細菌の話し:その4

1/30(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

今日のテーマは、『細菌の話し:その4』になります。

このテーマは、シリーズになっていますので始めて見られる方は、是非1回目からご覧んになって下さい。
以下をクリックして下さい。
細菌の話し:その1

細菌の話し:その2

細菌の話し:その3

さて本日も難しい話しになります。
しかし、このシリーズを最後まで見ると “ 歯周病 ツウ ” になります。

虫歯は夜間作られる
前回のブログでは、虫歯細菌(好気性菌)の一部は、多くの糖(ショ糖)から(乳酸)という歯を溶かす成分をつくることを解説しました。
飲食物として糖が供給されなくなると
糖(ショ糖)から合成され細菌内に貯蔵した
水溶性の粘液性多糖体(グルカン および フルクタン)を利用し、
持続して(乳酸)などを産生するため、虫歯(脱灰)が起きてしまいます。

虫歯が夜間作られるというのは、
食物がなくなった後でも 細菌内に蓄えられた粘液性多糖体をエネルギー源として利用しながら
酸(乳酸)を産生し続けるためなのです。

好気性菌 から 嫌気性菌への変貌 ー 嫌気性菌はどんどんと増殖していく ー

今までの3回のブログでも説明しましたように口腔内細菌には、
好気性菌酸素が存在する部位でのみ生きることが可能な細菌) と
嫌気性菌(酸素が存在する部位では生きるのが困難な細菌)
が存在します。
歯周病細菌として問題なのは、嫌気性菌です。
今までのブログの内容をまとめると
細菌の増殖の成り立ちとして
歯の表面(歯根面)に付着したペリクル表面に好気性菌が増殖します。
そして、食物のショ糖を利用して粘液性多糖体が作られたり、
細菌の繊毛 等により
細菌が凝集してきます。
そしてバイオフィルムが形成されます。
すると バイオフィルム中では、どんどんと嫌気性菌の増殖が多くなってきます。
好気性菌から嫌気性菌への変化です。

また、歯肉のにプラークが沈着してくると 歯肉に炎症(腫れる)が起こります。
歯肉が腫れると歯周ポケット内部から歯肉溝滲出液(しにくこうしんしゅつえき)が大量に分泌されるようになってきます。
嫌気性菌にとって歯肉溝滲出液(アミノ酸)は、栄養源ですから 栄養源を得た嫌気性菌はどんどんと増えていきます。
歯周ポケット内部のアミノ酸は、唾液中のアミノ酸より20〜25倍多く、
歯周病細菌にとっては食事に困らない快適な環境と言えます。
*Fine D H:Periodontol 2000,1995
また、嫌気性菌により歯周組織は破壊され、歯周ポケットがどんどんと深くなりますので、酸素の嫌いな嫌気性菌にとっては絶好の環境になってくるのです。

細菌の増殖は、十分な栄養があれば、1時間もたたないうちに2倍となります。

歯周病の原因となる代表的な嫌気性菌
慢性歯周炎の原因となる代表的な嫌気性菌には以下の3種類があります。
P g 菌:ポリフィロモナス ジンジバリス菌(Porphyromonas gingivalis)
T f菌:タネレーラ フォーサイシア菌(Tannerella forsythia)
T d菌:トレポネーマ デンティコーラ菌(Treponema denticola)
*細菌の名称は良く変わります 上記は2011年時点での名称です
これらの嫌気性菌の病原性は毒素によって決まります。
この毒素には 外毒素内毒素 があります。

外毒素は、細菌の内部から分泌されます。
タンパク質を分解する酵素を産生し、
歯周組織を構成するコラーゲン組織を破壊します。
コラーゲン組織が破壊されると歯肉は出血しやすくなります。
外毒素として有名なのが 赤痢菌 や 破傷風菌 の神経毒、
コレラ菌 や 大腸菌 の腸管毒です。

また 内毒素は、細菌の構成成分である外膜です。
以下のような多彩な生理活性があり、さまざまな病原性に関わっています。
・ 発熱性
血液を凝固させ血管障害を起こす
細胞障害作用
骨吸収を起こす
・ 血液を介して内毒素が侵入くるとShwartzman反応という強い炎症反応がみられる
・ 一度に大量の内毒素が入り込むと内毒性のショック死を起こすことがある

上記以外にも まだまだ さまざまな病原性にかかわっています。

ますます難しい話しになってきました。
次回も細菌の話しの続きです。

次回のブログは、2月 6日(月)になります。

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