌が口腔内にあるのですから、大変なことです。
それを毎日の食事の際に、食べ物と一緒に飲み込んでしまいます。
飲み込んだ菌が肺に入って起こす病気を『誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)』といいます。
あまり聞き慣れない病名ですが、誰にでも起こる可能性がある病気です。
この誤嚥性肺炎は、えんげ(飲み込むこと)反射 と 咳反射が低下した場合に起こることが明らかになっています。
歯周病を起こさないような口腔内であれば問題はありませんが、歯周病であったり、ブラッシングが不十分であると起こる可能性が高くなります。
しかし、細菌を飲み込んだからといって誰もがなるわけではなく、寝たきりの方や老人性肺炎の方のように体力がおちた時にかかりやすい病気です。
日本人の死因の第4位が肺炎 (平成14年度の厚生労働省ホームページより)であり、そのうちの約9割が65歳以上です。

また、歯周病細菌は、食べ物と一緒に飲み込むだけではありません。
血液を介して全身にまわっていきます。
菌血症という状態です。
菌血症とは、本来無菌である血液中に細菌が存在する状態を言います。
例えば、外科的治療の際に外部からの感染が血中へと入り込みます。
しかし、実際には、血液中に細菌が侵入しても一時的なことであり、問題となることはほとんどありません。
しかし、歯周病細菌のように常に口腔内に細菌が存在する状態は良くありません。
歯周ポケット 内部には大量の歯周病細菌が生存しています。
当然のことながら歯周ポケット内部にも血管(血液)が存在しますので、
その血管から歯周病細菌が侵入していきます。

特に注意しなければならないのは、心臓疾患がある方です。
心臓疾患がある方に歯周病治療(歯石を取る行為も同じです)を行う時には、注意が必要です。
歯石を取った際に、砕けた歯石から細菌が放出され、血液中に入っていきます。
血液を介して当然のことながら心臓へも流れ込みます。
ペースメーカーを使用されている方は、流れ込んだ細菌が付着し、問題を引き起こすことがあるので、注意が必要です。
注意とは、治療前に抗生剤を服用し、感染防止を行うことです。
つまり、歯石除去前(1時間以上前)に抗生剤を服用することです。
可能であれば、治療の前日から服用された方が良いでしょう。
こうすることにより、歯周病細菌が血液中に流れても被害を抑えることができます。

ただし、このような話をすると『歯周病治療は怖い!』と感じてしまいがちですが、これは違います。
誤解していただきたくないのですが、歯周病である場合には、歯周病治療を行わないで、口腔内に常に歯周病細菌が存在する方が問題が高いのです。
重度歯周病の方では、常に口腔内に多量の細菌が存在するわけですから…

心臓疾患のある方 や 全身疾患のある方こそ、歯周病を治しておかないといけません。
歯周病は、放置すればする程、進行します。
進行した歯周ポケット 内部には、多くの歯周病細菌が存在していますので、リスクはさらに高くなってしまいます。

心臓病 や 全身疾患がある方 こそ徹底した治療が重要です。

また ご病気がある方は、歯科治療を受けられる際には、
問診票に病名等をしっかり記入することが必要であることと
担当医にも伝えることが必要です。
また、服用している薬についてもきちんと伝えることが大切です。

話は、ズレてしまいましたが、
喫煙者は、歯周病のリスクが非常に高いこと、
糖尿病 等の有病者も歯周病のリスクが高いことがあります。

また、歯周病が多くの疾患を誘発したり、
歯周病細菌によって全身的な問題も引き起こす可能性が高くなります。

持病をお持ちの方は、歯周病をきちんと治すことが大切です。
歯周病は、早期に治療を行えば、
治療回数も少なくなりますし、
十分治ります。

しかし、進行した歯周病であった場合には、
治療回数もかかり、
状況によって抜歯になってしまうことがあります。

一番問題となるのが、歯周病の放置です。
病気を放置して良いことは一つもありません。
歯周病は、どんどんと進行するだけです。

治療に無関心な人が一番 歯周病になりやすい人と言えます。

次回のブログは、1月24日(月)になります。

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