正しい歯磨き方法:その2

2012年12月17日(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

今年最後の歯周病ブログです。

年末年始休診の案内です。
12月30日(日曜日)〜平成25年1月4(金)まで休診とさせていただきます。

今日のテーマは、『正しい歯磨き方法:その2』になります。

本日のテーマを始めて見られる方は、
前回(12/3)
前々回(11/26)
のブログを先に読まれて下さい。
今回の内容がより理解できます。
12/3 正しい歯磨き方法:その1
11/26 神経がない歯の生存率(最新版)

前回のブログでは、
「正しい歯磨きの時間帯は、就寝前と起床時」
であることを解説しました。
この理由として、
起床時(起きた直後)は、最も口腔内細菌が大きい時だからです。
また、就寝前に磨きをする理由は、夜間細菌が増えるため、その原因となる汚れの付着を事前に取り除くことが必要であるからです。

毎食後に すぐに歯を磨くのは、正しいことではありません。
食後すぐが、口腔内(唾液中)の細菌が最も少なく、非活動状態になって、細菌学的に最もクリーンな状態なのです。

この理由として、唾液には、細菌を減少させるための抗菌物質が含まれています。
唾液を多く分泌させることが
虫歯予防、歯周病予防 に大きく関係してきます。

食直後は、唾液の分泌が多量に起こるため口腔内の細菌は、少なくなっているのです。

この時期に歯を磨いてしまうと
唾液は、洗い流されてしまいます。

ここまでが、先週の話しでした。

それでは今週の内容になります。
本日は、唾液の緩衝能(だえき の かんしょうのう)という話しです。

唾液の緩衝能力が低いと虫歯になりやすくなります。

先にも説明しましたように
歯を磨けば、虫歯にならないということではありません。
虫歯にならない重要なポイントは、唾液です。

それでは、唾液の緩衝能とは、どのようなものなのでしょうか?

通常口腔内のpHは、中性状態を保っています。
pHは6.8〜7.0です。
(口腔内に食物が入った状態 や 緩衝能が低い人 等は、もっとpHが低い)

この中性状態を保つことが重要なのです。

多くの食品は、酸性状態にあります。

酸性食品の参考例として、
肉類(豚肉、牛肉、鶏肉等)、
魚類、
バター、チーズ 等、
砂糖(乳酸を作ることから酸性食品とされる)、
穀類(米、小麦類、酢 等)

アルカリ性食品の参考例として
野菜(ほうれん草、ゴボウ、サツマイモ、ニンジン等)、
果物(メロン等)、
海藻(ひじき、ワカメ、昆布等)、
キノコ、
大豆
があります。

しかし、野菜といっても食べる時には、ドレッシング等をかけたり、
さまざまな食品と一緒に食べる方が多いと思いますので、
現実的にサラダも酸性食品といっても良いかもしれません。
シーザーサラダなんて、ドレッシング や ベーコン、 チーズ 等もいっぱい入っていますしね。

その他にもアルカリ性食品といっても加工されている状態によっては、
酸性食品とも言えます。

口腔内が酸性状態に傾くと虫歯になりやすくなります。
例えば、歯の表面にある硬いエナメル質が虫歯細菌で溶けるためには
pHが約5.5以下になることが必要です。

歯肉が下がると見えてくる 根元の象牙質pH6.0以下で溶けます。
そのため、歯周病 等で歯肉が下がっている方は、
象牙質の部分から虫歯になりやすいのです。
また、歯肉が下がっていると歯磨きが適切に行ないにくいということもあります。

口腔内を酸性(pH5.5以下)にしないことが虫歯にならないために重要なことなのです。

虫歯予防とは、単に汚れを取れば良いのではなく、
酸性に状態が続かないことが大切なのです。

「なぜ歯磨きをするのか?」
という基本的なことが分かっていないと
予防にはなりません。

pHの低下は、さまざまなことで起こります。
飲食物、虫歯細菌が産生する産(乳酸)等が口腔内を酸性化させる主な原因です。

ここで重要なポイントは中和作用です。
生体は、酸性に傾いた状態を中和させる働きがあるのです。

口腔内が酸性に傾いた状態を中和させる機能を緩衝能と言います。

この中和させるのが唾液です。

唾液はとても重要な働きをしています。

具体的には、唾液中の重炭酸塩 や リン酸塩 が 酸性に傾いたpHを中性に戻してくれます。

食後直後から口腔内は酸性に傾きます。
(細菌が乳酸を産生するためです)
しかし、唾液の緩衝能により30分程度で中性に回復するのです。
(食後約5分すると酸性に傾きます)

もし、唾液の分泌が少ない人であったり、
唾液の緩衝能が低い人であれば、
酸性状態となってしまいますので虫歯になりやすいということになります。

間食が多い人 や
加糖入り飲料を食間に好む方は、
pHが酸性状態に傾いた状態のままとなってしまうため、虫歯になりやすいのです。

また、酸っぱい物を食べると唾液が出るのは、
酸性に傾いた状態を中性にもどそうとする作用があるためです。

唾液って大切なんですね。

ここまでの内容で食直後に歯磨きをしてはいけない理由が分かった人もいらっしゃるかと思います。

食直後(食後すぐに)に歯磨きをしてしまうと
うがい によって大切な唾液を吐き出してしまいます。
先程説明した
唾液の緩衝能により30分程度で中性に回復する
という重要な働きを失ってしまうのです。

食事中は、大量の唾液が分泌されます。
そのため、食直後は口腔内に多くの唾液が存在します。
その唾液を 食直後の歯磨きによって失ってしまっているのです。

食べたらすぐ歯磨きは、明らかに間違っているのです。

ちなみに私は、食直後には 歯を磨かずに 必ずガムを噛みます。

次回も「正しい歯磨き方法」について解説します。

今回の内容とは少しズレますが、
pHとは?
なんて読むの?
という話しをしたいと思います。

pHとは、
水素イオン指数
または
水素イオン濃度指数のことで、
物質の酸性、アルカリ性の度合いを示す物理量です。

読み方は、「ピーエッチ」(英語読み)と読みます。

「ペーハー」(ドイツ語読み)と読む方も多くいらっしゃいますが、
本当の読み方は「ピーエッチ」です。

もともとpHの発見者がデンマーク人であり、
近代化学がヨーロッパで発展したことなどから、ペーハーという読み方が多くなされていましたが、
昭和32年(1957年)、pHのJIS化のときに、読み方がピーエッチに統一されたのです。

次回のブログは、2013年 1月 7日(月)になります。

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