歯周病はいつからなるの?(若くても歯周病になることがある!!):その3

2018年 12月10日(月曜日)です。
このブログは「大船駅北口歯科  歯周病専門サイト」です。
今日のテーマは、『歯周病はいつからなるの?(若くても歯周病になることがある!!):その3』になります。
まず今までのおさらいから始めましょう!
このテーマの1回目では、
「歯を磨けば歯周病にならず 歯を磨かないと歯周病になるのか?」
ということを考えるため、
歯を磨くことのない民族の研究を紹介しました。
以下の論文です。
歯を磨く習慣のない
また 歯を治療した経験もない
スリランカの紅茶農園の労働者480人を
未治療のまま15年間定期的に検査し
歯周病の発生 や 進行 がどのように起こるかを観察。
その結果、
約8%急速な歯周病の進行がみられ、
約81%中程度の歯周病の進行がみられ、
約11%歯周病に全くなりませんでした。
歯を全く磨かなくても
約1割は歯周病にならなかったのです。
でも約1割は進行性の高い歯周病にな理、
45歳前に歯を全部失いました。
このように
歯を一切磨かない
生活習慣の同じような人でも
歯周病になるのか
歯周病にならないのか
には大きな違いが出ることがわかっています。
その原因の一つが歯周病細菌の存在です。
歯周病細菌が全くいない(存在しない)人はいません。
歯周病細菌の種類 や 質 には違いがありますが、
口腔内に細菌が0%という人はいません。
口腔内には、数百種類の細菌が存在していますが、
現時点で歯周病にもっとも影響している細菌が
1. P.g.菌( Prophyromonas gingivalis )
 
2. T.f.菌( Tannerella forsythensis )
3. T.d.菌( Treponema denticola )
  
の3種類です。
現在 この細菌の存在を調べることができるようになってきました。
歯周病細菌遺伝子(DNA)
検査リアルタイム PCR法です。
前回のブログでは、ここまで解説しました。
こうした口腔内の歯周病細菌を調べることで
この細菌の質や数には大きな個人差があることがわかってきました。
歯周病にかかりやすい人は、
悪性度の高い歯周病細菌に感染していることがわかっています。
それでは、なぜ歯周病細菌の感染には、個人差があるのでしょうか?
まず、一般的な歯周病について解説します。
通常、歯周病は40〜60歳程度の方に起こり始めることが多いです。
歯周病は、歯周病細菌による感染症であり、
感染した歯周病細菌が
歯と歯肉の境目(歯周ポケット)から侵入し、
歯を支えている骨を溶かすようになります。
以下の図のようにです。
(この図はよくこのブログでも紹介していますのでご覧になった方もいらっしゃるかと思います)



されそれでは、
この歯周病細菌はいつ頃から感染したのでしょうか?
また歯周病細菌はどこから感染して来るのでしょうか?
歯周病細菌は、人から人へと感染します。
ご家族から感染する機会がもっとも多いでしょう。
お父さん、お母さんが歯周病であったり、
おじいちゃん、おばあちゃんが歯周病であったり、
若いうちうに歯を無くし、義歯(入れ歯)を使用されているような方の場合には、
その子供 や 孫に 歯周病細菌が感染している可能性が高いです。
歯周病細菌は、人から人へと感染するからです。
唾液感染です。
会話中に飛び散った唾液であったり、
皿に盛ってある料理を箸で取ることを共有したり

様々な状況で歯周病細菌は感染していきます。
恋人同士のキスでももちろん感染しますよね。
実際にに夫婦間における唾液中の歯周病細菌を検査した研究によると
夫婦間では、同じ遺伝子をもつ歯周病細菌が発見される確率が高いことが報告されています。
一般的な慢性歯周炎という状態の歯周病の場合、
始めの歯周病細菌の感染は、
小学校低学年頃から感染すると言われています。
そして現在もっとも悪性度の高いとされている P.g.菌は、
18最ごろから感染が始まるとされており、
20歳前後に口腔内の歯周病細菌層は完成するとされています。
そのため、20歳以降、
歯磨きが不十分であった場合には、
歯周病細菌が好む汚れ(食べかす)がいっぱいあるわけですから
歯周病細菌は爆発的に増殖していきます。
その歯周病細菌が繁殖する場所が上記の図にもあった
歯周ポケットなのです。
 P.g.菌 等の歯周病細菌は、酸素があるところが苦手です。
我々が生活している空間の酸素割合は、約21%程度です。
しかし、歯周ポケットが深い部位には、
酸素が届きにくく、酸素割合が1%以下になることがあります。
このような歯周ポケットが深い部位では、
歯周病細菌である P.g.菌 が生きやすい環境ですから
歯周ポケットの深い部位で歯周病細菌はどんどんと繁殖していきます。
歯周病細菌が増殖することで
先ほどの図にあったように
歯の根を支えている骨が溶けてくるのです。
骨が溶けると
歯がグラグラしてきます。
こうなると歯周病としては、末期の状態です。
しかし、こうした骨の吸収は、1ヶ月とか2ヶ月とかの短期間で起こるわけではありません。
抜歯となるぐらいまで骨吸収するまでには、
10年、20年という長い期間がかかるのです。
そのため、20歳頃に歯周病細菌層が完成したも
すぐには歯が抜けるわけではないのです。
40歳、50歳ぐらいになると
問題が起こり始める方が増えてくるのです。
今日はここまでにしましょう。
次回も歯周病細菌の感染について解説します。
また今後は若い時に悪性度の高いP.g.菌が感染する問題についても解説します。
少し説明すると現在小学校低学年のお子様をお持ちの方で
ご自身(お父様やお母様)が歯周病が進行している場合には、
ご自身の歯周病細菌をお子様に移す可能性が高いです。
こうした話も今後解説していきます。
お楽しみに!

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