歯周病の治療
骨再生治療
歯周病は個人差はありますが、30~40歳になると発症します。1993年の歯周病罹患調査報告によると30歳代で約20%、50歳代で約40%の人が歯周病にかかっているという報告があります。歯を失う原因のほとんどがこの歯周病なのです。歯周病の進行状態については《歯周病の進行》のページを参考にしてください。
歯周病とは》でも書いてあるとおり、歯周病の原因は噛み合わせ・歯ならび・糖尿病等の全身疾患・喫煙・遺伝因子等が考えられますが、最大の原因は細菌の塊がひそんでいるプラーク(食べかすと細菌の塊)です。このプラーク中には1g中に約1億個の歯周病菌がひそんでいます。
歯周病の治療の前にポケット(歯と歯肉の境の溝)の深さの測定や、レントゲン等と同様に歯周病菌の検査を行うことも必要になってきます。
そうした検査を行い、個人に合わせた治療計画を立ててから歯周病治療を行います。
以下には歯周病で失った骨を再生させる治療法を紹介します。
(ほかの歯周病治療については《歯周病とは》を参考にしてください。)
GTR法(歯周組織再生誘導法:Guided Tissue Regeneration technique)
正常な歯周組織の図- GTR法は1982年、S.Nymanらにより発表された歯周病治療の新しい方法です。
これは歯の周りに必要な組織を再生させて、歯の支持構造をできるかぎり元の状態に戻すという方法です。
歯周病により失った骨や歯肉繊維はその原因であるプラークや、汚染組織を除去すれば再生しようとします。しかし、原因を除去した後、そのままであると治ってほしい骨や歯肉繊維が再生する前に“別の組織”がそこに入り込み、治ってくれません。そこで原因の除去後に“別の組織”が入り込まないように歯肉の下に “特殊な膜”を置きます。そうすることにより“膜”の下に必要な骨や歯肉繊維が再生します。
GTR法の開発当初は歯肉の下に置いたこの“膜”は溶けない材料であったため、再度“膜”を取り出す必要がありました。現在は“吸収する膜”が開発されたため1回の診療にて行うことができるようになりました。当医院で使用している“吸収する膜”はコラーゲンでできており、現在鹿児島で開業している児玉利朗先生をはじめとする再生治療研究所のメンバーにて研究、開発されたもので、再生治療研究所のメンバーである私もその研究を行ってきました。歯周病により失った骨や歯肉繊維を再生させる方法それがGTR法です。

GTR法の術式
- ※の歯に骨の吸収が認められます。
(両隣の歯の骨の位置と比較すると骨の吸収があるのがわかると思います)
- GTR膜を骨の上に置き、骨吸収部を覆います。この後歯肉が上に重なります。骨の上に膜を置くことにより骨が吸収した部位に歯肉が入り込まない状態をつくります。数カ月後、この膜の下で骨が再生しているのです
エムドゲイン法(歯周組織再生誘導材料:EMDOGAIN™)
エムドゲインはスウェーデンのビオラ社で開発された現在最も新しい歯周組織再生誘導材料です。エムドゲインの主成分は子供の頃、歯が生えてくる時に重要な働きをするたんぱく質の一種です。この歯周組織再生誘導材料を汚染組織を除去した後、歯の根に塗ることにより、歯の発生過程に似た環境を再現します。
その結果、骨や歯肉繊維を再生させます。

エムドゲイン®ゲル
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