なぜ 歯周病は減らないのか?

2/21(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週 月曜日 にアップしています。

今日のテーマは、『なぜ 歯周病は減らないのか?』になります。

私自身が歯周病専門医 ということもあり、当医院を受診される患者様の多くは、重度歯周病の方です。
この重度歯周病ですが、年々低年齢化してきているように感じます。
また、本当に進行した重度歯周病の方が非常に多いと感じます。

つまり、重度歯周病の方は年々増えているのではないか?
と感じられるのです。
この原因はどこにあるのでしょうか?

いくつのの原因があるかと思いますので、
私なりに考えられることを解説します。

まず、歯周病というのは感染症 です。
歯周病細菌が口腔内で増殖することにより、感染 が広がる病気です。
感染 が進行すると 歯肉が腫れ、出血が起こり、次第に歯がグラグラ としてきます。
そして、最終的に歯が抜けてしまうのです。
これが、歯周病の主な原因になります。

ただし、歯周病の原因は歯周病細菌による感染 だけではありません。
生活習慣にも大きく影響されます。

歯周病は、高血圧 や、糖尿病高コレステロール症 といった病気と同じといってもいいでしょう。
糖尿病高血圧 等の治療を行う際には、単に内科医 等が薬を処方するだけでは治りません。
患者様ご自身が生活習慣を適切に見直すことが重要です。
もちろん、食生活運動喫煙睡眠ストレス…等です。
いくら薬を飲んでも、上記のような生活習慣が守れなければ、治りません。

歯周病もまったく同じなのです。
例えば、
『喫煙者の歯周病の進行は、吸わない人より 6倍以上も早い!』
と言われています。

口腔内も身体の一部ですから、不健康な状態は、当然 口腔内にも悪影響を及ぼすのです。

話しは戻りますが、
歯周病の方が増えている原因の一つとして、
糖尿病の方が年々増えているのと同様に
生活習慣の乱れが考えられます。
口腔内も身体の一部ですから、体調が崩れる と 口腔内にも問題が起ってくるのです。

また、糖尿病になると 歯周病が悪化する傾向があります。
現在、血糖値が高い方は、ご存知の方も多いかと思いますが、
『ケガをすると治りにくい』と思います。
歯周病にも同じことが言えます。
血糖値が高い方に歯周病の治療 を行っても 治りは非常に悪く、場合によっては、悪化することさえあります。

歯周病は単に歯磨きを行っているだけでは治らないのです。

先も説明しましたように
『喫煙者の歯周病の進行は、吸わない人より 6倍以上も早い!』
というデータがあります。
喫煙していれば、歯周病になるということではありません。
歯周病の状態の人が喫煙者である場合、
非喫煙者と比較すると 6倍以上進行しやすい
ということです。
重度歯周病の患者様で喫煙されている方に
「必ず禁煙して下さい!」
と説明しても
「どうしても止められない!」
という方がいらっしゃいます。
このような方は基本的に歯周病は治らないと思って下さい。

歯周病は生活習慣病ですから
生活習慣の改善を行う努力ができない人は治りません。

糖尿病の患者様で、いくら病院で薬を処方されても
高カロリーな食生活や
運動不足、睡眠不足、ストレス…等の問題を解決しないと
治らないのと同じです。
実際に多くの糖尿病の方は、生活習慣の改善が適切に行われずに
病状を悪化させます。

重度歯周病で来院された患者様の中にも
一時期は改善していたが、
治療終了後 数年で再発し、結果的に多くの歯を失ってしまう場合があります。
重度歯周病の場合、一度治療を行っても 再発率が高いのが事実です。
治療後の徹底した管理がなされなければ、ご自身の歯で長期的に維持することは難しいのです。

この辺の自己管理ができていない方が多いのが、
歯周病の方が減らない原因の一つであると考えられます。

次に考えられるのが、誤った情報による歯周病の悪化です。
インターネットが普及することにより、
莫大な情報が簡単に得られるようになってきました。
正しい情報もあれば
誤った情報もあります。

また、過大な情報もあります。
例えば、テレビコマーシャルでよく放映されている
「 歯周病( 歯槽膿漏 )に効果のある歯磨き剤 」
です。
コマーシャルをみると なにか効果がある感じがしますよね。
実際に歯周病で悩んでいる方であれば、
「 明日薬局で買おう!」
と思われる方も いらしゃると思います。
本当にこれは効果があるのでしょうか?
私は こうしたコマーシャルが 嘘だと言っているのではありません。
おそらく、上記のような歯磨き剤には、
炎症を抑える成分の薬品 等が含まれていると考えられます。
当然 炎症を抑える効能があるのですから
歯周病によって腫れた歯肉には、なんらかの効果があるでしょう。
しかし、こうした「 歯周病( 歯槽膿漏 )に効果のある歯磨き剤 」を使用したからといって歯周病が治ることはありません。
単に歯肉に炎症がある程度であれば、効果があるかもしれません。

効果という言葉だけで言えば、
“ 塩(しお) ” で歯磨きをしても 効果はあります。
「 塩は歯周病に効果があります! 」
といっても嘘ではありません。
効果はあります。
どの程度かということは言えませんが

ほんの わずかであっても なんらかの効果はあります。

前回のブログでも紹介した 抜歯した歯に歯石がついている写真を再度見てみましょう。
スライド1

重度歯周病になると こうした歯石が歯肉の内部に付着していることがあります。
こうした歯石が
「 歯周病( 歯槽膿漏 )に効果のある歯磨き剤 」
を使用したからといって 取れると思いますか?
取れるはずがありません。

先程説明しました
テレビコマーシャルでよく放映されている
「 歯周病( 歯槽膿漏 )に効果のある歯磨き剤 」
を見た方が 歯周病の実態についてなにも知らなければ、
「この歯磨き剤を買おう!」
と考えられるのは当然のことです。

しかし、歯周病が どのような病気であるのかを正しく知っている方であれば、当然のことならが
「 歯周病( 歯槽膿漏 )に効果のある歯磨き剤 」
のテレビコマーシャルを見ても
「 これで治るはすがない! 」
と考えられるでしょう。

テレビコマーシャルでよく放映されている
「 歯周病( 歯槽膿漏 )に効果のある歯磨き剤 」は、
「 嘘ではないが、誤解を生みやすい過大な広告 」
と言えます。

インターネットはもっと誤解を生みやすい情報がいっぱいあります。
内科的歯周病治療
というのがあります。
歯周病に効く薬(抗生剤)を飲めば、歯周病が治る
というものです。
本当でしょうか?

これも嘘ではありません。
私自身もこうした内科的歯周病治療を行うことがあります。
この話しについての詳細は、また後日このブログで詳細に解説しますが、確かにある種類の抗生剤を服用すると 歯周病細菌が減少します。
だからといってそれで 歯周病が治ったということではありません。
また、歯周病に効く抗生剤を服用したからといって先程の写真にあった歯石が取れることもありません。
現実的には、歯周病に効く抗生剤だけで歯周病が治ることはなく、歯周病治療 と併用して効果があらわれると考えた方が良いでしょう。

ほんの少しの表現方法の違いが、情報を見た方に大きな誤解を生むことになります。
しかし、人によっては、
飲み薬で歯周病を治す!
を全面に大々的に広告した方がより、アピールができます。
「 簡単で効果がある治療法 」
に人気が集中するのは 当然のことだからです。

過大(過剰)な情報は結果的に それを見た方に大きな誤解を与えることがあるのです。
これが、『なぜ 歯周病は減らないのか?』の大きな原因の一つになります。

次回のブログは、2月28日(月)になります。
本日の続きで『なぜ 歯周病は減らないのか?:その2』になります。

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