最新インプラント症例:239回目

2015年 8月20日(木曜日)です。
このブログは「大船駅北口歯科 インプラント症例専門サイト」です。
『239回目のインプラント症例』になります。
本日の症例(再アップケース)は、骨吸収が非常に大きかったケースです。
最近は、本当に骨吸収が大きい患者様が多くいらっしゃいます。
骨吸収が大きくなるとインプラント治療は本当に大変になります。
また、治療費にも影響をしてきます。
歯が多数欠損していても 骨吸収が少ない場合には、
使用するインプラントの本数が少なくてすみます。
例えば、歯が4歯欠損しているとします。
骨の高さ や 幅 に大きな問題がなければ、
長いインプラントを埋め込むことが可能となりますので、
少ないインプラントの本数でも安定性は良いのです。
そのため、4歯欠損でも2本のインプラントで4歯分の被せ物を作製する
インプラントブリッジという方法が可能となります。
以下は、本日の症例ではありませんが、
インプラントブリッジの参考として見ていただきましょう!
以下の症例は、上顎に7歯欠損ありますが、
4本のインプラントで7歯分を支えるインプラントブリッジとなっています。
スライド32
次のケースです。
以下の症例は、下顎左側の奥歯が4歯欠損しています。
2本のインプラントを埋入し、4歯分の被せ物を行なう
インプラントブリッジとなっています。
スライド16
以下の症例は上顎前歯部が7歯分欠損しています。
4本のインプラントを埋入し、7歯分の被せ物を行う
インプラントブリッジとしました。
スライド19
次の症例は、下顎左右に3歯づつの欠損があります。
左右ともに2本のインプラントを埋入し、3歯分の被せ物を作製する
インプラントブリッジとしました。
右側は、インプラントブリッジの中でもカンチレバー という方法で対応しました。
スライド20
次にの症例もインプラントブリッジで対応したケースです。
上顎の奥歯の部分には骨吸収が大きいため、
骨の高さの少ない部分にはインプラント埋入を避けて、
インプラントの傾斜埋入 という方法でブリッジ対応しました。
スライド23
このようにインプラント治療は全ての欠損に対して、
インプラントを埋め込む必要性はありません。
骨吸収がさほど少なければ、インプラント治療も簡単になるだけでなく、
治療費削減にもなるのです。
それでは、本日の症例になります。
患者様は、上顎のブリッジ(天然歯同士のブリッジ)がグラグラして噛めないとのことで
来院されました。
以下が初診時のレントゲンです。
スライド01
奥歯が欠損していることもあり、上顎前歯部のブリッジには、
噛む力の負担が強く起こっており、グラグラな状態でした。
スライド02
グラグラな理由は、ブリッジの土台となっている歯が虫歯だからです。
スライド03
上顎の歯は、全て神経がない歯です。
このブログでも何度も神経のない歯のリスクについて説明してきました。
始めてこのブログを読まれる方のために
簡単に神経のない歯について解説します。
神経のない歯は もろく 通常の咬む力でも割れてしまうことがあります。
こうした状態を患者さんに説明する時に”木”に例えてお話しすることがあります。
生き生きとした木はたたいたり、蹴ったりしても折れたりすることはありませんが、
枯れた木は折れる可能性があります。
神経を取った歯も枯れた木と同じような状態になります。
神経のない歯は血液供給がなくなるためもろくなってしまうのです。
下顎も欠損が多くあります。
スライド04
上顎の歯は残せる状態ではありませんでした。
全て抜歯となります。
スライド05
以下は、抜歯後です。
スライド06
抜歯後の治療方針として、
患者様は、
義歯は避けたいので インプラント治療をご希望されました。
それでは、どのような治療方法になるのでしょうか?
いつものように 骨吸収の状態を分かりやすくするために
骨吸収の状態を線で書いたのが以下のレントゲンになります。
青線が骨吸収を起こすの骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
かなりの骨吸収が起こっているのが分かるかと思います。
スライド08
さらに わかりやすくするために、
骨吸収部位を赤色で表示します。
非常に骨吸収が大きいのが分かるかと思います。
スライド09
さらに問題なのは、奥歯の骨吸収です。
これが大変な状態でした。
以下の緑線は上顎洞という空洞です。
骨ではなく、穴が開いているのです。
いつもこのブログをご覧になっている方はもうすでにご存知のことと思います。
上顎洞の詳細は、以下を参考にして下さい。
上顎洞
スライド11
上顎の左右の奥歯は、骨の高さがまったくない状態です。
スライド12
このままでは、奥歯にインプラントを埋め込むことは不可能です。
どうしたら良いのでしょうか?
スライド13
このような場合には、上顎の奥歯の上顎洞の中に骨を移植することが必要になります。
サイナスリフト法(上顎洞底挙上術) と言います。
スライド14
このサイナスリフト法(上顎洞底挙上術) を行なえば、奥歯にインプラントを埋め込むことが可能となります。
スライド15
しかし、このサイナスリフト法(上顎洞底挙上術) は、かなり大変な治療です。
特に今回のケースでは、左右側とも行なう必要性がありますし、
移植する骨の量もかなり多くなります。
そのため、治療を受けられる患者様には、大変な治療と言えます。
また、
サイナスリフト法(上顎洞底挙上術) を行なうと
治療費もそれなりに多くかかります。

患者様に治療(サイナスリフト法(上顎洞底挙上術) )に対する説明を行なったところ、
「大変な治療は避けたい!」
とのご希望がありましたので、
サイナスリフト法(上顎洞底挙上術) を行なわない治療方針を考えることにしました。
スライド16
そこで奥歯には、インプラント治療を行なわないで
前歯部を中心としてインプラント治療を行なうことにしました。
スライド18
最終的なインプラント計画は、以下のようになりました。
スライド19
それでもインプラント治療には、困難を極めました。
前歯部も骨吸収が非常に大きく、骨の幅は、平均して約2〜3ミリ程度しか存在しない状態でした。
以下は、インプラントを埋入した後です。
骨吸収が少なければ、長いインプラントを埋入することが可能です。
そうすれば、インプラントの埋入本数も少なくすることが可能となります。
しかし、今回のようなケースではある程度の数のインプラントが必要となります。
スライド20
インプラント手術も 以下のような さまざなま治療方法を駆使して行ないました。
ソケットリフト法
GBR法(骨増大法)
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法)
OAM(大口式)インプラントシステム
PRP法
等です。

以下は、インプラント治療が終了した状態です。
スライド21
使用したインプラントは、
アンキロス インプラント
ストローマンインプラント(ITIインプラント)
です。

骨吸収が大きくならなう状態でインプラント治療を行なうことは、
治療費の削減にもなりますし、
治療自体も楽に行なえます。
現在インプラント治療を考えられている方は、
病状が悪化する前に治療を開始することが本当に大切です。
治療費
上記の症例をインプラントモニターで行った場合の治療費は以下になります。
インプラント   1本  160.000円(消費税別)
被せ物(白い歯) 1歯  100.000円(消費税別)〜 になります。
治療費をさらに抑える方法として 被せ物を金属製にする方法があります。
金属製の被せ物は、1歯 70.000円(消費税別)になります。
インプラントモニターの詳細は、以下をご覧下さい。
インプラントモニターは期間限定で行なっている制度です。
モニター終了後は通常料金となりますので、
ご希望される方は、お早めに受けられて下さい。
当医院のインプラント治療費用の中には、
治療中のレントゲン撮影や薬代、
土台(アバットメント) の費用、
仮歯 の費用、
治療経過のレントゲン撮影、
セラミック等の被せ物の費用、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法)
OAM(大口式)インプラントシステム
GBR法(骨増大法:インプラント埋入と同時の場合)
ソケットリフト法 の費用が含まれています。
このブログが始まって以来 毎週木曜日にアップしていましたが、
現在 毎週 大学病院で外来診療と講義を行うことになったため、
ブログの更新が不規則になると思います。
毎週ご覧になっていただいている方も多くいらっしゃるかと思いますが、ご理解いただければと思います。
できるかぎり毎週木曜日にアップしたいと考えております。
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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医
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