最新インプラント症例:223回目

2014年10月 2日(木曜日)です。

始めに今月の休診案内です。

10月18日(土曜日) 午後
10月19日(日曜日) 午前 午後
日本歯周病学会参加のため

このブログはインプラント症例を紹介するブログです。

『223回目のインプラント症例』になります。

さて、本日の症例は、歯がほとんどない方のインプラント治療です。(再アップケース)
だいぶ前のケースです。
もう15年近く経っているケースです。」

患者様は、上下顎の歯が グラグラ で食事がほとんどできない状態で来院されました。

歯周病の検査をすると 歯を支えている骨は、ほとんど吸収してしまっている状態でした。

私は、日本歯周病学会の歯周病専門医 ですが、
どのような状態でも歯を残せるわけではありません。

今回の患者様は、歯を支えている骨がほどんと吸収 してしまっていました。

どの程度骨吸収が進行していたかと言いますと
『歯を支えている骨が90%以上吸収していた!』のです。

もうグラグラです。

初診時の口腔内写真から見てみましょう。
スライド1

骨吸収が進行しているため、歯がグラグラ と動いているため、
歯と歯の隙間が大きくなっています。

また、歯周病の原因となっている歯石が大量に付着しているのが分かるかと思います。

以下の写真は、上下顎を内側から見たところです。
スライド2

左側の奥歯は、欠損しています。

それでは、初診時のレントゲンを見てみましょう。
スライド3

いつものように 骨吸収の状態を分かりやすくするために 骨吸収の状態を線で書いたのが以下のレントゲンになります。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
スライド4

以下のレントゲンは、
骨吸収した部位を赤色であらわしたものです。
骨がかなり吸収しているのが分かるかと思います。
スライド5

先にも解説したように すでに90%以上の骨が吸収してしまっている状態でした。

大変な状態です。

問診で患者様は、歯磨きを行う習慣がほとんどなかった ことが分かりました。

歯石の付着状況からしても 患者様は、歯磨きがほとんど行われていなかったことが分かります。

歯周病は感染症 です。

歯石の内部には、細菌(歯周病細菌)がいっぱい生存しています。

この細菌が原因となり、骨吸収が起こったのです。

歯周病の治療の中には、失った(吸収した)骨を再生(回復)させる治療法があります。
GTR法 エムドゲイン法 です。

しかし、これらの骨再生治療は 魔法の治療法ではありません。
骨が再生するといっても骨再生には限界(適応症) があります。

私自身も歯周病専門医 ですから、こうした骨再生治療 を含め歯周病治療 が当院の診療の基本になっています。

しかし、この患者様の場合、とても保存することができない状態でした。

1歯を残して全て抜歯と診断しました。
スライド6

それでは、
『抜歯と診断した歯以外は、本当に残すこができなかったのでしょうか?』

徹底した 歯周病治療 を行えば、もう何本か(3〜4歯程度)保存することは可能かもしれません。

しかし、あと数本の歯を抜歯しないで残したとしても その将来性はほとんどありません。

結果的にすぐにダメになってしまうでしょう。

また、完全にダメな歯を中途半端に残してしまうと
逆に治療計画が難しくなってしまいます。

特に 抜歯後にインプラント治療を計画した場合、
ダメな歯を無理矢理残すとさらに問題が大きくなってしまいます。

例えば、下顎の右側の奥歯を2歯
のみ、
下顎の左側の奥歯を1歯のみ、
下顎の前歯部を2歯のみ
なんとか残せたとします。

そして、抜歯した欠損部には、インプラントを埋め込んだとします。

しかし、無理矢理残した歯は グラグラしているため噛むことはできません。
せっかく治療を行ったのに 食事が十分にできません。

また、無理矢理残した歯も 近いうちにダメになっていきます。

インプラントによって欠損部を治療したとしても
残した歯がダメになってしまえば、また欠損部ができてしまいます。

そして、また新たに欠損部にインプラント治療を行うことが必要になってしまうのです。

こうしたことを繰り返すとインプラントを埋入する本数もどんどんと増えていきます。

治療費も年々増加していくだけです。
治療もいつまでたっても終わりません。

また、最も問題なのは、残した歯が重度歯周病であった場合、
一度歯周病を治しても、現在の口腔清掃状態が続くと
必ず歯周病は再発してしまいます。

歯周病が再発するということは、
その歯に歯周病細菌が増殖するということです。

歯周病細菌は、天然歯だけでなく、
インプラントにも感染します。

そのため、あまりにも重度の歯周病の歯を無理に残すと
その残した歯自体が歯周病が再発すると
インプラントにも感染するリスクが高いのです。

インプラントも歯周病細菌に感染するとダメになってしまいます。

インプラントが歯周病のような状態になることを
インプラント周囲炎と言います。

患者様にとって抜歯ということは、非常にためらうこと(嫌なこと)ですが、
私達歯周病専門医 からすれば、
『この歯は徹底した治療を行えば、十分治る!』
『この歯は絶対に治らない!』
『ダメな歯を無理に残すと 逆に問題が大きくなる!』
といったことが分かるのです。

そのため、
歯を残すことで治療を複雑にしたり、
他の歯へ感染してさらに悪化させたり、
いつまでも治療が終わらなかったりすると判断した場合には、抜歯と診断します。

将来性を考えた 適切な治療計画がないと決して良い結果にはなりません。

こうしたことに 患者様はご理解していただけました。

患者様ご自身もほとんどの歯がグラグラで
指で触っても取れてしまう状況であることは十分に分かっていましたので、
患者様のご希望は、
『早く きちんと噛めるようになりたい!』
『 再治療を繰り返すようなことはしたくない!』
『将来的にも不安がない治療を行いたい!』
『審美的にも問題がない状態にしたい!』
『治療費も最小限にしたい!』
とのご希望がありました。

また患者様は、今まで義歯(入れ歯)を使用した経験がなかったために、
義歯への不安をかなり持っていました。

そこでまずダメな歯を抜歯し義歯(入れ歯)を作成することから始めました。
義歯は抜歯前に型を取り、作成しておきます。

そして、抜歯と同時(当日)に義歯を装着します。
歯がないという期間は1日もありません。

こうした抜歯した当日に装着する義歯のことを
即時義歯と言います。

そして、義歯(総入れ歯)になった状態で暫く経過をみていただきました。

義歯にはなかなかなれない状態でしたが、上顎はなんとか使用できるようでした。

しかし、下顎の義歯は違和感が強くまったく使用でいない状態でした。

そこで、下顎にはインプラントを埋入し、完全固定式のブリッジを作成する計画を立てました。
以下のレントゲンは、抜歯後のインプラント診査時です。
スライド7

インプラントの治療計画は、骨吸収等を考え以下のようになりました。
スライド8

以下のレントゲンは、下顎のインプラント治療が終了した後です。
スライド9

下顎は、完全固定式ですので もともと歯があった状態に回復できたのです。

患者様も何十年ぶりに、きちんと食事もでき、
審美的にも満足できると 非常に喜んでいただけました。

上顎については、このまま義歯のご使用に問題がなければ、そのまま使っていただきますが
ご希望により インプラントによる固定式のブリッジを作成することも可能です。

治療費
上記の症例をインプラントモニターで行った場合の治療費は以下になります。

インプラント   1本  160.000円(消費税別)
被せ物(白い歯) 1歯  100.000円(消費税別)〜 になります。
治療費をさらに抑える方法として 被せ物を金属製にする方法があります。
金属製の被せ物は、1歯 70.000円(消費税別)になります。

当医院のインプラント治療費用の中には、
治療中のレントゲン撮影や薬代、
土台(アバットメント) の費用、
仮歯 の費用、
治療経過のレントゲン撮影、
セラミック等の被せ物の費用、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法)
OAM(大口式)インプラントシステム
GBR法(骨増大法:インプラント埋入と同時の場合)
ソケットリフト法 の費用、
静脈内鎮静法(眠っている間に終了します) の費用も含まれています。
治療計画以上の追加費用はありません。
全て含まれた費用です。

このブログが始まって以来 毎週木曜日にアップしていましたが、
今年の4月から毎週 大学で講義を行うことになったため、
ブログの更新が不規則になると思います。
毎週ご覧になっていただいている方も多くいらっしゃるかと思いますが、ご理解いただければと思います。
できるかぎり毎週木曜日にアップしたいと考えております。

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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医

神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
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