歯周病予防薬:クロルヘキシジン

4/25(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週 月曜日 にアップしています。

始めにゴールデンウィークの休診のお知らせです。
   4/28(木)休診
   4/29(金)休診
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   5/ 1(日)通常診療
   5/ 2(月)休診
   5/ 3(火)休診
   5/ 4(水)休診
   5/ 5(木)休診

今日のテーマは、『歯周病予防薬:クロルヘキシジン』になります。

当医院を受診される患者様には、非常に進行した歯周病の方が多くいらっしゃいます。
重度歯周病の方です。
そうした患者様から よくあるご質問が以下のようなことです。
「歯周病に効果のある薬はありますか?」
「歯周病を治す薬を下さい!」
「歯周病に効果があると書いてある ○○○ という歯磨き剤を使用してるのですが、
 本当に効果があるのですか?」

こうした ご質問は私が歯科医師として働き始めた20年ほど前から
づっとあります。
先週来院された 歯周病患者様からも 同様のご質問がありました。

そこで 本日のブログは、以前にも解説したことがある内容ですが、
歯周病予防薬について解説します。

この話しは、前回のブログでも少し話しが出てきた内容です。
グルコン酸クロルヘキシジン含嗽剤のことです。
(前回と前々回のブログも参考にして下さいね)
グルコン酸クロルヘキシジン含嗽剤科学的根拠のある唯一の歯周病予防薬といってもいいでしょう!

この科学的根拠のあるグルコン酸クロルヘキシジン含嗽剤
他の 効果があると宣伝(?)している歯周病に効果がある歯磨き粉(剤)
デンタルリンス(マウスヴォッシュ)
とは 違いがあるのでしょうか?

歯周病に効果があると宣伝している歯磨き粉(剤)デンタルリンス(マウスヴォッシュ)は 本当に効果があるのでしょうか?
歯周病は治るのでしょうか?
答えとしては、歯周病の予防には効果がある可能性があります。
あくまで可能性です。
予防です。
しかし、歯周病が治ることはありません。
歯周病に効果があると宣伝している歯磨き粉(剤)や デンタルリンスでは、歯周病は治りません!!
これは、歯周病の成り立ちを考えればご理解できます。

まずは、「歯周病はどのようにしてなるのか?」
という話しをしたいと思います。
重要なポイントです。

歯周病の原因は、『歯』と『歯肉の境目』に付着した汚れ(食べかす)がその境目の内部に侵入することから始まります。
この『歯』と『歯肉の境目』のことを専門用語で
『歯周ポケット』と言います。

まず 歯周ポケットについて解説します。
歯周ポケットの測定方法は、『プローブ』(写真1)と言われる細い器具を 歯周ポケットに入れて計測します。(図1、写真2)
inspection1

この歯周病ポケット内部に侵入した汚れを取り除くことが 歯周病の治療です。

歯周病の治療の中でも最も一般的に行われるのが、ルートプレーニング です。
これは、歯肉の中に「キュレット」と言われる器具を挿入し、
内部の汚れ(歯石 等)を取り除く治療です。
以下の図はルートプレーニング を行っているところです。
スライド1

歯周病のなると歯と歯肉の境目(歯周ポケット )に 汚れ(食べかす)が入り込みます。
歯肉の深い中に汚れ(歯石)が入り込むのです。
この歯肉の中に存在する歯石を見てみましょう!
以下の写真が歯肉の内部に入った汚れ(歯石)です。
この黒っぽいものが 歯石 なのです。
スライド1

こんなものが歯肉の中に溜まっているのです。

この歯石を取り除くことは非常に難しいのです。
私達歯周病専門医 が行っても 完璧に歯肉の中深くまで侵入した歯石を取り除くことは困難です。
実際に模型でルートプレーニング を行っている動画(21秒)がありますので、ご覧になって下さい。

以下の動画は、分かりやすくするために 抜歯した歯で歯石を取り除いている動画(55秒)です。

前置きが長くなってしまいましたが、こうした歯石が 歯周病の効果があるとされる歯磨き剤を使用したからといって取れると思いますか?
絶対に取れません!

また、『歯周ポケット内部(深く)にまで届く、毛先の細い歯ブラシ』というコマーシャルもあります。
これはどうでしょうか?
答えとしては、そのような歯ブラシを使用しても歯周ポケット内部に侵入した歯石を取り除くことは不可能です。
逆に歯周ポケット内部を傷つけてしまう可能性があります。

私達 歯周病専門医 から言えば、歯周ポケット内部(深く)にまで歯ブラシを届かせる必要性はありません。
歯周ポケット内部の汚れを取り除く行為は 歯科医師の仕事です。
患者様は、歯肉の上(歯周ポケットの上)についている汚れを取りのいていただくのが役目です。
この歯周ポケット上部の汚れを歯ブラシで取り除くことだけで十分です。
しかし、現実的に歯周ポケット上部の汚れを歯ブラシで取り除くこと自体も大変なことです。
かなりの努力が必要です。
現実問題として、100%近く歯ブラシができる患者様は、ほとんどいません。
10人いれば、1人いれば良いほどです。
ほとんどの患者様は、歯肉の上に存在する汚れさえ、取り除くことができていないのが現状です。
でも、ほとんどの方は
「100%とは言わないが、だいたいできているだろう!」
と思っています。
現実と理想のギャップはほど遠いです。
患者様には、この歯周ポケットの上部の汚れを取っていただくだけで十分です。
このことに集中していただきたいのです。

さて話しは、本日のテーマである「歯周病予防薬」に戻ります。
歯周病予防薬としてきちんとした科学的データ(根拠)があるのは
『グルコン酸クロルヘキシジン』
という薬剤です。
学術的論文として、
『0.36%以上のグルコン酸クロルヘキシジンは歯周病予防に対して効果があります』
ただし、上記以下の濃度の場合には、その効果は減少します。
これは きちんとした科学的根拠のあるデータです。
しかし、これはあくまでも
「予防」です。
0.36%以上のグルコン酸クロルヘキシジン』を使用しても
進行した歯周病が治ることはありません。
「予防」です。

現在 進行した歯周病が治るような科学的根拠のある「薬」はありません。
しかし、多くの患者様は、薬局で販売されているような
歯周病予防歯磨き剤 や マウスウオッシュ を効果があるものとしてご使用されています。
こうした薬剤等を決して使用してはいけない とは言いません。
あくまで「予防薬?」の一つとしてご使用していただきたいのです。

問題なのは、こうした 市販されているものに頼り切ってしまうことです。
本来であれば、通常の歯周病治療で十分治るはずが、
市販の「予防薬?」に頼った結果、
歯周病を悪化させたり、することがあります。

なにが効果があって、
なにが効果がないのか?
現在の歯周病の状態でなにをすることが必要なのか?
を十分ご理解することが一番大切なのです。

次回のブログは、5月 2日(月)になります。

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