PMTCって汚れがよう落ちるけど歯には問題ないの? : PMTCの弊害を解説

2018年1月18日(木曜日)です。
普段は月曜日アップですが、
今年はまだアップしていなかったので、曜日変更でアップします。
このブログは「大船駅北口歯科  歯周病専門サイト」です。
さてようやく今年始めの歯周病ブログです。
前回のブログではPMTCについて解説しました。
前回までのブログの内容をご覧になりたい方は是非先に以下のブログをご覧になって下さい。
PMTCとは? どんな治療なのか?
歯周病におけるバイオフィルムってなに? バイオフィルムは歯周病の原因となる
PMTC ってどうやるの? PMTCを行なってみましょう!
PMTCがご理解いただけている方は、以下からスタートして下さい。
さて今日のテーマは、
『PMTCって汚れがよう落ちるけど歯には問題ないの? : PMTCの弊害を解説』になります。
PMTCは汚れを落とし、審美的にも、清掃も行え、非常に効果のある術式です。
しかし、誤った方法で行うと弊害があります。
実際に誤ったPMTCを行なっている人もいらっしゃいます。
本日はPMTCの弊害について解説します。
PMTCは、ブラシやゴムのカップに専用のペーストをつけて回転器具で歯面を清掃する行為です。
おさらいになりますが、
PMTCとは、
Professional Mechanical Tooth Cleaningの略で
PMTCの効果を報告したアクセルソン先生は、
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning )を以下のように説明しています。
特別な 訓練を受けた予防歯科看護婦 歯科衛生士 あるいは歯科医師などの専門家による
歯肉縁上ならびに
歯肉縁下 1〜 3 mmのプラークをすべての歯面から
機械的な回転器具 と フッ化物配合研磨用ペーストを使って
選択的に除去することである
Axelsson P,:Mechanical plaque control.In:
Proceedings of the 1st European Workshop on Periodontology,
Lang N.P.Karring T.eds.Quintessence Publishing,Chicago,1993;219-243.
としています。
これはこのシリーズで何回も出てきた言葉です。
難しいことは飛ばして
PMTC前 PMTC後を見てみましょう!(前にアップした症例です)
処置前(PMTC前)

処置後(PMTC後)

これは特別なケースではなく
よくある症例です。
特別なことではなく比較的簡単に汚れは取れます。
本日の話は、
こうしたPMTCに問題はないのか?
ということです。
PMTCは、正しい方法で行わないと弊害があります。
PMTCは ブラシ や ゴム製のカップ にペーストをつけて
歯面を清掃するわけですが、
ペーストの中には研磨剤が入っているものがあります。
昔のペーストにはほとんど入っていましたねどね。
近年では研磨剤ナシのペーストが多くなっています。
ただし必ずしも研磨剤のペーストが悪いということではありません。
正しい使用方法で行えば、問題は起こりにくいです。
正しい使用方法です。
これが正しく理解できていない人もいるのです。
PMTCは以下のように行なっています。


天然歯のエナメル質に対しては、
歯に付着した色素(茶渋)等の汚れを取るには、研磨剤が入ったペーストを使用することは可能ですが、
金属製の詰め物や被せ物に使用すると傷がついてしまいます。
金属製の治療部位には、
ブラシを使用した研磨剤入りのペーストの使用はダメです。
実際の症例をみてみましょう。
以下は初診時です。
左右の奥歯を噛んだ状態で写真撮影しています。

黄色丸の部分を注目しましょう。

拡大したのが以下です。

本来この金属部分は、もっとツルツルしているのです。
鏡とまではいきませんが、
ツルツルしており、光輝いでいます。
このツルツル、ピカピカには大きな意味があります。
金属の表面がザラザラしていると
汚れやつきやすくなります。
当然ですよね。
表面がツルツル
表面がザラザラ
どちらが汚れがつきやすいのかは歴然です。
汚れがつきやすいということは、
虫歯菌 や 歯周病菌がつきやすいということです。
舌感触も悪いですしね。
我々歯科医師がこうした金属製の被せ物等を行う場合には
ツルツルに磨いでつけます。(研磨)
それが治療後の不適切なPMTCによって金属面は粗造になってしまいます。

一度このように金属面がザラザラになってしまうと
口腔内で元の状態に戻すことは非常に困難です。

この患者様は、
金属アレルギーのことや 口腔内金属が気になったため
金属を撤去し、オールセラミックで治療されることをご希望されました。
以下の黄色丸が治療予定部位です。

以下が治療前後です。

今回はオールセラミックという素材で治療を行なったわけですが、
オールセラミックは金属を一切使用しませんので、
金属アレルギーの心配もなく、
審美性も非常に優れています。
金属治療と比較すると虫歯にもなりにくいです。
金属治療の問題点については以下をご覧になってください。
金属治療の問題点:なぜ金属の詰め物は取れるのか?
またオールセラミックは金属と比較すると汚れがつきにくくいのが特徴です。
さらに傷がつきにくいのも特徴です。
PMTCを行なっても金属と比較すると圧倒的に傷がつきにくいです。
しかし、誤ったペーストを使用したり、
硬いブラシの使用によりオールセラミックも傷がつくことがあります。
また歯石を取る時に使用する超音波スケーラーという器具があるのですが、
これがオールセラミックに触れると傷がつきます。
オールセラミックに傷がつくと
汚れが付きやつきやすくなるだけではなく、
亀裂が入ることもあります。
割れやすくなるのです。
PMTCは汚れを取り除き、歯面を滑沢にし、審美性も高まり、虫歯や歯周病予防にも効果があります。
しかし、誤った方法であると逆効果となってしまいます。
簡単な歯科治療行為ではありますが、
確かな知識と技術が必要になります。
話は変わりますが、
この医療行為は、歯科医院内では、
歯科医師、歯科衛生士しか認められません。
歯科助手という方がこうしたPMTCを行なっているという噂を聞くことがありますが、
絶対にダメです。
医療行為ですから
法的にもダメです。
本日はこれで終わります。

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