よくある質問集

よくある質問をまとめました。

Q1:歯周病は年齢が高くなると起こるのですか?

A1:歯周病は歯周病細菌による感染症です。
小児期から発症する特殊な歯周病(侵襲性歯周炎)を除けば、歯周病細菌は18歳頃から感染し、20年、30年と長い年月をかけて進行していくのが一般的です。
これを慢性歯周炎と言います。そのため、40歳〜50歳頃になると歯周病によって問題が起こってくる可能性が高くなります。

Q2:歯周病になる人と歯周病にならない人の違いはなんですか?

A2:歯周病細菌はどんな人にでも存在する細菌です。しかし、その細菌の種類や質には大きく差があります。
歯周病には個人差が非常に大きいということを調査研究した有名な論文があります。
これはスリランカ(スリランカ民主社会主義共和国)で 紅茶を栽培する農民の歯周病の状態を15年間調査した研究報告です。
研究当時の紅茶農民には歯をみがくという習慣はありませんでした。
もちろん歯科医院で治療することもない状況です。
そのような環境の中で人々の歯周病の状態はどうだったのでしょうか?
約8割の方は、歯石の付着は多く、歯周病が進行していました。
まあ歯を磨かず、歯石も取らず、 15年間も放置していたのですから当然と言えば当然です。
しかし、この8割の方は、歯周病は進行していましたが、 多くの歯は残っている状態でした。
この歯周病が進行していた方の中で2割の人が歯を失っていました。
約1割の方は、歯周病にほとんど問題がない状態でした。
同じ生活習慣をしているにもかかわらず歯周病にまったく問題がなかったのです。
その反面、約1割の人は、若い年齢でも急速に歯を失い、 1本も歯がない人もいました。
なぜ同じ生活習慣をしており、全ての人が歯を磨かないで状況でも こんなに差があったのでしょうか?
歯周病にはリスクの差があるからです。
この違いは歯周病細菌の種類の差が大きいことがわかっています。

Q3:歯周病細菌はどのような菌ですか?

A3:口腔内には約500種類の細菌が存在しているとされています。
歯周病になりやすい人は、歯周病細菌の種類や質に問題があるとされています。
現在歯周病の進行に影響が高いとされているのが以下の5種類です。

1. A.a.菌 ( Aggregatibacter actinomycetemcomitans )
2. P.g.菌 ( Prophyromonas gingivalis )
3. T.f.菌 ( Tannerella forsythensis )
4. T.d.菌 ( Treponema denticola )
5. P.i.菌 ( Prevotwlla intermedia )

日本人は、A.a.菌の検出率は非常に低いとされ、最も悪性の高い歯周病細菌は、P.g.菌とされています。 現在このP.g.菌の存在が歯周病に大きく関係しているとされています。

Q4:歯周病細菌を調べることはできますか?

A4:歯周病細菌を調べることは可能です。
ご存知のことと思いますが、新型コロナウイルス感染症の検査として、 PCR法検査があります。
これはウイルスの遺伝子を増幅させることで判定する検査法です。
歯周病細菌も同様にPCR検査というのがあります。
歯周病の細菌検査をすることで歯周病のリスク判断が行えます。
歯周病のリスクが高いと診断された場合には、 その状態に合わせた治療が必要になりますし、治療後のメインテナンスの間隔を決定する要因になります。

Q5:他歯科医院で歯周病細菌検査を行い、P.g.菌が多くいると診断されました。これは必ず歯周病が進行するのでしょうか?

A5:歯周病細菌の中でP.g菌 ( Prophyromonas gingivalis )は非常に悪性度が高い細菌であることがわかっています。
しかし、このP.g菌 が必ずしも問題があるわけではありません。
P.g菌 は以下のタイプに分類されます。
Ⅰ 型、Ⅰb 型、Ⅱ 型、Ⅲ 型、Ⅳ型、Ⅴ 型です。
この中で最も悪性度の高いのはⅡ 型 です。
タイプ別の歯周病の発症リスク(オッズ比)が以下になります。

  • Ⅰ 型    0.16倍
  • Ⅰb 型   5〜15倍
  • Ⅱ 型 44.44倍
  • Ⅲ 型  1.96倍
  • Ⅳ 型   13.87倍
  • Ⅴ 型  1.40倍

です。
Ⅱ 型 の 44.44 が格段にリスクが高いことが分かります。
当院ではこうしたP.g菌のⅡ 型 を調べることもできます。

Q6:歯周病の治療はどのようなことをするのですか?

A6:歯周病になってしまった多くの方は、歯磨きが不十分なことがあります。
磨き残しとなった汚れが、歯と歯肉の隙間(歯周ポケット)に入り込みます。
この歯周ポケットに入り込んだ汚れは、歯ブラシでは取り除くことはできません。
そのため、特殊な器具を使用して、歯肉の深い中の汚れを取り除きます。
この治療をスケーリング、ルートプレーニングと言います。
ただし、スケーリング、ルートプレーニングで汚れが取れる深さには限界があり、 あまり深い歯周ポケットの場合には、歯肉を切開して汚れを取り除く、フラップ手術という治療を行う必要性がある場合もあります。

Q7:歯周病で失った(溶けた)骨を再生させる治療方法があるのですか?

A7:骨を再生させる治療法はあります。
当院で取り扱っている再生治療は、GTR法とエムドゲイン法です。
私自身 開業する前は、大学病院の歯周病診療科で歯周病で失った骨の再生治療に 関係する研究をしてきました。
専門的には「歯周組織再生療法」と言います。
この治療法は非常に有効ですが、全ての症例に適応されるわけではありません。
ご希望される方は、担当歯科医師にご相談下さい。

Q8:歯周病専門医とはどんな資格ですか?

A8:歯周病専門医とは日本歯周病学会が臨床経験、歯周病に対する知識に対して試験を行い、合格者に対してのみ資格を授与している制度です。
日本歯周病学会ではこの歯周病専門医の目的を以下のように定めています。
『歯周病学の臨床経験に通じ、その専門的知識と技術を有する歯科医師を育成するとともに、歯周病学の発展及び向上を図り、もって、国民の口腔保健の増進に貢献すること』日本には歯科医師の数が約110,000人いますが、その中で歯周病の専門医を取 得している歯科医師は約1,200人(日本歯周病学会HPより)です。
つまり歯周病専門医は、歯科医師の約1%しかいません。
当院では、その歯周病専門医を取得している歯科医師が2名在籍しています。
私が特任講師を務める神奈川歯科大学の歯周病診療科でも歯周病専門医を取得して いるのは3名のみです。
それだけ歯周病専門医を取得するのは非常に困難な資格なのです。
また専門医は一度取得したら一生そのままをいうわけにはいきません。
5年ごとに更新しなければなりません。
その時に運転免許のようにただ申請すれは良いのではなく5年間の間に学会出席や学会発表など歯周病の新しい知識を得たり、 技術の発表を行ったりといったことを行わなければなりません。ハードルはかなり高いのです。

Q9:認定歯科衛生士とはどんな資格ですか?

A9:日本歯周病学会は、歯科衛生士に対しても歯周病に対する知識に対して試験を行い、実際に歯科衛生士が担当した患者さんを発表して、合格者に対してのみ資格を授与している制度です。
これも合格のハードルは高いです。
当医院の歯科衛生士は、認定歯科衛生士の資格を取得しております。
また勤務期間が短い歯科衛生士は、取得条件が整い次第試験を受けていきます。

Q10:歯周病は治るのですか?

A10:中程度までの歯周病であれば、十分改善します。
状況しだいで、重度の歯周病であっても改善する可能性もあります。
「歯周組織再生療法」を行えば、骨の回復(再生)もかなり行えることができます。
しかし、あまりにも非常に進行した歯周病の場合には、治りません。
歯周病専門医であっても治せない進行した歯周病はあるのです。

Q11:中程度歯周病とはどのような状態ですか?

A11:歯周病の進行程度をあらわす検査には、

  • 1.歯周病ポケット検査
  • 2.レントゲン写真による骨吸収程度の検査
  • 3.噛み合わせの検査

等があります。
まず、歯周病ポケット検査において、5ミリ以上の歯周ポケットであった場合には、中程度になります。
ちなみに7ミリ以上は、重度歯周病です。
しかし、もっとも重要なのは、レントゲン写真による骨吸収程度の検査です。
歯周ポケットが7ミリ以上あっても、レントゲンで骨吸収がない場合もあります。
骨吸収がなければ、歯周ポケットが7ミリ以上でも 中程度以下の歯周病です。
言い換えれば、骨吸収が進行していると状態としては悪いのです。また、同じ歯周ポケットでも検査時に出血がある場合には、問題があります。
出血があるということは、現時点で進行している歯周病であるということです。
例えば、5~6ミリ程度の歯周ポケットでも、出血があり、レントゲンで骨の吸収が進行していれば、重度歯周病ということになります。
ただし、出血がなくても歯周病が進行している場合もあります。
これは、喫煙者に多く見られる症状です。
1/3程度以下の骨吸収であれば、中程度の歯周病と言えます。

Q12:重度歯周病とはどのような状態ですか?

A12:骨の吸収が大きいケースは、進行した歯周病と言えます。
噛み合わせ等にもより違いますが、歯を支えている骨が1/3程度吸収してくると"歯がグラグラ"してきます。
骨の吸収が1/3以上ある場合には、中程度~重度歯周病といってもいいでしょう。
しかし、重度歯周病といってもまだまだ 半分程度の 骨が残っている場合には、抜歯にはなりません。
2/3以上の骨吸収がある場合には、非常に進行した重度歯周病になります。 また、"歯のグラグラ"程度をあらわす数値として『動揺度検査』という簡単な検査があります。
以下のようにあらわします。

  • 動揺度0:歯がほとんど動かない
  • 動揺度1:歯が頬側、舌側のみに若干動く程度
  • 動揺度2:上記+歯が横(左右)にも動く
  • 動揺度3:上記+上下にも動く

動揺度2以上であれば、重度歯周病です。 動揺度3であった場合、抜歯となる可能性が高くなります。

Q13:歯周病と口臭は関係があるのですか?

A13:歯周病が進行している方は、ほどんの場合口臭が非常に強く認められます。
汚れが付着すると歯肉が腫れます。これが炎症です。
この炎症というのは身体にとって敵であり、歯周病菌と戦うために血液(白血球)が集まってきた状態です。
そして白血球と歯周病菌は戦うのです。
その結果、歯周病菌の残骸や、白血球、細胞の残骸が残ります。
こうしたものが入り混じった物が膿(うみ)なのです。
この膿は独特の生臭いにおいを発します。
きちんと歯周病治療を行わないかぎり口臭はおさまりません。

Q14:歯周病 と 歯槽膿漏(しそうのうろう)は違うのですか?

A14:同じです。
専門的には歯周炎(慢性歯周炎)といいます。
年齢の高い方では、歯槽膿漏(しそうのうろう)という言葉を使われてきたこともありますが、コマーシャル等の影響もあり、現在は歯周病(歯周炎)と言われることが多いです。

Q15:時々歯肉から出血がありますが、歯周病でしょうか?

A15:出血があるということは炎症があるということです。歯周病の症状です。
診察を受けたほうが良いでしょう。
しかし、出血がないからといって歯周病ではないとはいえません。
タバコを吸う方は重度の歯周病であっても出血が認められないので注意が必要です。

Q16:歯がぐらぐらします。歯周病でしょうか?

A16:歯がぐらぐらするというのは歯を支えている骨が吸収(歯周病によって歯を支えている骨は溶けるのです)している証拠です。
この段階はすでに歯周病がかなり進行している可能性が高いです。
直ちに検査を受けましょう。

Q17:親が歯周病(もしくは入れ歯)ですが、私もそうなるのでしょうか?

A17:歯周病は歯周病細菌による感染症です。
一般的に歯周病と言われる慢性歯周炎という状態になる場合、18歳頃から他の人から歯周病細菌が感染することで発症します。 もっと若年機から感染する人もいます。この状態を「侵襲性歯周炎」と言います。どのような細菌に感染しているかを調べることも可能です。(歯周病遺伝子検査:PCR法)
親が歯周病が進行していたり、総入れ歯のような歯がほとんどない方の場合、悪性度の高い歯周病細菌の感染が疑われます。
このような場合には、悪性度の高い歯周病細菌が感染している可能性が高いです。
病気は、早期発見、早期治療が非常に大切です。
歯周病が進行している方のほとんどが歯周病治療を始めるタイミングが遅いことが問題です。
できるかぎり、早い段階で歯周病検査をし、問題があれば早急に治療を開始しないと多くの歯を失うことになる可能性があります。
歯周病専門医の受診をお勧めします。

Q18:抜歯するのは嫌なのですが、自然に抜けるまで待ってもいいですか?

A18:誰でも抜歯することは嫌なことです。
しかし、ぐらぐらの歯を抜くのが嫌だといってそのままにしていると グラグラしている歯に存在する歯周病細菌が他の歯へも感染していく可能性があ ります。
また歯周病が進行すると歯を支えていた骨が吸収します。
この骨の吸収が、抜歯後の治療に問題を残します。
骨が吸収してしまった場合はどのような治療もうまくいきません。
入れ歯も合いにくいです。
インプラント治療を行う場合にも大きく影響してきます。
歯周病は早期発見、早期治療が大原則です。
保存可能な歯とそうでない歯をきちんと区別することは今後のためにも非常に大切なことです。

Q19:インプラント治療を行うと一生保つのですか?

A19:インプラントもダメになることはあります。
大きく分けると2つのことがダメなる原因です。

一つ目は、歯周病です。正しい名称は「インプラント周囲炎」です。
歯周病と同じ細菌がインプラントにも感染します。
そのため、もし、歯周病がある方の場合、必ずインプラント治療前に歯周病の治療が必要です。
またインプラント治療後も定期管理(メインテナンス)を行うことで「インプラント周囲炎」のリスクを少しでも減らすことが大切です。

二つ目は、噛み合わせです。この噛み合わせが原因でインプラントがダメになることもあります。
インプラント治療終了直後には問題がなくても噛み合わせは変わっていきます。
定期的な管理(メインテナンス)で噛み合わせもチェックすること大切です。
インプラントがどれだけ保つのかを調べた研究は多くあります。
平均的な話をすれば、インプラント治療後、10年経過すると成功率は上顎で95%、下顎で98%という報告が多いです。

Q20:どこのメーカーのインプラントを使っているのですか?

A20:当院で使用しているインプラントメーカーは、ストローマンインプラントです。
世界シェアーは1位で、日本でのシェアーも1位です。
それは世界的にも信頼性が高いからです。
ストローマンインプラントの欠点として、高コストです。
そのため、ストローマンインプラントを使用している歯科医院のインプラント治療費は高目です。
ストローマンインプラントは信頼を買っていると思って下さい。
世界中には数百種類のインプラントメーカーがあると言われています。
しかし、インプラントメーカーの中には、粗悪な種類もあったり、小さなインプラントメーカーの場合、潰れてしまったりして、使用していたパーツが購入できなくなるようなことも起こっています。
安いインプラント(メーカー)には、それなりの理由があるのです。
また世界シェアーが1番(日本シェアーも1番)だと、例えば、当院で行ったインプラントであっても引越し等で通院が困難になった場合でも日本のどこの地域でも取り扱っていないところはほぼないと考えられるので、心配が少ないです。

Q21:インプラントと天然歯では食べた時に違いはありますか?

A21:基本的にほとんどかわりはありません。
ただし、非常に稀ですが、インプラント部分で噛んだ時に若干違うという感覚を持つ方がいらっしゃいます。
これは天然歯とインプラントの構造の違いです。
天然歯の周りには「歯根膜」と呼ばれる非常に薄い膜が存在します。
これは噛んだ時に歯を傷つけないように「クッション」のような働きをします。
また歯根膜は、噛んだ時に噛むという感覚を神経に伝えます。
それに対し、インプラントはこの「クッション」がないために天然歯とは違う違和感を覚えることがあります。

Q22:インプラント治療に年齢制限はありますか?

A22:骨の成長がほぼ完了する16歳以上であれば基本的に年齢制限はありません。
『100歳でも大丈夫か?』ということにもなりますが、ご健康であれば、問題ありません。
逆に年齢が高い患者さんの方がリスクが低いことも考えられます。
例えば20歳代でインプラントをしたとします。
90歳まで生きたとすると治療後70年はインプラントが問題なく機能しなければなりません。その間には歯周病になるリスクもありますし、噛み合わせによる問題が起る可能性もあります。
インプラントを埋入した時の年齢が若くても必ず老いていくものです。 高年齢であってもインプラントを行うのに問題はありませんが、全身的な問題によりできない、もしくはリスクが高くなることがあります。
口腔内に問題(歯周病や噛み合わせ等)はなくても高血圧、コントロールされていない糖尿病、骨粗鬆症、脳硬塞の既往(脳硬塞があった時から6ヶ月はインプラントはできません)、血液疾患等などがある場合にはインプラントは難しくなります。
年齢が高くなればなるほどこうした病気をお持ちの患者さんは多くなります。
骨とインプラントが結合するということからすると高年齢ということだけでインプラントができないことはありませんが、全身的な問題はどうしてもでてきます。
現在全身的に問題をかかえているが、インプラントを行いたいという方は担当歯科医師と医科の先生との連係が大切になってきます。

Q23:歯周病でもインプラント治療は行えますか?

A23:インプラント治療後の長期的な報告も数多くされており、10年後の生存率は、上顎で約95%、下顎で約98%という高い成功率となっています。
しかし、その反面失敗症例も報告されています。
特にインプラントと天然歯が共存する中で高い成功率を達成するためには単にインプラントを埋入するだけでなく口腔内の全体的な治療計画が必要となってきます。
残存歯の予知性、被せ物(補綴)治療との兼ね合い、咬み合せの状態、患者さんの希望などさまざまな面からの検討が必要になってきます。
その中でも歯周病に罹患した状態でのインプラント治療は問題が起こりやすいです。
そのため、インプラント治療前には、歯周病の検査が必ず必要になります。
そしてもし歯周病に問題があった場合には、インプラント治療前に歯周病を直さないといけません。
またメインテナンス(定期管理)でインプラントに問題が起こっていないのかを検査することも大切です。
           さらにインプラント治療前に歯周病の細菌検査を行って、歯周病に対するリスク検査を行うとより良いでしょう。

Q24:インプラントのセカンドオピニオンは受けられますか?

A24:セカンド・オピニオンとは、一度どちらかの医院で診断を受けられたが、治療方針についてよく判らなかったとか、他に治療の選択方法がないのか?等迷っていたり、困っている事について、一度かかった医院とは別の医院にて意見を聞いたり必要であれば診査をすることです。
つまりセカンド・オピニオンとは別の医院にてすぐ治療を行うことではなく、治療方針等について意見を求めることなのです。
これは患者さんにとって大切なことであり、それぞれの医院にとって失礼なことではありません。
どちらかというと一ケ所の医院のみで治療の決断をするよりは複数の医院で意見を聞き、患者さん御自身が十分納得された上で医院を選ぶことが大切です。
セカンド・オピニオン制度は、もともとアメリカなどで癌など大きな治療を受ける場合、どのような治療方法があるのか?、どこの病院で治療を受けたら良いのか?等に迷ったときに、複数の専門家の意見を聞くことにより、最終的には患者さんが十分納得して自由に選択決定できるように考え出された方法です。
医療というものはどうしても患者さん御自身には専門的なことばかりでわからないことが多く、医者の意見をそのまま受けてしまいがちです。
特に以前の日本の歯科医療は説明不足のまま患者さんは歯科医師のいわれるがまま口を開け、治療がなされてきた経緯があります。
その結果、納得できる成果が得られれば良いのですが、歯科に何年も通院しているにもかかわらず、どんどんと歯は削られ、歯がなくなり不信感がつのる患者さんもいらしゃいました。(もちろん一部のことだと思いますが…)
歯科医師にもさまざまな考え方をもった先生がいます。
患者さんとの価値観が一致すれば良いのですが、必ずしもそうなるとはいきません。
患者さん御自身の身体のことですから治療は納得された上で受けられることをお勧めします。
近年では医療の情報公開も進み、カルテの開示や治療の明細等も行われるようになってきています。
正しい医療を受けるためにも医療機関を選択することは大切なことです。単に家から近いから等ではなく御自身が納得される医院を選択されて下さい。
インターネットが普及している現在ではメールによる相談を受付けている医療機関も多くなってきています。
実際に他の医院に行き相談するのには抵抗がある方や、忙しい方には非常に便利な方法です。
こうした方法をどんどんと活用されて下さい。
当医院でもメールによる相談は毎日のようにあります。ただし、実際に口腔内をみていませんし、レントゲン等の検査結果もありませんので、十分な回答が難しい場合もありますが、メール相談からわかる範囲でお答え致します。
セカンド・オピニオン制度を是非活用して下さい。
ただし、セカンドオピニオンに行く時の注意事として始めに行かれた病院で、診断書をきちんと書いてもらうことが大切です。
また検査データやレントゲン写真等のコピーももらっておくことが大切です。
なにも持っていかずに、違う病院に行ったのであれば検査も最初から行わなければならず、診断書がなければセカンドオピニオンの意味が薄れてしまいます。

Q25:喫煙していますが、インプラント治療は無理ですか?             

A25:喫煙者は、インプラント治療の成功率が下がることは明らかです。
そのため、できるかぎり禁煙していただいた方が良いです。
しかし、条件はありますが実際的には喫煙している方でもインプラントを行うこともあります。
それは喫煙はリスクはあるがインプラントを行うことの利点もあるからです。
例えば奥歯に歯がないとします。
義歯が使用できない(使用すると違和感がある等で使用していない)とすると欠損はそのままになります。
奥歯で噛めないと前歯や他の部位にも問題は生じます。インプラントはそうしたことを防止するともできます。
もちろん噛むといた行為自体も歯がなければできませんが、インプラントをすることにより噛むこともできます。
また喫煙者の中でもヘビースモーカーは非常にリスクが高いです。
骨の再生力や手術後の治癒が明らかに悪いためです。
インプラントは自費診療ですので、高額な治療費がかかります。
ヘビースモーカーの方がインプラントをしても非喫煙者と比較するとダメになる確率は高いのが現状です。
そうしたことをお話して上でご理解いただければインプラントを行うことも可能ですが、できれば禁煙していただきたいものです。
以下は喫煙とインプラントについての報告です。
Moyらの報告では、540人の患者で喫煙者で11.28%、非喫煙者で4.76%の失敗が示され、喫煙者では失敗率は2~3倍になります。
特に上顎にインプラントを埋入した場合には、煙は直接の刺激となるだけでなく、鼻腔や副鼻腔からも骨や粘膜に悪影響を与えます。
インプラントを行うにあたり、喫煙されている方は禁煙されるか少なくとも 本数を減らしていただく必要性があります。
喫煙はインプラントにとって非常に問題があります。
得に手術直前後1週間程度(できるかぎり術後8週間程度)は傷口の治癒に悪影響を及ぼしますので禁煙が必要です。

Q26:痛みのない治療方法はありますか?

A26:静脈内鎮静法(intravenous sedation )という麻酔方法があります。
簡単に言えば、寝ている間に治療を終了させる麻酔方法です。
静脈内鎮静法を行うと 治療中のことはほとんど覚えていない状態になります。
眠っている間にインプラント治療が終了するのです。
治療に不安を持っている患者さんには最適な麻酔方法です。
方法としては、点滴をするように血管内(静脈内)に麻酔液を入れます(流します)。
麻酔が効くまで5~10分程度です。
後はインプラント治療が終了するまで 寝ている状態です。
また、高血圧 等の御病気がある方にも適しています。
インプラント手術と聞くと、それだけでドキドキするものです。
緊張すれば、血圧も高くなります。
高血圧の方や、治療がご心配な方は、静脈内鎮静法で麻酔を行った方が確実かと思います。
先程、ご説明したように静脈内鎮静法で麻酔を行うと寝ている状態になります。
簡単に言えば、夜間就寝している状態と同じようなことです。
そのため、不安や緊張がなくなりますので、血圧も安定します。

Q27:インプラント治療期間中は仮歯はありますか?

A27:仮歯の形態は、欠損の状態や残っている歯の状態等によって大きく変わりますが、まったく歯がないということはありません。
治療前に検査を行い、仮歯の方法についてもご相談させていただきます。

Q28:どれくらいのインプラント臨床経験がありますか?

A28:2021年時点で約6,000本のインプラント経験があります。

Q29:インプラント治療前に治療費や治療期間、治療方法、リスク、保証等の詳細な計画書はもらえますか?

A29:初診時の検査を元にして、治療計画書を作成いたします。
A4用紙で約30〜40ページになる治療計画書をお渡します。
治療計画書の説明をさせていただいた上で、ご自宅にお持ち帰りになっていただき、十分にご検討下さい。
治療内容を十分ご理解していただくことが非常に大切です。

Q30:オールセラミックの特徴を教えて下さい。

A30:オールセラミックは、ただ単に金属とは違い、見た目が良いということだけではりありません。
金属治療と比較すると虫歯になりにくいという特徴があります。
これは、金属の治療は、セメントという素材で歯とくっつけます。
このセメントを例えて説明すると、庭 等にあるブロック塀をつけるものと似ています。ブロックとブロックが接着しているのではなく、セメントという始めは柔らかい粘土状のものをブロック間に置き、それが固まることでブロックを維持させます。
しかし、このブロックは劣化していきます。
口腔内で使用する金属製の素材は、もちろん歯科専用のセメントですが、 毎日噛む力や歯軋り等の影響や、唾液などに晒されるため、劣化してきます。
セメントが劣化すると歯と金属か溶け出し、流れ出て、歯と金属に隙間が生じます。この隙間から細菌が侵入することで虫歯が進行していきます。
金属の詰め物や被せ物の耐久年数を観察した研究は数多くありますが、 一つの研究報告を解説しますと、岡山大学の予防歯科で行われた調査(日本口腔衛生学会誌:1995)では、インレーと言われる小さな詰め物の耐久年数は約5年、歯を全体的に被せる金属冠の耐久年数は約7年、ブリッジの耐久年数は約8年という結果でした。
これは皆さんが想像しているより短い結果だと思います。
それに対して、オールセラミックは、先ほどのセメントでくっつけることはできません。オールセラミック自体は、基本ガラス素材のため、通常のセメントでくっつけると割れてしまいます。そこで、オールセラミックと歯質を強固に接着させる方法を行います。この時使用するのがレジンセメントです。レジンセメントは、通常のセメントより劣化が少ないため、虫歯になりにくいのです。またオールセラミック自体は、金属と比較すると汚れがつきにくいのが特徴です。
ただし、当院で使用しているオールセラミックん10年生存率は、 10年で94%生存率、20年で82%生存率となっています。
(スイス、チューリッヒ大Albert Mehl教授らの研究報告)

Q31:大船駅北口歯科のオールセラミックは、他の歯科医院と比較すると安いのは何故ですか?

A31:当院で作成するオールセラミックは、院内で歯科技工士が作成するため、安価となっています。
また、歯を削った後に、オーラルスキャナーという機械を使用して口腔内カメラで歯を撮影します。この撮影したデータはパソコンに取り込まれ、歯科技工士が設計します。
そして、このセラミックのデータを待合室にあるミリングマシンですぐに作成が可能となっています。
今まであった歯形の型取りやその型に石膏を注いだり、完成した模型を咬合器という器具に取り付けたりといった作業工程が一切いらなくなります。
かかる時間も作業工程で必要な経費もかからないため、安価な設定となっているのです。

Q32:オルセラミックの症例を見れますか?

A32:毎週月曜日に大船駅北口歯科ホームページ内にある「オールセラミックブログ」で症例をアップしておりますので、ご覧いただければと思います。

Q33:オールセラミックの適応を教えて下さい。

A33:オールセラミックにはいくつかの種類があり、治療する部位や噛み合わせの状態により判断します。

オールセラミック(e.max、エンプレス):治療費55,000円(消費税込)
前歯から奥から2番目の歯まで使用できるため、 ほとんどの症例で使用可能です。
ただし、この後に説明しますジルコニアの方が強度は約3倍高いため、 一番奥歯 や 噛み合わせの強い方には適応されません。
また基本的にオールセラミックは、1歯単位の作成となります。
ブリッジのようなタイプは基本的にはできません。
ただし、例外的に3歯以内のブリッジで、奥歯ではなく、噛み合わせに問題が ない場合には、オールセラミックブリッジが可能です。
具体的には前歯が1歯欠損しているとします。この欠損の両側を削りブリッジ とする場合には可能です。
治療費は55,000円×3歯分
  合計165,000円(消費税込)となります。
奥歯ではない場合にもオールセラミックブリッジは可能です。
小臼歯といわれる部位でも作成可能です。
次にジルコニアです。ジルコニアは高強度のため、どのような部位でも作成可 能です。もちろんブリッジも可能です。
治療費は、1歯 88,000円(消費税込)となります。

Q34:オールセラミックの治療回数を教えて下さい。

A34:治療する歯の状態によって変わります。
例えば、神経のある歯であれば、虫歯と取ったり、金属を取り除いた後に型取りを行います。
その後通常は、約2週間程度後にセラミックを付けて終了です。
治療回数は2回です。
神経のない歯の場合、その歯の状態によって治療方法は変わります。
神経のない歯の場合、根の先に膿みが溜まっていることがあり、この場合、 膿みを減少させる感染根管治療というのが必要になる場合があります。
感染根管治療の回数は、その状態によって2回〜5回程度が一般的なところです。
また神経のない歯の場合、もともと金属製の土台(コア)が埋め込まれていることが多く、オールセラミック治療を行うためには、この金属製の土台を金属を一切使用しないファイバーポストコアという素材に変更することが必要になります。
そのため、オールセラミックの治療回数は、最短で2回、状態によってそれ以上かかります。

Q35:オールセラミックは何年保ちますか?

A35:オールセラミックの先駆的な機械であるセレックで作成された耐久年数は、スイス、チューリッヒ大のAlbert Mehl教授らの研究によると10年で94%の生存率、20年で82%の生存率と報告されています。
しかし、虫歯のリスクには個人差がありますので、治療後もきちんとした歯磨きができていないと虫歯になってしまいます。また治療後には定期管理(メインテナンス)にもいらして下さい。

Q36:金属アレルギーが疑われるのですが、金属を除去した方がいいですか?また金属アレルギーがある場合、どのような治療になりますか?

A36:金属アレルギーが疑われる場合には、パッチテストという検査を行うことが良い でしょう。
パッチテストは皮膚科で行えますし、当院でも行えます。
パッチテスト費用:8,800円(消費税込)
詳細は以下をご覧下さい。 金属アレルギー検査(パッチテスト)