バイオフィルムを除去する方法:PMTCとはどんな治療か?

2018年 2月19日(月曜日)です。
このブログは「大船駅北口歯科  歯周病専門サイト」です。
今日のテーマは、『バイオフィルムを除去する方法:PMTCとはどんな治療か?』になります。
始めにバイオフィルムについて理解していないと先に進めないので
前回と前々回解説していた内容をご覧になっていない方は是非バイオフィルムをご覧になっていただければと思います。
歯周病を理解するため-バイオフィルムを図解する
歯周病におけるバイオフィルムってなに? バイオフィルムは歯周病の原因となる
バイオフィルムを取り除く方法がPMTCです。
この話は以前にもしたのですが、歯科医院で多くの皆さんも受けたことがあることですので
ご理解していただくために再度解説します。
PMTCとは
歯科医師  や歯科衛生士 等の専門家が
歯の表面に付着したプラークを
回転器具のブラシ や ゴムのカップ 等で 汚れを取り除き、ツルツルに磨く行為です。
歯の汚れを取り除くことで虫歯や歯周病の予防となるのです。
この汚れが前回と前々回で学んだバイオフィルムなのです。
バイオフィルムは細菌の集合体であることは
今までのブログをご覧になっていただくことでご理解できたかと思います。
口腔内の汚れ(デンタルプラーク)1グラム中に含まれる細菌の数は、
糞便の中に含まれる細菌の数より多いです。
びっくりですよね。
それは綺麗に取り除かないといけません。
歯磨きをしているから大丈夫!
と思っているとそうではありません。
バイオフィルムはただこすっただけでは完全に取り除くことは難しいのです。
バイオフィルムのを他のことに例えると
台所の排水溝 や シンク お風呂の浴槽を
掃除をしないとそのうちヌメヌメしてきますよね。
このヌメヌメがバイオフィルムなのです。
それでは台所の排水溝 や シンク お風呂の浴槽のヌメヌメを取り除くためにはどうしたら良いのでしょうか?
強力な洗剤を使用して擦って取りますよね。
強力な洗剤であればあるほど汚れは取りやすいでしょうし、
使用するスポンジの性質 や 擦る力にも影響されるでしょう。
でも同じことを口腔内ではできないですよね。
そのバイオフィルムを取り除くのがPMTCなのです。
汚れをみやすいようにするには
汚れを染め出すことが良いです。
汚れが赤く見える液を歯面に塗ります。

下顎の舌側や上顎の口蓋側(内側のことです)は歯ブラシが届きにくい部位ですので
染め出すと赤く染まることが多いです。

汚れが確認できたら取っていきます。

この時に使用するのが ブラシ と ゴム製 のカップ等です。
これに磨く用のペーストをつけて
回転させて磨きます。


お風呂 や シンク の清掃と同じようですよね。
洗車とも似ていますよね。
基本的に汚れを取るわけですから
することはだいたい同じです。
口腔内には皆さんが見える白い歯の部分や
歯肉が下がってしまった方の場合には少し茶色い部分が見えます。
白い歯の部分をエナメル質と言います。
歯肉が下がって見えた茶色い部分を象牙質と言います。
エナメル質 と 象牙質 は硬さがまったく違います。
そのため、使用する器具 や 使用するペーストも違います。
硬いエナメル質と同じ行為で行ってしまうと
柔らかい象牙質は削れてしまうのです。
また口腔内には他にも様々な素材があります。
金属が入っている人もいれば
プラスチック製の樹脂が入っている人もいます。
セラミックが入っている人もいます。
口腔内には本当の多くの素材が使用されているのです。
汚れを落とすことだけを考えれば
使用するペーストは粒子の荒い物を使用することで良く取れます。
しかし、荒いペーストの使用は歯面ザラザラにしてしまいます。
ザラザラになればなるほど細菌は付きやすくなってしまうのです。
つまり汚れは取れたがザラザラになって悪化した
ということが起こるのです。
実はこうしたことは比較的起こっているのです。
正しいPMTCができていないと
逆に問題は大きくなります。
色素除去前と除去後の比較です。


次回も続きを解説します。
お楽しみに!

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