最新インプラント症例ブログ

2012年5月10日

最新インプラント症例:139回目

2012年 5月10日(木曜日)です。
この最新インプラント症例ブログは毎週木曜日にアップしています。
『139回目のインプラント症例』になります。

先週は、ゴールデンウィークのため、ブログは休ませていただきました。
十分エネルギーも充電できましたので気力も充実です。
今週からまた忙しい日々が続きます。

本日ご紹介する症例は、
「治療計画の変更!」
というテーマで解説します。

インプラント治療を行なう場合には、細かく治療計画を立てます。
当医院ですでにインプラント治療を受けられた方は、ご存知のことと思いますが、
「インプラント治療計画書」
という30〜40ページ程度の書面をお渡ししています。
その中には、
患者様ご自身のレントゲン上に記載されたインプラントシュミレーション、
骨吸収等の診断、
他の歯の状態、
噛み合わせ や 歯周病等の状態、
治療費、
具体的な治療スケジュール(日程)、
保証期間、
被せ物の素材の種類や特徴、
インプラント治療の問題点、リスク、
骨増大法(GBR)等の具体的な治療方法、

患者様に合わせた 内容が記載されています。
そうした「治療計画」に合わせて治療を進めていきますので
治療計画どおりに進まないというケースは、ほとんどありません。
しかし、時々治療計画を変更することもあります。
本日はそのような症例をご紹介します。

以下が初診時のレントゲン写真です。
スライド01

多くの歯が欠損しているのが分かるかと思います。
被せ物が次々に取れていき、抜歯を繰り返しており、
噛む場所がなくなってしまったとのことで紹介を受けて来院された方です。
スライド02

このままでは、食べることも 会話にも支障がきてしまっているので
なんとかしたいと考え、インプラント治療をご希望されて来院されました。
上顎は、半固定式義歯(コーヌスタイプ義歯)でした。
スライド03


半固定式義歯とは、義歯(入れ歯)は、義歯なのですが、
歯(ご自身の天然歯)に特殊な装置を付けて、義歯を固定するタイプの入れ歯です。
通常の義歯よりは、かなり安定も良いです。
しかし、義歯を固定する歯自体がダメになれば、使用はできません。
また、半固定式義歯は、非常に高額な治療になるため、
歯自体が長期的に保つ状態でなければ、なかなか将来性の低い治療(半固定式義歯)と言えます。
この患者様は、半固定式義歯を支えている歯が神経がない歯であり、
その歯が大きく虫歯になってしまっている状態でした。
歯が大きく虫歯になってしまったために半固定式義歯を支えることができずに
ダメになってしまったのです。
この患者様の口腔内を見ると
ほとんどが神経がない歯です。
以下の赤丸()が神経がない歯です。
スライド1

下顎前歯部の3歯以外は、全て神経がない歯でした。

神経のない歯についてはこのブログでもよく紹介してきました。
始めてこのブログを読まれる方のために
簡単に神経のない歯について解説します。

神経がない歯は どれくらい保つのか?(神経がない歯の生存率)

神経がない歯の生存率は、神経がある歯と比較すると圧倒的に低いのが現状です。
神経がない歯の生存率についての研究論文は多くありますが、
約5〜30年と言われています。
しかし、神経を取った後に 1年も経過しないうちにダメ(抜歯)となるケースもあります。
神経のない歯の生存率が約5〜30年ということは、
20歳で神経を取った人は、25歳〜50歳程度で歯がダメ(抜歯)になる確立が高いということです。
それだけ神経のない歯の将来性は低いのです。
30年以上保つこともありますが、非常に稀なケースと言えます。

また、神経がない歯に
被せ物(セラミック、金属冠) や 差し歯、ブリッジを行った場合、
その被せ物は約7〜8年でトラブルが起こると言われています。

以下は、神経がない歯の代表的なトラブルです。

1.歯根破折を起こす!
まず、歯根破折(歯の根が折れる、亀裂が入る)です。
このブログでも良く解説する話しです。
神経のない歯はもろく 通常の咬む力でも割れてしまうことがあります。

こうした状態を患者さんに説明する際に ” 木 ” に例えてお話しすることがあります。
生き生きとした木はたたいたり、蹴ったりしても折れたりすることはありませんが、
枯れた木は折れる可能性があります。
神経を取った歯も枯れた木と同じような状態になります。
神経のない歯は血液供給がなくなるため もろくなってしまうのです。
歯(根)が折れた場合には、基本的に抜歯となります。

2.虫歯になりやすい!
次に 神経がない歯は、虫歯になりやすく、虫歯の進行速度も早いのです。
神経を取った歯は、ほとんどの場合 金属製 や セラミック等の被せ物(差し歯)を行います。
こうした被せ物には、ほんのわずかですが つなぎ目(隙間:すきま)が存在しています。
段差といってもいいでしょう。
この つなぎ目 に汚れが溜まりやすく、歯磨きが適切にできないと
被せ物の隙間から虫歯細菌が侵入し、虫歯となってしまいます。
また、神経のない歯は、虫歯になってもしみる等の痛みが起らないため、
気が付かないうちに進行しやすいのです。

3.根の先に膿みが溜まる!
次に 神経がない歯は、根の先に膿みが溜まることがあります。
この膿みが大きくなると 腫れたり、痛みが起こったりします。
本来、歯の中にある神経は、無菌的な状態ですが、
神経を取る際に歯に穴を開けた瞬間に 外部(大気中)の細菌が神経の穴に入ってしまいます。
外部からの感染を100%防ぐことは不可能なことです。
また、歯の根(神経が通ってる根)は、非常に複雑な形態をしており、
メインの神経以外にも 細い神経(血管)が無数に存在します。
例えると 木の根っこにも 無数の細い根が存在するのと同じです。
そのため、全ての神経を取り除くこと自体 難しいのです。
残った細い血管が腐ったりすると 膿みとなることもあります。
根の先に膿みが溜まった場合には、膿みを取り除く治療(感染根管治療)を行いますが、
再発率が高いのです。
根の先に膿みが溜まっているような状態(感染根管)では、
根自体が感染しているため消毒だけでは細菌を100%取り除くことは不可能です。
特にレントゲン上で膿みの陰が大きかったり、何度も腫れを繰り返しているような状態の場合には、
再発するリスクが高いことが 多くの論文からも明らかになっています。(再感染根管治療
以下は、さまざまな論文から得られた神経の治療の成績です。
  • 感染根管治療80%程度の成功率
   (50〜90%程度の成功率の論文報告が多い)
  • 再感染根管治療60%程度の成功率
   (50〜80%程度の成功率の論文報告が多い)
これらの論文から 根の先に膿みが溜まっているような状態で治療を行った場合(再感染根管治療)には、10人に治療を行えば 4人は膿み(腫れ)が再発するということです。

話しを今回の症例に戻しましょう!

今回の患者様の状況を見てみると
歯周病の問題は、下顎前歯部にはあるが、他の部位にはさほどありません。
そして、ほとんどの歯が神経がありません。
現在は、神経を取った歯が、
虫歯になったり、歯根破折しています。
口腔内の清掃状態(歯磨きの状態)もあまり良くありません。
虫歯に対しては、非常にリスクが高い口腔内(生活習慣)と言えます。

このような患者様に対して、半固定式の義歯を作製した場合には、
やはり今回のような結果になって当然なのです。
そのため、そうしたリスクを十分考えた上で治療計画を立てることが重要となります。
スライド04

下顎も歯周病や虫歯 等 問題は大きくあります。
スライド05

患者様は、食事ができない状態にまでなっていました。
スライド06

以下の×印の歯は抜歯が必要です。
スライド07

しかし、これらの歯を抜歯すると かなり多くの歯が欠損することになります。
上顎は12歯分がなくなります。
本来、上顎には14歯の歯が存在するわけですから
2歯しか残らないということは 当然のことながら きちんと噛むことができません。
スライド08

この全ての欠損部にインプラント治療を行なうとなると
かなり大変な治療になります。

また、骨吸収の状態にも問題はありました。
いつものように 骨吸収の状態を分かりやすくするために
骨吸収の状態を線で書いたのが以下のレントゲンになります。
青線が骨吸収を起こすの骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
かなりの骨吸収が起こっているのが分かるかと思います。
スライド10


患者様のご希望は、以下のようなことでした。

ご希望1: 可能なかぎり義歯(入れ歯)は避けたい!
ご希望2: 将来性の高い治療を希望!
ご希望3: 何度も治療の繰り返しをするのは嫌!
ご希望4: 治療期間はかかってもしっかりと治療を行ないたい!
ご希望5: 治療費についてはある程度かかるのはしかたがないが、可能なかぎり治療費は抑えたい!

というような内容でした。
そのため、以下の点に考慮して1回目の治療計画の説明を行ないました。

ポイント1: 
義歯はできるかぎり避けたいが、全ての欠損をインプラント治療で固定式となると
どうしても高額になってしまうため、
下顎の左右の欠損部に対しては、インプラントで固定式のブリッジとし、
上顎に関しては、2〜3本のみのインプラントを埋入し、義歯を固定するための 
装置を組み込む方法とする。
これは、現在上顎が半固定式の義歯を使用されているということを考慮しています。

ポイント2: 
上顎は、左側の2歯を除いて抜歯となるが、その残した2歯自体も将来性は低いので
無理して残すと その歯がダメ(抜歯)となった場合には、再度治療を行なう必要性があり、
将来性のある治療とはならず、さらに再治療費のことも考えると
無理して歯を残すよりは、将来性が低い歯は抜歯して治療計画を立てる。

こうしたことを考慮した治療計画が以下です。

下顎右側については、
4歯欠損に対して、2本のインプラントを埋入し、4歯分の被せ物を作製する。

下顎左側については、
5歯欠損に対して、3本のインプラントを埋入し、5歯分の被せ物を作製する。

という方法です。
最小限のインプラント埋入です。
もちろんのことながら 1本のインプラントで4歯を支えることはできませんので…
これが治療費が最小限のプランということになります。
もちろんブリッジですから 固定式です。
これで、患者様のご希望である
治療費を抑えたい!
義歯を避けたい!
ということを達成することが可能です。
スライド11

今回は、話しが長くなるため、詳細は避けますが、
インプラントを埋め込む部位は、骨吸収等を考慮して選択しました。

次に上顎です。
上顎については、
義歯を避けたい!
というご希望があったため、複数本のインプラントを埋入し、
ブリッジの計画も説明しましたが、
どうしても治療費が高額になるため、以下のような治療プランを提示しました。
アタッチメント義歯です。
スライド13

アタッチメント義歯とは、最小限のインプラントを埋入し、
入れ歯を固定するための装置を組み込む方法です。
このアタッチメントにより、入れ歯は強固に固定されますので、
通常の義歯(入れ歯)より、
食事 や 会話の際 に動いたり、
落ちてきたり
することが格段に低くなります。
また、状況にもよりますが、義歯の大きさも小さくすることが可能です。

以下は、アタッチメント義歯の参考症例(今回の症例ではありません)です。
下顎の前歯部に数本の歯が残っていましたが、
グラグラで指でも取れそうな状態です。
そのため、2本のインプラントを埋入し、義歯を固定するためのアタッチメントを付けました。
スライド14

義歯を固定するためのインプラント治療方法には、
上記の方法以外にも2本のインプラントをバーで支える方法もあります。
スライド15

バーの方が安定は良いですが、
コストは、上記の方が格段に治療費を抑えられます。

今回の方法は、先のアタッチメントという方法で対応することになりました。
治療費の削減がポイントとして大きかったからです。
本来このようなケースの場合には、
まず抜歯を行ない、その後インプラントの埋入となります。
しかし、現状で抜歯してしまうと
現在の半固定式の義歯が使用不可能となってしまいますので、
とりあえず抜歯しないでインプラントを埋入することになりました。
治療を行なう側としては、抜歯したいのが本音です。
しかし、治療期間中の患者様の生活習慣に支障をかけないことも大切なことです。
スライド17

ただし、最終的には抜歯します。
また、将来性も考え、現状では100%抜歯と判断しない歯も抜歯します。
これは、将来性を考えた上です。
今回無理に歯を残しても 近い将来に抜歯となった場合には、
その時点で再度義歯を新しく作成することが必要になります。
インプラントを利用した義歯は、保険が効きませんので
義歯自体も自費診療となります。
近い将来には、再度自費での義歯の作製が必要となる可能性が高いのです。
将来性の高い治療を希望!
何度も治療の繰り返しをするのは嫌!
ということを考慮すれば、やはり上顎は全て抜歯とした方が懸命です。
スライド18

治療は、先に下顎から行ないました。
その後上顎に3本のインプラントを埋入しました。
スライド19

上顎の残っている歯は、この時点ではまだそのままです。
現在の義歯が使用できるようにするためです。
スライド20

以下のレントゲンは、
下顎のインプラントに被せ物を装着した状態です(ブリッジ)。
上顎は、残っている歯全て抜歯した直後にアタッチメント義歯としました。
これにより噛めない日がないようにしました。
スライド21

患者様は、今までにないくらい噛めるようになり、
大変喜ばれました。
本来は、これでインプラント治療は終了のはずでしたが…
噛めるようになるとさらにがでてくるものです。
「上も義歯ではない状態になりませんか?」
というご希望をお持ちになるようになりました。
もっと もっと噛めるようになりたいことと
義歯を避けられたらもっと快適になるのではないのか
というご希望がどんどんと強くなっていったのです。
スライド22

この時点で再度治療計画を立て直すことになりました。
スライド23

インプラントブリッジです。
しかし、ここで
「治療費は最小限にしたい!」
というご希望もありましたので、
3本の追加インプラントのみで対応することにしました。
以下のような治療計画です。
スライド24


今回は話しが非常に長くなってしまいましたので、
詳細は省略しますが、治療が長くなってしまったこともあり、
先に埋入したインプラントの感染が起こった部位がでてきたため、
再度位置を変えて埋入した部位もありました。
以下は、上顎のインプラントブリッジの治療が終了した状態です。
スライド25


基本的に治療計画が変更されることがほとんどありませんが、
患者様のご希望等により
今回の治療のように変更することも稀にはあります。
患者様のご希望をできるかぎり考えていくことは大切なことです。


治療費
上記の症例をインプラントモニターで行った場合の治療費は以下になります。

インプラント   1本  168.000円(消費税込) 
被せ物(白い歯) 1歯  105.000円(消費税込)〜
になります。
治療費をさらに抑える方法として 被せ物を金属製にする方法があります。
金属製の被せ物は、1歯 73.500円(消費税込)になります。

当医院のインプラント治療費用の中には、
治療中のレントゲン撮影や薬代、
土台(アバットメント) の費用、
仮歯 の費用、
治療経過のレントゲン撮影、
セラミック等の被せ物の費用、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法)
OAM(大口式)インプラントシステム
GBR法(骨増大法:インプラント埋入と同時の場合)
ソケットリフト法 の費用、
静脈内鎮静法(眠っている間に終了します) の費用も含まれています。
治療計画以上の追加費用はありません。
全て含まれた費用です。




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