3. 口臭の原因Q&A

口臭の原因についてよくある質問をまとめてみました。

Q:口臭の分類

A:口臭は大きく分けて以下の2つ、生理的口臭と病的口臭とに分類されます。

生理的口臭

健常者が生活習慣や精神的肉体的ストレスによって一時的に病的となり、口腔や全身の生理機能のバランスをくずして口腔生理的恒常性が一時的に維持できなくなり発生するもの。
一般的な生理的口臭は以下に分類される

1. 加齢性口臭

口腔内の自浄作用や恒常性維持機能、口腔内免疫機能の低下による口腔内細菌増殖による口臭

2. 起床時口臭

睡眠中の唾液分泌抑制とそれに伴う口腔乾燥により口腔内細菌の増加(繁殖)が起こることによる口臭

3.空腹時口臭

唾液の質の変化(粘液性への変化)や膵液が胃において分解されたガスによって、引き起こされることによる口臭。
また、食事中や食直後と違い、空腹時には唾液の分泌減少が起こるため、細菌繁殖が起こりやすく口臭の原因となる。

4.緊張時口臭

口臭に対して不安をもつことにより口腔内はさまざまな緊張状態となる。

口臭が気になるあまりに会話も少なくなり、舌運動も制限され、結果的に安静時唾液分泌の停滞、口腔内自浄作用が低下する。
唾液が停滞し、好気性細菌による酸素消費量が低下すると嫌気性菌が増殖し口臭が起こる。

5.疲労時口臭

疲労に伴い生理的機能が抑制を受け、唾液分泌量の低下等によって口臭が起こる

6.妊娠時口臭

血液中のホルモンバランスの変化による口臭

7.月経時口臭

血液中のホルモンバランスの変化や月経時の体調不全から自律神経系の働きのバランスが悪くなることが原因と考えられる口臭

8.思春期口臭

中学生から高校生くらいの時期にかけて、心身の発達の伴う思春期特有の口臭であり、ホルモンバランスの変化に伴う口臭。
また、乳歯から永久歯に変わり、口腔内細菌の種類等細菌叢の変化によることも原因の一つとなっている。
また、子供から大人への変化に伴う生活習慣の変化(乱れ)も自律神経の変調等を起こし口臭の原因となる。

9.更年期口臭

血中ホルモンバランスの変化に伴う口臭

10.飲食後口臭

飲食後に食物残渣が歯、舌、口腔粘膜に付着(停滞)することによる口臭

病的口臭

a.口腔由来ガス(アンモニア、メチルメルカプタン、硫化水素)

歯周病 深い歯周ポケットの形成により、嫌気性細菌が増殖する。
この状態になると歯肉が腫れ、出血が起こるとともに歯肉溝滲出液(アミノ酸)が増加し、さらに嫌気性細菌が増殖を起こす。
歯肉溝滲出液が嫌気性細菌により分解され口臭成分を産生する。
虫歯 う窩で増殖する嫌気性細菌がタンパク質等を分解し口臭成分を産生する。
不良補綴物 清掃困難な補綴物で増殖する嫌気性細菌による口臭

b.咽頭、舌背部(後鼻領域•耳鼻科境界領域)由来ガス

副鼻腔炎、咽頭炎、鼻炎等口腔背部および耳鼻科領域から排出される炎症性産物から発生するもの

c. 呼気由来ガス(呼気臭)

内科的全身疾患 内科的全身疾患による代謝産物が血液中に排出され呼吸のたびに呼気として排出されることが原因の口臭糖尿病(アセトン臭)、肝疾患(アミン臭)、腎疾患(アンモニア臭)等がある。
喫煙 口臭の原因となるイオウや窒素元素を含むタバコの成分であるタールやニコチンが口腔内に沈着し、口腔内細菌との作用も関連し生じる口臭
飲酒 アルコール飲酒により体内で代謝されたアセトアルデヒドや揮発性脂肪酸が混在し生じる口臭
食品 ネギやニンニク類にはイオウを含むアリインが含まれており、これが分解されイオウ化合物に変化し、呼気に出現する。
薬品 臭覚(力)検査を行なう際に使用されるアリナミン注射液の呼気中からの口臭

Q:舌をきれいにすることは重要?(食後の汚れは、歯に付着しているのではない!)

A:口臭の大きな原因として細菌の増殖による口臭があります。
細菌が増殖すると細菌の出す代謝産物により口臭が発生します。
つまり、細菌を増やさないことが口臭予防にとって重要なことなのです。
口臭を理解する上で重要なのは口腔内細菌を増殖させないことなのです。
これは他の項目でも何度も記載してあることです。
食事をすると当然のことながら汚れ(食べかす)が口腔内に残ります。

そこで患者様に以下のようなご質問をします。
「食後の食べかすや飲みかすはどこにある(残る)と思いますか?」
そうすると多くの患者様は、以下のように答えます。
「歯と歯の隙間!」「歯にへばりついている!」
という答えです。
それでは本当のところはどうでしょうか?
食後の食べかすは、歯の隙間に約10%、舌の上や頬等の粘膜に約90%残っています。

「えー」と思われる方も多いかと思います。
歯の欠損状態や歯並び等により多少の違いはありますが、食後の食べかすの多くは、舌の上に残ります。
そのため、舌の上の食べかすへの対応が重要なのです。
もちろん歯と歯の隙間に残っている食べかすをそのままにしておくことは良いことではありませんが、舌の上に残っている汚れこそが、口臭の大きな原因となるのです。
だからといって舌を磨いては絶対にいけません。
この理由については後で解説します。
舌の上に残っている汚れを取り除くには以下の方法があります。

まず、ガムを噛むことです。
ガムを噛むことでガム自体が舌に触れ、舌をきれいにします。
また、ガムを噛むことにより唾液の分泌が促進されます。
唾液には、抗菌作用がありますので、舌の上にある細菌は唾液の作用により増殖が抑えられます。
予防先進国のスウェーデンでは、虫歯予防として食後にガムを噛む習慣を推奨しています。
これは、当然のことながら口臭予防にもなります。
しかし、毎食後にガムを噛むことに抵抗がある方には、以下の方法で舌の上の汚れを取ることが有効です。

※ ガムの有効な使用方法については、以下をご覧下さい。 Q:口臭予防方法:ガム法

また、食後には「お口直し」が有効です。 この方法については、以下をご覧下さい。 Q:食後に重要な「お口直し」とは?口臭治療の必須ポイント

Q:舌磨きはどの程度行った方が良いでしょうか? 舌ブラシで擦って嗅いでみると臭います。

A:鏡で舌を見ると白くなっていることがあります。
この舌の汚れが口臭の原因となっているのでは?と考えられている方がいらっしゃいます。
そのため口臭が気になる方の多くは"舌磨きブラシ"もしくは"歯ブラシ"で磨いているのです。

実際に舌磨きブラシで取れた汚れを実際に嗅いでみると臭います。
そのため、「舌の白いのは口臭の原因」と思うようになります。
これは明らかに間違っています。
舌はブラシのような物で擦ってはいけません。
舌は粘膜であり、舌の表面には「舌乳頭」という非常に細かいヒダのような物が覆っています。
イソギンチャクのヒダのようなものがいっぱい舌の表面には存在するというものと思って下さい。
舌乳頭というと一般的には「糸状乳頭」というのをさすことが多いのですが、この機能は食物をなめとりやすくしたり、舌の感覚を鋭敏にする感覚装置とされています。
ネコを飼っている人なら分かるかと思いますが、ネコの舌がザラザラしているのもこの「舌乳頭」です。
先程書きましたように舌は粘膜ですから「舌ブラシ」で強く擦ってしまうと傷がついてしまいます。
例えていうならば、皮膚を強く擦ると皮膚に傷がついてしまうのと同じです。
腕や足の皮膚は角化(硬い状態の皮膚)している状態ですので多少擦っても問題ありませんが、舌は皮膚のような角化組織ではありませんので、舌ブラシで擦ってしまうと剥がれ落ちてしまいます。
舌が傷ついてしまうのです。
舌が傷つくと当然痛みがあるだけでなく、炎症が起こりますのでなおさら舌からの口臭は強くなります。
また一番問題なのは、剥がれ落ちた舌乳頭をもとにして口腔内細菌がさらに繁殖してしまいます。
結果的に口臭はさらに強くなります。

舌ブラシ等で舌の清掃を頻繁に行っている方の唾液は混濁(濁っている)しています。
これは剥がれ落ちた舌乳頭等が唾液の中に混じっているのです。
さらに舌には味蕾(みらい)という味覚を感じる受容器があります。
この味蕾も傷ついてしまうことがあります。
そのため、舌が白っぽくなっているからといって舌ブラシで強く擦っては絶対にいけません。

また、根本的なこととして舌に付着している汚れは、口臭の原因となることがありますが、その多くは舌ブラシで取れる範囲ではなく、喉の奥の方や舌の奥1/3ですので、舌ブラシでいくら擦っても効果は低いと言えます。
ただし、舌表面の汚れを取ること自体は口臭予防として効果はあります。正しい舌磨きの方法は、ブラシを使用するのではなく、ヘラのような専用の器具がありますのでそれを使用して下さい。
あくまでブラシで舌を擦るのではなく、傷つけずにヘラで汚れを落とす程度にして下さい。

Q:口臭予防のための生活習慣の改善が重要!

A:口臭を気にされる方の多くは、すでにさまざまなことを実施しています。
歯磨きを十分に行なったり、舌磨きを行なったり、口臭予防用品を使用したり、歯科治療を行なったり…等です。
しかし、こうしたことは逆に口臭を増悪させる原因になっていることはさまざまなところでも解説しています。
口臭の原因をきちんと理解しないと治らないだけでなく、悪化させることにつながります。
正しい知識が重要なのです。
そして、口臭対策を行なっているにも関わらず、治らないため、「なぜ治らないのか?」という不安が持続していきます。

また、「歯周病ではないのか?」ということから歯科医院を受診し、「口臭の原因は歯周病ではないかと思うので歯周病の治療を希望!」と歯科医師に伝えますが、「歯周病に問題はありません!」「口臭にも問題がないので、心配いりませんよ!」というような対応をされます。
そして、「誰も口臭を理解してくれない」「口臭はないと言われたが、実際にあるのに…」という気持ちが続きます。
こうした不安の持続が口臭を悪化させているのです。
実際に私自身も口臭について学ぶ前には、口臭が気になることで来院された患者様の中で歯周病等の検査を行っても問題はなく、実際に口臭を感じられない方が多いことを感じていました。
会話の中で口臭を感じられることはほとんどないのです。
それでも患者様は、口臭を感じられているのです。
実際に歯周病等に問題のない方の口臭を治すことはできなかったのです。

話しはズレてしまいましたが、口臭症で悩む方の中には、「自臭症」という方がいらっしゃいます。
「自臭症」は、一般的に問題なしとされている方です。歯周病や虫歯もなく、通常の歯科検査時には、口臭を感じられないからです。
しかし、実際には患者様は、口臭を感じているのです。
この点が、歯科医師と患者様の壁となっているのです。
「自臭症」で悩まれる方の中には、生活習慣の乱れが原因となっていることがあります。
口腔内の生理的機能は、自律神経系と体制神経系の二重支配を受けています。
無意識時には、自律神経系に支配され、意識時には、体制神経系の支配下になり得ます。
特に「自臭症」については、無意識時の口腔生理機能が影響を受けて問題を引き起こしていることがあります。

自律神経系に影響を及ぼす要因には、
1.生活習慣
2.飲食生活習慣
3.肉体的、精神的ストレス
が考えられます。

まず生活習慣ですが、基本中の基本です。
朝定時に起きて、夜は夜更かしをせず、十分な睡眠をとる。
朝起きて、太陽の光をあびて、夜は眠い、眠くないにも関わらず定時に布団にはいる。
これが大切です。
自律神経の乱れ(自律神経失調)が起こると唾液の分泌コントロールも不調となります。
そうなると口腔乾燥を引き起こし、口臭の原因となります。

次に飲食生活習慣です。
「自臭症」の方の中には、「食べると臭いが起こる!」というような誤解をいだいている方がいらっしゃいます。
そのため、朝食を食べなかったり、軽度で済ませることがあります。
空腹になると空腹時口臭が起こりやすくなります。
朝食は、きちんと取ることが口臭予防に対して有効です。
朝食内容は、和食が望ましいですね。
朝は、バタバタと忙しいいため、パンとコーヒーというような組み合わせで終わらせる方も多いかと思いますが、パンは、粘膜に付着しやすく、咀嚼回数も少なくなります。

食後の食べかすは、歯の隙間に約10%、舌の上や頬等の粘膜に約90%残っているのです。
パンは、どうしても粘膜に残りやすいので、忙しい朝にパンのみを簡単に食べて、粘膜に付着した食べかすが残るために日中の口臭につながりやすくなります。
和食は、パン食と比較して噛む回数が多い食物が多くあります。
食べかすは、粘膜に残りにくくいのです。

また、ある程度時間をかけて朝食を取ることは重要なことです。
噛む回数を増やすことにより舌は良く動くことになり、結果的に舌機能の促進が行なわれ、唾液の分泌促進につながります。
舌を十分に動かすことは、本当に大切なことなのです。
また、口臭予防として食後に重要なのは、お口直しです。

お口直しの方法

飲食後に口に水を軽く含みます。軽くブクブクとし、頬と歯肉についた食べかすを取り除き、その水を飲み干して下さい。
次に再度水を口に含みます。
そして舌を口蓋(こうがい:上顎の真ん中の天井の部分)に擦り付けて洗って下さい。
舌の上には、食べかすが多く残ります。
これを取り除くことが目的です。
そしてその水も飲み込んで下さい。
この作業を味や臭気がなくなるまで行ないます。
口に含んだ水は、飲んだ方が良いです。
吐き出しても良いですが、吐き出すと唾液を失うことになりますので、できるかぎり飲み込んだ方が良いです。
次に水を適時に飲用することが大切です。
口臭予防に対しては、お茶やコーヒーは不適当です。
水分補給の重要性については以下をご覧下さい。 Q:口臭予防には水分補給が重要!

就寝前4時間は水以外の飲食を避けて下さい。
これは忙しい方には難しいことかもしれません。
消化途中で就寝すると、起床時の口臭を増悪されることもありますし、翌朝の朝食時の食欲減退にもつながります。
生活習慣のリズムをきちんとすることが自律神経の働きを適切にするために大切なことなのです。

Q:喉の奥から臭いがするのですが・・・なにが原因ですか?

A:喉の奥から臭いがある方には、いくつかの原因が考えられます。
まず喉の奥には口蓋扁桃(扁桃腺:へんとうせん)と呼ばれる器官があります。
風邪の時に腫れる喉の奥です。多くの方が経験されているのではないでしょうか?
扁桃腺(へんとうせん)は、呼吸により進入してくる細菌やウィルスに対して感染防御を行っているのです。
その口蓋扁桃(へんとうせん)から粘液のような免疫物質が出ているのです。
そして白色から茶褐色のネバネバとした免疫副産物ができて痰(たん)のように絡みます。
この免疫副産物自体にも臭いがあります。
扁桃腺が病的に肥大している人や、鼻がつまっている人や口で呼吸するタイプ方では、乾燥に弱い免疫器官が過敏になり免疫副産物を作り出すことになります。

通常免疫副産物は、唾液の働きや舌の運動によって胃に運ばれます。
しかし、緊張が続いたり、口臭を気にするあまり会話を行わない方は唾液の分泌が悪くなったり、舌の動きが悪くなり免疫副産物が喉の奥に溜まりやすくなります。
これが喉の奥からの臭いにつながることがあります。
こうなるとご自身でも臭いが気になるために、あまり口を開けないようになります。
人前でしゃべらないようになってしまいます。
こうなるとさらに悪循環に陥ってしまいます。

口臭の主な原因として、嫌気性細菌という口腔内細菌の存在があります。
嫌気性細菌とは、酸素がほとんどない状態でのみ生息(生きる)することが可能な細菌です。
歯科で代表的な嫌気性細菌は、歯周ポケット内部で生息する細菌であり、歯周病進行にとって大きな要因となる細菌です。この歯周病細菌が増殖すると臭いを発します。

話しを戻します。
通常、会話をしたり、口を開けたりする状態では以下の下図(図1)のように

会話をしたり口を開けたりする状態

上顎(口蓋)と舌にはある程度の隙間があります。
しかし、会話をしない状態(口を閉じた状態)が続くと下図(図2)のように喉の奥は嫌気性(酸素が少ない状態)となります。

会話をしない状態(口を閉じた状態)

こうなると口蓋扁桃に溜まった免疫副産物や嫌気性細菌の増殖が起こり、口を動かさないこともあり唾液の分泌も減少します。
そして、臭いが溜まっていくのです。

口臭が気になる人の場合、どんどんと悪循環となっていく方が非常に多くみうけられます。
喉の奥から臭いがするからといって、人前でしゃべらなくなったり、舌についた白い物が臭いの原因になっていると思い、毎日のように舌ブラシでゴシゴシと擦ったりします。
そして、舌ブラシに付着した汚れを嗅いでみると「臭い!これが口臭の原因だ!」と考え、さらに念入りに舌磨きを行うようになります。
舌は皮膚のような角化組織ではありませんので、舌ブラシで擦ってしまうと剥がれ落ちてしまいます。
舌が傷ついてしまうのです。
舌が傷つくと当然痛みがあるだけでなく、炎症が起こりますのでなおさら舌からの口臭は強くなります。
舌ブラシ等で舌の清掃を頻繁に行っている方の唾液は、混濁(濁っている)しています。
これは剥がれ落ちた舌の組織の一部等が唾液の中に混じっているのです。
そのため、舌が白っぽくなっているからといって舌ブラシで強く擦っては絶対にいけません。

また、口臭を気にされる方の多くは、マウスヴォッシュのような製品を毎日のように使用されています。
強い薬液により口腔内粘膜は荒れ、うがいのし過ぎにより、抗菌性のある重要な唾液が失われてしまいます。
ご自身でどんどんと悪循環を作っているのです。

話しは長くなりましたが、喉の奥から臭いのある場合には、マウスヴォッシュ等に頼るのではなく、喉の奥を嫌気性の状態にさせないようにして唾液の分泌をさせるようにすれば、口腔内細菌のバランスが整えられ口臭は減少していきます。

Q:喉(のど)の奥から臭う膿栓(のうせん)とはどのようなものです?

A:喉(のど)の奥の両脇には、口蓋扁桃(扁桃腺:へんとうせん)と呼ばれるものが存在します。
風邪をひいた時に喉の奥が腫れて痛くなるあの部分です。

口蓋扁桃は、呼吸時に侵入してくる細菌やウィルスに対しての感染防御を行なう器官です。
その口蓋扁桃を拡大して見ると陰窩(いんか)と呼ばれる穴が10~20個程度開いています。
そして、陰窩から粘液がでており、これが感染防御を行なっています。
この陰窩には、細菌やウィルスの死骸や死んだ細胞、食物残渣が貯まることがあります。
これらが固まった物が膿栓(のうせん)と呼ばれます。
俗的には「くさい玉」と呼ばれているようです。

膿栓の大きさは、直径3~5ミリ程度で乳白色です。
非常に臭いとされています。
しかし、膿栓は誰にでもあるものです。
特別気にされることはありません。
ただし、慢性炎症等がある場合には、膿栓は貯まりやすくなります。
また、ホコリの多い場所等にいると扁桃腺が腫れ、膿栓の量も多くなります。

治療方法として慢性炎症等の問題がある場合には、耳鼻咽喉科で検査、治療してもらうことが必要です。
また、予防方法として喉の奥に付着している細菌やウィルスを減少させるためにカテキン成分を含む緑茶等でうがいを行なうことも効果があります。