歯磨き剤について学ぼう:3回目 虫歯予防(フッ素 編)

2019年 2月4日(月曜日)です。
このブログは「大船駅北口歯科  歯周病専門サイト」です。
今日のテーマは、『歯磨き剤について学ぼう:3回目 虫歯予防(フッ素 編)』になります。
このシリーズも今日で3回目です。
虫歯で困っている方で
前回のブログをご覧になっていない方は是非見て下さい。
歯磨き剤について学ぼう:2回目 虫歯予防(再石灰化促進 編)
本日は虫歯予防の基本中の基本の「フッ素」について学んでいきましょう。
虫歯予防の歯磨剤には、様々な成分があり、虫歯に対してどこをターゲットして使用するかも大きく違います。
本日は虫歯予防として最も一般的である「フッ素」について解説します。
フッ素は日本で販売されているほとんどの歯磨剤に含まれています。
それはフッ素が虫歯予防に効果が高いということが分かっているからです。
始めに「フッ素」の効果について解説します。
フッ素の効果
ポイント1:再石灰化促進
    食事後 虫歯菌が糖質を代謝する過程で「酸」を出します。
    酸性、アルカリ性の「酸」です。
    食後 約3分で「酸」によって歯の成分である
    カルシウム や リン が溶け出します。 
    これを脱灰(だっかい)と言います。
    歯の成分が溶け出してしまうわけですから歯に穴があくようなもので
    す。 
    脱灰とは、初期虫歯のことです。
    次に再石灰化ですが、
    酸によって歯から溶け出したカルシウム や リン が
    再度歯に戻ることを再石灰化(さいせっかいか)と言います。
    歯あいた穴が元に戻るようなことです。
    人間ってすごいですよね。
    フッ素はこの再石灰化を促進するのです。
ポイント2:歯質強化
    再石灰化の際に「フッ素イオン」もいっしょに歯に取り込むことがで
    きると、歯質は「フルオロアパタイト」という硬く強い結晶構造を作
    り、酸に溶けにくい歯にします。
ポイント3:虫歯菌の酸産生を抑制
    フッ素により虫歯菌の働きが弱められ、酸が作られるのを抑えます。
次にフッ素について少し解説していきます。
フッ素ってなに?
フッ素は土壌のミネラル成分の一つです。
河川には0.1〜0.2ppm、海水には約1.3ppmのフッ素イオンが存在します。
この単位はどの程度なのかはわかりにくいかと思いますが、
日本で使用されているフッ素入り歯磨き剤には最高で1500ppm入っています。
海産物 や 農作物にもフッ素が含まれています。
緑茶には0.1〜0.7ppm、
海藻には2.3〜14.3ppm、
ジャガイモには0.8〜2.8ppm、
牛肉には2ppm
含まれています。
次にフッ素ってどのようにして使用され始めたのでしょうか?
フッ素の歴史について解説します。
フッ素の歴史
1901年アメリカ・コロラド州の小さな町の住民の歯に
茶色の斑点が多く出ていることが発見されました。
また、その町の住民には虫歯が少ないことを発見されました。                            
なぜ虫歯が少ないのかを調査した結果、
その町の水源には高濃度のフッ素が含まれていることが判明しました。                    
このことから多くの研究者によって
歯に茶色の斑点を発生させない程度に低濃度のフッ素を使用すれば、
虫歯予防になるということがわかってきました。
次に フッ素ってどれほど効果があるのか?について解説します。
フッ素の効果
フッ素の効果は使用する年齢によって異なります。
日本の研究において、中学生までフッ素「うがい」を続けた子は、
大人になっても虫歯が60%少ないという報告がされています。
大人では、
根面虫歯(歯肉が下がって歯根が露出した部分に起こるむし歯)に
フッ素を使用することで20〜30%の予防効果があるという報告がされています。
最も効果的なのは、
乳歯生後6ヶ月から3歳半頃まで、
永久歯4歳頃から中学3年生頃に使用することです。
次にフッ素はどのようにして使用したら効果的なのか?を解説します。
1.経口的にフッ素を摂取する全身的応用
水道水へのフッ素使用です。
世界的には約60カ国(約3億6千万人)で行われていますが、日本では実施されていません。
また、食塩へのフッ素添加 や フッ素の錠剤がありますが、これも日本では使用できません。
2.局所的応用
a.フッ素洗口
フッ素洗口液(5〜10cc*)を口に含んで、約1分間ブクブクうがいをして吐きだします。
上手にうがいができない子供は使用できません。
*小さじ1杯が約5ccです。
日本ではドラックストアーでは販売していませんので歯科医院で購入されて下さい。
b.フッ素塗布
歯科医院でフッ素を塗布します。
塗布後は、20〜30分程度は飲食 や うがい は禁止です。
虫歯のリスクによっても違いますが、子供の場合、1年に3〜4回、
虫歯のリスクの高い子供はもう少し頻度を多くした方がいいでしょう。
c.フッ素入り歯磨剤
ご家庭で可能なことと、コストが一番抑えられるため、多くの人で使用しやすいです。
ただし、正しい使用方法でないと効果が低いです。
ただ単に磨いてブクブクとゆすいでしまいと効果は低いです。
以下が虫歯予防効果がある順番です。
1番:水道水のフッ素量適正化
2番:フッ素洗口
3番:フッ素の歯面塗布
4番:フッ素入り歯磨剤
フッ素入り歯磨剤って一番効果が少ないんですね。
次にフッ素って害はないのか?について解説します。
フッ素の害
例えば、フッ素による洗口による害ですが、
体重20kgのお子さんでは急性中毒量は40mgとされています。
フッ素洗口一回分7ccのフッ素量は1.6mgですので、
うがい液を全部飲み込んでしまっても問題ありません。
だいぶ長くなりましたが、
本日はこれで終了です。
次回もフッ素の続きです。
具体的なお勧めフッ素と使用方法等についてです。
お楽しみに!

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