歯周病で失った骨の再生治療(骨再生の限界について)

2017年 7月3日(月曜日)です。
このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。
今日はちょっと難しい話になります。
骨の再生治療についてです。
歯周病は、歯周病細菌より歯を支えている骨が吸収していく病気です。
骨の吸収過程や骨の再生治療の症例については前回のブログで解説しました。
前回のブログをご覧になっていない方は先にご覧になって下さい。
前回のブログ(歯周病で失った骨の再生治療)
それでは、再生治療を行うとどんな状態でも骨は再生するのでしょうか?
もし、全ての症例で骨が再生することが可能であれば、
歯周病は全て治るということになります。
本当にそんなことが可能なのでしょうか?
本日はちょっと難しい話になりますが、そうした骨の再生について解説していきます。
まず骨吸収のあるレントゲンからみていただきます。
以下のレントゲン写真の左手側の歯には骨の吸収が認められます。
分かりますかね?

矢印部分が骨吸収がある部位です。

何となく分かりますかね?
骨の再生治療は、こうした骨の吸収した部位に
骨の増大(再生)を行うわけですが、どのような骨吸収でも骨が再生するわけではありません。
本日はそうした話をしたいと思います。
以下は、歯と骨の図です。

ちょっと分かりにくので解説します。
以下が歯の部分です。

以下は歯根と言われる部分です。
歯肉の中にある骨に埋まっている部分です。

以下が骨です。
歯の根は骨の中に埋まっているのです。

歯の根や骨は、歯肉の中にありますので
本来は肉眼では見えない部分になります。

今回の図では歯肉の部分を除去して、
骨の状態を見やすいようにしてあります。
ちょっと難しいですかね?
骨の吸収のタイプはいくつかに分類されます。
この骨吸収のタイプにより
骨の再生が可能かどうかが分かります。
以下は2壁性骨吸収という状態です。
まずは見てみましょう!

私自身大学や講演を行っているのですが、
骨吸収を説明する際には以下の図を良く使用します。
歯の根を背に座ったとします。
以下の図のようにです。

その際に骨がどこに見えるのか?
ということが骨吸収のタイプを診断する大きなポイントになります。
歯根を背にして座ると
正面に骨が見えます。

左側にも骨が見えます。

骨の壁が2つ見えます。

これを2壁性骨吸収と言います。

次に以下のような骨吸収があります。

同じように歯根を背に座ってみます。

正面には骨が見える!

左側には骨は見えない!

右側にも骨は見えない!

骨の壁が1個しか見えないので
これを1壁性骨吸収と言います。

次に3壁性骨吸収を見てみましょう!

分かりますかね?
先ほどの2壁性骨吸収より右側に骨があるのです。
簡単に言えば、穴のようになっているのです。
図をまとめると以下になります。

骨の再生治療を説明する際には、
この骨吸収に血液を注ぐことを想像してみましょう。

まず左側の1壁性骨吸収に血液を注いでみましょう!


血液を注いでもこぼれてしまいます。

次に真ん中の2壁性骨吸収にも血液を注いでみましょう!


やはり血液はこぼれてしまいます。
しかし、左側(奥側)には骨の壁があるため、血液がこぼれるのは手前側(右側)だけです。

さて次に3壁性骨吸収に血液を注いでみましょう。

3壁性骨吸収は穴のような状態ですので、
血液はこぼれにくく、穴に溜まります。

さて他の図を用いて
骨の再生についてさらに解説します。
コップに血液を満たしてみましょう。

この血液が満たされたコップの中に骨の細胞を入れてみます。
骨の細胞がないと骨は再生しません。

この血液が満たされたコップの中で骨の細胞は動きまわることができるのです。
しかし、骨の細胞はコップの外に出て動くことはできないのです。

骨の細胞が動き回る範囲は決まっているのです。

さてこうしたことを他の例えで解説します。
海の中にいる魚は、当然水中で泳ぎます。



しかし、魚は水中を出ては生きられません!

骨の細胞も同じです。
血液が満たされた範囲でしか生きることはできないのです。
そのため、骨が再生しやすいのは血液が満たされる
3壁性骨吸収なのです。

本日の話はちょっと難しかったですね。
来週のブログもお楽しみに!

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