重度歯周病が治りにくい方の原因について:その2

2017年 5月15日(月曜日)です。
このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。
先週は福岡県で日本歯周病学会が開催され、
私やスタッフと一緒に参加してきました。
はやり学会は様々なことが得ることができ、とても刺激になります。
特に若い歯科医師 や 歯科衛生士にとっては、
単に情報を得るだけでなく、
多くの人と交流をすることで、得られることもいっぱいあります。
また学会で得られた知識をまとめて
院内で報告する予定です。
今日のテーマは、『重度歯周病が治りにくい方の原因について:その2』になります。
前回のブログのおさらいから始めます。
歯周病が進行している方に得意的な細菌が関与していることが分かっており、
以下の細菌は歯周病の進行にとって非常に大きく関与しています。
P.g. 菌 (Porphyromonas ginvalis)
T.d. 菌 (Treponema denticola)
T.f. 菌 (Tannerella forsythia)
A.a. 菌 (Aggregatibacter actinomycetemcomitans)
歯周病細菌は、親から子供へと感染する可能性が非常に高く、
親が進行した歯周病の場合、
子供へ伝播する可能性が高いです。
また子供に感染しても
子供が歯周病になりやすい体質の場合には
歯周病の発症が高くなります。
歯周病の感受性が高い状態です。
また世界的に重度歯周病の方の歯周病細菌と
日本人での歯周病細菌の状態には差があり、
日本人には得意的な細菌の種類が多いことも分かってきています。
P.g. 菌 (Porphyromonas ginvalis)です。
さらにP.g. 菌と言っても
いくつかのタイプがあり、
悪精度の高いP.g. 菌に感染した場合には、
進行が早いことも分かってきています。
さてここまでが前回の話でした。
歯周病の病状の進行として
歯を支えている骨が吸収することで
歯がグラグラとしてきます。
歯周病の進行と骨吸収を図で解説していきましょう。
まず歯周病の基本的な検査である
歯周ポケット検査から始めます。
歯周病の進行程度を知るために、必ず行うのが『歯周ポケット検査』です。
この検査なしでは、歯周病の進行状態を知ることはできません。
検査方法は簡単なものです。
歯と歯肉の間には、元々わずかな隙間(すきま)が存在します。
この隙間のことを『歯周ポケット』と言います。
健康な方では、この『歯周ポケット』の深さは約1~2ミリ程度です。
測定方法は、『プローブ』(写真1)と言われる細い器具を 歯周ポケットに入れて計測します。(図1、写真2)




歯周ポケットの深さが深ければ深いほど歯周病は進行しているということです。
その進行したポケットの中に歯周病菌がひそんでおり、歯肉を腫らすとともに、歯を支えている骨を溶かします。

ポケット(歯と歯肉の境の溝):1~3mm
歯肉が炎症を起こしており、歯ブラシにて出血することがあります。
しかし、歯を支えている骨は溶けておらず、歯肉のみの炎症です。
歯ブラシをしっかり行うことと、歯石を除去することで治ります。

正常な状態の骨の高さです。

ポケット(歯と歯肉の境の溝):3~4mm
歯肉の炎症が進み、歯を支えている骨の吸収が起こってきてます。
この段階であればきちんと治療を行えば、大きな問題にはなりません。
歯肉の下にある歯石を機械的に除去します。

ポケット(歯と歯肉の境の溝):5~6mm
歯を支えている骨もかなり溶け始めてきています。歯周病の専門の治療が必要です。
歯肉が腫れる、出血がある、歯がぐらぐらするといった症状もでる時期です

ポケット(歯と歯肉の境の溝):7mm以上
かなり進行した歯周病です。
歯を支えている骨の吸収もだいぶ進んでいます。
場合によっては抜歯となる可能性もあります。
歯周病の専門の治療が必要です。
歯はグラグラすることがあります。
それでは実際の症例写真をみていきましょう!
始めに健康な方の口腔内写真とレントゲンです。


次に歯周病が進行した方の口腔内写真とレントゲンです。


歯肉は退縮し、
レントゲンでは骨の吸収が認められます。
今日は歯周病の見方の話までになります。
次回さらに進めた話をしていきましょう。
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