歯周病治療

歯周病の治療

GTR法、エムドゲイン法で 本当に骨は再生するのか?
:再生治療の適応症

はじめに

歯周病は、歯周病細菌による感染症であり、その原因として最も大きいのが、
歯ブラシが十分できなかったことによる 汚れの付着です。
この汚れが、歯と歯の境目(歯周ポケット)から侵入し、歯を支えている骨を吸収させます。
骨が吸収した結果、歯がグラグラとしてくるのです。

GTR法エムドゲイン法は、歯周病で失った骨を再生させる治療法です。

このような話は、このホームページをご覧になっている方の多くは、ご存知のことと思います。
また、当医院に歯周病治療をご希望され、来院される患者様の多くは、こうしたGTR法エムドゲイン法をご希望されます。
しかし、GTR法エムドゲイン法は、魔法の治療ではありません。
どのような状態でも行えば、骨が再生するのではありません。
適応症でないケースに行っても骨は再生しないだけでなく、逆に悪化することもあります。
そのため、適応症ではないケースには、GTR法エムドゲイン法は、行いません。

骨が再生する原理

まず、『骨がどのようにして再生するのか?』を説明したいと思います。

骨が再生するためには、『骨の細胞』が必要です。

『骨の細胞』が増えることにより骨は再生するのです。

しかし、骨の再生スピードは非常に遅いのです。

それに対し、歯肉や皮膚等(『歯肉の細胞』)は、再生スピードが非常に早いのです。

例えば、骨折した部位がくっつくのに数ヶ月はかかりますが、
皮膚(指 等)の粘膜が切れても 傷口がくっつくのに数ヶ月かかるということはありませんよね。
数日あれば、十分傷口は治ります。

つまり、『皮膚や歯肉』等の粘膜の治りは、非常に早いのですが、
『骨』は治るのに時間がかかるのです。
この骨と歯肉の再生するスピードの違いが、骨の増骨(再生)に違いを及ぼすのです。

再生スピードの違いの話を 抜歯 に例えて解説します。
抜歯をすると " 穴 " があきます。
歯の根が埋まっていた骨の中の " 穴 " です。
この " 穴 " は、いつまでも開いているわけではありません。
次第に埋まっていきます。

ここで登場するのが、先程の『骨の細胞』『歯肉の細胞』です。

『歯肉の細胞』は、治り(再生スピード)が早いため、
抜歯でできた" 穴 "を急速に埋めてしまいます。

抜歯でできた " 穴 " に歯肉が入り込むということです。
この理由として、抜歯でできた " 穴 " がそのまま空いていたら大問題です。
" 穴 " の中には、食べ物は入ってしまいますし、
なにより " 穴 " の中は 骨 ですから感染してしまいます。

そのため、生体防御のために、歯肉(『歯肉の細胞』)は早く治り " 穴 " を塞ごうとするのです。
その結果、抜歯によりできた"穴"は、歯肉(『歯肉の細胞』)でいっぱいに
なってしまいます。

骨(『骨の細胞』)が再生(増骨)する場所がなくなってしまうのです。

つまり、骨が再生するためには、骨(『骨の細胞』)が再生する『場所』が必要なのです。

抜歯後の歯肉の治り

適応症

GTR法エムドゲイン法
適応症は、垂直性の骨欠損です。
水平性の骨欠損は、適応症ではありません。
それでは、垂直性と水平性は、どのような違いであるのでしょうか?

垂直性の骨欠損を例えて説明すると コップのような" 穴 "です。
コップの中に血液を満たしたとします。
壊れていないコップであれば、当然 血液はこぼれませんよね。
この満たされた血液の中で骨の細胞は、生きることができるのです。
そして、骨の細胞は再生し、骨が増大するのです。
コップの中 いっぱいに 骨が再生することもできます。
コップの" 穴 "が 骨が再生するのための『場所』なのです。
再生(増骨)する場所は、いっぱいあります

次に、水平性の骨欠損とは、平らな 浅い、お皿のようなものです。
コーヒーカップを置く、受け皿と言ってもいいでしょう。
平べったい、浅いお皿ですから、そこに血液を入れたとしても
さほど溜りませんし、いっぱい入れたら溢れてしまいます。
骨の細胞は、血液の中でしか生きられないのですから
骨の細胞が生きられる場所は限られてしまいます。
当然、骨の再生(増骨)する場所も限られてきます。

また、水平性の骨欠損の場合、他にも骨が再生する限界の理由があります。
それは、水平性の骨欠損の上方には、歯肉が存在するのです。
骨が再生しようと思っても、骨の上には、歯肉が下がってきています。
つまり、骨が再生する場所がないのです。
骨が再生する場所は、歯肉に押しつぶされてしまっているのです。
この話は、先の『骨が再生する原理』で解説したとおりです。

このようにGTR法エムドゲイン法は、魔法の治療ではありませんので、
骨が再生するための、場所が確保できるような骨欠損でないと
その効果は発揮できません。
適応症とは、垂直性骨欠損なのです。
以下の図は、垂直性骨欠損と水平性骨欠損の比較の図です。

正常な状態 歯根は、骨の中にしっかりと埋まっています。 垂直性の骨吸収、水平性の骨吸収

歯周病治療

PAGE TOP