最新インプラント症例:173回目

2012年12月13日(木曜日)です。
この最新インプラント症例ブログは毎週木曜日にアップしています。
『173回目のインプラント症例』になります。
始めに年末年始休診の案内です。
12月30日(日曜日)〜平成25年1月4(金)まで休診とさせていただきます。
通常 木曜日は休診日ですが、
12月27日(木)は、16:30まで診療致します。
年内の予約はほとんどいっぱいになっていますが、
12/27は普段休診日であるため、まだ若干ですが予約の空きがあります。
12月20日(木)の最新インプラント症例ブログは休ませていただきます。
新しい機材の搬入があるからです。
さて本日の症例は、いろいろと考えさせられるケースです。
歯が欠損している場合、
欠損部にインプラント治療を行なった方が良いのか?
他の治療方法が良いのか?
また、なぜ歯がなくなったのか?
等を考えることが必要です。
歯がなくなった理由(抜歯した理由)が分からないと
適切な治療計画が立てられませんし、
抜歯した原因と同じことがインプラント治療にも起こってしまいます。
例えば、歯周病 が原因で歯を失った場合には、
インプラント治療前に確実に残っている歯の歯周病治療を完了させないといけません。
これは、インプラントも歯周病のような状態になるからです。
インプラント周囲炎(インプラントの歯周病) と言います。
また、噛み合わせが原因で歯がダメになった場合にも
インプラント治療時には、噛み合わせに対して対応しないといけません。
インプラント治療は、単に歯がない部分をみて判断するのではなく、
口腔内全体を見て 今後のインプラント治療について計画を立てることが重要なのです。
本日ご紹介するケースもさまざまな問題を抱えている症例です。
それではさっそくみて見ましょう!
以下は初診時です。
上顎右側の前歯が腫れるとのことで来院されました。
スライド01
この歯は、歯の根が折れていることが分かりました。
歯根破折 という状態です。
スライド02
このブログをよく見られている方は、
「また、歯根破折か!」
と思われるかと思います。
そうなんです。
歯根破折 は、本当に頻繁に起こることなのです。
始めてこのブログを見られる方に歯根破折 について簡単に説明します。
(知っている方は、飛ばして次のレントゲンからご覧になって下さい)
神経のない歯は もろく 通常の咬む力でも割れてしまうことがあります。
こうした状態を患者さんに説明する時に”木”に例えてお話しすることがあります。
生き生きとした木はたたいたり、蹴ったりしても折れたりすることはありませんが、
枯れた木は折れる可能性があります。
神経を取った歯も枯れた木と同じような状態になります。
神経のない歯は血液供給がなくなるためもろくなってしまうのです。
しかし、神経がないからといって 必ず歯根破折 するわけではありません。
今回の症例は、さまざまな問題が重なっていたのです。
歯根破折 の原因について考えましょう!
スライド03
まず先ほど説明したように神経がない歯だからです。
もし、この歯が神経がある歯であれば、歯根破折 を起こすことがまずありません。
スライド04
ちなみに この患者様は、多くの歯が神経がありません。
リスクの高い口腔内と言えます。
スライド05
次に上顎前歯部がブリッジとなっているためです。
スライド06
ブリッジという治療は、歯が欠損している両側の歯を支えとして連続した被せ物を行なう治療です。
そのため、歯が欠損している部分に加わる力の負担を
残っている歯で支えないといけません。
そのため、ブリッジの土台となっている歯には、噛む力の負担が加わってしまうのです。
スライド07
次に奥歯が欠損しているため、
残っている歯に負担が加わりやすいためです。
スライド08
現在義歯を使用していますが、多くの歯が欠損しています。
以下の×印が欠損部位です。
スライド09
上顎は、6歯分欠損しています。
もともと上顎には、14歯分の歯が存在していますので、
半分以上の歯がないことになります。
スライド10
奥歯では、噛む力の負担を支えることができませんので、
どうしても前歯で噛む力の負担を支えることになります。
つまり、残っている歯には、通常の倍(2倍)程度の力の負担が加わっていたことになります。
スライド11
今回歯根破折 のは当然の結果と言えます。
神経のない歯であること!
ブリッジとなっていたこと!
奥歯が欠損していたこと!
こうした問題が重なって今回の歯根破折 となったのです。
スライド12
結果的に上顎前歯部の腫れている歯は、歯根破折のため抜歯となりました。
スライド13
以下は、抜歯後です。
スライド14
それでは、今後はどのような治療方法が考えられるのでしょうか?
どのような治療方法が良いのでしょうか?
今後、少しでもトラブルが起こらないようにするためには、どうしたら良いのでしょうか?
スライド15
まず、上顎前歯部の2歯欠損に対して、ブリッジを行なった場合を想定しましょう。
ブリッジは、欠損部の両側の歯を削り、連結した被せ物を装着する方法です。
スライド16
この治療方法は、お勧めできません。
その理由として、
神経がない歯でブリッジを行なうこと
奥歯が欠損した状態であること
こうしたことから ブリッジを選択すると
再度歯根破折 を起こす可能性が高いと言えます。
スライド17
次にブリッジの範囲をさらに広げる方法も考えられます。
さらに両側の歯を削り、ブリッジの土台とすることにより、
ブリッジの強度は増強されます。
また、神経のある歯を土台に加えることにより
歯根破折 のリスクも軽減できます。
先ほどのブリッジの計画よりは、リスクは低くなります。
スライド18
しかし、さらに健康な歯までも削ることが必要となってしまいます。
虫歯でもない歯を削りたくはないのですよね。
歯は、削ったことで必ずリスクが高くなります。
スライド19
患者様は、上顎前歯部が義歯(入れ歯)となることは、審美的な面からも避けたいとの希望がありました。
そうですよね。
上顎前歯部が義歯となると
義歯を外した状態では、歯がないことが見えてしまいます。
やはり、固定式にしたいと考えられる方が圧倒的に多いのではないでしょうか。
また、患者様は、ブリッジについても希望されませんでしたので、
インプラント治療による治療となりました。
スライド20
それでは、上顎前歯部におけるインプラント治療には、
どのような方法が考えられますでしょうか?
まず、上顎前歯部の2歯欠損のみにインプラントを埋入する方法です。
最もスタンダードな方法と言えます。
スライド21
しかし、この方法には問題点もあります。
その理由として、インプラント治療を行なった部位の両側の歯は、神経がありません。
もし、インプラント治療後に 以下の ×印 の歯がダメになった場合には、
さらに追加のインプラントが必要となります。
神経のない歯は、脆いということを忘れてはいけません。
スライド22
もし、インプラントの治療方法:1のように
上顎前歯部の2歯欠損のみにインプラントを行なった場合で、
後からその両側の歯がダメになった場合には、以下のように追加のインプラントを埋入し、
結果的に上顎前歯部には、4本のインプラントを行なうことになります。
スライド23
それであれば、先に欠損部の両側の歯も抜歯して
4歯欠損として、今後のインプラント治療を考えることも一つの方法です。
こうした抜歯を戦略的抜歯と言います。
スライド24
4歯欠損とした場合には、2本のインプラントで4歯分を支える
インプラントブリッジとなります。
スライド25
しかし、必要なインプラントの本数は、
インプラントを埋め込む部位の骨吸収の程度や
噛み合わせ
等によって決定されます。
かならず、4歯欠損の場合には、2本のインプラントでブリッジということではありません。
どちらの治療方法を選択するかは、
それぞれの治療法の利点、欠点を十分にご理解された上で
患者様に選択していただきます。
スライド26
患者様は、プラン:1を選択されました。
以下は、インプラント手術直後です。
スライド27
ちなみにインプラント治療期間中は、歯がないということはありません。
上顎前歯部は、固定式の仮歯を使用しますし、
奥歯は今までと同様に義歯の使用が可能です。
以下は、インプラント治療が終了した状態です。
スライド28
インプラント治療以外の場所は、もちろんご希望により保険治療で行なえます。
インプラント治療を考える上で大切なことは、
単に欠損部にインプラントを埋め込めば良いということではありません。
歯がダメになった原因や
口腔内の状況、
歯周病のリスク(今回は歯周病の問題はありませんでした)、
等を考え
患者様のご希望をふまえて決定されます。
もちろん治療費用も重要なポイントになります。
ただし、理想的には、奥歯の欠損部もインプラント治療を行なえば
噛み合わせを考えても理想的ではあります。
スライド29
治療費
上記の症例をインプラントモニターで行った場合の治療費は以下になります。
インプラント   1本  168.000円(消費税込)
被せ物(白い歯) 1歯  105.000円(消費税込)〜
1欠損部の合計 273.000円(消費税込)〜
になります。
次回(12/20)のインプラント症例ブログは、休みとさせてただきます。
歯周病ブログでもづーっと紹介していました
口臭外来の器材の搬入があるためです。
口臭外来については、準備が進んでいます。
来年もスタッフ教育のために、大阪のほんだ歯科でさらに研修をつみ
口臭外来を開始します。
開始時期については、3つのブログで報告します。
当医院のインプラント治療費用の中には、
治療中のレントゲン撮影や薬代、
土台(アバットメント) の費用、
仮歯 の費用、
治療経過のレントゲン撮影、
セラミック等の被せ物の費用、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法)
OAM(大口式)インプラントシステム
GBR法(骨増大法:インプラント埋入と同時の場合)
ソケットリフト法 の費用、
静脈内鎮静法(眠っている間に終了します) の費用も含まれています。
治療計画以上の追加費用はありません。
全て含まれた費用です。
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インプラントモニターの詳細については、下記をクリックして下さい。
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今回のモニター募集は、できるかぎり多くの症例を掲載したいと思っているため、1歯欠損も募集しています。
何歯欠損でも大丈夫ですので、ご希望がございましたらご連絡下さい。
最近インプラント治療を行う際に静脈内鎮静法(眠っている間に終了します) をご希望される方が非常に多くなってきています。
そこで、静脈内鎮静法 による麻酔をもっと多くの方にご利用していただくために 今まで3万円かかっていた費用を無料にしました。
これは、静脈内鎮静法 でインプラント治療を行いたいが、麻酔費用がかかるのがネックと考えられ断念されるケースがでてきたためです。
そのため、暫くの間 試験的に無料とさせていただくことにしました。
ご希望の方は、ご利用下さい。
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詳細は以下をご覧になって下さい。
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今後も多くの患者様に支持されるよう スタッフともどもがんばってきたいと思います。
ランキングの詳細は、以下をクリックして下さい。
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