歯周病で失った骨の再生治療(エムドゲイン法 GTR法)

2016年 6月27日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

始めに院長不在案内です。

今週末の
7月2日(土曜日)
7月3日(日曜日)
は院長不在となります。

この2日間は、オールセラミックについて勉強をするセミナーに参加してきます。

オールセラミックは、今では臨床に欠かせない材料であり、
当医院でも治療で使用する材料の多くは、
オールセラミックとなっています。

オールセラミックは金属を一切使用していないため、
審美性に優れており、
金属アレルギーの心配もありません。

しかし、オールセラミックの本当の利点はこうしたこと以上にあります。

虫歯になりにくいのです。

この理由については、以下のサイトをご覧になって下さい。
必読!金属治療の問題点:なぜ金属の詰め物は取れるのか?

金属治療 と オールセラミック治療 の本当の違いが書いてあります。

オールセラミック治療の中でも
ジルコニアは、ここ数年で急激に進化しています。

世界的にもジルコニアの使用頻度は、どんどんと向上しており、
米国では、奥歯の被せ物としては、最も使用頻度の高い材質となっています。

ジルコニアなくして、今後の歯科治療は語れない時代となっています。

当医院でも、奥歯で使用する材料では、ジルコニアが第一選択肢となっています。

7月2日(土曜)、7月3日(日曜)で得た知識を
臨床に取り入れ、さらにレベルアップをはかりたいと思います。

私(院長)が今週末に受講するセミナーは、
すでに当医院の他の先生も受講しており、
院内の全ての先生が知識を共有することで
高いレベルでの診療が可能となります。

院長不在により患者様にはご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い致します。

それでは今週のテーマになります。

今日のテーマは、
『骨再生治療(エムドゲイン法 / GTR法)』になります。

本日は歯周病で失った骨の再生の話です。

再生?

骨は再生するの?

ということになります。

歯周病で失った骨が再生するわけですから
歯周病の方には朗報です。

本日の話をする前に
早速症例からみて見ましょう。
スライド1

左側のレントゲン写真が初診時です。
矢印(→)の部分が骨吸収が起こっている部位です。

この部分に骨の再生治療を行ないました。

治療後が右側の矢印(→)部分です。

骨の凹みが平坦になっていることが分かります。

骨の再生治療と聞くと、
歯周病で失った骨が元通りに戻ることを想像する方が多いですが、
この症例にあるように
骨が元に戻るというのではなく、
凹みが平坦になるまだ再生するのです。

まずこうした症例が基本です。

それだけしか骨は再生しないの?

とお考えの方もいらっしゃいますが、
この骨の凹みの部分が平坦になるまで骨が再生するということは
本当にすごいことなのです。

この再生だけでも歯の将来性はぐっと上がります。

この歯であれば、
再生治療を行なわなければ抜歯となってもおかしくありません。

さて次の症例を見てみましょう。
スライド2

左側のレントゲン写真の(*)印の矢印(→)部分に骨吸収があります。
これは初診時です。

右側のレントゲン写真の矢印(→)部分に骨の再生が認められます。

どれだけ骨が再生しているのかを見てみましょう!

赤の線(点線)が初診時の骨の吸収している位置です。

それが右側の再生治療後では、青の線(点線)に骨が再生しています。
スライド3

このケースではかなりの骨再生が認められますね。

このように骨の再生治療といっても
骨吸収の状態 等によって 骨の再生程度には大きく差がでます。

しかし、歯周病で骨吸収がある場合には、
再生治療を行なうことで歯の将来性は大きく変わってきます。

それでは、骨再生治療であるエムドゲイン法について説明していきます。

当医院を受診される方の中には、
歯周病で失った骨の再生治療(エムドゲイン法 / GTR法)をご希望されて来院される方が多くいらっしゃいます。

まず、歯周病治療とは どのような治療であるのか?
という話から始めたいと思います。

歯周病により失った骨は
その原因である汚れ(プラークや汚染組織)を除去すれば再生しようとします。

汚れを取り除く治療とはルートプレーニング や 歯周外科処置(フラップ オペレーション)です。

こうした治療により、歯肉内部の汚れを取り除くことができれば、
吸収した骨は自然と回復(再生)するのです。

骨には再生能力があり、高齢者であっても自然に骨の再生は行われるのです。

そのため、理論的には、歯周病で失った骨(吸収した骨)も 原因となる汚れさえとれば、
骨は自然と再生するのす。

まずこれが生体の基本とお考え下さい。

しかし これは理論上の話であって 
現実的には骨の再生はほとんど起こりません。

なぜなのでしょうか?

その理由として、
原因を除去した後(汚れを取り除いた後)、
そのままであると
治ってほしい骨や歯肉繊維が再生する前に “ 別の組織 ” がそこに入り込み、
治ってくれません。

ちょっと良くわかりにくいですね。

もう少し詳しく解説します。

この
“ 別の組織 ” とは、歯肉です。

歯肉の再生 と 骨の再生を比較すると圧倒的に歯肉の再生の方が早いのです。

例えば、指を切ったとします。

健康な方で 多少の傷であれば、数日すれば、傷口は治りますよね。

つまり、皮膚や歯肉のような粘膜は治りが早いのです。

これは、傷口が早く治らないと傷口から感染が起こります。
生体は、この傷口は早く閉じることで、外部からの感染を防止しようと働きます。

それに対し、骨の再生は遅いのです。

例えば、骨折をした場合、ギブスをし 数ヶ月待ちますよね。
骨折が2〜3日で治ることはないことは分かるかと思います。
つまり、骨の治りは遅いのです。

こうした 再生の早い粘膜(歯肉)と 再生の遅い骨 が同じ環境にある場合には、
先に歯肉が治ってしまうのです。

つまり、骨が再生するためのスペース(場所)を歯肉が埋めてしまうのです。

そこで 歯石 等の除去後に “ 別の組織(歯肉)” が入り込まないように
歯肉と骨の間に “ 特殊な膜 ”を置きます。

歯肉と骨を遮断することになります。

この“ 特殊な膜 ”は、歯肉の侵入を防止する役目になります。
歯肉が侵入しない間に骨はゆっくりと再生をすることが可能なのです。

この膜のことをGTR膜と言います。

なんか難しい話で分かりずらいですね。

まずは、図解で解説したいと思います。
gtr1

gtr2

次に模型でGTR法について解説します。
gtr3

左側の写真ですが、*の歯に骨の吸収が認められます。
(両隣の歯の骨の位置と比較すると骨の吸収があるのがわかると思います)
このままでいると この吸収した穴に再生の早い歯肉が入り込んでしまいます。
結果的に吸収した穴は、歯肉で埋まってしまうのです。

この吸収した部位に対してGTR法を行ったのが、右側の写真です。

GTR膜を骨の上(吸収した穴の上)に置き、骨吸収部を覆います。

歯肉は、この膜の上になるのです。
つまり、骨と歯肉の間に“ 特殊な膜 ”が設置されたことになります。

骨の上に膜を置くことにより骨が吸収した部位に歯肉が入り込まない状態をつくります。

数カ月後、この膜の下で骨が再生しているのです。

それでは、この“ 特殊な膜 ”を使用すれば、骨は必ず再生するのでしょうか?

どこまで再生(治る)のでしょうか?

以下の参考例で GTR法の再生メカニズム と 骨再生の限界について解説します。

先程も書きましたように
まず、腕 や 足 を骨折したとします。
ギブスをし、安静にしていれば、骨はくっつきますよね。

数ヶ月かかりますが…

それでも全身的に問題がない方であれば問題なく骨はくっつきます。

つまり、骨が折れた部位には骨が再生するのです。

骨が再生するには、『骨の細胞』が必要です。

『骨の細胞』が増殖することにより骨は再生するのです。

大切なのは、『骨の細胞』が再生するための場所や条件が必要だということです。

例えば、『コップ』があるとします。

そして、この『コップ』の中に『血液』を入れます。

『骨の細胞』は、この『血液が満たされたコップ』の中で再生(増殖)することができます。

しかし、『骨の細胞』は、『コップ』の外に出て、骨を再生(増殖)することはできません。

『骨の細胞』は、血液で満たされたコップの中でしか生存できないのです。

この『コップ』を骨に置き換えてみます。
骨の吸収と言っても、骨の中に穴があいているような状況であれば、
骨の中に血液が溜まる場所があります。

血液が溜まることができれば、その中で骨は再生することが可能になります。

しかし、骨が水平的に吸収してしまっている場合、骨の上方へは、血液が溜まりません。

平な板の上に血液を溜めようと思っても流れてしまうのと同じ現象です。
血液が留まるための堤防がないとダメなのです。

また、歯周病で骨が水平的に吸収してしまい、歯肉が退縮している場合、
歯肉に押しつぶされてしまい、骨が増殖するスペースが存在しません。

そのため、歯肉が退縮している場合、
GTR法を行っても歯肉が上に盛り上がってきて、骨が再生することはできません。

それでは、GTR法で どこまで骨の回復は可能なのでしょうか?

元の状態にまで骨が回復するのでしょうか?

答えとしては、適応症さえ合えば、骨の再生はある程度は可能です。

しかし、多くの症例では、GTR法によって十分骨の再生が可能と思われるケースの方が圧倒的に少ないのが現状です。

GTR法は、魔法の治療ではありません。

どのような進行した歯周病であっても 元の状態に回復できるわけではありません。

その理由は先程の項で説明したとおりです。

時々当医院に来院される患者様の中で、
歯周病の再生治療を希望されて来院される方がいらっしゃいます。

特に他歯科医院にて抜歯と診断され、
抜歯が嫌で『どうにかならないか』
とインターネット等で検索され、GTR法 や エムドゲイン法があることを知り、
『骨が再生できるのではあれば、抜歯にならない!』と期待を込めて来院されるわけです。

しかし、いくら歯周病専門医と言っても
全ての症例でGTR法 や エムドゲイン法を行っているのではありません。

もし、適応症でない場合、エムドゲイン法 や GTR法を行っても
効果がないばかりでなく、逆に悪化してしまうことさえあります。

エムドゲイン法 や GTR法を行う場合には、術前にきちんとした適応を守るこ
とが重要です。

前項で解説したように骨が再生するためには、
血液が留まる場所が必要であることを解説しました。

骨の再生のためには、『骨の細胞』が必要です。

そして、『骨の細胞』が生存できる場所が必要なのです。

『骨の細胞』が生存する場所が確保できなければ、決して骨は再生しません。

次に GTR法 や エムドゲイン法 の適応症について解説します。

GTR法 や エムドゲイン法の適応症は、垂直性の骨欠損です。

水平性の骨欠損は、適応症ではありません。

それでは、
垂直性 と
水平性は、
どのような違いであるのでしょうか?

垂直性の骨欠損を例えて説明すると コップのような“ 穴 ”です。

コップの中に血液を満たしたとします。

壊れていないコップであれば、当然 血液はこぼれませんよね。

この満たされた血液の中で骨の細胞は、生きることができるのです。

そして、骨の細胞は再生し、骨が増大するのです。

コップの中 いっぱいに 骨が再生することもできます。

コップの“ 穴 ”が 骨が再生するのための『場所』なのです。
再生(増骨)する場所は、いっぱいあります

次に、水平性の骨欠損とは、
平らな 浅い、お皿のようなものです。

コーヒーカップを置く、受け皿と言ってもいいでしょう。

平べったい、浅いお皿ですから、そこに血液を入れたとしても
さほど溜りませんし、いっぱい入れたら溢れてしまいます。

骨の細胞は、血液の中でしか生きられないのですから
骨の細胞が生きられる場所は限られてしまいます。

当然、骨の再生(増骨)する場所も限られてきます。

また、水平性の骨欠損の場合、
他にも骨が再生する限界の理由があります。

それは、水平性の骨欠損の上方には、歯肉が存在するのです。

骨が再生しようと思っても、骨の上には、歯肉が下がってきています。

つまり、骨が再生する場所がないのです。

骨が再生する場所は、歯肉に押しつぶされてしまっているのです。

この話は、前回のブログで『骨が再生する原理』で解説したとおりです。

このようにGTR法 や エムドゲイン法 は、魔法の治療ではありませんので、
骨が再生するための、場所が確保できるような骨欠損でないと
その効果は発揮できません。

適応症とは、垂直性骨欠損なのです。

以下の図は、骨吸収がない正常な状態です。
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以下の図は、
垂直性骨欠損 と
水平性骨欠損 の
比較の図です。
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本日のブログはこれで終わります。

次回もまた歯周病について勉強していきましょう。

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