歯周病になりやすい人 と 歯周病になりにくい人の 違い:2回目

2016年 1月18日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは、
『歯周病になりやすい人 と 歯周病になりにくい人の 違い:2回目』になります。

前回のブログでは歯周病の原因として、
歯周病細菌の話をしました。

歯周病は感染症ですから、感染を引き起こさないようにすることが重要ですし、
感染したとしても 歯周病細菌が繁殖しないような口腔内の環境が大切です。

歯周病細菌を調べる方法はいくつかあります。

一つは位相差顕微鏡による歯周病細菌検査 です。

簡便であり、比較的多くの歯科医院で実施していますが、
かなりアバウトな検査です。

プラークと言われる汚れを取り、
顕微鏡で見るという非常に単純な検査です。

ここで問題なのは、
健康な方であっても
問題のない方であっても
位相差顕微鏡では、細菌が見られます。

当然と言えば 当然なのです。

当院に来院される患者様の中に時々いらっしゃるのですが、
他の歯科医院で重度歯周病と言われ、
顕微鏡で歯周病細菌がウヨウヨしているのをみてビックリした。

ということがあります。

あまりにも突然のことなので心配になり、
歯周病専門医である当医院を受診されたということです。

こうした方に歯周病の検査(歯周ポケット検査) をすると
まったく問題がない

ということが良くあります。

患者様に
「歯周病に問題はありません」
「心配ありません」
と説明すると

「えー」とビックリされます。

実際に本当に歯周病にまったく問題がない方が多くいらっしゃいます。

先に説明しましたように
位相差顕微鏡でプラーク(歯の汚れ)を見ると
細菌がウヨウヨしているのが見つかります。

これは普通のことです。

問題なのは、
どういった細菌が見られるのか?

という種類の問題なのです。

まあ 簡単に言えば、
騙されたのです。

位相差顕微鏡で細菌がウヨウヨしているのを見せられると
ビックリするのは当然です。

このことで歯周病に問題があることを強烈に意識させて
重度歯周病であることを意識づけるのです。

位相差顕微鏡が悪いということではありません。

口腔内細菌をみていただき、
口腔内の状況をご理解いただくことは
動機付けとして非常に有効なことであると思います。

当医院でも位相差顕微鏡を使用することもあります。

ただし、これは本当の細菌の状態を表しているのではありません。

もし、歯周病細菌を本当に調べたいのであれば
歯周病細菌の種類を遺伝子的にきちんと調べることが必要です。

こうしたことで
悪性度の高い歯周病細菌を調べることが可能となります。

また、この悪性度の高い歯周病細菌ですが、
まったく存在しない方の方が少ないです。

悪性度の高い歯周病細菌の代表的な種類として
Prophyromonas Gingivalis 菌の存在があげられます。

我々はP.g菌と言います。

P.g菌は確かに悪性度が非常に高い細菌です。

しかし、健康な方にも存在することも確かです。

これは多くの研究でも明らかになっています。

問題なのは、この細菌の割合です。

口腔内には数百種類の細菌が存在しています。

現時点で歯周病に最も影響が大きい細菌は以下の5菌種であることが分かっています。

A.a.菌( Aggregatibacter actinomycetemcomitans )
侵襲性歯周炎の発症に関連が深い菌 非常に悪性度の強い細菌

次に先程説明した
P.g.菌( Prophyromonas gingivalis )
慢性歯周炎の発症に関連が深い菌
年齢に比較して骨吸収が大きく この菌の比率が高い場合
侵襲性歯周炎と診断される 非常に悪性度の強い細菌

次に
T.f.菌( Tannerella forsythensis )
慢性歯周炎の発症に関連が深い菌

次に
T.d.菌( Treponema denticola )
慢性歯周炎の発症に関連が深い菌

次に
P.i.菌( Prevotwlla intermedia )
思春期性 や 妊娠性歯周炎 の発症に関連が深い菌

上記の5菌種が歯周病に関連性が高いことが多くの研究により分かっています。

特に
P.g.菌 、T.f.菌 、T.d.菌の3菌種は、

Red Complex(レッドコンプレックス)と言われ、
非常に悪性度の高い細菌です。

問題なのは、この悪性度の高い歯周病細菌(P.g.菌 、T.f.菌 、T.d.菌)の口腔内に存在する割合です。

口腔内に存在する多くの細菌のうち
P.g.菌 、T.f.菌 、T.d.菌が 何パーセント存在するか?
ということです。

歯周病細菌(P.g.菌 、T.f.菌 、T.d.菌)の割合ですよね。

P.g.菌( Prophyromonas gingivalis )が
1%以上存在する場合には、非常にリスクが高い状態と言えます。

しかし、P.g.菌が存在したとしても
0.1%以下では良好な状態と言えます。

P.g.菌は、歯周ポケット内以外にも
唾液中にも含まれることもありますし、
舌、頬 等の粘膜にも存在することもあります。

健康な人(歯周病にほとんど問題のない人)でも
P.g.菌が検出されることもあります。

また、
Red Complex(レッドコンプレックス)と言われる
P.g.菌 、T.f.菌 、T.d.菌の3菌種の割合は、
5%以上で高リスクです。

こうした悪性度の高い細菌を正確に検査するのが
歯周病細菌遺伝子(DNA)検査 リアルタイムPCR法 です。

現在の歯科医学では、
この検査で正しい歯周病細菌を状態を把握することが可能となっているのです。

さて 歯周病細菌以外の
歯周病の他の原因について解説します。

噛み合わせは、歯周病を悪化させる大きな原因になります。

噛み合わせが悪いからといって歯周
病になるわけではありませんが、
歯周病がある方で、
噛み合わせに問題があると歯周病は、急激に悪化してきます。

噛み合わせといってもなにが問題であるのかはわかりにくいかと思います。

例えてお話すると「オープンバイト」という噛み合わせがあります。

この噛み合わせは、「上下顎の奥歯のみが当たっており、
前歯があまり当たらない噛み合わせのことです。」

このブログを見て、
「私はそうだ!」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
多くの方は、「上下顎の奥歯のみが当っている?」
ということが分からないかもしれません。

通常、上顎には全部で14本の歯が存在します。
同様に下顎にも合計14本の歯が存在します。

この上下顎の14歯がそれぞれ、かみ合っているのです。
なにも問題がない方は、
「当然そうでしょ?」
と思われるかもしれません。

しかし、奥歯しか噛み合っていない方も多くいらっしゃるのです。
前歯は、上と下の歯が噛み合っていないのです。

それでは、このような方は、「前歯では、麺類 等が食べられないのでは?」
と思われるかもしれません。

そのとおりです。

前歯では、そば や うどん、スパゲッティーが噛みちぎれないのです。

しかし、このような「オープンバイト」の方は、
ご本人が そのことに気がついていないことが多いのです。

生まれながらに「オープンバイト」ですから
これが、当たり前と思っているのです。

通常、前歯で噛むような食物でも奥歯で食べているのです。

「オープンバイト」が極度に起こっている方は、奥歯が2歯分しか噛みあっていないない方もいる程です。

そして、「オープンバイト」の方は、かなりの確立で問題を起こします。

先にも記載しましたように
通常、上下顎の歯は、全ての歯が噛んでいます。
上顎14歯と下顎14歯です。

しかし、奥歯が4歯分しか噛んでいない方の場合、
前歯に加わる負担も全てこの奥歯に加わってきます。

奥歯にとっては、ものすごく力のストレスが加わっているのです。

長い年月こうした負担が加わると、歯へのダメージはものすごいことになります。

もし、歯周病がなくても「オープンバイト」ということだけで歯がダメになることもあります。

さらに歯周病と「オープンバイト」が両方あった場合には、大変なことです。

必ずといってもいい程 歯はダメ(抜歯)になります。

「オープンバイト」の方は、できるかぎり早く対処しておかないと後で大変なことになります。

こうした噛み合わせ以外にも
歯周病に問題となる状態も多く存在します。

歯周病を治すには、
その原因が個人個人違いますので、
正しい検査をすることが最も重要なのです。

それでは次回もこの続きです。

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