金属アレルギーの話 6回目:なぜ歯科金属はアレルギーを起こすのか?(金属がイオン化しやすい条件)

2013年11月11日(月曜日)です。

始めに年末年始の休診案内です

2013年12月30日(月)〜
2014年 1月 6日(月)まで
休診とさせていただきます

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

現在は歯周病に関する内容ではなく、
金属アレルギーについて掲載しています。

今日のテーマは、
『金属アレルギーの話 6回目:なぜ歯科金属はアレルギーを起こすのか?(金属がイオン化しやすい条件)』になります。

口腔内で使用する金属によるアレルギーは、
ピアス等の装飾品を使用したり、
金属製のベルトなどが皮膚に触れることで起こるアレルギーとは違い、
通常 すぐに(即効性)問題が起こるわけではありません。
時間が経って症状が起こることがほとんどです。

人によっては、何年、何十年後に金属アレルギー症状が発症することもあります。

もちろん 口腔内に金属があっても
臨床的に問題が起こっていない方の方が多いのも事実です。
日本人でむし歯治療を経験された人のほとんどが
口腔内に金属を使用しています。

つまり、口腔内に金属を使用したからといって
必ず金属アレルギーが起こるわけではありません。

個人差が非常に大きいのです。

こうした 金属アレルギーの症状を患者様に説明する際に、
以下のように説明をすることがあります。

「コップ」を人間の身体、
「水」をアレルギーとなる物質
とします。

「コップ」に「水」を注ぎます。
コップが小さいと 水を少し入れただけでも
「水」はすぐに溢れてしまいます。
この溢れた状態が「金属アレルギー」が発症した状態です。

「コップ」が大きければ、ある程度「水」を入れても溢れません。

しかし、「コップ」がいくら大きくても
注ぐ「水」の量が 大量に注がれた場合には、
「水」はすぐに溢れてしまいます。

「コップ」が非常に小さければ、
注ぐ「水」の量が極端に少なくても
「コップ」からすぐに「水」が溢れてしまいます。

金属アレルギーが発症する方は、
もちろん金属に触れることが前提となりますが、
「コップ」つまり、生体の許容量の大きさにもよります。

「コップ」の大きさは、人によって大きく変わります。
子供 と 大人でも違いますし、
全身的な状態や
生活環境によっても変わってきます。
体調が不良であったり、
睡眠不足が続いたり、
ストレスが続いたり、
食生活が乱れたり、
等 さまざまなことで「コップ」の大きさは変わってきます。

もちろん「コップ」を大きくすることも大切ですが、
「コップ」に入れる「水」の量を少なくすることが大切です。

「水」を「コップ」に入れない、
「コップ」に入れる「水」の量を少なくすること
が大切なのです。
つまり、
金属アレルギーの原因を
身体に入れないことが重要なのです。

さて話は、この項のテーマに戻ります。
「なぜ歯科金属はアレルギーを起こすのか?(金属のイオン化)」
という話をしたいと思います。

歯科治療で行った金属が口腔内で溶け出し、
イオン化して体内に侵入していきます。

そのほとんどは、便として体外に排出されます。
しかし、3〜10%程度は腸管から吸収されます。
そして、腸管から吸収された一部は、汗の中に排出されます。

手(手のひら) や 足(足のうら)は、汗腺が多い場所なので、
こうした部位に金属アレルギーが起こりやすいのです。
(全身性金属アレルギー)

この金属がイオン化する原因として、
いくつかのことが考えられます。

一つ目は、口腔内金属の種類です。
金属には
イオン化しやすい金属
イオン化しにくい金属があります。

イオン化しやすい金属として
ニッケル、クロム、コバルト、銅、インジウム、イリジウム、パラジウム
等があります。
これらの金属は、歯科治療において汎用されています。

そのため、金属をまったく使用しない治療を行うことが最も有効ですが、
イオン化しにくい金属を使用することでも金属アレルギーのリスクを軽減できます。

イオン化しやすい金属は、口腔内の変化(phの酸性化)により溶け出しやすくなります。

ご存知かと思いますが、
ph(ペーハー、ピーエイチ)とは、酸性、アルカリ性の度合いのことです。
通常 口腔内のphは中性状態(pHは6.8〜7.0)を保っています。

Phの低下はさまざまなことで起こります。
主な原因は、食後に虫歯菌が酸性する酸(乳酸)等によりphの低下(酸性化)が起こります。

金属をイオン化させないためには、口腔内が酸性化した状態のままにしないことが重要です。

口腔内には、酸性に傾いた状態を中和させる機能(緩衝能)が備わっています。

この中和させる機能(緩衝能)が
「唾液」なのです。
具体的には、唾液中の重炭酸塩 や リン酸塩 が酸性に傾いたpHを中性に戻してくれます。

食後直後から口腔内は酸性に傾きます。
しかし、唾液の緩衝能により約30分で中性に回復してきます。

唾液の分泌が少ない人であったり、
唾液の緩衝能が低い人であれば、
酸性に傾いたままになってしまいます。

間食が多い人 や 加糖入り飲料を食間に好む方は、
pHが酸性状態に傾いた状態のままとなってしまいます。

また、口腔内を酸性化させないためには、食後すぐに歯磨きをしない方が良いでしょう。
この理由として、
歯を磨き後に「うがい」をすることで、
食事の際に出た唾液を喪失してしまうからです。
食事直後には、ガムを噛む等で唾液分泌を促進させることも
口腔内を酸性化させない方法と言えます。

次に金属がイオン化しやすい条件として
「ガルバニー電流(ガルバニック電流)」の存在があります。
「ガルバニー電流」とは、金、銀、アマルガム(水銀合金)など
2種類以上の金属が口腔内に存在する場合、
そのイオン化の違いにより唾液を介して流れる電流のことです。

「ガルバニー電流」の例として、
金属製のスプーンを口に入れると なにか変な味がしたり、
金属製の物を噛むと 変な感じがすることがあります。
これが「ガルバニー電流」なのです。

「ガルバニー電流」は、イタリアのルイージ・ガルヴァニ博士が
研究のためのカエルの足が金属に触れることで痙攣(けいれん)を起こすことを偶然に発見したことで名づけられた現象です。

この「ガルバニー電流」が流れると
金属が腐食しやすくなり、
金属がイオン化しやすくなります。

また、歯ぎしり や 食いしばり 等による 物理的な噛み合わせの問題によっても 金属の摩耗が起こり、イオン化しやすくなります。

次回のブログは、11月18日(月)になります。

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